【本】死の記憶/トマス・H・クック

4167254425死の記憶 (文春文庫)
トマス・H. クック Thomas H. Cook
文藝春秋 1999-03

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この著者の作品は、最近知って読み始めたばかりのビギナーです。
だからか、ともかく話に入り込むのに時間が掛かる。
なにしろ、最初は何がどうやら全然わからないから。
事件の概要が見えるまでがけっこう時間かかってしまうんですよ。
はっきりと輪郭が見えてくるまでは、読書に熱中できません。
やっと3分の1ぐらいで本格的に読めるようになってきましたね。
その輪郭というのは、主人公が9歳だった35年ほど前に起きた事件。
主人公の父親が、何かをしたらしい。
その対象が、主人公とその父親の家族だったらしい。
大事件だったらしい。
そして、ある女性ライターが事件の取材にやってきて、主人公は成り行き上ではあるが、事件と向き合い、今まで考えないようにしてきたはずの「過去」「事件」を掘り下げることになった。
そして浮かび上がる真実とは・・・・・。

という物語なのですが。

著者の作品は「夏草の記憶」「緋色の記憶」に次いで3作品目。
初心者なので、どの本が先に書かれたかとか考えずに読んでいます。
「夏草」「緋色」どちらもとても面白かったのですが(陰気な話だけど、その陰気さが好きですよ)今回も、面白いことは面白いんだけど、先に読んだ2作品よりは落ちたかな?
というのは、主人公がライターの導きで過去を思い出していくのですが、35年も前のことってそんなに簡単に思い出せるものか?これは、割とどんな小説でもそう言う設定の場合は、疑問に感じることなのですが・・。
昨日のことも思い出せない身としては、当然疑問に思ってしまうのです。
たしかに昔のことは良く覚えているとは言うけどね。
私も、祖母が死んだとき、ちょうど9歳ぐらいでした。この主人公と同じ年。
そのシーンはとても印象に残っていて覚えています。だから印象的なことは何年たっても良く覚えているというのは分かる。だけど、その前後とか、その当日の朝に何がありどんな会話をしたとか・・・
はたして細部まで覚えているのだろうか?
それに、閃くように思い出すシーンがあったとしても、今回は事件と無関係じゃない?と思われることまで書かれてて、読者サービスなのかもしれないけど、ちょっと余計なことまで書いてある印象を受けてしまいました。
それでも、結末は他の物語と同様に、なんと考えていいのかわからなくなるような、やりきれない結末で・・私は好きですよ。

以下、すこしネタバレ


主人公は、憧れを失ったその代わりに、失くしたと思っていた別の愛情を手に入れたんですね。
でも、自分にとって大事なものは、父親同様失くしてしまった。
因果な結末でした。

うーむ・・・多分こんな書き方では、時間がたったら「あの結末はどうだったっけ」と思い出そうとしても思い出せないだろうなぁ・・・・
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14:05 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

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