【本】147ヘルツの警鐘 /川瀬 七緒

4062178311147ヘルツの警鐘 法医昆虫学捜査官
川瀬 七緒
講談社 2012-07-18

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すっごく面白かった~!おススメ!!

147ヘルツというのは、ハエの羽音の周波数なんだそう。スズメバチの羽音が150ヘルツで、ハエは保身のためにハチの真似をしているんだとか。
そういう虫トリビアを読み、へぇ~~!とわくわくする感じ。これは私なりに知的好奇心が刺激されたためだろうと思う。そんな楽しさがある、珍しいミステリーだ。
ある殺人事件があり、捜査本部は昆虫学者を捜査に加える。なぜなら死体の内部から大量の生きたウジが出てきたからだ。
捜査に加わった昆虫博士の赤堀は、女性なのだけど無類の昆虫好き。
ウジでも平気で触るし、必要ならなめもする。彼女が虫に向けるまなざしは、愛情と尊敬であふれんばかり。
その振る舞いは理解できない他人には奇矯ですらあるのだけれど、読者としては生き生きと虫に接する彼女から目が離せないのだ。とても魅力的に映る。
そうして彼女は虫との対話により、真実に近づいていく。その過程はとてもスリリングだしまた、ワクワクもした。
読者同様、捜査担当の刑事、岩楯も彼女に惹かれていくし、彼女と信頼関係を築き上げていく。
殺人事件の背景には意外な真実が隠されていてそれも気になるんだけど、こんな風に彼らの人間関係もとても気になった。
岩楯だけじゃなくプロファイリングを学んだ鰐川も十分注目された。この刑事二人のコンビもいい。これからぜひともシリーズとして読んで行きたいと、切に思わされた。

ひとつだけ難を言うなら…

ここからネタばれです。ご注意ください。(反転してください)

拓己の結末は不満。というか悲しすぎる。ご都合主義でもいいじゃない。あの少年に未来をあげてほしかった。赤堀との出会いがきっと彼を変えたはず。あまりにも悲しくて切なすぎた。なぜなんですか?と作者を責めたい。



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【映】ドライヴ

B008KX5KZYドライヴ [DVD]
ジェイムズ・サリス
バップ 2012-09-19

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自動車修理工場で働く孤独で寡黙なその男は、卓越したドライビング・テクニックを買われ、映画のカースタントマンとして活躍する一方、夜には強盗の逃走を手助けする闇の仕事も請け負っていた。そんなある日、同じアパートに暮らす人妻アイリーンとエレベーターで遭遇し、一目で恋に落ちる。次第に距離を縮めていく2人。彼女の夫スタンダードは服役中で、今は幼い息子との2人暮らし。ほどなくスタンダードが出所してくるが、彼は服役中に多額の借金を背負ってしまい、強盗を強要されていた。男は妻子のためにスタンダードの強盗計画のアシストを引き受けることにするのだが…。
<allcinema>


目が離せない映画だった。どんな方向にストーリー展開していくのかよく分からなくて意外性があって面白かった。結構グロいので見る人を選ぶと思うけど私は好き。「ラースとその彼女」の人だったんですね。雰囲気がぜんぜん違うような、共通部分があるような…。
22:10 : [映画タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】捜査官X

B008MTJDNQ捜査官X [DVD]
Happinet(SB)(D) 2012-11-02

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アクションが超カッコいいドニー・イェン、通称ド兄さんのミステリーアクション映画です。
共演は金城武。。。というか、金城武が主演かな。
タイトルの「捜査官」は金城武なんですよ。でも、なんで「エックス」なんだろう??

貧しいけれど平和な村で、紙漉をして暮らしているジンシー(ド兄)。
あるときその村に暴漢がやってきて、両替商のところで強盗を働こうとした。
偶然その店で仕事をしていたジンシーは、弱いながらも強盗に立ち向かい、偶然の成り行きのように強盗たちを自滅に追いやる。結果強盗たちは死んでしまった。
事件を捜査しにやってきた捜査官のシュウ(金城武)は、強盗たちが死んだのは「偶然」ではないと推理。
ジンシーが只者ではないと判断する。シュウが出した結論は。ジンシーの正体は??


まぁド兄さんのアクションがやっぱりすごくて、とても楽しめました。金城武も男前っぷり全開で、主演二人のおかげもあってとても満足な作品でした。
金城武演じるこの捜査官、最初の雰囲気はちょっぴりジョニーのイカボード先生みたい。おどおどした感じが可愛い。しかし推理はさえまくりで、そこまで分かっちゃうの???っていう慧眼はシャーロックホームズみたい。
冒頭では、よき父、よき夫のジンシーが、シュウの目から見ると「悪人」なんですよ。
元悪人だったかもしれないけど、今はおとなしく平和に、善人として生きてるんだから、ほうっておいてやりなさい…と言いたくなるけれど、シュウにとっては法律がすべて。法を犯したものはたとえ悔い改め、心を入れ替えていても許せないのです。
話の流れとしては、ド兄さんと金城武のバトルになるのかと思ったら、そうじゃない。
もっと強い「敵」が出現しました。
前半では、「今回はド兄さんのアクション、あんまり見られないのかな。こんな普通のおじさんじゃ・・・。」と思ったのですが、とんでもない。アドレナリン噴出もののすごいアクションシーンが満載で、それでいて主演二人の心理合戦も見応えありで、とても面白かったです。
子役の子もまたとても可愛かった。映像もきれいで、中国映画と言うよりもフランス映画みたいなおしゃれな感じもしました。そのせいで全編飽きずにぐいぐい釣り込まれました。

ド兄さんファンは必見ですよヽ(^o^)丿


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【映】人生、ここにあり!

