【映】サラの鍵

B007MFDXSWサラの鍵 [DVD]
東宝 2012-06-22

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原作を読んでいて、分かっていたが、緊迫した内容に胃が痛くなる心地で見てしまった。

主人公のジュリアはジャーナリスト。
引越し先のアパート(夫の祖父母の代から住んでいる)に、ある秘密があることを知る。
それは、1942年に行われた「ヴェルディブ」という悲惨な事件に関することだった。
フランス警察による、ユダヤ人の一斉検挙。
惹かれるように、過去を探るジュリア。
いったい何があったのだろうか。

映画を見て内容的な感想は、原作を読んだときとほとんど変わりないような気がした。
でも、映像で見せ付けられると、ヴェルディブの様子が生々しくて、よりショッキングである。
特にトイレに行きたいとサラが言うのだけれど、それさえ許されないシーン。
そして・・・・・・。
冒頭からサラの状況があまりにも重苦しく、見続けるのが辛くなるほど。フィクションと分かっていても涙があふれて止まらない。幼い少女にこの試練は・・。絶句するのみだった。

原作を読んだときにも、主人公のジュリアにイマイチ共感が持てなかったけど、映画でもそれは同じだった。
映画を見て思ったけれど、彼女は「知る必要があるのか?」「知らせる必要があるのか?」という逡巡する様子も見せず、自分も知ろうとするし関係者にも突きつける。
たしかに、歴史の闇に埋もれさせてはいけない事柄だと思う。
でもそれと、個人の歴史をむやみに掘り起こすのとは、別の話なのではないかと思う部分もあった。
そっとしておいたほうがいいのでは?余計なことをしてるんじゃないの?と思ってしまう。
それはおそらくジャーナリストとしてのサガというか、業というか、そうせずにいられない衝動のようなものだったんだろう。(実際、これだけのことを調べ上げるとはジャーナリストとして天晴れだと思うし)
結果的に、「知ったほうがよかった」と関係者たちは納得する。
そうじゃないと命を落とした者たちが報われない。
その命に光を当てること。
生きた証を残すこと。
それすらなかったらあまりにも哀しい。
だからラストのシーンではやっとジュリアに共感することが出来て、切なくて哀しいんだけれど・・でも「命」の愛おしさを感じることが出来て・・泣いた。

重い映画ですが、オススメです。

原作の感想はこちらです。


4105900838サラの鍵 (新潮クレスト・ブックス)
タチアナ・ド ロネ Tatiana de Rosnay
新潮社 2010-05

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【本】夜をぶっとばせ /井上荒野

4022509759夜をぶっとばせ
井上荒野
朝日新聞出版 2012-05-18

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内容(「BOOK」データベースより)
どうしたら夫と結婚せずにすんだのだろう。「思い切ったこと」がしたくなったある夜、ネットの掲示板に書き込んだことで、たまきの日々は「何かが決定的に」変わりはじめる―直木賞作家が掬いとる、あかるく不穏な恋愛小説。



↑ という内容紹介文を読んでいまびっくりしている。
「恋愛小説」だったのか!!「不穏」は良いとして「明る」い小説だったのか!!!
私にはそうは思えなかった。
「だれかの木琴」もそうだったけど、こちらも主人公たまきの行動がとても不気味。
だんなのDVに苦しみ、子どもにもそれが影響を与えてて、境遇的にはとても同情を誘うのだけど、初めて買ったPCで、たまきは出会い系サイトにハマっていくのだ。
なんでそういう行動をとる?ってカンジで、ともかくたまきの行動は自己破壊的で理解も共感もできない。
それなのになぜか一気読みする「面白さ」がある。文章も好み。
共感できない人物を描くのがうまいと言う感じがした。
ちなみに「夜をぶっとばせ」というのは、ローリングストーンズの曲名らしい。
「チャカチョンバへの道」は、主人公の夫側の物語。
夫が「その後」では、ごく普通の男のように描かれ、意外な人物と同居している。
そして、たまきの境遇もびっくりするほど変化していた。
良くわからない。何がどうなってるのか。彼女たちがどうしたいのか??
これからみんなどうなるのか・・・。
うーん・・・。
20:07 : [本・タイトル]や行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】クローバー・レイン /大崎梢

4591129667クローバー・レイン (一般書)
大崎梢
ポプラ社 2012-06-07

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とっても面白かった~~!!(*^_^*)

