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【本】西南シルクロードは密林に消える

西南シルクロードは密林に消える (講談社文庫)
西南シルクロードは密林に消える (講談社文庫)高野 秀行

講談社 2009-11-13
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ビルマ・アヘン王国潜入記」と同じぐらいに「まじめで」(失礼!)読み応えがあり、相変わらず面白く、個人的に高野本2トップ。

シルクロードって何本かあったらしく、知名度の高い北方シルクロードのほかにも砂漠を通るルートなどもあり、今回高野氏が挑んだのはタイトルのとおり中国成都からインドにかけて、中国の西南部を通る一番古いシルクロード(と言われている)で、戦後誰も通ったことがない(らしい)。
「世界で一番誰にも知られていない一番古いシルクロード」を「世界で初めて陸路踏破する」という計画を立て、実行に及んだ一大旅行記なのです。
申し訳ないけど、読みながら「なんと人騒がせなことをするんだろう」と思ってしまった。
西南シルクロードと言っても、今そう言うルートが残ってるわけじゃなく、中国→ビルマ→インド・・と、入国許可証さえ持たず現地のゲリラ頼みでジャングルを歩いて道なき道を行き山を越え国境を越えていくんだけど(全行程歩いたわけじゃなく、たまにはクルマやボートやゾウ!も使っている)、その一行は時には30人ほどにもなったみたいで、あるいは学術的な研究とか、国から拝命されたとか、そう言う大義名分でもあればよかったけど、これが高野さんの酒の上の席での思いつきって言うんだから、やっぱり人騒がせと思ってしまいます。それも4ヶ月掛かったって言うし・・呆れるやら感心するやら。
でも、これがもう、夢とロマンのぎゅーーっと詰まった4ヶ月の紀行文なんですね。
「3000年前」なんて一言で言うけれど、100年200年の差異なんていくらでもあるだろうし、道が通じたのだって何百年もかけて・・でしょうし。。今は道なんて、重機などを使ってあっという間に出来てしまうけど、それでも、時間と手間と人手はたくさん必要だし、それが現代でもそうなんだから、3000年の昔だったらどれほどだろうと思います。
クルマも飛行機もない時代に、それこそひたすら歩いて歩いて・・ジャングルを切り開いて、人々が東から西へ、西から東へ「文明」「文化」を運んだなんてちょっと思ってみるだけでも壮大なロマンです。
そこを、高野さんたちは例のごとく「大丈夫かいな!」と心配ではらはらさせてくれつつ、進んでいく。
偶然やラッキーがドラマティックに重なったりもして、本当に面白くて楽しい一冊でした。当事者たちのことを思うと「面白い」なんて言えないんですけどね。
私が高野さんの好きなところは、ともかく博識で本を書くに当たり調べてから書いていると言うのももちろんあるだろうけど、その場その場でもちゃんと知識を持ってるし、言語もレアな現地の言葉なんかをよく使える。その土地へ行くために土地の言葉を習ったりするらしい。そう言う「賢さ」に萌えるし(笑)それも、現地の人たちと自分の言葉で喋りたいし、コミュニケーションが好きみたいなんですよね。心の温かい人なんだろうなぁって言うのが本からも伝わるんです。第一印象で好きじゃないと思っても、結局自分から積極的に話しかけたりして、第一印象は誤解だったとわかったり、読んでるほうも高野目線になってその人が好きになっていくし。
「ビルマ・アヘン王国潜入記」なんかは最後もう泣けてしまったけど、今回も結構じーんとさせられました。
「人騒がせな旅」と言う気持ちもあるけれど最終的には高野さんが「西南シルクロード」の正体を考察していて、すごく納得させられたし、やっぱり歴史的にも意義のある旅だったんじゃないでしょうか。

「文庫版へのあとがき」も必読!
単行本だけでは「その後どうなったの??」って気になる部分が絶対にあるので。






※全然関係ないけど成都ってパンダで有名ですよね。ちょうど今夜にも「比利」くんと「仙女」ちゃんがやってきます。




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