FC2ブログ

【本】誘拐逃避行―少女沖縄「連れ去り」事件/河合香織

4104690023誘拐逃避行―少女沖縄「連れ去り」事件
河合 香織
新潮社 2007-12

by G-Tools


ちょっと久々?事件モノ。
事件は今から7~8年ほど前。9歳の少女が47歳の離婚歴のある男性に誘拐され、沖縄で少女は保護、男は捕まった。しかし、少女が口にしたのは「帰りたくない」という驚くべき言葉でした。少女は家で虐待されていたのではないか、そのため男を利用して逃避行を図ったのではないか、誘拐ではないのではないか?
著者は当初、この小さな少女が取材を進めるうちに男よりも優位に立ち、子どもらしからぬ罵倒や命令で男に指図する立場であったとあたりをつけるのです。その線で取材を進めていくのですが・・・。獄中の男とも手紙のやり取りをしています。
しかし裁判が始まって、驚くべき事実が明らかになります。
それは取材を重ねた著者や弁護士など支援者たちを裏切るものでした。。。。。

読み終えて思ったのは、今までこんなにもやもやする気持ちが募るばかりのノンフィクションを読んだことがあったか?ということ。。。
大抵のノンフィクション、事件モノは、事件の真相がたとえ明らかになっていなくても、どこか自分的に事件の真相に近づけた気がするものです。そうでなくても、被害者には無論のこと時には犯人に同情してしまったり、という感情が動かされたりするものです。
が、この本は違う・・。読めども読めども、真相が分かっても、全然分からないのです。
何が分からないのか?ひょっとしてそれすら分からないのかも知れません。
少女はいったい家族から虐待を本当に受けていたのか?
父や母に見捨てられた哀れな生い立ち・・・それだけで、こんな性質になってしまうのか?
男はいったいどういうつもりで少女と関わりあっていたのか?
なぜ、少女にみだらな行為をしたのか?ロリコンだったのか?
何もかも分からないのだけど、一番もやっとすることは、解決の糸口がまったく見えてないことです。
男が逮捕され、少女が保護されるとしても(結局家に帰ったらしいですが)その解決が表面だけに見えてしまうのです。少女の根本的な問題も、男の根本的な問題も、なんにも解決されない。
男が出所すれば少女の下へ行くだろうことは明白。
そして、男が来なかったとしても、少女がこの男との関わりを絶ったとしても、別の「男」が出現するだろうと思われる。また9歳であれば、男が法律違反を犯したことになって法の手にゆだねられるけど、少女が歳をとっていたら?歳をとれば問題は解決するのか?
などなど、ともかく、何にもすっきりしないまま本を読み終えました。
こんなに気持ち悪い読書も珍しい。
作者のせいではなく、事件の性質のせいなのですが・・・・。

スポンサーサイト



23:16 : [本・タイトル]や行トラックバック(0)  コメント(0)

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可

トラックバック

この記事のトラックバックURL