【本】アンダスタンド・メイビー/島本理生

4120041670アンダスタンド・メイビー〈上〉
島本 理生
中央公論新社 2010-12

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4120041689アンダスタンド・メイビー〈下〉
島本 理生
中央公論新社 2010-12

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仕事一途な育児放棄気味の母親と二人暮らしの黒江は中学3年生。
あるとき、東京から転校生がやってきた。
東京なのに垢抜けてなくて、もっさりした印象の弥生(本では旧漢字)に、黒江は惹かれていく。
しかし、はかない恋は思わぬ別れを呼び、黒江は町の不良たちとつるむようになる。
一方、写真家の浦賀とファンレターのやり取りを通じ、カメラに興味がある黒江。
カメラマンを目指して・・・・。どこへ行くのか、黒江。



序盤、正直言えば一体どこが面白いのか分からず、まるで興味が持てなくて、挫折しそうになった。
弥生が「見える人」という設定も好みではないので、好感が持てず。
最初は我慢の読書だった・・・。
中盤から乗り始めて、下巻に入ったら加速して一気読みした。


特に中盤、弥生と別れて不良っぽい年上の人たちと付き合う辺りの描写は、ふた昔も前の少女マンガ、紡木たくの「ホットロード」を思い出した。そっくり!エピソードも「ホットロード」的だった。きっと島本さんもホットロードを読んでいたんだろうと思う。

弥生のことが本当に好きなのに、上手く伝わらず(弥生もなんだか若者らしくないので、性急な部分が一切なくて、二人の仲が進展せずじれったい)成長して伝わったと思ったら、今度はそれが黒江にとって辛くなったりと、すれ違うふたりが切なく感じた。しかし、肝心の黒江にはいらいらさせられた。恋愛体質と言うか、男にだらしがないというか、「男がいないと生きていけない」タイプの女で、本人的に無自覚なのが余計にこちらの嫌悪感を誘うのだ。
そして、また、母親が好きになれない。
根底には、黒江の、あるトラウマがある。本人は記憶から削除していて覚えてないのだけど、結果的に黒江を支配しているのが、その幼児体験なのだ。母親にとってもそれはどうにも動かしようがない出来事。
黒江は、その体験の「根本」と対峙しようとする。
強いなー・・。
私だったら・・・などとは、なかなか想像できないし、想像してみたところで白々しいだけだ。
以前読んだ「あなたの呼吸が止まるまで」も、同じテーマだった。
そこから立ち直り、成長していく主人公の姿にホッとしたいところだけど、こういうトラウマはちょっとやそっとじゃ直らないに違いなく、黒江も、まだまだ不安を残したままのラストになる。
読み終えたときには、今後の黒江をそっと応援したいし、黒江の撮った写真を見てみたいと思った。


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13:09 : [本・タイトル]あ行トラックバック(1)  コメント(0)

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2012/02/26(日) 18:11:30 | 笑う学生の生活