【本】特捜部Q ―Pからのメッセージ― /ユッシ・エーズラ・オールスン

415001860X特捜部Q ―Pからのメッセージ― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
ユッシ・エーズラ・オールスン 福原 美穂子
早川書房 2012-06-08

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今回も面白かった!一気読みした(*^_^*)

未解決事件を扱うコペンハーゲン警察の、特捜部Qシリーズ第3弾。
今回は、数年前に書かれたボトルメッセージをめぐって、今まで明るみに出なかった残酷な犯罪が世に出ると言う物語。
カールのところに持ち込まれた、殆ど何が書いてあるか分からないその手紙を、最新科学や人智を結集して読み解いていく。
犯人の行動や犯行は冒頭のうちから明らかになっていくが、読めば読むほどその残忍さや狡猾さに驚かされる。
そして徐々に、何故そういう犯行を重ねるのかが分かってくると、やっぱりなんとなく同情を覚えてしまう。これは「檻の中の女」でも感じたなぁと思い出した。しかし、同情してしまう部分があったとしても、その犯行は同情の余地がないほど残酷なので、読むほうにはひたすら警察、特捜部Qを応援する気持ちが募ると言うもの。
犯人が目をつけたのが、世間と隔絶されているある種の宗教を信仰している人たちだ。
身代金目的の誘拐を企てるのだけど、被害者は宗教的な事情から、決して警察に届けたり被害を訴えたりしない。
誘拐する過程のことはとても念入りにリサーチしてある。
そして、自分の正体も完璧に隠してあり、自分の妻にさえ本名を明かしていないなど、とても用心深いのだ。
しかし、犯人は周到な割には、たとえば女と深い仲になってみたり、とあるスポーツ大会に出たり(そんなときにそんなことをしなくても!!みたいな、私には明らかに墓穴?と思えたのだけど・・・)行動が頓珍漢だったなぁ。
いっそそこで「始末」しておけばいいのに・・みたいな詰めの甘さもあったりで。←ありがち!
でも、追う方のカールもタッチの差で犯人を逃がすなど臍をかむようなドジ。だから、ドジの応酬?と言う感じもあって歯がゆかったりもしたのだけど、その分ハラハラとして手に握る汗も増えたと言うもの(^_^;)。
また特捜部Qメンバーたちの今回の珍騒動もまた、面白かった。新登場のユアサはローセのそっくりな双子の姉妹。彼女が結構有能な働き振りを示すも、難解な部分もあり・・・。
アサドは今回私生活の一部をカールに覗かれ(いや、覗かれたのではないけど)謎が深まるし、カールが引き取った元同僚のハーディーが謎の証言をしているし、カウンセラーのクリス、そしてカールの思い人モーナ・・そして離婚寸前のカールの妻ヴィガ・・と母親・・などなど、気がかりが満載のまま、終わってしまった。
ついでに言うと本書中、もうひとつの「ヤマ」である火事の話。誘拐事件に関係あるのかなと思っていたのだけど(^_^;)
こちら「未解決」の部分はまた次の物語に持ち越されるのだと思うけど、でも、いつまでも引っ張らないで、少しずつでも明らかにしてくれないと・・・こちらはフラストレーションが溜まってしまいますよ~!!

檻の中の女 
キジ殺し
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16:38 : [本・タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】アイアン・ハウス/ジョン ハート

4150018553アイアン・ハウス (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
ジョン ハート John Hart
早川書房 2012-01-25

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すごく面白かった。
とにかく、主人公のマイケルがかっこいい!
ジェイソン・ボーンみたいなスキルの高い殺し屋で、脳内変換はボーンのマット・デイモンをもうひとつふたつイケメンにした感じ!それが愛する女を救うために命もなげうって向かうのだから、ゾクゾクと痺れないわけがない。(私の中ではこれでクラッキングの能力があったらスーパーマンなのだけどね!)
ぜひとも映画にしてもらいたい!イケメン俳優でね(*^_^*)
単にマフィアの内部抗争みたいな話ではなく、弟と生き別れた話、アイアンハウスでも、そこから出てからも含めてマイケルの半生なども読み応えがあった。
また弟ジュリアンの引き取られた議員の家庭、義母のアビゲイルの視点で語られる物語も大変面白かった。
何層構造にもなっている物語で、複雑ながらも分かりやすかったのも良かった。

私はやっぱりマイケルがエレナを思う気持ちに萌えたな~(*^_^*)。
エレナがどんなわがままを言っても許しそうな勢いのマイケルの献身、崇拝ぶり。完璧に感じた。
私には「強い男に危険な状態から救い出してもらう」という萌ツボがあるけど、エレナの状態がまさにその理想。。。でも怪我をするのはイヤだけど(笑)。
敵方も強くて残酷で憎たらしくて言うことなし。
とにもかくにもマイケルに尽きる。久しぶりにかっこいい男の物語を読んだ。満足満足(*^_^*)

【ストーリー】
マイケルは恋人エレナの妊娠を機に、「組織」を抜けようとした。
育ての親でもあるボスはガンのため余命いくばくもない状態で、彼が抜けることを許してくれたのだが、彼の息子ステヴァンや、マイケルに殺し屋としてのスキルを教え込んだジミーは、それを許さない。
ボスは苦しい延命措置を望まず、自分を殺してくれとマイケルに懇願。それが組織を抜ける条件だと。マイケルは躊躇しながらもボスの意向を汲み取り、望みのままにボスの命を絶つ。
しかし、それを知ったステヴァンやジミーはマイケルを許さず、マイケルの恋人エレナの働いている店を爆破。
そのうえ、子どものころに孤児院「アイアンハウス」で生き別れた弟の命をも奪うと、ちらつかせるのだった。

09:11 : [本・タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】太陽がいっぱい

B004QTPPZ6太陽がいっぱい 最新デジタル・リマスター版 (Blu-ray)
ルネ・クレマン
紀伊國屋書店 2011-05-28

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先日テレビ放映をしたので、録画していて、やっと見ました。
昔々、おそらく日曜洋画劇場かなんかで見たっきりだと思う。
何歳のころに見たのか…覚えてないけど、その当時の私にアラン・ドロンの美しさは、理解できてなかったと思う。
一世を風靡していたのは知っていたけど(ダーバンのCMも懐かしい。ウチに確かカレンダーがあったと思う)特に胸ときめかせた覚えもなく。ああいうくどい顔は当時は好みじゃなかったのかな?(^_^;)
改めて見てみると、本当に美男子だわ~~。若いし!
金髪に碧眼は結構普通だそうで。でもアラン・ドロンは黒髪に碧眼なのが魅力のひとつだと何かに書いてあったのを覚えてます。言われて見れば、アラン・ドロンが金髪だったらきっと魅力が半減していたように思いますね。

古い物語なのであらすじも書いてしまうと、トム・リプリー(アランドロン)は放蕩息子である友人、フィリップを連れ戻しに、アメリカからやってきたが、フィリップはそれを無視し、挙句トムを徹底的に馬鹿にし、蔑む。
トムはフィリップを殺し、自分がフィリップに成りすまそうとするが、フィリップの友人に嗅ぎ付かれてしまい、その友人をも殺してしまう。そしてその罪をフィリップになすりつけ、彼の恋人マージュを奪おうとするのだったが・・・。

フィリップを殺す段階で、マージュとの間に軋轢を作っておくなど、色々と小細工をしているようだけど、いまいち完全犯罪には程遠く、あらがいっぱい。
貧乏青年が間近でリッチでセレブな友人のろくでもない生活を見れば、なにかしら動揺するものがあろうというもので、その上に根性の悪い道楽ボンボンのフィリップに、あそこまで馬鹿にされたら、さすがに見ているほうもトムに同情してしまう。ホントいやらしい。ナイフフォークの使い方まで「卑しい」とか言って。ねちねちとまったくゲスな男である。
トムがフィリップに殺意を抱くも、それを応援する気持ちが沸いてしまう(映画の中だし!アラン・ドロンだし!)。