B007C13JX0人生、ここにあり! [DVD]
Happinet(SB)(D) 2012-06-02

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【ストーリー】
舞台は1983年のイタリア―ミラノ。型破りな活動で労働組合を追い出された熱血男・ネッロが行き着いた先は、精神病院の閉鎖によって社会に出ることになった元患者たちの協同組合だった。オカド違いな組合の運営を任されたネッロは、精神病の知識が全くないにも関わらず、持ち前の熱血ぶりを発揮。個性が強すぎて社会に馴染めない元患者たちに、“シゴトでオカネを稼ぐ”ことを持ちかける。すぐに手が出るキレやすい男、彼氏が100人いるという妄想を持つ女、UFOが年金を支給してくれていると信じる男… そんな一筋縄ではいかない面々とネッロは、ドタバタなトラブルを巻き起こしながら、無謀ともいえる事業に突っ走っていくが―。Amazon紹介文


面白かった!まぁああなってこうなって…なんとなく想定内、みたいな気はしたけど、悲しい出来事もお涙頂戴じゃなく淡々と描いていたので、不必要に号泣などはなく全体的にユーモラスな仕上がりになっている。実際にはどうだったんだろう…と考えてしまう。登場人物がみんなよく描けていてそれぞれを好きになってしまう。でも、自分だったらどう向き合えるんだろう?と思うとジージョの彼女のことは他人事じゃないと思う。 すごく考えさせられる映画。★★★★
22:02 : [映画タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】ダウン・バイ・ロー /深町 秋生

4062772191ダウン・バイ・ロー (講談社文庫)
深町 秋生
講談社 2012-05-15

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内容(「BOOK」データベースより)
衰退を続ける地方都市に倦く女子高生・響子の目の前で、幼馴染の遙が電車に飛び込み自殺する。以来、響子の耳には死んだ遙の悲痛な囁きが聞こえてくる。続いて起こる児童惨殺と飼い犬殺し、男友達の失踪。ついに牙を剥く荒んだ町の暗部の正体は?渇いたバイオレンスの深町節が炸裂する書下ろしミステリー。

ひとこと感想
震災が色濃く影響する地方都市で大学進学を目指す響子。親友の自殺、自動惨殺、友達の蒸発…次々とヘビーな事件に遭遇した響子の煩悶と奮闘。女子高生のハードボイルドとして面白く読んだ。ラストは少し現実離れした感じがしたし、遥との関係にいまいちスッキリ感がなかった気がしたけど。
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【本】鳴いて血を吐く/遠田 潤子

4041102642鳴いて血を吐く
遠田 潤子
角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-09-01

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内容紹介
離婚して経済的に困窮しているギタリスト・多聞のもとに、人気歌手・実菓子のロングインタビューの仕事が舞い込んだ。多聞と実菓子は幼いころ同じ家で育ち、しかも多聞の亡父と亡兄はともに実菓子の夫であった――。 Amazonの紹介文より。


アンチェルの蝶」が面白かったので、本書も読んだ。
絶世の美女、実菓子。その不遜な態度から、「別に」の女優を彷彿としながら読んだ。
「アンチェルの蝶」のようにミステリアスな雰囲気。過去に何があったのか、すごく気になりながら、知りたくて一気読みさせられる。
多聞と実菓子、そして多門の兄、不動の3人に何があったのか、回想によって子ども時代が甦る。
回想の中と今とでは、実菓子はあまりにもイメージが違う。
こんなにも実菓子が変わってしまったものは、なぜ?多聞との仲がこじれたのは何故だったのか。回想の中のふたりはあんなにも親密だったのに。
まるで昭和初期と錯覚しそうな旧家のどろどろした愛憎劇が現代に違和感なく繰り広げられており一気に読んだ。


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【本】ヒートアップ/中山 七里

4344022432ヒートアップ
中山 七里
幻冬舎 2012-09-27

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内容(「BOOK」データベースより)
七尾究一郎は、厚生労働省医薬食品局の麻薬対策課に所属する麻薬取締官。警察とは違いおとり捜査を許された存在で、さらに“特異体質”のおかげもあり検挙率はナンバーワン。都内繁華街で人気の非合法ドラッグ“ヒート”―破壊衝動と攻撃本能を呼び起こし、人間兵器を作り出す悪魔のクスリ―の捜査をしている。暴力団組員の山崎からヒートの売人・仙道を確保するため手を組まないかと持ちかけられ、行動を共にして一週間。その仙道が殺される。死体の傍に転がっていた鉄パイプからは、七尾の指紋が検出された…。殺人容疑をかけられた麻取のエース・七尾。誰が、なぜ嵌めたのか!?冤罪は晴らせるか!?―。


感想

贖罪の奏鳴曲」が面白かったのでこの本も読んでみたけど、シリーズものとは知らなかった。
七尾の人物造形をはじめ、警察内部の登場人物や、山崎と言う異色の暴力団員など、キャラクターはよかったし、物語りもリーダビリティはそこそこ高かったのだけど、そもそも、ヒートという薬物があまりにも強烈で、もはやSFの域。七尾の特異体質にしても。
という点でちょっと思ってたのと違って戸惑いがあった。
というのもそのせいで後半の急展開、どんどん話が壮大になって行ったので付いて行けなかった。ミステリーかサスペンスと思って読んでいたのだけど、終盤はもう「ダイハード」か「バイオハザード」かっていう感じになって、舞台が日本なので違和感を感じてしまった。これを「ぶっ飛んでて面白い!」とは思えなかった。
ただ、先にも書いたけど、キャラはみな良かったし、件のからくりもびっくりさせられた。
読み終えてみれば面白かったけど、まぁ個人的な好みではなかったかな。
「贖罪の奏鳴曲」のほうが好きです。
11:45 : [本・タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】世界でいちばん不運で幸せな私