大手出版社で編集として勤めて7年、工藤彰彦はとある作家に、原稿の「ボツ」を伝えている。
作家が小説を作り上げるのはとても困難なことだと思わされる。
双方にも読者にも気が滅入るこの冒頭シーンだけれど、対応する(ボツを言い渡す)主人公の誠実さが伝わって、のっけから釣り込まれてしまう。
そんな主人公が一目で心を鷲掴みにされたのは、落ち目で過去の作家、家永の「シロツメクサの頃」と言う小説だった。彰彦はこの小説の読者第一号になった。そして、自社から出版したいと強く思う。
ところが、彰彦の一途な思いと裏腹に、出版は困難を極めるのだ。
サスペンスやミステリーでもないのに、先が急がされて仕方がない。どうなるのか、本になるのかならないのか・・・結末は予想できるものの、ひたむきな彰彦に共感して、祈るような気持ちで一気に読まされてしまった。
ひとつの小説が本になるまでの段階が、リアルに描かれていて、本が一冊出るのに大変な労力があるのだなぁと改めて実感させられるし、出版社の裏事情がわかってとても興味深い。
本と言うのは、出版するのが最終目的ではない・・というのも、改めて実感した。
他社の編集との駆け引きや攻防、社内でも部署が違うと(編集部と営業部など)仕事が全然違ったりなど、そういう、本造りに関するあれやこれや面白く読んだ。(東野圭吾さんの「歪笑小説」を思い出したりもした!!)
家永をはじめ各作家たち、編集の国木戸や営業部の若王子など、脇役たちも魅力的だ。
大御所作家の芝山などは、作中エッセイがとても感動的だった。
冒頭で釣り込まれてからも、随所に本好きならではのシーンがあって、その点でも楽しく読める。
(オールといえば、オールナイト・・とか(笑)。本屋大賞らしきものが出来るまでの過程とか)
そして本書は、本が出来上がるまでの過程を描いてあるだけではなく、作家家永とギクシャクしている娘との物語があり、もうひとつの軸になっている。
本を出すまでのネックのひとつを彼女が握っているのだ。
二重三重にも本の出版は困難だけれど、彰彦の熱い思いが、やがては人を動かし、状況を変え、人の心も動かす。「出版」と言うひとつの目的に向かって、人の気持ちが寄り添うさまは、爽快で感動的だった。
家永親子に物語があるように、彰彦の家庭にもひとつのドラマがあって、その点でも大いに感動した。
最後は泣いた。素敵な物語だった。おススメ!










21:47 : [本・タイトル]か行トラックバック(1)  コメント(2)

【映】シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム

B005MH1KBOシャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)
ワーナー・ホーム・ビデオ 2012-07-04

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ホームズのワトソンへの気持ちが切なさ倍増していてキュンキュンした(笑)。そこに尽きる作品と言っても過言じゃない。ミステリーは・・・なんか真剣に見てなかったのでなんとも・・・アクションは2作目になると新鮮味に欠けるしね。寝ては巻き戻し、また寝てしまって巻き戻し・・・見るのに5時間かかった私です。(^_^;)
11:34 : [映画タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】曾根崎心中/角田光代

4898153267曾根崎心中
角田 光代 近松 門左衛門
リトル・モア 2011-12-22

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曾根崎心中・・・・名前はもちろん知ってるけど、内容はぜんぜん知らなかった。
ふーん、こういう話だったんだ~~。
いやもう、面白かった!!
ともかく、女たちがみんなすごい!壮絶!と思った。
自分のテリトリーを守るために必死で、そのためにやることはえげつない。まぁこれは初の最初の勤務地の島原(島原って、九州じゃないのね。。京都にある「島原遊郭」らしいです。てっきり島原の乱、の島原かと思った)での出来事で、次の勤務地の堂島新地は、初にとって居心地がよかったというので、ちょっとはほっとしたんだけど。
でも、そこで面倒を見てくれた島という先輩遊女は、遊女としての心得を初に説いてくれた割に、自分ではそれを忘れて恋に身を焦がして死んでしまう。
テリトリー守って必死だったり、恋をして必死だったり。なんでも命がけだ。
命と引き換えに恋をする・・それがあのころの遊女の姿なんだろうか。
ほんと・・・女って恐ろしくて、哀しい生き物だなぁ。
そして・・バカだ。
ここで描かれる男は卑怯だし狭量。
だいたい、初の恋人の徳兵衛って、あれ、盗難&偽判騒動の真相はどうなの。
もしも徳兵衛の言うことが嘘だったら、初があまりにも哀れで浮かばれないけど、でも、どうも胡散臭く感じる。かといって九平治も信用できなさそうな輩ではある。
どっちが本当なんだろう。。。初の推理が当たってるような気がする。。。
いやでも、ラストは意外だった。
絶対に心中すると思ったが?
「曾根崎心中」やもん。
なのに、なのに・・・。
アレ絶対、徳兵衛は死なずに逃げたと思うな。自分でのどを掻っ切るほどの度胸があるとは全然思えない。腹も括ってなかったんじゃないの??
ただ、初を導いた人魂たち・・・姉さんたちの怨霊が、徳兵衛を逃がすことはしなかったかなと思う。
それだと話が怪談になってしまうか・・・(^_^;)