でも、いくら小細工しても犯行はどちらかというと行き当たりばったりの杜撰さで、見ているほうはハラハラしてしまう。
嬉々としてフィリップに成りすましている(ように見える)のも、危うくて。
さっさとどこかに逃げればいいのに・・・フィリップの友人を殺したときなんかも、あまりのおバカさにこっちの胃が痛みそうだった(^_^;)

結局、物語は「天網恢恢疎にして漏らさず」の典型例ですね。
どの道彼の犯行は露見しただろうと・・・。
自分の完全犯罪を信じ、安穏と「自分が得た」と思った世界で、太陽をいっぱい浴びてニヤケていた最後のトムの笑顔が、もう、切なくて切なくて。そこに聞こえるニーノ・ロータのテーマ曲が切なさを助長して、トムは二人も殺した極悪人だけど、エンド後のトムを思うと哀れで・・・思わず涙がわいてくるのでした。

07:19 : [映画タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(2)

【映】日の名残

B002MTS43W日の名残り コレクターズ・エディション [DVD]
イスマイル・マーチャント
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2009-11-04

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原作未読。
まさに滅私奉公の典型の執事の生涯を描いた作品。
ものすごく地味な映画だけど、超多忙な執事やメイド頭の仕事を通して描かれる毎日がスピーディーで飽きさせない。
時代背景含め、荘厳なお城で暮らす貴族の生活は見応えあるし、近づく大戦、ナチスに利用されていくご主人様の不穏など、スリリングでもある。
とにかく。ご主人様にひたすら仕えるだけの毎日。
私なんて自分の家を「ハウスキーピング」するのもたいていしんどいと思うのに、この人はあの立派なお城を守っている。なんと言う手腕。
何人もの使用人たちを束ね、家中ぴかぴか。お客様が来たら(それも何十人もやってくる!!)粗相がないように細心の気配り。晩餐の準備も抜かりなく、ナイフやフォークの位置はメージャーできっちりと測る!
自分の粗相はご主人様の恥。そんなことがないように、そのためには自分の父親さえ犠牲にしてしまう。執事魂というものがあるとすれば、この人物にこそあると思った。
そんな中で反発しあいながらも、実は惹かれあっているのが、女中頭のエマ・トンプソン。
なんせ「滅私」の二人だから、恋はちっとも進展しない。しないどころか、彼女は別の男性のもとへ…。
主人公はそうなってもあくまで滅私。自分を出さない。執事魂は、彼に「人間としての普通の幸せ」さえも与えないと言うのだろうか。それとも彼にはそれが「幸せ」だったのだろうか。「普通の幸せ」なんて、誰にも同じものはないからに・・。
物語は、その当時から20年の時を経た今、女中頭との再会を描く。
すべては過去の物語なのだ。
そして、再会した二人は・・・・。
切なくて切なくて。こんなに切なくて涙が出る物語とは思わなかった。
すごく心に残る物語でした。

雨の中で・・・・ちょっとだけ「マディソン郡の橋」のラストシーンを思い出しましたね。
ラストの鳩はきっと自由にあこがれる執事の代弁では・・。
お城を出てどこかへ行きたい、そんな気持ちもきっとあるんだろうなと思う。
それもまた切ない。
15:39 : [映画タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】クィーン

B000UVXHSQクィーン<スペシャルエディション> [DVD]
エイベックス・エンタテインメント 2007-10-24

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面白かった。
英国王室には殆ど興味がないけど、先日「英国王のスピーチ」を見たので、あの「娘」がこの女王であり、あのときの「奥さん」がこの「皇太后」なんだな・・とか、ちょっと感慨深く見た。
ともかく、こんな風にあけっぴろげに映画の題材になること事態、日本の皇室と比べて違いに驚く。
女王って4WDで荒道を一人で乗り回したり・・・え~~女王が一人で運転、おつきのものは一緒に行かないの??みたいな(笑)それでエンコして「シャフトが壊れた」などと…。シャフトって~。そんなことまで良くご存知で。と思った(^_^;)。
また、ブレア首相の食卓やベッドルームがあまりにも庶民だったり、ポイントで「へぇ~」と思う。
私などはマスコミに扇動されたら、ついつい真に受けてしまうのだけど、女王が「国民を信じている」ということをブレアに言うシーンで、やっと女王の真意が分かる。
女王は王室の格式やしきたりと、国民感情の間に挟まれて苦んでいたので胸を衝かれた。
女王の孤独がひしひしと伝わる。

幼いころから女王となるべく教育を受け、国民と国家に仕えると誓った。
ダイアナの死で崩れた王室の威厳と信頼。
花束のメッセージに打ちのめされ、そのあと子供に花束をもらう女王というシーンが印象的。

最初は女王にたいして革新的な立場のブレア首相は、その人柄に触れ、だんだんと女王を崇拝するようになる。
そして、女王を深く理解し始める。
一番女王を理解するのが、作品の中ではブレアなので、彼に好印象をもたずにいられなかった。
15:27 : [映画タイトル]か行トラックバック(0)  コメント(5)

【映】幸せへのキセキ

幸せへのキセキ


夫にとっては最愛の妻、子供たちにとってはなくてはならない母親、大事なその人が死んでしまった喪失感から、息子は問題児になってしまうし、夫は仕事をクビになってしまう(自分からやめた体ではあるけど)。
そんな家族が再出発するために決めた新居には、なんと、動物園が付いていた!
オーナー亡き後閉園に追い込まれた動物園を、立て直す主人公一家。
動物園の再建はたやすくないけれど、その再建に、妻の死がきっかけでばらばらになった家族の絆の再生を重ねる感動の物語。。。。。


うん、感動的な話です。
動物もいっぱい出てきて楽しかった。
が、映画としては可もなく不可もなくみたいな感じだったかなぁ。
個人的な感想だけど、何もかもが想像の範疇でしかなかったような気がしました。
とはいえ、妻を思い恋う主人公ベンジャミンには、ほろりとさせられるし、お兄ちゃんも将来有望のイケメン君だし(見ているうちにだんだんと、マット・デイモンに本当に似ているような気がしてきたから不思議!)末っ子妹の可愛いことなど、見応えいっぱい。
一番印象に残ったのは、お兄ちゃんディランの反抗振りが痛々しくて哀しくて、それを父親が理解できないのがまた(父親も自分の悲しみや、動物園のことでいっぱいいっぱいなものだから)哀しかったし、「お父さん、分かってあげて!!」と思いながら見てしまった。
またそのディランにしても、動物園で働く同じ年頃のリリーの気持ちが分からなくて、知らないうちに傷つけてしまったり。
色々と気持ちが素通りしたのが印象的。
お父さんと息子、たったあれだけの言い合いで一瞬で仲良くなれるなんて、ちょっと出来すぎと思う。(まぁディランのためにはそれでいいのだが)でも、父親が息子に与えるアドバイス「20秒の勇気」は心に残った。
日本語で言うと「知るは一時の恥」ってやつ、・・・ちょっと違うか(笑)。

まぁともかく、原作も読むつもりです。
原作は、映画とは別物らしい。というか、映画が原作とは別物という話です。


487723179X幸せへのキセキ―動物園を買った家族の物語
ベンジャミン・ミー 水野 麻子
興陽館 2012-06-01

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15:11 : [映画タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】嘆きの美女/柚木麻子