B0006TPIJS世界でいちばん不運で幸せな私 [DVD]
ヤン・サミュエル
アルバトロス 2005-02-04

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子どもの頃からのゲームで人生を生きている二人のカップル。
自分達だけならまだしも、周囲を巻き込んでの人生ゲームは悪趣味。
Amazonのカスタマーレビューが概ね好評なので面食らった(^_^;)。
確かに面白い映画ではあったけど、ラストを含めて色々納得できない。
主婦目線だろうか?
主人公たちは大人になりきれず、自分の気持ちに素直になれず、大切な愛情を逃がしてしまう。
もどかしいし切ない。でも、家族はどうなるの?と思ってしまうんですよ。思ったらダメなんだろうな、この映画に関しては。

私生活では主役二人がパートナーになったって。それを知り胸がほっこり。それが映画の本当のラストみたいに感じたわ。
21:57 : [映画タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】トランジット

B007785F4Oトランジット [DVD]
ポニーキャニオン 2012-05-16

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【あらすじ】
現金輸送車が襲われた。武装した犯人グループは奪った現金を隠すため、あるファミリー・カーに目を付ける。
キャンプに向かう途中で突然ターゲットとなってしまった一家四人。
実は不動産サギで仮釈放中の男(ジム・カーヴィーゼル)が家族との絆を取り戻したい一心でキャンプに向かっていたのだった。
しかし、現金に気付いた妻は夫の仕業だと思い逆上、夫と現金を残し車で去ってしまう。
執拗なまでに追い回す犯人グループから、男は家族を守ることができるのか…。
Amazon紹介文

【感想】
普通の一家が凶悪犯罪に巻き込まれる展開。いきなりお父さんがカッコよくなるわけでもなくおかーさんがパワフルになるわけでもなく、その点結構現実的だったかも。メリルストリープの「激流」なんかをちょっと思い出した。面白かったけど木曜洋画劇場的かな?
21:54 : [映画タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】忘れられた花園/ケイト・モートン

4488013317忘れられた花園 上
ケイト・モートン 青木 純子
東京創元社 2011-02-18

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4488013325忘れられた花園 下
ケイト・モートン 青木 純子
東京創元社 2011-02-18

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内容(「BOOK」データベースより)
1913年オーストラリアの港に着いたロンドンからの船。すべての乗客が去った後、小さなトランクとともにたったひとり取り残されていた少女。トランクの中には、お伽噺の本が一冊。名前すら語らぬ身元不明のこの少女をオーストラリア人夫婦が引き取り、ネルと名付けて育て上げる。そして21歳の誕生日に、彼女にその事実を告げた。ネルは、その日から過去の虜となった…。時は移り、2005年、オーストラリア、ブリスベンで年老いたネルを看取った孫娘、カサンドラは、ネルが自分にイギリス、コーンウォールにあるコテージを遺してくれたという思いも寄らぬ事実を知らされる。なぜそのコテージはカサンドラに遺されたのか?ネルとはいったい誰だったのか?茨の迷路の先に封印され忘れられた花園のあるコテージはカサンドラに何を語るのか?サンデー・タイムズ・ベストセラー第1位。Amazon.comベストブック。オーストラリアABIA年間最優秀小説賞受賞。


とても面白かった。
ネルはいったいなぜ一人きりで舟に乗っていたのか・・という問題に端を発し、それを解き明かすためにネル本人が行動を起こし、また孫娘のカワンドラはネルの死後、ネルの遺志を引き継ぐようにその問題に対峙し、謎は謎を呼び、探究心を刺激される。
しかし読者は二人が知らない、ネルの母親世代の物語も見ることができる。
カサンドラが徐々に真実に近づくのと同時に、読者も真実が見えてくる。
それがじれったくもあり、ハラハラもし、どんどんと読み進める羽目になってしまう。
また、作中作として挿入されるイライザの「物語」がとても面白くて、本読みとしては二度美味しい。

ここからネタバレ





ネルが「誰か」ということに関しては、「やっぱり」と思った。
でも、ローズとイライザの友情があんな形で終わってしまったのが哀しかった。
そういう点では「荊の城」のほうが好みだったなぁ。
なんともあっけなさすぎた。寂しくなってしまったもの。
それから、ネル。。
結局育ての親に、最後まで感謝を言及する部分がなかった。
いや、少しあったけど、でも、個人的にはもっと深く描いて欲しかった。
あんなに大事に育ててくれたのに…と思ってしまう。
ネルとその娘(カサンドラの母親)との関係も、なんだかなぁ…である。


という不満な部分は感じてしまったんだけど、でもそのほかは本当に面白く夢中で読んだ。

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【本】どん底 部落差別自作自演事件 /高山文彦

409379832Xどん底 部落差別自作自演事件
高山 文彦
小学館 2012-04-02

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内容説明(Amazon紹介ページより)
現代の部落差別の実態と犯人の正体に迫る

