【本】ブラックランズ/ベリンダ・バウアー

4094085505ブラックランズ (小学館文庫)
ベリンダ・バウアー 杉本 葉子
小学館 2010-10-06

by G-Tools


図書館の新刊コーナーにあったので借りてみた作品です。

主人公、スティーヴン12歳。祖母、母、弟との4人家族。
その祖母は、叔父のビリーが子どもを狙う連続殺人犯に殺されてしまってから、心を閉ざす。そしてまたその祖母に愛されずに育ったために、スティーヴンの母も愛情薄い。
家の中の空気が冷たくぎすぎすしていて、なにかと自分にとって辛いのは、きっとビリーが殺されても遺体が発見されず、事件が過去のものになっていないからだ・・と感じているスティーヴンは、ヒースを掘り返してビリー叔父さんの遺体を発見しようとしている。
そんなスティーヴンが、服役している殺人犯(ビリーたちを殺した連続殺人鬼)に手紙を出した。ビリーの遺体があるところを知っているのは、殺人犯だけなのだから・・・。


最初のうちは、遺体を掘り起こしてビリーを見つければ家庭内の雰囲気が改善されるというスティーヴンの考えに、ちょっと疑問を感じた。スティーヴンは温かい家庭になってほしい、おばあちゃんにもお母さんにも優しくなって欲しい・・という一心なんだけど、その理由で「遺体発掘」とは飛躍しているような気がしたんです。
でも、物語が進むうちに、スティーヴンの境遇があまりにも気の毒で、(家では愛されず、学校でも苛められ、唯一の友達のルイスもまた、決して手放しで歓迎できそうにない部分がある友達で)スティーヴンに同情したし、応援する気持ちになっていった。
12歳の子どもと死刑囚の暗号めいた文通にしては、意味深過ぎて、こんな風に上手く意思が通じ合うものかと、一瞬は思ったけど、12歳にしては、スティーヴンはよく読書し(その理由もある)読書年齢が高いし、そう言う意味ではかなり読解力や推理力があるとみて自然だった。それだから、やっぱりこの二人のやり取りが始まってから、一気に面白さがまして釣り込まれるように読んでいきました。
あとはドキドキハラハラの連続で、一気に読んでしまった。
ともかくスティーヴンがいじらしい。なんとかこの子がいい境遇になるように・・・と。
途中登場する、母親の恋人に寄せる父親に対するような思慕なども、すごく可愛くて健気で不憫だった。

偶然手にした本にしては、かなり面白く読めた。満足!





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