もっとほかの時代物も角田さんに邦訳してもらいたいなと思った。八百屋お七とか、四谷怪談とかね。ありきたりですけどね(^_^;)やっぱり切り口がいいですよね。。
14:35 : [本・タイトル]さ行トラックバック(1)  コメント(0)

【本】ラバーソウル/井上夢人

4062177137ラバー・ソウル
井上 夢人
講談社 2012-06-02

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内容(「BOOK」データベースより)
洋楽専門誌にビートルズの評論を書くことだけが、社会との繋がりだった鈴木誠。女性など無縁だった男が、美しいモデルに心を奪われた。偶然の積み重なりは、鈴木の車の助手席に、美縞絵里を座らせる。

これから読む人は、なるべく、余計な情報を仕入れずに読まれることをおススメします。
これから書く私の感想は、ネタバレになります。
くれぐれもご注意ください。






























主人公は鈴木誠という、いわば「異形」の青年だ。病気によって顔かたちが変わったらしく、一目見た相手は固まってしまうほど。自分を「メドゥーサ」と自嘲する。声帯や舌にも以上があるらしく、喋り声も相手に不快感を与えずにおれないという。
何の病気か書かれてないけれど、このあたりで非常に不快になる。
それはたぶん、鈴木誠を「差別」「嫌悪」する以外の選択肢が読者に無いからだろう。
物語は、モデルの絵里と出会い、一方的に愛してしまいストーカーとなった挙句、絵里の周囲の男たちを惨殺していく、それを独白や供述調書のような形で、本人鈴木誠、モデルの絵里、鈴木のお抱え運転手の金山、モデル事務所の人間や、鈴木誠が寄稿していた音楽雑誌の編集長などの視点で描くのだ。
鈴木誠自身の独白や供述(では無いのだけど)だから、犯行は疑いようも無く、見た目も悪いそうだけど内面も悪いこの男に、結局はとても嫌悪感が沸いてしまう。

それと、すべてはすでに起きた話に対する回想らしいのだけど、核心に迫るまでが長いので、中盤かなりだれてしまった。

そしてラスト。
意外な結末がまっている。
見事に騙されたのだけれど、なぜか爽快感が無い。
たしかに、「やられた!」と思うのだけど、その結末はあまりにも切ない。そして、ずっと、書かれていることをただ信じた自分にも、なんだかガッカリしてしまうのだ。切なくて、申し訳ない気分になった。だから、爽快でもないし、良かったとも思えない。
やるせない・・・・そんな言葉がぴったりなのじゃないかな。
13:37 : [本・タイトル]ら行トラックバック(1)  コメント(1)

【本】レアケース/大門剛明

4569803555レアケース
大門 剛明
PHP研究所 2012-08-07

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内容紹介
近年、何かと話題の「生活保護制度」の矛盾を突く問題作!
生活保護者を担当するケースワーカーとして、大津市役所に勤める石坂壮馬。彼は、生活保護をもらうだけでいっこうに自立しようとしない者や、仮病などで保護費を詐取しようとする者、そして被保護者を食い物にする「貧困ビジネス」の存在に、生活保護制度の矛盾を強く感じていた。そんな中、大津市内では、あくどく稼いでいると評判の者から盗みを働き、貧しい人々に金を配る「現代のねずみ小僧」が話題になっていた。社会のセーフティネットとしては、自分の仕事より、ねずみ小僧の働きの方が有効なのか――ねずみ小僧に複雑な思いを抱く壮馬だったが、ある日、彼の担当する被保護者が殺される事件が起こり……。
殺人事件の意外な真相とは? そしてねずみ小僧の意外な正体とは? 「横溝正史ミステリ大賞」受賞でデビューした社会派の気鋭が格差社会の闇に迫る、二転三転する衝撃のミステリ。
(Amazon 紹介ページより)