03年12月から09年1月まで、被差別部落出身の福岡県立花町嘱託職員・山岡一郎(仮名)に対し、44通もの差別ハガキが送りつけられた。山岡と部落解放同盟は犯人特定と人権啓発のために行政や警察を巻き込んで運動を展開していったが、09年7月に逮捕された犯人は、被害者であるはずの山岡一郎自身だった。
 5年半もの間、山岡は悲劇のヒーローを完全に演じきった。被害者として集会の壇上で涙ながらに差別撲滅と事件解決を訴え、自らハガキの筆跡や文面をパソコンを駆使して詳細に考察し、犯人像を推測していた。関係者は誰も彼の犯行を見抜くことができなかった。
 被差別部落出身で解放運動にたずさわる者が、自らを差別的言辞で中傷し、関係者を翻弄したこの事件は、水平社創設以来の部落解放運動を窮地に陥れた。06年の大阪「飛鳥会」事件で痛手を負っていた部落解放同盟は、この自作自演事件で大打撃を被ることになった。
 なぜ山岡はハガキを出さざるを得なかったのか--現代の部落差別の構造と山岡の正体に鋭く迫りながら、部落解放同盟が”身内”を追及する前代未聞の糾弾のゆくえを追う。
 週刊ポスト連載「糾弾」から改題。



被差別部落出身者の山岡が自分自身と仕事先の役場にあてて差別葉書を送り続けた事件のルポ。
殺人などの凶悪犯罪ではないのにものすごい吸引力。
特に後半、山岡を糾弾する部分は圧巻。もともと連載中のタイトルは「糾弾」だったらしいけれど納得できる。糾弾とは、される側ももちろんきついが、する側も自らに相当の厳しさが要求されるのだな、ということが良く分かる。そういう経験がなければ分からないことだと思うけれど、いつの間にか差別してしまっているということを、とにもかくにも「気づく」ことが大事なのだと思う。
自覚がなければ「差別」に向き合うこともできないんだから。向き合わなければ考えることもないし、考えなければ差別はなくならない。してない・・のではなく、大半のひとは気づいてないんだと思う。
それを気づかせる、自覚させる、そのうえで次のステップに進む。
その厳しい道のりが垣間見えた。
山岡を糾弾した人たちのその厳しさ。
しかし同時に優しさもあったのだ。
ところが山岡がその優しさを踏みにじるものだから本当に哀しくなった。
しかし、部外者が何をも言えないのではないかと思う。山岡氏を責めることもお門違いの気がしている。
しかししかし、そう思うことすらも差別のひとつなのかも…。
本当に難しい問題だと思った。
最初の犠牲者の中学教師が、中高生のときに自身の母親を蔑み罵倒して日々暮らしたエピソードがあった。しかし、後に悔い改めてお母さんに頭を下げたという。涙なくしては読めなかった。
「橋のない川」を思い出した。
「水平記」も積んでいるのでちゃんと読まねばと思った。
11:37 : [本・タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】妹の恋人

B0011GIEZA妹の恋人 (特別編) [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2008-03-05

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先日Dlife(ディーライフ)で放送していたのでまたもや見てみました。
大好きな映画の一つで何度も見ています。

【あらすじ】

精神病の妹ジューンを抱えながら、自動車の修理工をするベニー。
ポーカーに負けて、友達のいとこで居候のサムを引き取る事になった。
超美形でキートンばりのパフォーマンスを披露するヘンな青年サムに、ジューンが恋をしたとき、兄ベニーはどうするか?

【感想】

精神病と言う枠に閉じ込められ、自由を与えられない事がジューンにとって大きなストレスとなり、爆発寸前の風船のようにすれすれのところで暮らしていたのを救ったのが、サムである。
きょうだいそれぞれが、サムと言う闖入者をきっかけにお互いの依存から開放され、自立への第一歩を歩き始めるまでが、コミカルに、でも感動的に描かれている。
妹の為に、自分を犠牲にしてまで一生懸命尽くしてるのに、どうにも空回りしてしまう兄が、もどかしいけど切なくて、涙なくしては見られない。
独創的な、サムの料理にも注目したい(笑)


【ネタバレ↓】 未鑑賞のかたはご注意願います。












ベニーは兄として両親亡き後は「自分が妹を守るんだ」という気迫みたいなものを抱えて、それに自分も縛られて結果的に妹も縛り付けている。
妹のことをいつも一番に考えてるから、女の子とデートのチャンスがあってもいつもフイにしてしまう。自分はそうやって彼女の1人も出来ないのに、その原因である妹が先に・・・そんなのずるいぞ!と思ったかどうかはともかく、大切に大切にしてきた妹が、自分だけが理解し愛していると思っていた妹が、いつの間にか成長していて(きっといつまでも子供だと思っていたに違いない)恋などしている。娘を手放す前のオヤジのような心境になったことは間違いない。
サムを追い出して余計に妹を悲しませるところなんて、よくいる頑固親父そのまんま。
妹を大切に思っているのはよくわかるんだけど、思いと言うのは相手に伝わらなかったら意味がないと言うところもある。 妹を思えば思うほど反感を買ってしまってギクシャクしてしまう兄のむなしさよ。
「どうして私を憎むの?」と、ジューンが言う所は胸が痛む。そんなわけないじゃないか・・・。というベニーの弱々しい声は兄の戸惑いとショックのせい。きっと妹にそんな事を言わせてしまったのは自分だと・・思ったんじゃないだろうか。
ジューンだって本当はわかってる。いかに自分が大切にされてきたか。だからジューンも兄を傷つけた事で自分もまた傷ついたに違いない。
ベニーはジューンを、でも、このとき初めて「病人」という枠からはずそうとする。アパートを借りて1人でやって見ろというのだ。
ジューンが決心する時に窓から見える幻のようなサムは一番すてきだった。
そして退院。ジューンはベニーに傷つけた事を謝ろうとする。でも、どうしても言葉が出ない。それをベニーは「いいんだよ」「ぼくもだ」と優しく許す。やっぱり人と人が許しあう場面と言うのは胸を打つ。一番感動的なシーンです。
エンディングテーマのコミカルで明るい曲調が、みーんなの未来を暗示しているようで、ほっこりとしたすがすがしい気分で見終わることができる。
すてきなすてきな映画です。