4022508930嘆きの美女
柚木麻子
朝日新聞出版 2011-12-20

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内容(「BOOK」データベースより)
生まれつき顔も性格もブスな耶居子は、会社を辞めほぼ引きこもり。顔のにきびをつぶすことと、美人専用悩み相談サイト「嘆きの美女」を荒らすことが最大の楽しみだった。ところが、ある出来事をきっかけに「嘆きの美女」の管理人のいる、お屋敷で同居するハメに…。美しくても、美しくなくても、たくましく生きる女性たちの姿を描く。外見、趣味、食べ物、男性からの視線―。生きてきた環境があまりにも違う彼女たちが、いつの間にか繋がっていく。女の人たちの物語。


なかなか面白かった!
ブスの僻みというか、悩みというか・・・ブスにそれがあれば、美人には美人としての悩みがある。
お互いの観点から相手を観察し、結果的にお互いに良い影響を与えていく。
コメディタッチで「なんでいきなり同居になる?」など、突っ込みどころもあるけど、全体的に楽しく一気に読んだ。
主人公が、知らないうちに自分が磨かれ、成長していくさまと、ちょっとしたサクセスストーリー的展開は、読んでいて気分爽快になる。
作中で「愛しのローズマリー」という映画を見ているのだけど(登場人物の美女たちがこの映画が大好き)この映画では、美人=性格が悪い、ブス=性格がいい という決め付けがひどいので抵抗があったのを思い出した。
だけど、本書は、耶居子は見た目もブスだけど性格も悪いっていうのが徹底していて面白かった。
10:27 : [本・タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】母がしんどい/田房 永子

4404041691母がしんどい
田房 永子
新人物往来社 2012-03-24

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私にはもうひとつ、マンガ専用のブログがあるので、ここにはマンガの感想はあげていないけど、今回は特別。
ものすごく衝撃を受けたので、ご紹介します。

まえがき

まわりから見ると、仲良し親子。
だけど「お母さん大好き!」って思ったことがない。
(こんな私って親不孝?)

何の問題もない、しあわせ家族。
だけど実は、お父さんとしゃべったことがない。
(会話はいつもお母さん越し)

お母さんはいつも「あなたのため」と言ってくれます。
だけどそれって、本当に私のためなの?
(お母さんがやりたいからやってるとしか思えない・・・)

この違和感を相談すると言われること。
「親なんて、そんなもんだよ」
「それを乗り越えるのが大人」

自分が子供なんだ、悪いんだって思ってきた。
(だけど、わたしって本当にそんなに、悪いの?)

うちって「普通」なのに、なんだか「普通」じゃない。
お母さんが重苦しい。

そんな私が、
お母さんから逃げて失敗して、逃げて失敗して
ついに逃げ切るまでのお話です。


なんていうのか、このお母さんは完全に病気なんだと思う。
気分屋と呼ばれる性格の極端に酷い感じ。
一瞬で(3秒でと書いてあるけど)ニコニコしていたのが鬼の形相に変わったり、自分の考えを子どもの気持ちも考えずに、ただひたすら押し付ける。
そして、「押し付けている」と言う意識すらない。
そんなお母さんに育てられた著者が、どのように成長してしまったか・・・そしてどのように解決して、どのように親と断絶して自立したのかを描いた作品です。

とにかく、子ども時代の著者がかわいそうでかわいそうで、不憫で不憫で、読んでて涙が止まらなかったんです。
たとえば遠足のお弁当。
ミネストローネ入りの凝った(と本人は思ってるんだろう)お弁当を作る一方で、水筒にはただの水道水を持たせる。(遠足の間に温まっている)
たとえば子どもが母親にプレゼントしようと、手作りケーキを作ろうとすると、そばで見ていてイライラして爆発。。。子どもは母のためを思っているのに・・・。etc.etc.・・・・。
大人になってからのこともそれはそれで相当~~~~~にキツいけど、やっぱり子ども時代はあまりにもかわいそう~~(涙)。
しかも担任とかにも酷くされて。
もう~~こういうのが先生なんて、許せません!

大人になってからも壮絶すぎる人生です。。。
ここに書くのも憚られるほど、これが親?と思ってしまう。


精神科の医師がこの人に言ったこと、それが大きなきっかけになって、親との断絶を決めるんだけど、やっぱり専門家は違うわ・・と思いました。医師のせりふ「あなたは悪くない」の言葉に、泣けました。

後に著者が自分の両親のことを分析しているんだけど、なるほどなぁと深く納得できます。
そしてよくぞそこまで冷静に親を見ることが出来るようになったと、それもまた感動なのです。

Amazonのカスタマーレビューを見ると、こうした母親に苦しまされた人が多いのに、驚きます。

自分はちゃんと「母親」かなぁ・・・
と思ってしまいました。
こんな親じゃないよね?と子供に確認したいけど、ひょっとして「同じところがあるよ」とか言われたら・・と思うと怖い(^_^;)


著者の田房栄子さんのブログはこちらです。
むだにびっくり
おもしろいタイトルですが、後日談なども書かれており、本書を読んだ人は必読ですよ。
15:48 : [本・タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】七十歳死亡法案、可決/垣谷 美雨

七十歳死亡法案、可決
七十歳死亡法案、可決垣谷 美雨

幻冬舎 2012-01-27
売り上げランキング : 43257


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2020年、高齢者が国民の3割を超え、社会保障費は過去最高を更新。破綻寸前の日本政府は「七十歳死亡法」を強行採決する。(「BOOK」データベースより)

最初は、このセンセーショナルな法案に対して「そんなアホな!」と思ってまじめに読む気がしなかった(それなら何故借りたのかと言う話だけど…)。
国民が、不承不承ながらも法案を受け入れているようなのが(反対している人たちも多いが)まるで現実味がない。
そもそも法案そのものに説得力がない・・・・・気がする。
でも、それをまぁまぁ気持ちをなだめつつ読んでみると、「法案」がテーマではなく、老人の介護を通して主人公一家の現状が見えてくるのだ。これがまた、いまや日本国中誰もが他人事とは思えない状態。
寝たきりの老母の介護を、妻が一手に引き受けているのだけど、夫は無関心、自分は働いているのだから、専業主婦で仕事もしていない妻が介護するのは当然と思っている。
息子はエリートコースから外れてしまい、いまや引きこもりのニート。ご飯も母親に運んでもらい、部屋で食べている。
介護を手伝ってもらおうと思った長女は、逃げるように独立。
55歳の主婦は「七十歳死亡法案」によって、姑の介護があと2年で終わることが希望の光だ。
反面、自分の人生もあと15年で終わると思うと2年も介護で潰されたくないと思う。思いつつも、今の自分の精一杯のやりかたで、誠実に姑を介護している。その孤軍奮闘が痛々しくも立派なのだ・・・が。それが介護されている老母にも夫にも、誰にも伝わらない。当然のことと思われている。
主婦の目を通して、家族のあり方が浮かび上がってくる。どこかおかしいんじゃないか?妻だけに負担がかかる介護のあり方に、何故この家族は疑問を抱かないんだろう。でも、案外そんなものかも知れないと思う。自分たちの家族のあり方を俯瞰して眺めることは難しいのだろう。
また、ニートの息子の目を通して、若者たちの現状が。特養ホームで介護の仕事をしている長女の目を通して、終末介護のあり方などが描かれていて、本当に「生きにくく」「死ににくい」世の中をあぶりだしている。
姑の視点に立てば、戦争で家族もなにもかも無くし、苦労と言う言葉では足りない、生きて越し方に頭が下がりもする。人生の終焉に少々のわがままも言いたいよね…と思ってしまう。

七十歳死亡法案なんて、可決され施行されたらどうなるか?そんなことはまじめに考えるのがバカらしいと思う。
思うけれど、そのことを本気で真剣に考えたら、にっちもさっちも行かなくなった日本の将来も、希望がわいてきて明るくなるのかもしれない。
物語はあまりにもうまく行きすぎで、ご都合主義ともいえるだろう。
でも、小説ぐらい、ありえないほどうまく行ってもいいじゃないか・・と思わせる爽快感がある。