めずらしくAmazonでも詳しい内容紹介がしてあって、転載させていただきました(^_^;)。
そう、とてもタイムリーな話題なのだ。
読み始めて、そういうテーマに触れていると思うと、読者として期待するのは「いったいどう言う輩が、どう言う方法で生活保護費を不正受給しているのか?」という問題と「本当に生活保護が必要な人間にどういう形で影響が及んでいるのか?」そして「我ら納税者にどのように関わってくるか」ということじゃないかと思う。(私だけの疑問だったらゴメンナサイ)
でも、本書は、現代のねずみ小僧という人物の登場で、話がそちらに逸れ気味というか、そちらが物語のメインなので(誰がねずみ小僧なのか、主人公にかぶせられた容疑は晴れるのか)読んでて期待とはちょっと違うという感じがしてしまった。勝手に期待しておいて申し訳ない限りなのですが…(^_^;)。
ただ、主人公荘馬の仕事内容の描写で、ケースワーカーの実態というものが良くわかって、大変だなぁ!と頭が下がった。お仕事薀蓄としては興味深く読めた。
しかしこれ、ひょっとしたら「黒い家」みたいな恐ろしい物語にもなり得た気がして、少し残念。
でも、大門さんには期待して、次作も追っかけますよ!(もういいよって言われそう)
12:40 : [本・タイトル]ら行トラックバック(0)  コメント(1)

【本】ひそやかな花園/角田光代

4620107565ひそやかな花園
角田 光代
毎日新聞社 2010-07-24

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とある7人には共通の思い出がある。夏の一時期に行われた「キャンプ」だ。それは数年続き、見知らぬ同じ年頃の子どもたちと仲良くなり、子どもたちにとっては楽しい企画だった。でも、ある夏から突然なくなってしまう。幼いころの記憶ゆえに、成長するにつれいつしか忘れられ、人によっては実際に起きたことかどうかすら判然としない。
しかし、7人は何かに導かれるように、その集まりが何であったのか、彼らが誰であったのか、知っていくことになる。真実を知っていた者もいる。知ったばかりの者もいる。
さらに掘り起こされた真実は・・・・・。


角田さんって、面白くて読ませるけど、そこまで好きな作家じゃない・・・と思っていたんです。正直なところ。でも、先日読んだ「紙の月」がとてもよくて、そして本書を手にとって見たけど、これは・・・私が読んだ角田作品で「対岸の彼女」「紙の月」と並んでベスト3に入ると思いました。

(ネタバレあります。ご注意願います)





医療が進んで、こういう問題も起きてくる。以前ならあきらめるしかなかったことも、一つの方法が提示されれば、それがどんなに問題を含んでいてもすがってしまう。たとえば臓器移植だってそうだ。将来的には「私の中のあなた」みたいなことだって出てくるだろう。
本書ではそれは「誕生」に関わることだった。
同じ問題に直面した人は、ひょっとして読むのが辛い物語なのかもしれない。
そしてこの方法は、人が行う医療の範囲として正しいのかそうじゃないのか・・・人それぞれに思いがあると思う。
ここに描かれたのは、どうしてもどうしても子どもが欲しかった親たちの物語も含むのだけど、本当の主人公たちは、そうして生まれ出てきた子どもたち。
親だと信じていた人が親じゃなかった・・では誰が本当の親か・・じつはそれすら分からない。
それが分かったとき、いったい人はどう考えるのか。どんな感情にとらわれるのか?
7つの家庭、7組の親子、7組の夫婦の出産以前、出産以後、とてもていねいにリアルに描かれている。
そうして、真実に近づくにつれ、「生きることの意味」や「しあわせの条件」や「命の尊さ」などという、生きていくうえで出生の特殊云々に関係なく、誰もが持っている根本の問題が浮かび上がってきたように感じた。
印象的だったのは紗有美で、幼いころから同級生たちと(リアル)うまくいかなくて、夏のキャンプが唯一の自分の居場所だった。それが無くなってその後を寂しく、辛い思いで生きた。
それを紗有美はキャンプや母親のせいにする。じっとりと恨み、自分の人生がうまくいかないのは、めちゃくちゃにされたのは母親のせいだと思う。
そんな紗有美は言動からみんなに疎まれる。読者としても、この女だけは好感のひとかけらも持てない。
けれど物語の最後に紗有美は気づくのだ。
生きるということは、時にはもちろん恐ろしい思いをするかもしれないけれど、そこで幸せなことも起きるかもしれない。殻にこもっていれば怖い思いはしなくてもいい。けれど、幸せな出来事に出会うことも無い。
生まれてこなければ、辛い思いをしなくてもいい。でも生まれてきたから幸せな出来事に出会うこともある。
それは、この7人に限らない。誰にでも当てはまることなのだと思った。
一番いやな人物だと思った紗有美に、最後は一番共感した。
そのせいもあり、読後感の大変いい物語で、読後感で言うならば角田作品で一番良かったと思った。