今見るとジョニーが素敵過ぎて悶絶~~!!!!!
ジューンじゃなくても一目ぼれするって話です(*^_^*)。
11:07 : [映画タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】ボーンレガシー

B006DWI8GWボーン・レガシー [DVD]
ジェネオン・ユニバーサル 2013-02-20

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冒頭しばらくして意識がなくなっていた(^_^;)。いつの間にかレイチェル・ワイズが大変な目に!そこからは面白かった。でもアクションシーンに至っては、アルティメイタムと酷似しているしカーチェイスも既視感いっぱい。もう斬新なアクションを望むのは無理なの?そしてラストは「え?これで終わり?」みたいな。こうしてみるとなぜこのシリーズをこういう形で続編にしたのか、解せない気がするな~。それにしてもパメラ・ランディが気の毒な…。そこはどうなるのか気になった。★★☆
21:48 : [映画タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】永遠の片思い

B0002UOJ3C永遠の片想い [DVD]
イ・ハン
タキコーポレーション 2004-12-03

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ネタバレあります。ご注意願います。


泣けてしまった。
知りあった3人の男女が何気ない日常をやり取りするという、ごく普通のドラマだったのに…。
ただ、5年後の現在と、主人公の回想の過去、ふたつの物語が交錯して、次第に「なにがあったのか」が明らかになるという仕掛け。その仕掛けもなかなか凝っていて、「いったい何があったのか早く知りたい」とじれったさを増していた。(手法的にちょっと「NANA」を思い出したけど…(^^ゞ)
「私たち頭が悪いから」ということで、高校を卒業してから進学もせず、かといって仕事もせず、ただぶらーーっとしているスインとギョンヒ。
「親に反対されたから家出して旅行に行きたい」「私たち、旅行もしたことが無いの。」という世間知らずっぷり。
「子どもの頃に入院していた。」
「そこで知りあった男の子と名前を交換した」
などなど、後から思うと「そういうことか」と納得できるエピソードがあちこちにある。
手紙のエピソードは印象的だった。
それゆえ「永遠の片思い」なのだから…。
とても切ないし哀しいのだけれど、ジファンとスインとギョンヒ、3人がお互いを思う気持ちがとても美しく、心地よく泣かされた。
ジファンのキャラがとてもいい。
平行して現在、ジファンの妹の初恋物語も進行するが、それもお兄ちゃんのキャラをますます引き立てる良いアクセントになったと思った。

で、ジファンは「ReadyGo!」のチャンギ役、チャ・テヒョン。
ギョンヒは「ブラザーフッド」の義理のお姉さん役のイ・ウンジュ。
そして、ジファンの妹には「秋の童話」で幼い頃のウンソちゃんを演じたムン・グニョン。
と、ウォンビンさんの共演者さんたちがたくさん出ていて、別の意味でも嬉しかったです(*^_^*)。
思えば去年の今頃、ウォンビン中毒で色々見まくっていましたわ。
先日見た「ハウスメイド」でも、「コッチ」のお母さんとサンランさんが出てたし、そんなところに1年目の因縁をこじつけたい気分です(*^_^*)。
1周年記念に「アジョシ」も見たりしました。

あ、「永遠の片思い」とは関係ない話になってしまった。失礼しました(笑)。
12:52 : [映画タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(2)

【映】未来を生きる君たちへ

B006G60W0K未来を生きる君たちへ [DVD]
角川書店 2012-03-02

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デンマーク、郊外―。学校で執拗なイジメに遭うエリアスは、医師としてアフリカの難民キャンプに赴任している父親アントンが心の支えだ。
ある日、エリアスのクラスに転校生のクリスチャンがやって来る。クリスチャンのイジメっ子への復讐に救われたエリアスは、彼との距離を急速に縮める。
アフリカ、紛争地帯―。アントンは、自身の離婚問題や毎日のように搬送される瀕死の重傷患者に苦悩していた。
そんな時、“ビッグマン”と呼ばれる男が大ケガを負ってキャンプに現れる。彼こそが子供や妊婦までをも切り裂くモンスターだった。(Amazon紹介ページより)

地味な映画ながら心にジワーッと来る。
母を亡くした少年が転校先で友達になったのは虐められてる少年で、その父親アントンは内戦のキャンプの国境無き医師団、みたいな。二つのシーンがどうつながるのか?と思ったけど。
どちらも「暴力」に苦しめられる。
エリアスは学校で「いじめ」という暴力に会い、アントンは見ず知らずの男の言いがかり的暴力に会い、キャンプでも日々ビッグマンから暴力を受けた瀕死の重症患者を診ている。
では復讐するのか?どうやって?暴力で?
暴力では何も解決しない、復讐はするなと、アントンは、エリアスたちの前では、非暴力、否復讐、を貫く。
けれど、エリアスの友達のクリスチャンは納得しない。
とんでもない方法で復讐することに躍起になってしまう。
じつはクリスチャンは母親を亡くしたことが、見た目よりもずっと深刻なダメージになっていて、傷ついているのだ。それでこんな突飛な行動をしてしまうんだろう。大人びていてもまだ子どもだから。
その辺はとても切ない。
エリアスの父親の気持ちがクリスチャンに届かないのも…。
結局そのことがエリアスを傷つけ、ひいてはクリスチャン自身も傷つく。
でも、何か犠牲がないと真実に気づくことができないのかも知れない。
これは子どもに限らず大人もそうだものね…。
エリアスの父親アントンは、ビッグマンと対峙する。自分ならどうするんだろう。ものすごく考えさせられた。ヤツを生かしておいてはいけない。でも殺すことは出来ない。自分は医者だから。命を救うのが仕事だから。
かと言えば、ビッグマンを生かしておけば、またぞろ罪も無い人たちが惨殺されてしまうだろう。
こんな場合はどうすれば良いのか。
この映画のアントンの選択が正しいとも思えないし、間違っているとも思えない。
答えはあるんだろうか?
特別なことじゃない。誰にも起き得ることだから。じっくりと考えさせられる良い映画だと思った。

