【本】闇のダイヤモンド/キャロライン・B. クーニー

4566024288闇のダイヤモンド (海外ミステリーBOX)
キャロライン・B. クーニー Caroline B. Cooney
評論社 2011-03

by G-Tools


この本もすごく面白かったんです!
海外のYA作品とのことで、海外小説が苦手でも、とても読みやすかったです。
「紛争ダイヤモンド」とか最近は呼ばれていますが、シエラレオネのダイヤモンドは「血のダイヤモンド」というべき、忌まわしいもので、レオナルド・ディカプリオ主演の映画「ブラッドダイヤモンド」にも登場しました。
この本は、舞台をアメリカに。そこで「血のダイヤモンド」をめぐって起きる騒動を描いています。
アメリカの一般家庭を舞台にしているので、映画よりも身近に現実的に感じられる気もしました。
読み終えたときの感動は・・・。
ぜひともおススメしたい。




17歳のジャレッドの家、フィンチ家では、アフリカから来た難民一家を受け入れることになった。
教会の熱心な会員である両親が(というか母親が)決めたのだ。
難民の両親は一部屋に住んでもらうけれど、難民の長男はジャレッドの部屋に、妹のほうはジャレッドの妹モプシーの部屋に居候することになった。
お気楽なモプシーと違いジャレッドは難民一家を快く受け入れることが出来ない。
やってきた難民のアマボ家は、どこか不自然だった。
そして、不必要にびくついているように見える。
その原因は・・・・。


アマボ家の父親アンドレには両手がない。内戦で敵の兵士に両腕を切り落とされたのだ。
マトゥ(アマボの長男)は鉈で切られた傷があるし、妹のアレイクは何らかのショックでものが言えない。
平和に暮らすことが当然のアメリカの子どもたちは、アフリカからやってきた一家の抱えているものの重さに驚く。
逆に、アフリカからやってきたマトゥはアメリカのいわゆる平和ボケのような生活に驚く。
モプシーが、「宿題はサイテー」というようなことを言うが、マトゥには「宿題が最低の日常とはなんと素晴らしいのか」と思う。
両者の隔たりが興味深いし、痛々しいと思う。

この物語はやっぱり、口が利けなくなったアマボ家の妹アレイクの物語かもしれない。
彼女がどんなひどい目に合ってきたか。
そして、いまの家族からどれだけ孤立しているのか。
涙も出ないほどの辛い思いが切ないのだ。
結果、口が利けないだけではなくまるで「生ける屍」のようになってしまっているのだ。
そんなアレイクの心を溶かしていくのはモプシーの天真爛漫さ。
妹のモプシーが、ジャレッドはうっとおしくて仕方がないのだけれど、読んでいくうちに、私はモプシーが大好きになって行った。明るくて思いやりがあって親身になれる女の子。
アレイクの心に届かないわけはない。

実は、この一家はダイヤモンドを持ち込んだ。
そのダイヤモンドは「血のダイヤモンド」だ。今は「紛争ダイヤモンド」と別名を取ることで、表現を和らげているらしい。
紛争ダイヤモンドとはシエラレオネなど内戦地域で産出されるダイヤモンドをはじめとした宝石類のうち、紛争当事者の資金源となっているもののこと。
そのダイヤモンドをめぐって、アマボ家に追跡者が登場する。
それがとんでもなく恐ろしい人物だ。アメリカの平和な家庭に育ったジャレッドやモプシーには想像も及ばないのだ。
そのためアマボ一家だけではなく、フィンチ一家にも魔の手が迫る
そのサスペンスもドキドキで息をつかせない。
ここで最後まで言わないけれど、最後は泣けた。

これがYAで、中高生対象で大人の目にとまりにくいとしたらもったいない。
中高生ももちろん、大人も充分読み応えある作品と思う。
おススメ。


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