実際、今の世の中「老人になったら早く死んだほうがいいですよ」と言う感じがあふれている。
私の親も「年よりは『早く死ね』って言われてるような気になる」と言っています。
作中でも介護される老母は「生きててすみません」と思っている。
なかなかに身につまされるお話だったなぁ。
著者の作品はどれも少しずつ、不思議な設定で面白いですよ。

夫の彼女
リセット
結婚相手は抽選で
15:17 : [本・タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】だれかの木琴/井上 荒野

4344021029だれかの木琴
井上 荒野
幻冬舎 2011-12-09

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引っ越した先の町で、初めての美容院に行って、初めての美容師に担当してもらった主婦の小夜子。その夜、美容師の海斗からメールが送られてきた。何気ないただの営業メールだった。
しかし、それをきっかけに…いや、それに対して丁寧に返信したのをきっかけにではなかろうか?小夜子はどんどんと、海斗への執着を深めてゆくのだった。


一気に読んだけど、気色の悪い小説だった。
主人公の主婦が、普通の主婦から異様な主婦へと転身していくのが、徐々に描かれていて、不気味。
一見特殊なように見えて、実は案外「普通にそのへんにある」かも?、自分にもあるんじゃないか?と思わせる居心地の悪さがある。新聞記事やドラマになるような特異性も(さほど)ないが、それが却ってリアルで生々しい。
ストーカーものなら、たとえば、警察沙汰になるとか、刃傷沙汰になるとか…もっとドラマティックに盛り上がる要素を持っていると思う。そして、顛末として「決着」がつき、ストーカーした者は断罪される。時には殺されたり←火サスみたい?
…でも本書は決してそうではない。
要するに、ストーカーものとしては盛り上がりに欠けるのだ。
その分、読後はどういう意味でも爽快感がなく、ひたすらもやもや~~とした感じ、じっとりねっとりした感じが残る。
こういう気分を読者に与えるのが目的なんだろうなと思うと、大成功ですよ…と著者に言いたい。

ちなみに、主人公の名前は「親海小夜子」、およみさよこ…と読む。
私はつい心の中で「小森小夜子」と呼んでしまって、一瞬ぞっとした(^_^;)。
およみさよこ、こもりさよこ・・・語呂が似ているでしょう?
小森小夜子って、美内すずえ先生の「白い影法師」で、机の下から覗いてた、あの怖い小森小夜子さんですよ…(^_^;)
15:34 : [本・タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】誰がための刃 レゾンデートル/知念 実希人

誰がための刃 レゾンデートル
誰がための刃 レゾンデートル知念 実希人

講談社 2012-04-26
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岬雄貴は現役の医師だが自分が末期がんの宣告を受ける。絶望に陥った雄貴だが、自分にたいして狼藉を働いたチンピラへの仕返しをすることを生きる希望とする。
しかしそのことは、世間をにぎわす殺人鬼「切り裂きジャック」への接点を作ってしまったのだった。
雄貴は切り裂きジャックの共犯として、「仕事」をこなしていく。
片や、18歳の家出少女沙耶。エロ写真投稿のモデルなどをして食いつないでいたが、あるとき、その写真家にペンダントを預けられた。そして、その写真家と、沙耶と一緒にペンダントを預かった友達が殺されてしまったうえに、沙耶も危険な目に合ってしまう。
逃げる沙耶を助けたのが雄貴だった。沙耶はそれをきっかけに雄貴の住まいに転がり込む。
切り裂きジャックの正体は、沙耶を襲った人物の正体は・・・・。


とても読みやすくて面白く、一気読みした。雄貴という主人公の男が死を背負った陰のある人物として、なかなか魅力的に描かれていた。ドラマになるなら誰が演じるか?などと考えながら読んでしまった。
また、主人公が末期がんということで、病気の症状や薬の話などが、すごくリアリティと迫力があった(著者が現役の医師とのことで、さすがと思う)。
切り裂きジャックの件と、沙耶を襲った連中の目的など、話が二分化されていたのに、大風呂敷を広げた感じもなく、どちらも中途半端にならず、うまく収束した。追ってくる刑事たちも良かった。
ただ、雄貴と沙耶の関係が、下手なドラマみたいに安っぽく感じられ、嫌気がさしてしまった。自作の歌を歌うとか・・・ちょっと見てられないなぁって言う感じがしたよ。すみません。

でも、とても面白く読んだので、次作も期待します。

※末期がんに侵されて死期の迫った主人公がこういう行動をとるというのは、近頃読んだ小説にほぼ同じ設定のものがあり、驚いてしまった。主人公の名前(苗字)もなんとなく似ているのでなおさら・・・。
14:02 : [本・タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(1)

【映】ある戦慄

ある戦慄 [DVD]
ある戦慄 [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2012-05-11
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新作・・・・の銘打ってあったので、借りたんだけど、恐ろしく昔の映画でした。
今回「奇跡のソフト化」した作品だそうで。全然知らなかったです。
「マーティン・シーン」の名前があってびっくり!!
若くてハンサムですね~。極悪チンピラの役だけど。

<ストーリー>(Amazon紹介文)
ニューヨーク・ブロンクス。夜の街を闊歩するジョーとアーティのチンピラ二人組は通行人を暴行して小銭を巻きあげると、マンハッタン行きの地下鉄に乗車する。そこには幼い少女を連れたウィルクス夫妻、アリスとトニーの若いカップル、年老いたベッカーマン夫妻、教師のパーヴィスと美人の妻バーサ、白人を憎んでいる黒人アーノルドとその妻、同性愛者のケネス、休暇中の陸軍一等兵などが乗っていた。ジョーとアーティは乗客をからかい始める。ドアが故障して他の車両へ移動できないため誰も逃げられない。すると乗客はチンピラに挑発され、日ごろの鬱憤を爆発させ、感情をむき出しにし、互いにののしり合い始める。調子に乗った2人は少女に手を出そうとする。そのとき、ついに立ち上がって彼らに対決を挑んだのは意外な人物だった……。

感想(ネタばれ含みます)

ならず者・・・狼藉者・・極悪チンピラ・・ほんとに、こんなやつらとこんな状況で電車に乗り合わせたら、不幸としか言いようがないです。閉鎖空間で、彼らの味わった苦痛や恐怖がものすごくリアルに感じられて、本当に不快で不愉快。
乗客が全員一致団結して立ち向かえば、多勢になるから何とかなったんじゃないかと思うけど、それすらしない。他人がやられているときは我関せずと見て見ぬ振り。それがまた不愉快を助長させる。
やっぱり軍人さんたちでしょう。彼らは訓練を受けた兵隊なのだから、こういうときは乗客の代表としても立ち上がって欲しかった。(もっと早い時点で)
極限状態だと本心が出るし、エゴイズムも出る。内面を抉り出されてしまうことになる。
何もかもが不愉快だった。
恋人や妻がならず者に嬲られても、パートナーはちゃんと助けられなかったり、それどころか「お前が悪い」と言い出して仲間割れをしたり・・・。面白がって見物していた黒人は、公衆の面前で罵倒され屈辱を与えられたり・・。
警察がやっと入ってきても、最初に黒人の乗客が拘束されてしまう。何も確認せずに。
そういう一つ一つが印象深いです。
しかし、最初から最後まで寝てた乗客は?アレはどういうこと?寝てる振りでやり過ごしたんでしょうかね・・・・。
不愉快で不快なのだけど、目が離せず引き込まれてしまいました。
ハケネ監督の「ファニーゲーム」みたいな・・・?
11:12 : [映画タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】ソナチネ