・雄一郎はハルの「嘘」を見抜いていたと思うよね?
・たしかに、パートナーには注意が必要だろう。どこにきょうだいがいるか分からないよね・・・。

15:51 : [本・タイトル]は行トラックバック(1)  コメント(0)

【映】震える舌

B005JQ3GO2あの頃映画 「震える舌」 [DVD]
SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D) 2011-11-23

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DISCUSに新しく入荷したので見てみました。
これ、子役は大変だっただろうなぁ・・。
子どもが破傷風になった夫婦の苦しみを描くんですが、病人が子どもだから見てて辛いの何の。
1980年の映画だそうで。あの当時でも破傷風ってあったのかな?三種混合を打った長男は85年生まれなので意外。この父親もジフテリアにかかったというし。ちょっとびっくりした。
時代としてウェッジソウルの靴懐かしかった。
売店のマンガや雑誌に目を凝らしてしまった(^_^;)週刊誌の表紙明菜ちゃんかな~とか思いつつ見てしまった。
11:15 : [映画タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(2)

【本】司法記者/由良 秀之

4062170132司法記者
由良 秀之
講談社 2011-10-28

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内容(「BOOK」データベースより)
「騙されるな。気合を入れて叩き割れ!」「…そんな供述のどこが真実なんだ」美貌の女性記者はなぜ殺されたのか?口を閉ざし続ける容疑者の守り通す秘密とは…。特捜検事が、巨大組織の壁の中で、孤独な闘いに挑む。

叫び声が聞こえたという通報があり、駆けつけた刑事たちは、その部屋の浴槽で女性の他殺体を発見。部屋の持ち主はその死体を見て自分と同じ司法記者だと驚く。しかし、彼は身に覚えが無いと言い張る。

実際に起きた事件を取り込みながら、ミステリーとして良く出来た物語だと思った。
特捜部の内情が良くわかり、びっくり!
大阪のほうで起きた例の改ざん事件で問題になったことが、本書を読めば良くわかる。
国民として司法の危機を感じた!
ほかにも政治家の収賄事件だとか、まったく日本の行く末が心配になる問題がうまく練りこまれている。
面白かったけど、少し物足りないのは、これだけの材料があって、著者の経歴(元検察官)から切り込めば、もっともっと面白い作品が出来たような気がする。
主人公の検事の人物造形、心理描写など、もっともっと練って読ませて欲しかった。
次回作にも大いに期待したい。

ちなみに、この作者、覆面作家としてペンネームを使っていたのに、自分でうっかりツイッターで暴露してしまったんだとか。なんか・・・ほほえましいです。でも、そんなうっかりさんは検察官には向かないかもね(^_^;)
11:00 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】ロスジェネの逆襲/池井戸潤

4478020507ロスジェネの逆襲
池井戸 潤
ダイヤモンド社 2012-06-29

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内容(「BOOK」データベースより)
ときは2004年。銀行の系列子会社東京セントラル証券の業績は鳴かず飛ばず。そこにIT企業の雄、電脳雑伎集団社長から、ライバルの東京スパイラルを買収したいと相談を受ける。アドバイザーの座に就けば、巨額の手数料が転がり込んでくるビッグチャンスだ。ところが、そこに親会社である東京中央銀行から理不尽な横槍が入る。責任を問われて窮地に陥った主人公の半沢直樹は、部下の森山雅弘とともに、周囲をアッといわせる秘策に出た―。胸のすくエンタテイメント企業小説。

これの前に読んだ「ルーズベルトゲーム」がちょっと物足りなかったけど、こちらはとても面白かった!
池井戸さんの作風として、やっぱりなんとなく結末は予想できるんだけど、その過程が読ませる!
主人公の半沢はバブル世代。とても男気があふれて頼もしい人物で、彼についていこうとする氷河期世代の森山も誠実でよい。
私は、金融モノが苦手なので、このバブルシリーズ?は読まなかったけど、とても読みやすくて分かりやすかった。シリーズ最初からまた読みたい。
10:47 : [本・タイトル]ら行トラックバック(1)  コメント(0)

【本】冥土めぐり/鹿島田真希

4309021220冥土めぐり
鹿島田 真希
河出書房新社 2012-07-07

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裕福だった過去に執着する母と弟。家族から逃れたはずの奈津子だが、突然、夫が不治の病にかかる。だがそれは、奇跡のような幸運だった。夫とめぐる失われた過去への旅を描く著者最高傑作。(河出書房新社HPより)

