【本】裁判百年史ものがたり/夏樹 静子

4163723307裁判百年史ものがたり
夏樹 静子
文藝春秋 2010-03

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大津事件、大逆事件、帝銀事件、松川事件、八海事件、永山裁判など、歴史に残る事件、その後の裁判に影響を与えた事件など12の裁判を取り上げ掘り起こす。著名な事件で書物になっている事件も多いけれど、端的にまとめてあるので事件の概要を知るのに適した一冊と思います。特に「帝銀事件」や「松川事件」「八海事件」などなど、自白重視の取調べによって生まれた冤罪事件についてもあらためて知ることが出来ました。
昨年は永山則夫について書かれた「死刑の基準」を読み、すごく感銘を受けましたが、そちらにはあまり書かれていないことも、こちらには書かれているなど、視点や切り口が違うと新鮮な感じがしてこちらも多面的な視点を持つことが出来るように思いました。
特に、犯罪被害者の理不尽な被害について書かれた最終章は必読です。
事件は、平成9年に起きました。当時、世間を騒がせた事件のひとつ、山一證券幹部による総会屋への利益供与事件。この事件で弁護士をしていた岡村さんの奥さんが、逆恨みから殺されると言う、本当に理不尽な事件です。
その事件そのものは大きく取り上げられ記憶にも残っているのですが私の記憶力では当然詳しくは覚えてません、すみません・・・が、なおさらその後のことは知りませんでした。
岡村さんは奥さんが殺された事件の被害者家族としての、司法的な立場のあまりの弱さに驚いたそうです。
圧倒的に加害者側が人権を認められているのに、被害者には何のサポートもない。
岡村さんのように司法に関わる仕事をしていても被害者にならなければ苦しみは分からないと言う言葉に、犯罪が人に与える苦しみの深刻さを思い知らされました。
そこから「全国犯罪被害者の会」の発足、被害者側の「権利」を獲得するまでには、きっとここに書かれた以上に苦労や紆余曲折があったと思うのですが、この章を読んだだけでも伝わるものがありました。
それから、「尊属殺人」の章で書かれた事件。同じ女性としてすごいインパクトです。
あまりにも酷い事件で驚くばかりです。(他の本でも読んだはず)
司法が人のために変わっていくには、こういった「犠牲」がつき物だろうと思うと、なんともやり切れません。

くまま様にお借りしました。重量感のある本で、読むのに時間が掛かってしまい長らくお借りしました(^_^;)
もうしわけありません、ありがとうございました。
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11:27 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(2)
読んでいただいて、ありがとうございました。一度読んで、すぐに読み直したくなる本は、皆無といってもいいくらいなので、気が向いたときに、読んでいただけるのが最高ですので、どうぞ、お気になさらないでください(⌒-⌒)。読みやすく、判りやすく、力作でしたよね。

2011/02/15(火) 14:43:48 | くまま │ URL | [編集]

こういうノンフィクションは大好きです!!ありがとうございました。
手堅い文章で、夏樹さんさすガーと思いました(ちょっと上から目線のようなコメント?
(笑)

2011/02/21(月) 15:28:32 | short │ URL | [編集]

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