B000UMP1G6ソナチネ [DVD]
北野武
バンダイビジュアル 2007-10-26

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北野武監督の結構初期の作品。
1993年、4作品目。
暴力団の抗争を描いてあるんですが、なぜか沖縄に行って、バカンスをエンジョイ(表現が古いですね)してしまうと言う、ちょっと滑稽さが漂う内容。
助っ人として赴いた沖縄で、歓待されるわけでもなく、辺鄙な海岸のぼろい一軒家で、電気ガス水道というライフラインがなく、当然テレビもなく、お風呂もシャワーもなし、娯楽もないので紙相撲やったり・・・砂浜でほんとの相撲とって見たり、花火やらなんやら・・・子どもの遊びのようなことで暇をつぶしているヤクザたちの姿が滑稽でした。
滑稽だけど、なんとなく哀愁が漂うし、そういう彼らに共感と言うかちょっとした好感を覚えていく。
ヤクザを美化するような物語だと鼻持ちならないと感じるけれど、「アウトレイジ」のように徹底的にダークな面だけを描いてあっても、共感するところがなくて「映画」としては・・うーん・・となってしまうのだけど、こちらは、そのバランスが良かったと思う。
あまりにも平和な時間が長くて、見ているうちに「そろそろこの時間も終わりだろう」「いつ殺されるか」「誰から殺されるか」と言う緊張感がみなぎってきてドキドキさせられた。
あとは火急の展開となり、言っては悪いけど爽快感さえある。
たとえヤクザとはいえ、ラストはやっぱり物悲しい。

10:56 : [映画タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱

B004EYSOI8ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱 [Blu-ray]
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン 2011-02-25

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安藤政信君祭りのほかに、地道に継続している(つもり)ドニー・イェン祭り。
ドニーさんの最高のアクションを!と言うことで、リンチェイ大好きの千華さんに、この映画を教えていただきました。

周知の通り、ジェット・リーの若きころ、リー・リンチェイとして見事なまでのカンフーアクションを披露している作品です。
これは3部作なのですが、その中でも特にオススメと言うことで、いきなり2の「天地大乱」を見ました。
リー・リンチェイの敵として闘うのが、ドニーさん。
二人の対決シーンは、本当に本当~~~~~~~に、すばらしかった!!
ドニーさん祭りなのだけど、やっぱり主役のジェット・リー、いやここではリンチェイと呼ぼう・・・がすごい・・・。
リンチェイの役柄としては、「イップマン」にも通じるところのある、高潔で清廉で静に強い男。洪家拳の達人として伝説的に語り継がれている黄飛鴻という、実在の人物。
内容的にも、カルト教団「白蓮教」(これも実在の宗教集団らしい)に席巻され、苦しんでいる(恐れている)町の人々を救い、清の朝廷から抹殺されようとしている孫文を救ったり、すばらしいアクションシーンに加えスピーディーな展開にしびれてしまいました。
秘めた恋も、ちょっとしたアクセントで、かわいいリンチェイさんの一面が見られてにやけてしまいます。
(叔母との恋愛は中国では許されているの?それとも義理の関係なの?)

しかし、しかし、今までこれを見たことなかったとは、なんとももったいない…と思うぐらい、カンフー対決、見事でした。
棒術が主流なんですかね。布さえも棒のように扱うドニーさん。
竹が組くまれた「物置」(中国ではああいう納屋は普通なんですかね)での、閉鎖空間での立体的な戦術。
どこをとっても見応え充分。ほれぼれしました。

ドニーさんはこの作品にしか出てないようですが、やっぱり「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」1も3も見るべきですね!!

10:29 : [映画タイトル]わ行トラックバック(0)  コメント(4)

【本】漁港の肉子ちゃん/西 加奈子

4344020499漁港の肉子ちゃん
西 加奈子
幻冬舎 2011-09

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肉子ちゃん、本名は菊子だけど、太っているから「肉」子と呼ばれている。
北陸の小さな港町にある、焼肉屋「うをがし」で住み込みの店員をしている。
身長151cm.体重67.4kg. 151=憩い 674=むなしい、語呂あわせが得意である。
「けものへんに交わると書いて、狡い、て読むのやから!」
「自ら大きいって書いて、臭いって読むのやから!」漢字も得意だ。
語尾には必ず感嘆符「!」あるいは「っ!」がつく喋り方。
起きているときもにぎやかだけど、寝ているときもいびきでうるさい。
人を疑うことを知らず、なんでもストレートに受け止める、素直で能天気で人気者。
男に散々騙されて、流れ流れてこの、小さな港町にやってきたのは3年前。
寂れた港町で、肉子ちゃんや土地の人たちや織り成す人間ドラマを、肉子ちゃんの娘、キクりん(喜久子)の視点で描いた愛が一杯詰まった、優しい優しい物語。


最初はこの文体と、肉子ちゃんのパワフルさになじまず、戸惑ったけれど、中盤からはグイグイとひきつけられ最後はもう一気読み。
なんという優しい物語だろうか。最後は涙涙。。。。

肉子ちゃんの娘キクりん(11歳)の目線を通して見る肉子ちゃんは、(キクりんがそう思っているのではないけれど)、読者の私には決して「好感度100%」というわけには行かない、ちょっと風変わりな女性だ。
鈍感だし、下品だし、見てくれも美しくないし、ギャグは滑っているし…実際身近にいたら、こんな人と友達になれるだろうか?と思うような女性なのだ。
物語はどちらかと言うと、思春期に突入した、すこし大人に近づきつつある、娘のキクりんの物語だ。
同級生の仲間はずしや、はずされたりに悩んだり恐れたり、自分の態度に自己嫌悪したり。
また風変わりな男子の二ノ宮との接近。
東京から来たカメラマンに惹かれたり、他の人には見えないものが見えたり聞こえたり。
そんな中で、ペンギンのカンコちゃんの切ないミニストーリーがとてもいいアクセントになっていて、このあたりからぐっと物語りにひきつけられていった。
キクりんはとても大人っぽい女の子で、それまでの生活を思うと、必然的に老成しなければならなかったんだろう。でもやっぱり、どこかで「ムリ」をしていたんだろうと思う。
そんなキクりんを解き放ったのは、「うをがし」の主人、サッサンだ。
「おめさんは、生きてんらろ」
「生きてる限りはな、迷惑かけるんがん、びびってちゃだめら」と言う。
そして、
子どもらしさというものが大人の作り出した幻想であると同じに、ちゃんとした大人もいない。
いくら頑張っていい大人になろうとしても、辛い思いや恥ずかしい思いは絶対にするのだ。
そのときのために備えて、子どものうちに一杯恥をかいて、迷惑かけて、怒られたり傷ついたり、そしてまた生きていくのだ・・・・。
と、言う。

今、世の中は、人に迷惑をかけることを徹底的に忌み嫌う。
時には家族にさえ、いや、家族にこそ「迷惑をかけてはいけない」と言う風潮だ。
そんな中で、サッサンのこの言葉の重みがどんなものか。
こういう言葉を待っていた!と思って大いに感動してしまった。サッサンかっこいい!