芥川賞の受賞作で、文藝春秋で読んだ。初めての作家さん。
読みづらい文体だったかな。
内容的にも、短い物語なので、ん?そんで終わり?みたいな。
あっさりと終わってしまった。
面白く読んだような気もするけど、感想が書きにくい。何を書いたらいいか・・。
っていうことは、私にはこの小説のよさがわからなかったって言うことになるのかな。

ちかごろ私のアンテナに激しく引っかかってくる言葉があって、それは「ポイズンママ」という言葉だ。
「毒親」とも言う(そのまんまやけど)。
今年になって私が読んだ本で、その「ポイズンママ」関連の本は、
村山由佳「放蕩記」
水村早苗「母の遺産」
田房永子「母がしんどい」
窪美澄「晴天の迷いクジラ」
小川 雅代「ポイズン・ママ―母・小川真由美との40年戦争」
と、こんなにある。
(熊谷早智子「母を棄ててもいいですか? 支配する母親、縛られる娘」なんてのも予約中)

で、本書の「冥土めぐり」もその分類に出来るのではと私は思った。
主人公が母親(この物語では、それに弟もくっついてくる)に苦しめられていて・・とは言っても、よく聞くタイプの虐待ではなく、自分たちが裕福だったころの生活を維持したい気持ちを、主人公におっかぶせてそれを当然としてはばからない。結婚すれば逃れられるかというとそうじゃなく、結婚相手に対してもそれを求めて当然と思っている。この母と弟の人格には人間性を疑うしイライラさせられるし・・・でも、いろんなポイズンママものを読んで来たら、案外リアル。こういう親は実際にいるんだろうと思う。
群ようこさんのファンでよくエッセイを読んだけど、以前から、お母さんと弟さんの話がインパクトが強かった。それを思い出したのだけど。むろん、群さんのエッセイはもっとユーモラスに描かれてるんだけど。
10:28 : [本・タイトル]ま行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】リアル・スティール

B005MH1KJ6リアル・スティール DVD+ブルーレイセット [Blu-ray]
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 2012-05-16

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大体予告編からの想像の範疇だけど、それでも面白かった。
父親は最初のうちは、どーしよーもなくて好きになれないが、子どもが父親に負けておらず小憎らしいため健気さが薄くて、いいバランス(笑)。二人の息が合っていくところやアトムの活躍に胸が踊る。まあ、基本的にロッキーだわね。映画としてとても楽しんだ。親子で安心して見られます。見てソンは無いと思う。
11:12 : [映画タイトル]ら行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】ダーク・フェアリー

B007KG2IH0ダーク・フェアリー [DVD]
ポニーキャニオン 2012-07-03

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ホラーでギレルモ・デル・トロと冠に付けば見ますよ。
すごく怖いわけじゃなかったけど、子どもが主人公だしグロさも抑え目で安心して面白く見た。
主人公はまだ幼い少女サリー。
両親が離婚して、母親と一緒に暮らしていたけれど、なぜか父親(ガイ・ピアース)の元へ。
(どうも、サリーの情緒不安定に母親が付き合いきれなくなったか)
しかし、父親には新しい恋人がいて、家族はギクシャクしてしまう。
3人が暮らし始めた家は、古い家で、映画の冒頭にて、ワケありの様子が映し出される。
件の地下室は隠されているが、サリーがその地下室を見つけてしまい・・・。
「封印」を知らずに解いてしまって、得体の知れないモノたちが、サリーの周辺をうろつき始める。。。。
全編飽きずに見られたので、面白かったと思う。
ただ、あのお化けはちょっと趣味じゃなくて、冒頭で(姿を早いうちからさらすので)ずっこけた。
冒頭でずっこけたので却って期待しないで見たのが良かったかも。
期待してて最後にアレが出てきたらかなり萎えてガッカリ感ハンパないので(^_^;)
あの女の子は「テラビシアにかける橋」でお気に入り。
演技がうまいですね。子役は今どこへ行っても演技派揃いなのかな?
ブサ可愛いと思っていたけど案外化けるかも(失礼な!)。
ケーティとホントの親子のように似て見えたのは気のせい?
やっぱりデルトロ関連作品では「パンズラビリンス」「永遠の子どもたち」「ロストアイズ」が好き。
10:57 : [映画タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか/増田俊也

410330071X木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
増田 俊也
新潮社 2011-09-30

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第43回大宅壮一ノンフィクション賞、第11回新潮ドキュメント賞のダブル受賞作品で、いまさら私が説明の余地はないと思うので、丁寧な紹介は割愛させていただきます。