でも、エリアスの強さに感動した。
この二人がこれからもまっすぐに育って欲しいと思わず願ってしまった。
12:52 : [映画タイトル]ま行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】ハウスメイド

B006M9VXW2ハウスメイド [DVD]
Happinet(SB)(D) 2012-04-03

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上流階級の邸宅で、メイドとして働くことになったウニ。家事全般、そして双子を妊娠中の妻ヘラと6歳になる娘ナミの世話が彼女の仕事だった。
古株のメイド・ビョンシクの厳しい指導のもと、ウニは明るい笑顔を絶やさず、一所懸命に働く。
ある日、主人のフンに求められたウニは、己の欲望に素直に従い、関係をもってしまう。やがて妊娠をしてしまったウニに、目ざとく気づいたビョンシシクが、妻の母親に密告する。
邸宅を出て一人で産もうと決意するウニ、残酷な手を使ってでも出産を阻止しようとする妻と妻の母、ビョンシクの謎の行動…
各々の欲望で破裂しそうな邸宅で、遂に事件が起きてしまう。
(Amazon紹介ページより)

もっとサスペンスフルな映画かと思ったけど、どちらかというと陰湿なカンジの人間ドラマ。
ハウスメイドとしてその家で、その家族とどう接しているか。
だんなに要するに手篭めにされ(って言い方は古いかしら(^_^;))妊娠までしてしまう主人公。
その彼女に対する、女主人たちの仕打ちが見ものというか…。
あんまり意外性も無く、恐ろしさも感じず。主人公も手篭めというよりも自ら抱かれた印象があるので、自業自得的な部分も感じた。もっと手篭め感が強かったら主人公に同情できたんじゃないかと思うけど、私って古い?(^_^;)

オチは後味悪いし、インパクトが強い。このオチゆえにしっかりと記憶に残りそう。
主人の家の娘がかわいそうです。娘は純粋に主人公を好きで、娘には罪もないのに…きっとすごいトラウマになるんじゃないかな。

「シークレットサンシャイン」の主人公、「イルマーレ」の彼氏、ウォンビンさん主演のドラマ「コッチ」の強烈お母さん、と、年上の彼女サンランさん…と、知った顔がたくさんで、そこは楽しかった。
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【映】ホームランが聞こえた夏

B0068CCB1Aホームランが聞こえた夏 [DVD]
Happinet(SB)(D) 2012-03-02

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中学時代、天才ピッチャーと称されながら、試合中に突然聴覚を失ったミョンジェは、聴覚障害者学校へ転校、二度と野球はしないと誓う。その高校にも野球部はあったが、部員はわずか10人、ハンディもあって中学生と同レベルの弱小チームだった。 ある日、暴行事件を起こして謹慎処分になった国民的スター投手キム・サンナムが野球部のコーチとしてやってくる。初めは嫌がりながらも、チームを厳しく指導するサンナム。(Amazon紹介ページより抜粋)

弱小チームが練習をして強くなって試合に勝つ!
というのなら、とてもありがち。
そこに、聴覚障害者のチームということと、新監督がワケありプロ野球選手というおまけが付く。
物語はあまりにも想像通りに進む(1点を除いて)ので、パンチに欠けるきらいはあったかも(^_^;)。
でも、たとえ想定どおりに進んだとしても、だからこそ感動的な物語もある。まさにこれがそう。
気持ちよく感動できる作品だった。

「公共の敵」シリーズの、オム班長(カン・シニル)がとても温かい役で登場。似合っている!
オム班長も好きだけど、この先生もよかった(*^_^*)
チョウ・ジョエンもイメージがぴったりの役で似合っていた。(ちょっと華奢すぎるかな)
選手たちもけなげで可愛かった。




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【本】彷徨い人/天野節子

4344022408彷徨い人
天野 節子
幻冬舎 2012-09-26

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内容紹介(Amazonから)
ベストセラー『氷の華』『目線』の著者が描く、慟哭のミステリー

高級住宅地で起きたひき逃げ事件、そして旅行先で起きた失踪事件。全く別の場所と時間で起きた2つの事件のつながりが、二人の刑事によって明かされる。 なぜ、母親想いの人間が、人を殺めたのかーー。その犯罪の裏に隠された悲痛な犯人の動機とは?


