【映】扉をたたく人

B002QBT2UK扉をたたく人 [DVD]
東宝 2009-11-20

by G-Tools


地味な作品でしたが、色々考えさせられて心に訴えるものがある、良い作品でした。

主人公のウォルターは大学教授。妻に先立たれてからは惰性のような生活。大学の授業もおざなりで、死んだようなどろんとした余生に突入している感じです。
あるとき大学側から強引に学会で論文を発表するように命じられ、しぶしぶ学会の開かれるニューヨークへ。
そこにはかつて自分が妻のいた頃に暮らしていたアパートメントがあるのですが、久しぶりに入ってみるとまるで知らない若者が入居しており、鉢合わせしてしまいます。
若者夫婦はすぐに出て行ったのですが、行くあてのない彼らを不憫に思い、ウォルターは「しばらくの間、ここにいてもいい」と言ってあげるのです。
そこから3人の奇妙な同居生活が始まり、若者タレクの、屈託のない純粋で善良な部分と、ミュージシャンである彼の演奏する「ジャンベ」を習い始めたことにより、急速に二人の間には友情が芽生えていくのです。
そんなあるとき、駅でほんの些細な手違いからタレクが警察に拘束されてしまいます。手違いだからすぐに釈放されるよ、と、ウォルターはタレクの彼女をなぐさめるのですが、彼女の口から出た言葉は・・・・。


映画の中では、本当に面白みもない、ブスーっとしたおじいさんのウォルターが、タレクとの出会いによって徐々に心を開き、「楽しそう」になっていくのが、すごく見ていて面白い。こっちも「そう、そうだよ、ウォルター。楽しくやろうよ」と声を掛けたくなるようで。ストリートミュージシャンなんて、勇気が要るようなことにも挑戦していく姿、自然にリズムを刻むようになっていく姿、それがまぁ上達していくこと!そんな姿は、時々くすっと笑えるほのぼのとしたものでしが。
でも、タレクの拘束以後はあまりの理不尽さに見ているのも辛いほど。
それをウォルターが親身になり、そして真剣になり・・・静かでひっそりと暮らしていたウォルターが、楽しみを取り戻し、そして熱い男になっていったんです。
なんとかならないのか?なんともならないものなのか?
9.11という日から、アメリカでどれほど危機感が増したか、それはテロに狙われたことがない私には想像がつきませんが、「正義の行方」を見たときにも感じた、偏見を生み出す恐ろしい思想も、その危機感が生み出したのはある意味仕方がないことなのかもしれません。
タレクの母親が、会えなくてもせめてタレクのそばにいる・・とやってきてからの生活は、一見希望があるようにも見えました。
みんなで幸せになるのだと、そんな予感があったような気がします。
あまりに切ないラストには、絶句してしまいましたが・・・それでも、なお、ジャンベをたたくウォルターの姿に、心から応援したくなるようなそんな物語でした。

★★★★☆
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11:44 : [映画タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(0)

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