私は格闘技にも柔道にも疎いので、こういう人物がいたということはもちろんのこと、力道山は名前こそ知ってはいたけれど、木村政彦との一戦が「昭和の巌流島」と呼ばれた大一番で世間をにぎわしたことも知らなかった。
しかしそんな私が読んでも、とても胸打たれる面白い評伝だった。
ともかく、昭和を生きた格闘家たちの生き様にしびれた。


著者は、件の一戦で力道山にだまし討ちのようにコテンパンにやられた木村政彦の名誉を回復すべく、木村政彦が死んだ平成5年(1993年)からまさに18年を費やして取材を重ね、「あのとき木村政彦が最初から真剣勝負のつもりでリングに上がっていれば、間違いなく伝説の決め技『キムラロック』で勝っていた」と断言する。
その後、不遇のなかで再戦を熱望しても受け入れられず、失意のうちにただあの一戦を後悔しながら生きた木村政彦。タイトルのように木村政彦は力道山を殺して自分も切腹すべきだったのか?
怒りと悲しみを抱いて後半生を生きたサムライ木村政彦の生涯が、綿密な取材を元に描かれる。
それとともに、柔道、柔術の歴史も詳しく書かれていてその点からも興味深い。
ここに描かれる戦前の柔道は、今テレビで見るスポーツの柔道とはぜんぜん違う。
敗戦国日本は、武道さえもGHQに禁じられてしまったので、生き残るために、「柔道は無道ではなくスポーツだ」と主張したらしい。そのため、柔道は武道からスポーツへと変化して行ったようだ。
この本を読んでいると、全盛期の木村政彦の柔道を見てみたい!と思えてならない。
岩のように動かなかったという。生えている木を相手に打ち込みをやって、しまいにはその木のほうが枯れてしまったというが、そうして鍛え上げられた揺るがぬ堅い足腰。そして、竹を相手に打ち込みをやり身に着けた柔軟性。一日10時間に及ぶ練習量。負けたら切腹する覚悟でいつも闘っていた。
全日本選手権13連勝。15年間無敗。
木村の前に木村なく、木村の後に木村なし。
誰に聞いても「木村先生よりも強い柔道家はいない」と言うらしい。
戦争がなければもっと連覇を重ねたことだろう。
戦争がなければ、プロの格闘家になることもなく、柔道一直線だったかもしれないし、プロレスなんかに行かずに力道山とも人生を交錯させることなく生きたかもしれない。
戦前の輝かしい戦歴と、戦後、力道山との対決以降の人生の落差がありすぎで見ていて悲しい。
力道山との一戦は本書のクライマックスであり、メインテーマであるが、しかし私はそれより前に木村政彦がブラジルでエリオグレイシーと交えた一戦のほうが印象深く感じた。
木村政彦の死後ではあるけれど、グレイシー一族によって木村政彦の名誉は挽回されたように感じる。
こうして、本書がベストセラーになったことも、木村政彦の名誉回復につながっただろう。
日本が誇る柔道家だった木村政彦。
綿密な取材によって熟考された木村評伝は、冷静で公正でありながら木村へのリスペクトが根底にあり、とても人間味にあふれた読み応えがある一冊になっていた。
本の冒頭で「木村政彦は力道山を殺すべきだったのか。殺して自害するべきだったのか」という問いかけがなされる。「それは私自身にも、本書を書き終えるまで分からない」と。
その答えは、ラスト、木村自身の言葉で結論付けられる。
感涙でありました。


ただね・・・・・ともかく、読んでみて心の底から沸きあがる気持ちは
「どうして力道山と本気で戦わなかったんだ!!」
という一言。
力道山と本気で戦って(相手が「ブック破り」をしてきたのなら、そこで本気モードに切り替えて)勝って欲しかった。。。。しかし、それを私のような立場の人間が言うことではないのかもしれない。


今度テレビで総合格闘技の放送があったらぜひとも見てみようと思う。
だれかが、キムラロックを使うところを見たいな。。



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【映】サトラレ

B00005OLUKサトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS [DVD]
佐藤マコト
バップ 2001-10-24

by G-Tools



ちょっと前、個人的安藤政信君ブームでしてね・・・(^_^;)。
安藤政信君フェアを勝手に繰り広げていました。
きっかけは「スマグラー」だったんですが、その後、「スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ」「キッズ・リターン」「悪夢探偵」「さくらん」「69 sixty nine」「ストロベリー・ショートケイクス」「RED SHADOW 赤影」「ドライブ」など、立て続けに鑑賞しました。
そして、いつの間にか速やかに、安藤君への熱い気持ちは沈静していったのですが・・・(滝汗!!)。
「ストロベリー・ショートケイクス」が結構個人的にトラウマになったかな。
レンタルできないものは、買いまして。
それがこの「サトラレ」です。
冷静になると、「そこまでしなくても」って思うけど、ブームの只中では自分の行動を自分でとめることが出来ないよね・・。結構突っ走ることもあるよね・・。ま、DVD一枚買ったぐらいで(それも中古)高が知れてますけどね(笑)。