前半は物凄いリーダビリティー。
ある夫婦から始まり、妹や姑やら順繰りにリンクしているのが面白いし、ふたつの事件に関連はあるのか、など…先が気になってぐいぐい引っ張られた。
でも後半、事件の説明に終始してしまっていて失速した。
謎解きのための会話分ばかりで…。
それに、半年前の隣の家の訪問者、同行の連れがお土産をどこに直したか、そんな細かい事って覚えているものか?話に都合よく記憶が蘇るのがありがちだが解せない(私は昨日のことも忘れる←自分を基準にしてはいけないかもしれないけど)。
刑事の推理も…想像力が豊か過ぎませんか。
個人的には、美香子VS淳子という、女同士の間にある確執というか対決をもっと見たかった。いや、この二人が対決しなければならない理由はひとつもないんだけども…(^_^;)。
認知症の親をどうやってケアしていくか、などはとても興味深いテーマで、そのことが家庭や夫婦に及ぼす影響など、とても興味深く読んだ。
11:23 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(2)

【本】腰痛探検家/高野秀行

4087466353腰痛探検家 (集英社文庫)
高野 秀行
集英社 2010-11-19

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酷い腰痛に悩まされている高野さん。
その顛末を綴ったエッセイ。

さすがミャンマーを柳生一族に喩えただけあって、医師と患者の関係を恋人同士に喩えたり、腰痛をUMAに喩えたり、面白く読みました。でもやっぱりいつものUMA探しに比べると小粒な感じがした。劇的に治るわけでなく「これだ!!」という発見もないので、私もちょっとビミョーな感じはしたけど、高野さんの文章ファンなら楽しめる一冊でしょう。
11:15 : [本・タイトル]や行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】秘密は日記に隠すもの/永井 するみ

4575237795秘密は日記に隠すもの
永井 するみ
双葉社 2012-07-18

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永井さんの遺作となった本書。皮肉が利いていて面白かった。
収録は「トロフィー」「道化師」「サムシング・ブルー」「夫婦」の4篇。
日記という媒体を上手に使って読者を翻弄している。なるほど…と思う面白さがあった。
中にはあまり取りとめが無く、正直面白くないなぁ…なんて思いながら読んでいたら、最後にガーン…って言うのもあったりして。
もうちょっと詳しくご紹介したいけれど、いろいろ障りがあるので(^^ゞあんまり書けません。
ぜひご一読を。
もうちょっと続くはずだったんだろう。本当のオチまで読みたかった。残念です。
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【映】瞳の奥の秘密

B004CCQSTY瞳の奥の秘密 [DVD]
東宝 2011-02-18

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サスペンスでありながらしっとりとした切ない大人のラブストーリーでもある、とても良い映画を見た。

年老いて刑事裁判所を引退したベンハミンは、昔の上司、イリーナを尋ねる。
そして、二人が25年前に関わった事件を小説に書きたいという。
それは新婚の妻が惨殺された、惨い事件だった。
事件を振り返り、過去に思いを馳せるベンハミンとイリーナ。
過去に起きたこととは・・・。

地味な映画だと思ったけど目が離せない。
事件の真相自体はわりと早めにわかるのだけど、そこからがまた見ごたえある展開だった。
主人公のベンハミンは見た目、オッサンで私にはイマイチ萌えはなかったのだけど(^_^;)でも、誠実で実直な人柄がとても好ましく、内に秘めた恋にもときめきを感じる。切ない恋の行方には胸が締め付けられた。中年の恋を生々しくない、ロマンティックに描いていて素敵だった。
また、同僚のパブロは(一応部下らしい)アル中で、何かにつけ彼を探すと姿が見えず、いつもいつも「パブロは?」「バーに行きました」という会話が、あきれるぐらい繰り返されて苦笑してしまう。
ベンハミンにとっては苦笑なんてものじゃなく、手に負えない飲んだ暮れなんだけど、でも、そのパブロに対する態度も、あきれつつ慈愛が垣間見え、ますますベンハミンが好きになった。

あちこちに、いろんな伏線が置かれてて、あとで「なるほど」と思うところが多く、そういう点でもうまく出来た物語だった。あのときのあれが、これか…みたいな。たとえば、ドアの開け閉めにしても。
130分くらいの物語で長いのだけど冗長と思わない。各エピソードに無駄が無いと思った。

事件の顛末は…とても考えさせられた。
最愛の妻を殺した相手をどうするか…。

贖罪については考えたことがあるけれど、復讐か赦すかと言うことについてこんなに考えさせられたのは初めてのような気がする。復讐の顛末をまざまざと見せ付けられて、とても印象深かった。いろんなことを感じた。忘れられないシーンになったと思う。かなり辛く、哀しい気持ちが残った。
ベンハミンはモラレスの姿を見て、「過去にとらわれる」ことの愚かさや哀しみを感じたのだ。

過去からの開放と閉じられたドア。余韻が後を引くとても良い映画だったと思う。個人的に大好きだ。
00:33 : [映画タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】百年法/山田宗樹

4041101484百年法 上
山田 宗樹
角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-07-28

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4041101913百年法 下
山田 宗樹
角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-07-28

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内容(「BOOK」データベースより)
原爆が6発落とされた日本。敗戦の絶望の中、国はアメリカ発の不老技術“HAVI”を導入した。すがりつくように“永遠の若さ”を得た日本国民。しかし、世代交代を促すため、不老処置を受けた者は100年後に死ななければならないという法律“生存制限法”も併せて成立していた。そして、西暦2048年。実際には訪れることはないと思っていた100年目の“死の強制”が、いよいよ間近に迫っていた。経済衰退、少子高齢化、格差社会…国難を迎えるこの国に捧げる、衝撃の問題作。



