【映】オアシス

B00068X5HQオアシス [DVD]
イ・チャンドン
バンダイビジュアル 2004-12-23

by G-Tools




ずいぶん前に見た映画ですが・・・・
韓国映画です。いろんな賞を取ってるらしい。
さもありなん、素晴らしい映画でした。

↓ネタバレ少々あり








脳性まひの女性と、前科3犯のロクデナシ男との風変わりなラブストーリー・・・・と、大まかに言えばそんな感じ。
だけど、日本ではこんな映画、作れないだろうなぁ。
凄まじいですよ。
ビックリしました。

人間は(私は)、少しの情報と第一印象と思い込みで、他人のひととなりとか物事を、全て何もかも判断している、ということをど真ん中に突きつけられた気がしました。
映画の中で主人公たちを取り巻く人たちは、こちらから見ると「わからずや」みたいなのばっかりなんですけど、自分もあの中にいたら間違いなくその「わからずや」になるはず。

「こんな子を相手にそんなことをするなんて、けだもの!」
みたいなせりふがあったけど、その発想自体が差別だということが、本人たちには全然分からないのですね。
自分の理解の範疇、自分なりの物差しでしか、物事を判断できないということが、結果的にどれほど傲慢なのか。
そして自分もその傲慢さを持ってるんだと、言われてるような・・。



主演二人の演技がとにかく素晴らしくて、というかリアルで、圧倒させられました。


男はバカです。イライラさせられるほど。
映画の冒頭からバカで、最後もやっぱりバカだったけど、でもその「バカ」が、最初と最後では全然違っているのです。
見終えて自分が、恥じ入って頭が下がってしまうような、それでいて清清しく感じられるような、希望が見えるような素敵なラストもよかった。
ちょっと「潜水服は蝶の夢を見る」みたいな部分があったかな?私はこちらの映画のほうが100倍くらい好きです。
「シークレット・サンシャイン」の監督と同じだそうです。


さらにネタばれで・・・・


冒頭、服役を終えて出所する主人公の様子は、あまりにも情けなく、好感のかけらも持てません。
家族にもつまはじきで、兄の奥さんからは「アンタがいないうちは心安らかに暮らせた」みたいなことを言われてしまうんだけど、前科3犯ともなれば家族がそう思うのは当然だ・・と、共感してしまう。
最初に、自分が死なせてしまった人の家族に会いに行くなんて、無神経だなーとまず思うし、結局その娘である障害者に暴行しようとしてしまうところでは、完全に主人公に対して「悪人だ」とレッテルが貼られ大嫌いになってしまうんですが・・・
だんだんと、この人が本当にその障害のある娘に対して、真心がこもった世話をしているのを見て、観客の心に「?」が生まれます。「あれ?結構イイやつなの?」・・・。
合間合間に見せられる主人公のだらしなさや、生活能力のなさ、情けない姿にやっぱりガッカリしながらも、どこかで「いいヤツかもしれない」と思えてくる。
主人公側のパーティーでは、家族に彼女を疎んじられながらも、堂々と連れて行く。
そのとき、ひとつの真実が観客に知らされます。
なんと、じゃあ、主人公は前科3犯じゃないじゃないか・・。
ラストにも結局彼は、彼女への暴行と言う罪を着せられて服役する。。これで、世間的には前科4犯です。。だけど、観客はその4のうち2は「違う」と知っている。
じゃぁひょっとして、2のうち1つはまた違うかも・・。2のうち、2も違うかも?
どこまでが本当に彼が犯した罪なのか?
どこまでが彼の本当の姿なのか?
一見、どうしようもない悪人に見えた主人公への、印象って言うのが、実は思い込んでしまった先入観によるものだと段々分かってくるんですよね。
ふたりが純粋に愛し合っていても、世間はそれを認められない。
なぜなら「自分だったら・・・」と思うからです。
そこに傲慢な思い込みがあるということに気付かないのです。
観客である私にも「傲慢」があるだろう、と、思い切り指摘されてしまうような作品でした。

また、彼女の心の中の「自由」を求める心にもはっとさせられました。
彼女の気持ちを想像すると(想像は及ばないだろうけど)いろんなことを考えさせられました。
バカだなー、主人公。なんでちゃんと説明しない?その辺あまりにも口下手でイライラさせてくれる・・・・
でも、それが彼の一種の「よさ」なんですよね。

彼が自分に出来ることで、彼女への愛情を表現している部分や
最後の手紙には胸が熱くなりました。


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16:05 : [映画タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(0)

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