そして明かされる肉子ちゃんの半生は、まさに人に迷惑をかけられて、すべてそれを受け止めて、愚痴もこぼさず文句のひとつも言わず、ただひたすら「迷惑」を受け止めて生きてきたことがわかる。
それがわかったとき、肉子ちゃんは私の中で天使になった。
相変わらず下品で鈍感で醜いけれど、キクりんが言うように「こんな人にはなりたくない」と思う・・のではなく「こんな人にはなれない」と思うけれど。


最初のほうでくじけそうだったけど、最後まで読んでよかったわー。。。オススメ!!!
17:08 : [本・タイトル]か行トラックバック(1)  コメント(0)

【映】69 sixty nine

B0002UA3M869 sixty nine [DVD]
村上龍
東映 2004-12-21

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安藤政信くんフェア、第6弾・・かな。
2004年の青春映画。原作は村上龍さんです。

自伝的物語なのでしょう。


あらすじ(ウィキペディアより

ベトナム戦争と学生運動に揺れた1969年、基地の町・佐世保の高校に通う、高校三年生の矢崎剣介<あだ名はケン>(妻夫木聡)がいた。彼は退屈とレールに敷かれた人生を何よりも嫌う自分を含めた生徒達を管理の檻に押し込めようとする教師達に反抗するため(本当は同級生のマドンナ、「レディ・ジェーン」こと松井和子(太田莉菜)の気を惹くため)に、親友の「アダマ」こと山田正(安藤政信)らと共に映画・演劇・ロックがごちゃ混ぜになった一大フェスティバルの開催を企画する。人生は楽しんだ者勝ちというモットーの具体的意義もあったが、“レディ・ジェーン”松井和子を主演女優に据えれば自分は主演俳優兼監督として堂々と彼女とイチャつけるという煩悩に塗れた野望もあった。更には彼女の発した「デモやらバリケードやらする人の気持ち、分かるような気がする」という言葉を勝手に脳内妄想で肥大化させ、「デモやらバリケードやらする人大好き」という彼女の理想(本当は違う)を叶えるために、校内の全共闘を言いくるめて学校をバリケード封鎖する事に決めたのだが、話はどんどん膨れ上がり、テレビ局や報道陣まで出動する騒ぎになる。


見ているときは、あれよあれよと怒涛のごとく主人公たちの行動が進んでいくので、あれ?なんでバリケード封鎖までしたんだっけ?みたいなところもあったけど、テンポも良くて愉快で(一部非常に不愉快なところがあった)とても楽しめた。
なんと言っても安藤政信君の佐世保弁。妻夫木演じるケンにも
「お前は喋らないほうがいいね」
と言わしめた(笑)。
でも、そのギャップが見てるほうは面白いよね。
若いうちはバカなことにも一生懸命で、がむしゃらで、思い立ったら途中で止められないというか、そんな青さが充分出ていて、ちょっと恥ずかしいような、でもほほえましいような、そんな気持ちで見た。

69年って言う雰囲気が出てるかというと、妻夫木くんはカッコよくって現代風だし、安藤政信くんも言うに及ばず。
昔の高校生って言う感じがしなかったので(もっとダサいよね?)、69年って言うのも、とってつけたような感じがしたかも。
でも、カッコもよくない主人公たちが演じても、見てる分の楽しみが減るから、やっぱりそこはカッコいい子達の青春物語で正解なんだと思う。不細工くんたちがあんなことやってたら、ひたすらイタくて目も当てられないでしょ・・・(^_^;)

とにかく、目当ては安藤くんだったから、充分楽しめました!
安藤くん、すらっとして足が長くてカッコいい~。6年前だから30歳過ぎての高校生役??(笑)
ちょっと高校生にしては大人っぽいですね(笑)
妻夫木くんは当時24歳か?充分高校生に見えます。

柴田恭平さんが、主人公ケンの父親役ですが、これがカッコいいお父さんで!
親子関係がとってもいいんですよ。
さすがの存在感でした。
他にも加瀬亮、井川遥、水川あさみ、桐谷健太などなど、豪華キャストです。
15:34 : [映画タイトル]英数トラックバック(0)  コメント(0)

【本】相田家のグッドバイ/森 博嗣

4344021355相田家のグッドバイ
森 博嗣
幻冬舎 2012-02-24

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著者の作品は初読みです。
自伝的小説という声も聞かれる本作品、かなり淡々とした文体で、感情移入がしづらくて、最初のうちはとっつきにくく手こずってしまった。
なんせ親の代から、じっくりと丁寧に家族の軌跡が描かれている。
密な関係の家族ではなくて、ちょっと冷めてるというか、冷静と言うか、一風変わった関係の家族にも見受けられる。
だから少し共感がしにくいと言うか、そんなこともあり前半はそれほど面白くもなく、ただひたすら「事実の列挙」を読む感じ。
でも、この文体に慣れてくると、だんだんとその淡々とした中にも、共感を感じた。
年齢的に、今の自分と重なり、親の介護や親の死に会うシーンなどは、やっぱり胸を打つものがある。
あまりに淡々と書いてあるので、最初はこの主人公の「優しさ」が良く伝わってこなかった。
でも、親に対する気持ち、妹に対する責任感など、とても誠実で親切なのだ。
親が死んで遺産相続に関する手続きの煩雑さ(そんなに大変なのか!!・・まぁウチには心配ない事だけど)それを愚痴ひとつこぼさず、着々と黙々とこなす主人公の姿には頭が下がった。
ひとつ驚いたことは、主人公の母親が「貯め魔」で、片っ端からものを溜め込んで、マトリョーシカのように入れ子の箱に、大事なもの(お金や通帳や宝石など)を残し、その箱が部屋を・・いや、家を埋め尽くしていると言うのだ。
それらの上にはホコリが溜まり・・・想像しただけでも、驚いてしまうのだけど、整理されてなかったら、言葉悪いけど「ゴミ屋敷」状態・・。この辺少し、橋本治の「巡礼」を思い出した。整理してある(整理できる)って、大事なことだな・・(^_^;)
お母さんはユニークな人で、隠しものの場所には「ヒント」を残してある。でも、そのヒントはあまりに難しくて役に立たない。
それでも何とか探し出した現金はなんと8000万円!!それがみんなお母さんのへそくりだと言うのだ。
これはとにかく印象的なエピソードだった!
子どもたちも成長し独立し、両親が死んで、主人公夫婦は、思い切った行動をとる。
思い切っているのだけど、彼らにしたら全然そんなことがない。
彼らは身軽だった。うらやましいほどに。
最後のシーン、自分が今までしてきたことに対して、妻が言うせりふ、こんな風に言える夫婦っていいな・・と思わされた。
自分をちゃんと見ていて、理解してくれる、自分の気づいてないことまで、ちゃんと見て評価してくれる、そういう連れ合いがいたら、この主人公の残りの人生もきっと楽しいに違いない。(結婚当初は、大丈夫かいな?この夫婦・・・と思ったけど・・(笑)大丈夫そうだ)
12:20 : [本・タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】さくらん

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角川エンタテインメント 2007-08-03
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さくらん Blu-ray スペシャル・エディションさくらん Blu-ray スペシャル・エディション

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安藤政信君フェア 励行中!
なん作品目かな?「スマグラー」でハマって→「スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ」→「キッズ・リターン」→「悪夢探偵」→「さくらん」ですか・・・。いまのところ網羅するつもりはないのですが(^_^;)もうしばらく続きますよ♥


で、この「さくらん」
原作はコアなファンが多い印象の安野モヨコさんの同名マンガ。
原作ファンにとっては、映画のほうはあんまり評判が良くないですね。
でも私は原作は未読なので(安野さんの作品にも特に思い入れがない)映画は案外楽しめました。

幼いときに遊郭に売られて、遊郭で育ち、やがて遊女に…そして花魁になっていく、きり葉(土屋アンナ)を描いてあります。
色彩がきれいというかヴィヴィッドというか、悪く言えば「どぎつい」です。
遊郭通りの雰囲気、幼い遊女見習いがみんなでいっせいに雑巾掛けをする様子など、全然関係ないけど「千と千尋の神隠し」を髣髴としました。やっぱりあの作品って、こういう世界を描いてあったのですかね(という説を良く見かけた)。

目当ては当然安藤君ですから、その目線で言わせていただくと・・・。
安藤君の清次、ほんと~~~~~~~~~~・・・に、カッコよかった!!!
時代劇で、町人風情がめっちゃ似合ってて、もう色っぽいの何の!!!
悶死しそうでした~!!!


