【本】心の砕ける音/トマス・H. クック

4167527847心の砕ける音 (文春文庫)
トマス・H. クック Thomas H. Cook
文藝春秋 2001-09

by G-Tools


殺された弟、同じ日に消えた弟の恋人。
兄は、弟の恋人を追い続ける。
その果てにあるものは・・・・!

「記憶シリーズ」とは、くくられていないようですが、私は記憶シリーズではないか?と思いながら読みましたよ。それほど、現在と過去が交錯して、現在の事件を調べていくうちに(物語が進むうちに)過去が明らかになっていくという形が似ているからです。
今回も、最初のうちには「輪郭」すらもはっきりせず、「全貌」が見えるまでがとても長く、頭の中の「?」をひとつひとつなくしていくという読書スタイルでした。

主人公の弟が死んでいて、犯人がその恋人だと思う兄は、消えたその恋人の跡をたどって奔走します。
真相に近づくにつれ、兄の気持ち、感情などが明らかになっていく、それが、じれったくてイライラしてしまうのですが、その分読者にダイレクトに伝わってきます。
最初は一見幸せな4人家族だったのだけど、感情のもつれがあって分裂してしまいます。家庭内のもつれと言うのは、それはどこの家庭にも多かれ少なかれ存在するものなのかも知れませんが、愛するがゆえに苦しんでしまうと言う矛盾が、良く分かる気がして胸苦しくなるようでした。
謎の女ドーラをめぐって、弟に対する兄の気持ちの変化も読み応えありました。
安易なロマンスではないのが余計にロマンスを感じさせました。

事件そのものの真実は、それほどたいしたことはないと思ってしまったのだけど、別の「真実」には相変わらず驚かされてしまいました。今回もやっぱり「やられた!」と思わせてくれました。
スポンサーサイト
12:52 : [本・タイトル]か行トラックバック(0)  コメント(0)

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可

トラックバック

この記事のトラックバックURL