【本】天国旅行/三浦しをん

4104541060天国旅行
三浦 しをん
新潮社 2010-03

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読みすすめていくまで分からなかったんですが、ふっと気付けば「死」がテーマなのか・・と。
いやいや、実は「心中」がテーマの短編集でした。

「森の奥」
富士の樹海で首吊り自殺をしようと思った男が失敗→生き残り・・それを発見してくれた男と同行することになりますが・・・?
一体男の正体はナンだったんだろう?

「遺言」
やっぱりあの時死んでおけばよかったんですよ・・・と何度も繰り返す妻との生活。
妻との想い出の中に、主人公の人生があります。
夫婦の形のひとつ。

「初盆の客」
ウメばあさんの初盆に訪れた若い男性客。留守番をしていた、私(ウメばあさんの孫)に向かって「あなたと僕はいとこだ。実はウメばあさんはあなたのおじいさんと結婚する前に、私の祖父と結婚していたのだ」と唐突な話をするのですが・・・。
初盆という、あの世とこの世が境界をゆるめる感じのある時期にやってきた、不思議な客の幽玄的な話。

「君は夜」
昼間の自分と、夜中の自分がいる主人公。実は夢の中でもうひとつの人生を生きている。
夢と現実の境界が段々と近づいてしまうと・・・。

「炎」
目立たぬ存在の女生徒の私。憧れの先輩がある日、学校で焼身自殺をした。
先輩の彼女と私は、自殺の真相を探り始めるのだが・・・。

「星くずドライブ」
いきなりユーレイになってしまった恋人と生きる男の話。

「SINK」
子どもの頃から仲が良く、ワケありの悦也にたいして何かと親切に世話を焼く悠助は、大人になってもやっぱり身近に存在して、色々と世話を焼いてきた。
一見親友のように見える二人だけれど、その心底には何があるのか。。


どれも少し不思議な話で、その世界にどっぷりと浸かります。ユーレイのような怖いものじゃなくて、とっても身近な感じがする、本の少しの恐怖。
私が好きなのは「君は夜」「星くずドライブ」「炎」など・・。
しかし、実はどの話も読者が知りたいことがイマイチぼかされていると言うか・・。
真実は何だったのか?誰がそれをしたのか?結局、どうなったのか??という、肝心のポイントがぼかされています。わざと?ですよね?だからこそ、読後に不思議な余韻があるんだと思います。

くままさんにお借りしました。ありがとうございました!



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10:37 : [本・タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(2)
しをんさんは、本当に引き出しをたくさん持っている作家さんですよね。
明るい作品も得意だけれど、思いっきり底が暗いものも書ける人なので、楽しみです。でも、又、オバカなエッセイも読んでみたい(笑)。

2010/10/17(日) 15:47:42 | くまま │ URL | [編集]

実はしをんさんの小説は初めてでした。
陰鬱な感じが後に残るんだけど、どこかほっこりする部分もあって
楽しめました!
ありがとうございました(^ω^)
お馬鹿エッセイ、笑わせてもらいますよね!
私もまた読みたいです。

2010/10/20(水) 10:37:36 | short │ URL | [編集]

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