以下ネタばれを含みます。ご注意願いいます。






ストーリーはやっぱり多少難があると思います。
結局、清次ときよ葉は思い合っているという設定なのですが、どうもそれが唐突な気がします。
もっと前触れと言うか布石と言うか、もうちょっと分かりやすく描いて欲しかった。
欲を言えば、もっと清次がきよ葉(の仕事)に対して、嫉妬心を燃やすと言うのを見せて欲しかった。
嫉妬に苦しむ安藤君を見たかったなぁ~~。きっと萌えただろうな!
それと、きよ葉は17~18歳って言うことだけど、全然見えません。
この役を未成年女優にさせるのはムリがあると思うけど、でも、アンナちゃんはちょっと年齢行き過ぎと思います。
ラスト、ふたりは逃亡してしまうけど、それも皆さんの感想を見てると「安直過ぎる」と。
私もそう思った・・・・けど、それについては安直でもいいじゃない?
あの二人がそうしたのは、それはそれでいいと思う。
でも、多分追っ手がやってきて、捕まえられて・・・清次は殺されて、きり葉は座敷牢とか?
なんて想像してしまいます。
倉之助は良い人みたいだから、きっと許してくれたと思うんですけどね。

と言うことで、思ったよりも楽しめたし、何よりもカッコいい安藤君を見ることが出来、眼福至福!
見てよかった~~~(*^_^*)

18:53 : [映画タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(2)

【映】悪夢探偵

B000PGTEHE悪夢探偵 スタンダード・エディション [DVD]
塚本晋也
ハピネット 2007-06-22

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安藤政信君フェアにつき鑑賞。
ネタばれあります。ご注意願います。




松田龍平くん演じる黒沼は、他人の夢に入り込むと言う能力がある。
あるとき、2件の残酷な自殺事件があり、共通するのは、死ぬ前に「0」と言う相手にケータイ電話をかけていること。
自殺の現場を目撃した、その妻の証言で「夢を見ながらわが身を切り刻んだ」ことが分かる。
捜査本部では、刑事がおとりとなり、0に電話してみることに。
最初に電話をした若宮刑事は、0の犠牲に・・・。
霧島刑事(hitomi)は自分が0に電話するから、夢に入り込んでくれと黒沼に頼んでみるが、大変危険を伴うため、黒沼は乗り気ではない・・。



なんか、よく分からない映画でしたが、なんとなくノスタルジーを誘う感じで、胸が切なくなりました。
安藤君を目当てに見たので、安藤君さえ見られればいいわ・・と思ったけど、その割には良かったかな。
何が良かったかと訊かれればよく分からないけど・・・(^_^;)。
でも、自殺シーンの恐ろしさや、「テケテケ」みたいな何者かが迫ってくる緊張感は伝わってきました。
で、肝心の安藤くんは、なんと、半分ぐらいのところで0の犠牲に・・・。
ショックでした~~~(^_^;)



現在進行中のフェア
・安藤政信フェア
・ソル・ギョング
・ドニー・イェン
・北野武監督作品
です。
一番の安藤政信フェアが私の中では一番関心が高いです。
(ビンくんや、ジェイも大好きですが、作品としてはもう見尽くしたのでね・・)




16:44 : [映画タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】死命/薬丸 岳

4163813209死命
薬丸 岳
文藝春秋 2012-04

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学生時代の仲間たちと久しぶりに再会した山口澄乃。
そこでかつての恋人榊真一に会い、彼がデイトレーダーとして成功している姿を見る。
かつて澄乃は真一を「二度捨てた」過去があり、今でも真一を愛していながら打ち明けられない。
かたや真一も澄乃を愛し続けていた。
が、真一には特異な衝動があった。それがある限り、澄乃を愛することは出来ない。
時を同じくして、女性を狙った暴行殺人事件が世間を震撼させていた。
事件を担当する蒼井凌は、地道な捜査から次第に犯人像を煮詰めていく。
が、蒼井は末期がんにかかっていた。
果たして犯人は、刑事たちは犯人に近づけるのか・・・・。


ものすごい「どんより」とした読後感。とても陰鬱な物語だった。
ミステリーとしては結構好きなタイプの物語で、なかなか面白く一気読みした。
だけど、これが「薬丸さんの」となると、満足できない。
二人の主人公が同じように末期のガンであり、そこで二人とも、死を目前にして同じように「死ぬ直前まで力いっぱい仕事をする」ことをテーマとしている。
片方は刑事なので犯人逮捕に向けて。
しかし、もう一人は・・・・。
対比がとても面白いとは思うものの・・・やっぱり「薬丸さんの」となると満足できない。
ゴメンナサイ。
21:19 : [本・タイトル]さ行トラックバック(1)  コメント(0)

【本】奪われた人生 18年間の記憶/ジェイシー・デュガード

4062167832奪われた人生 18年間の記憶
ジェイシー・デュガード 古屋 美登里
講談社 2012-04-18

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テレビで話題になった事件の本です。なんと、誘拐された本人が書いた手記。

著者は、11歳のとき犯人に誘拐され、18年間も監禁された。
犯人はフィリップ・ガリドとナンシー・ガリド。
二人は夫婦で、目的はフィリップの幼児性愛の欲望を満たすため。
著者は誘拐されてすぐにフィリップの目的を果たすための道具とされ、そのままその「習慣」は延々と続いた。
ときには覚せい剤を使用しながら、何日間もぶっ通しでことに及ぶ場合もあり、それを「ラン」と呼んでいたそう。
ナンシーは夫の性癖を満足させるため(それが自分の保身にもつながるので)夫に協力的だった。
しかし、たったひとりで閉じ込められていたジェイシーにとっては、ナンシーでさえも「話し相手」として必要だったよう。
ナンシーが部屋を去ったあとは「またひとりぼっち」と言う気持ちになってしまう。
後にナンシーが気難しいので、フィリップが来るのを嬉しく感じる記述もある。
3年後、著者14歳のとき最初の出産。父親はガリドだ。
また3年後、二人目を出産。
子どもは著者の生きる支えとなり、またガリド夫婦も子どもを可愛がったようで、ますます奇妙な同居生活となった。
また、ガリドは格安印刷屋を始め、ジェイシーにその仕事を負わせるようになる。
ジェイシーもよく仕事をこなし、だんだんと実入りも良くなっている。
ガリドは以前、婦女暴行で逮捕され服役していて、刑務所から出てまもなくジェイシーを誘拐した。
その当時もずっと、保護観察処分を受けていた。
保護監察官はときどきガリドの家を訪ねてきたが、母屋の裏庭が広いことも知らず、当然調べたことがなかった。
となりの家とは塀を挟んでいたが、ジェイシーの声が聞こえたこともあったはず。近所には家もたくさんあり、人もたくさん住んでいた。
また、子どもたちは母屋に自由に出入りできた。
外出もごくたまにだけれど、したようだ。
しかし、完全に恐怖に支配されて数年も経っていたジェイシーさんは、誰かに助けを求めると言うことが出来なかった。
フィリップは、ジェイシーさんの誘拐中、薬物使用により1ヶ月の禁固刑に処せられている。
それでも、18年間と言う間、ジェイシーさんの存在が明るみに出ることはなかった!!