原爆が6個落とされて壊滅状態になった日本・・・日本共和国、と言う名前のパラレルワールドの物語だ。
そこには不老不死になれる「HAVI」と言う技術が確立されていて、全世界的に流通している。
不老不死の体なんて、望まない人間はまれなのじゃないだろうか。
いまも、世の中「アンチエイジング」「長生きする方法」などの情報がごまんと飛び交い、人々はそれに群がる。アンチエイジングの言葉には「年を取るのは悪いこと」という含みさえ感じられる。
本書はそんな、今の世の中に、大きな問題提起を投げかけていると思う。
不老不死の肉体を持った人間は幸せになれるのか?
手塚治虫の代表作品「火の鳥」も同じテーマだった。
不老不死の体になることをもとめて、火の鳥の生き血を奪い合う。
でも、マンガの中で、不老不死を手に入れてなお、幸せなキャラクターはいない。
自分だけが長い間を生きることで、孤独に陥ってしまうから。
だけど、本書では全世界的に誰もが不老不死になる。孤独という難点は除かれるように思う。
でも、長年若い肉体のままで生きることで、コミュニケーションにも色々とさわりが出てきる。
たとえば、家族間でも、親と子どもと、祖父母や孫の世代まで、全部20代前半ばかり。
それで家族という形を維持していくことが出来なくて「ファミリーリセット」なんて言う習慣が出来る。文字通り家族を解消してしまうのだ。
100年も生きれば、その間に何度も結婚、出産、離婚を繰り返す。血筋によるつながりは無く、しだいに人とのつながりも逆に希薄になっていく。
やっぱり孤独。
文明や化学が進歩しても、ちっとも幸せそうじゃない。

一番の問題は、誰も死なない社会ということ。人口が爆発的に増える。
だから、HAVIを受けたら必ずその100年後には死ななければならないという法律「百年法」が出来るのだ。
けれど、それを本当に納得できる人間ばかりとは限らない。
百年法を推進する政治家でさえ、わが身が可愛く、死にたくないと思ってしまう。
そこで、人間の命に対するがむしゃらな固執や、生老病死という大きな問題が浮かび上がり、読むものに問いかけてくる。生きるってどういうことかと。

でも、100年も200年も生きるって・・・・考えただけでしんどい。
やっと50まで来た・・・と思うのに。
この先50年も100年も生きろといわれたらどうしよう・・(誰も言わないけど)。
死があるから生が輝く。
生と死は抱き合わせなのだ。
なのに片方(死)がなかったら、もう片方(生)もいびつになるに決まっている。
老いない死なない、そうなったら人間はどう「生きる」のかなぁ。
そういう点では、深い書き込みは感じられなかったかな。政治的なことに終始してた?
ケンの存在が異彩を放ってはいたけれど…。

大長編だけあり、大風呂敷を広げた感があり、どう収束するのかとハラハラしたけれど(^_^;)うまくオチをつけたと思った。ただ、そのオチのつけ方はちょっと安易だったかなぁ・・という気がしなくもない。
あっけないというか拍子抜けというか。
かなり大評判のようで、私も面白く読んだけど、去年の「ジェノサイド」のほうが何倍も面白かったし好きだったなぁ。比べるものでもないかも知れないけど。


11:53 : [本・タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】スペイン一家監禁事件

B005FTUX44スペイン一家監禁事件 [DVD]
キングレコード 2011-12-07

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引越しの風景。
お金持ちのようだ。プール付きの素敵な家に引っ越して、夫婦は幸せそう。
ただ、高校生の娘は反抗期で・・・ごく普通の、普通よりちょっとセレブ?な一家の引越し風景。
・・が、突如、不審者が押し込み強盗。
乱暴に母親と娘が拘束され、父親はATMに現金を引き出しに連れ出される。
そんな恐怖に見舞われた一家の惨劇。

不条理というには、原因も犯人も歴然としている。
家族にとっては不条理だろうけれど、犯人側からすれば「ちゃんとした」理由があるようだ。
その点で「不気味」ではなかった。

怖さは思ったほどじゃなかった。マジメに考えたらものすごく悲惨で救いが無い話だけど、なんだか想像の範疇を出てない感じ。意外性が無いというか。
比べるのもなんだけど、はじめて「ソウ」や「キューブ」や「ファニーゲーム」を見たときの衝撃には遠く及ばなかった。
でもだからといってつまらないわけじゃなくて、そこそこグロテスクで残忍。
見てるときはハラハラもした。
でも、後々まで深く印象に残らないような気がした。


11:48 : [映画タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】宇宙人ポール

B006DWI8WG宇宙人ポール [DVD]
ジェネオン・ユニバーサル 2012-07-04

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面白かった!
SFオタクの二人連れが、エイリアンを拾う。エリア51から逃げてきたという宇宙人を。
母船が迎えに来る場所まで送り届けることになってしまった2人に、なぜかキリスト原理主義者の女性まで一緒になって、4人の珍道中が始まる。
エイリアンものといえばETですが、ETみたいに可愛げのある宇宙人じゃないのね。
いかにも被り物然としていたETよりも、遥かに表情が豊かで、ちょっと違和感がある(笑)。
私にとってはやっぱりエイリアン=被り物=無表情なんだろうか??
下品だし世慣れしすぎているポールは最初なじめないけど、次第になじんできた。
それどころか憎めない面白いヤツ。
4人のチームワークが、だんだんと整ってくるあたりの過程がとても自然でよかった。
あの映画やこの映画、あのひとこのひと、お楽しみもてんこ盛り!!
結末はほぼ予想通りだけど、それまでちゃんとハラハラさせてくれたし、分かっててもラストはジーンとしたし、愉快で面白かった。
私もポールに知識を授けてもらいたいな!
気持ちのよい映画だった(*^_^*)
(言葉が汚いというか下品というか、その点はご注意です)
11:34 : [映画タイトル]あ行トラックバック(1)  コメント(2)