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【本】サラの鍵/タチアナ・ド・ロネ

4105900838サラの鍵 (新潮クレスト・ブックス)
タチアナ・ド ロネ Tatiana de Rosnay
新潮社 2010-05

by G-Tools


第二次世界大戦中の1942年7月、フランスではユダヤ人の一世大検挙が行われた。
「ヴェルディヴ」と呼ばれています。
捕らえられたユダヤ人たちはほとんどが強制収容所に送られ、生還できた人は一割ぐらいだったようです。
その一斉検挙を行ったのは、ナチスではなく、フランス警察だったとのこと。
法的にはフランス人であったユダヤ人たちを、フランス警察が検挙してアウシュビッツ送りに協力したのです。
そして、フランス人たちはその事件を語ろうとせず、その事件は闇に閉じ込められてきたようです。

本書は、フランス在住のアメリカ人であるジュリアが、ジャーナリストとして「ヴェルディヴ」を取材するところから始まるジュリアの物語と、ヴェルディヴ事件に実際に巻き込まれた幼い少女の視点で語られる物語の二重構造。
そのふたつがいつしかリンクしていくのですが、そのリンクがミステリアスで読まされます。
運命と言うべきある偶然がジュリアをひきつけて止みません。
事件に巻き込まれた少女の命運は、ジュリアならずとも読者も気になって先を急がされ、一気に読まされました。
また、ジュリアの生活も家庭的に決して、うまく行っていると言い切れないところ、ジュリアはある決意を強いられることになるのですが、その辺のジュリアの女性としての観点もとても読み応えがありました。
そして、それはヴェルディヴ事件とは無縁でなく。。。
あまりにも可哀想な少女の身に起きたこの出来事が、ジュリアだけではなく、周囲のあらゆる人間に大きな衝撃と変化をもたらします。
知らなかったときには戻れない。知らないほうが良かった。いいえ、知っていなければならなかったのだと、読みながらいろいろな感情に揺れ動きました。
そして、結末。泣きました。
読み終えても余韻が後を引く物語でした。
おススメです。


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