さて、前置きが長くなってしまったけど、この「サトラレ」、漫画原作だそう。
でも、原作は未読です。漫画原作だけあり、設定が面白い。いかにも漫画チックだ(笑)。





サトラレ・・・・それは、自分の思念が周囲のすべての人に伝わってしまうという、特殊な能力を持つ人間のこと。外科医を目指す若い新米医師、里見健一というサトラレをめぐる物語。
日本に7人だけいるという「サトラレ」。
彼らは非常にIQも高く、各分野で抜きん出た活躍をしている。国家として彼らを大事にしていて、サトラレに関する法律があるほどで、国家でサトラレを保護している。
人の思念が読める能力の持ち主をテレパスという。
・・が、コレはその逆。自分の考え、自分の気持ち、すべてが周囲にダダ漏れ状態。
ちょっと考えただけでも、あれこれいろいろ大変で・・もしも自分だったら・・生きていられない~~~!!!
実際映画の中では、サトラレ第一号は自殺したという設定だ。
だから決して本人にサトラレであることが分からないように徹底的に保護されている。
里見本人も自分がサトラレだと分かってないけれど、周囲の気の使いようやストレスはハンパない。
ばれちゃいけない。彼の思念がどんなにわかっても、それをサトラレ本人に悟られちゃいけない。悟られるようなことをしたら刑罰が待っている。周囲はみんな迷惑顔だ。
里見が少しでもイレギュラーな行動をとろうものなら、すわ国家の一大事とばかりに軍を上げての(軍じゃなくて自衛隊だけど)緊急体制。
そんなことがコミカルに描かれていて笑える。
サトラレに医者は出来ない。深刻な病状が本人に伝わるだけでなく周囲のすべてに分かってしまう。(それは病気だけじゃないけど)
能力が高い点から見ても、外科医をやるよりも新薬開発のプロジェクトに参加させたい意向から、心理学者の木村洋子(鈴木京香)が里見の病院に派遣される。
国家から厳命を受けているにもかかわらず、この木村洋子が「思ってることが顔に出る」という意味で、これまたサトラレみたいな人物で、そこも笑いの要素大。
そんな二人が次第に気持ちを通わせるようになっていくのだけど、恋人になるのはやっぱり躊躇があるよね。やることなすこと周囲にダダ漏れじゃ・・・・(^_^;)。
そんな折、たった一人残っている肉親の祖母が健一の勤め先に入院することになり・・・。
国としては健一に新薬開発のほうで手腕を発揮させたいから色々と画策し、健一の気持ちとは裏腹に物事が進んでいく。健一がかわいそうだと思ったのはこのときだなぁ・・・。

気持ちがダダ漏れで、私みたいな人間だと、見られて恥ずかしいところばかりなんだけど(^_^;)健一のように優しい部分が見えたら、却って「惚れてまうやろ~~!」みたいな。
この健一の「気持ち」に終盤は泣かされてしまった。
おばあちゃんの八千草薫さんが適役。かわいいおばあちゃんだからね。
私が若いときには「優しそうなお母さん」って言うイメージだったけど、いまや「おばあちゃん」ですから。それがまたいい感じで。
桜並木の中で言う「健一がいい子だってことは、みんな知ってるから。大丈夫よ。」というセリフ、ジーンと胸に響いた!
終わってみれば胸がジンワリと温かくなるよう物語だった。
ただ、「思念」ってこの映画ではきちんとした文脈になってる「言葉」だったんだけど、実は思念というのは「五感」全部じゃないかと思う。それを映像化するのも大変かな。



さて、色々安藤君の映画を見たけど、やっぱり一番かっこよかったのは「スマグラー」の背骨でした。
次は「さくらん」の清次。めちゃくちゃ色っぽかった~~。
しかし、ストーリー的にどれが一番かというと「キッズ・リターン」です。
大好きな映画になりました。
一時のような情熱的にはファンじゃないけど(^_^;)これからも細々と応援させていただきます。
こないだも東野圭吾ミステリー、見ましたよ!「スマグラー」の主要人物集結した感じで嬉しかったね(笑)。
そして、「自縄自縛の私」が公開間近!
公式サイトはこちら⇒「R-18文学賞 vol.1 自縄自縛の私
たぶん近所の映画館で上映はないんだろうけど、DVDが出たら見ますね。(^^ゞ

14:38 : [映画タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)