【映】ブラック・スワン

ブラックスワン


プリマドンナを目指すバレリーナたちの女の闘い。嫉妬と野望が渦巻く中で、プリマに抜擢された主人公のトゥシューズには画鋲が忍ばせてあったり、衣装をずたずたにされたり・・・・・・という、定番の?ストーリーを思い浮かべていたら、とんでもない!
嫉妬も野望もあることはあるけど・・・・違っていました。
ナタリー・ポートマンすごいです。熱演に圧倒されました。とても演技とは思えない迫力。まるでニナがそこにいるように、画面を見つめてしまいました。白鳥から黒鳥へ・・・・凄まじいまでの変貌は圧巻でした。
正直に言えば、先に書いたように「定番中の定番」みたいなストーリーだったらもっと分かりやすく、感情移入も出来たと思うのですが、これはそう言う類の映画じゃない気がする。
個人的に正直言えば大絶賛!と言うことはないのだけど、不思議な余韻が残る映画でした。


以下 内容に触れます。


ちまたでは「心理サスペンス」とか「心理スリラー」って言われているけど、私はそれもちょっと違うんじゃないかな?と思った。どっちかって言うと「妄想サスペンス」とでも言うか。
ニナが主役に抜擢されてから、その重圧で精神的に尋常ならざる状態に陥っていく・・・その過程が描かれています。
いろんなことがニナに対して起きるのだけど、どこまでが現実でどこからが妄想なのか、ニナ本人にも観客にもわからない。
ほとんど妄想によって盛り上げられている展開なので、もしも、このストーリーから「妄想」を取っ払ってしまったら、ほとんど何も起伏がない、ただ公演に向けて準備するバレリーナの鬼気迫る姿だけが残るのじゃないだろうか。きっといたってシンプルすぎる物語になるんだろうな。
だから、その点で、たとえば団員同士の確執とか、逆に友情とか、嫉妬のぶつけあいとか、あるいは指導者とのロマンスとか(まぁ山岸凉子「アラベスク」みたいにね!)・・要するにありきたりな要素が入っているほうが「分かりやすい」し、共感が持てると思ったのです。
一言で言えば、この映画は「ニナの独り相撲」と言う感じではないかな?
しかし、つまらなかったか・・というと、決してそうではなく、全編のめり込むように観させられました。
ニナの人物描写にとても興味がわいたから。
とても美しく実力もある、主役をやりたい、でも、いざその主役になったら今度はそれに押しつぶされそうなほどか弱い精神。それはきっと母親との関係に起因するんだろうな。過保護で過干渉な母親、その庇護から抜け出したいと願いながらも、結局はとどまってしまう。(ちなみに、母親がケーキを捨てようとするシーンは、ロバート・レッドフォード監督の「普通の人々」を思い出した)
先生からは「殻を破れ」と言われてもその方法がわからないし、出来ない。
真面目で型にはまり、はみ出すことが出来ず・・・でも、心のどこかでそんな自分に嫌気が差していたのでは?。
今の自分を閉じ込めているものから、開放されたいと思っていたのでは。
好対照の性格を持つライバルのリリーは、きっと彼女の憧れだったんだと思う。こんな風にやってみたい、と言う気持ちがあったのでは。自分にないものを持っている人間に対して抱く嫉妬や嫌悪感と、憧れる気持ちが同居していたのでは。
美しいのに、ちっともセクシーではなく、誰もが彼女に邪な気持ちを抱かない。乾いた女って言うか。
(実際のナタリー・ポートマンはそんなことはないので、演技するすごさを感じました。)
そう言う何もかもが全て、主演に抜擢されたことから自分の中で膨れ上がってカオスになってしまったのかなー・・。
最後にニナは舞台で大成功を収めます。でもその代償は・・・。
ひたすらナタリー・ポートマンのための映画・・・そう感じました。


★★★★


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10:30 : [映画タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(2)
私はホラーとして観ていましたが、「○×ミステリー」に「なるほど」と、うなづきました^^
私もどこまで現実でどこまで妄想なのかわからず状態でした。美しく、幻想的なバレエ物語は私も山岸さんワールドのように感じました。

2011/06/03(金) 11:11:21 | ラム │ URL | [編集]

皆さん大絶賛だけど、個人的にそこまで好みの作品ではないですけどね・・
見入ってしまったけど。
よく女版「レスラー」と言われているようだけど
私としては「レスラー」のほうがよかったなぁ。
分かりやすいもん(^_^;)

2011/06/04(土) 11:53:00 | short │ URL | [編集]

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