事件の全容はすでにウェブサイトにいろいろ上がっているので、検索してみてください。
ウィキペディアはこちら



本書を読めば誰もが同じ感想を抱くのではないだろうか。
私個人が何も書く必要がないほど、万人共通の気持ちになるんじゃないだろうか。
犯人とその妻に対する、そして、ジェイシーさんが受けた酷い虐待に対する、激しい怒り。
地元警察の杜撰さへの憤り。
18年間と言う長さ、そしてその18年間の中身…妊娠出産していたなどの特異性への驚き。
しかし、それらを凌駕するのは、ジェイシーさんの強さであり、愛情深いひととなりへの驚きではないか。
普通ならこんな生活を18年間も強制されたら、きっとまともな神経のままではいられない気がする。
いくらセラピーやサポートをしっかり受けたとしても、ここまで回復したのは、本人の強さだと思う。
子どもが生まれ、その子どもたちが生きる支えとなったという事だけど、そんな状態で生まれた子どもたちに愛情を注ぐと言うことも、私ならひょっとしたら出来ないかもしれない。子どもを憎んでしまうかもしれない。
でもジェイシーさんは心底子どもを愛したのだから、その愛情の深さに頭が下がるのだ。
失われた・・と言うだけでは足りないその18年間は、もう戻らないのだけど、今後の人生がジェイシーさんとそのご家族、二人のお嬢さんたちにとって、せめて18年の不幸を埋めるぐらいの幸せな人生であるように願わずにいられない。
20:55 : [本・タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】キッズ・リターン

B000UMP1GQキッズ・リターン [DVD]
バンダイビジュアル 2007-10-26

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安藤政信君祭り開催中に付き、鑑賞(*^_^*)
実は今まで北野武監督の作品って、見たことがなかったのです。
去年「アウトレイジ」を劇場まで見に行きましたが、それが初めて。
で、今回そういう事情から本作を見たんですが・・・。
大変良かったです~~~~~!泣けた~~~!
北野武、こんな素敵な映画を撮る人だったんですね。
ゴメンナサイ、今まで見なくて・・・。
安藤君のデビュー作らしいですが、本当に可愛くて・・
(やっぱりちょっとビンくんに似てると思う・・!)
主人公の若さ、青さがまぶしくて、愛しくて、胸が締め付けられるような余韻を引く作品でした。


あらすじ
学校をサボったり、教師をバカにしたり、カツアゲで小遣いを得たり、ともかく「やんちゃ」でどうしようもない崩れた高校生活を送っているまーちゃんとシンジ。(まーちゃんは留年してるんだろう)(カツアゲされてる生徒は、なんとクドカンだ)
あるとき、カツアゲした相手がボクサーを呼んできて、復讐されてしまう。
まーちゃんは一念発起して、そのボクサーにお返しをするために、ボクシングジムに入会。
シンジも道連れに入会したが、シンジのほうが素質があったので、まーちゃんは早々に挫折してしまう。
シンジはそのままボクシングを続け、まーちゃんはヤクザの道へ…。


感想
・冒頭の、回想シーンの入り方が良かった。自転車の二人乗りの背中、なんだか、それを見ただけですべてがわかったような気になって胸が熱くなってしまう。
・ヤクザというのがどういうものか、ものすごく端的に描かれている。(石橋凌も寺島進も若い!)
・ボクシングジムで、シンジに何くれと、悪い方向に世話を焼いてくるおっさんボクサー・・。すごくイライラする。会長とかスタッフはなぜ彼をもっと監督しないんだろう?
・シンジはあまりにも主体性がない。まーちゃんがやると言えばカツアゲもするし、ボクシングもやる。まーちゃんがいなくなればおっさんボクサーの言いなり。イラッとするときもあった。
・でも、まーちゃんのことが大好きで、彼がいないときの寂しそうな表情が、とても愛しく感じられる。
・まーちゃんの背中の刺青が悲しい。あんなの彫ってしまったら、将来結婚して子どもができたとき、子どもと一緒に銭湯も行けないし、プールにも行けない。映画なんだから・・・と思うけど、人の親として、やっぱり辛すぎる。刺青入れた人間=悪人 って言うことではなくて、やっぱり、取り返しの付かないことのひとつではあると思う。
私は、そういう人を見て「怖い」と思う。世の中おそらく私みたいな人のほうが多いと思うので。
・ふたりがどうやって大人になり、生きているのかな・・・と思わなくて良い映画だと思うから敢えて思わない。
・ハッピーエンドじゃないけど、しみじみ琴線に触れたようで切なくなり、泣かされた。
・音楽がとても良かった。(久石譲)



引き続き、安藤政信君祭りもしたいけど、北野武作品ももっと見たいと思います(いまさら…(^_^;))
11:18 : [映画タイトル]か行トラックバック(0)  コメント(2)

【映】SUKIYAKI WESTERN ジャンゴ

B000ZFTN7GSUKIYAKI WESTERN ジャンゴ スタンダード・エディション [DVD]
ジェネオン エンタテインメント 2008-02-06

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ネタばれ&辛口です。ご注意願います。
あ・・・・安藤政信君目当てで見ました。
とりあえず、伊勢谷友介って超・美形!!と思った。
伊勢谷友介のためにあるような映画で、彼だけは一見の価値ありと思った。































で、何がしたかったの?みたいな映画でしたね。
そもそもなんで英語?
吹き替えでも見てみたけど、またみょーな違和感があって、英語+字幕スーパーで見てもダメ、日本語吹き替えで見てもダメ。
伊藤英明が主人公??
全然印象薄いんですけど??
伊藤英明は何をしにあの村に行ったの?
源氏と平家を、善と悪と定義づけるなら、伊藤英明は善の源氏の助っ人をするのかな?と思ったけど、結果的には源氏の大将義経を殺してしまうし。
宝物を奪いに来たのかと思えば、たった一掴みの金で満足してしまうし。
保安官の二重人格とかも、意味不明。
桃井かおりのアクションは、やっぱりそれ相応の年齢を感じてしまったし。
石橋タカアキも気持ち悪かったし・・・。
木村佳乃はスタイル良くて感心したけど・・・。
最後いきなり雪・・っていうのも良くわからんでした。

安藤君が鬼畜で、鬼畜な安藤君もいいなーと思って萌えたけど、でも、あの歯はちょっとイヤだったなぁ。
いやはやこんなに面白いと思えない映画も久しぶりに見た気がします。

ほんと、辛口でゴメンナサイ。

16:46 : [映画タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】ファミリーツリー

ファミリーツリーチラシ

「ハワイに暮らしていても 人生は<楽>じゃない!」
キャッチコピーの通り、ハワイでのんびり楽しく暮らしているように見えても、主人公マット・キングの一家は難問を抱えている。
妻がボートレースの事故にあい、昏睡状態になってしまったのだ。
仕事仕事で家庭を顧みず、妻とは没交渉だったマットは、妻が目覚めたらきっと良い夫、良い父親になると誓う。
しかし、長女のアレックスは思いもかけなかったことをマットに伝える。
妻が浮気をしていたと・・・。

土地の売却(先祖がハメハメハ大王の直系だったので、広大な土地をカウアイ島に持っているが、法律によればあと7年で信託期限が切れるということ)それに伴う親族会議なども、大きな懸念。

なんだか、あれもこれも一気に降りかかってきて気の毒なお父さんだった。
良かれと思って質素に暮らしてきたし、そのため仕事もがんばったのだけど、それが裏目に出たと言うか・・。
妻の父親に「金持ちなのに渋い生活を強要したから、娘は自分で稼ぐハメに、それがボートであり、ボートも自分のものを買えなかったから・・金持ちなんだからボートぐらい買ってやればよかったのに・・娘はお前のせいで苦しい生活をして、挙句こんな目に合った」みたいに責められるシーンがある。浮気も、自分のせい??
良かれと思ってしてきたことも、結果次第で責められたり・・・。

と言うように、とても重苦しく悲しい話なのだけど、とにかく、明るくて開放的で、どこまでも美しいハワイの風景、そして、バックにはのんびりまったりしたハワイアンミュージックが流れ、重苦しさが深刻に伝わってこなかったような・・。
妻の事故がきっかけで、父親とふたりの娘が寄り添い、妻の浮気が許せないと言う点で父と娘は結託する。
と言うことは、死に行く妻の置き土産だったのでは・・とは、うがちすぎだとは思うけど、結果を見たら思ってしまった。

長女がすごく美人で可愛くて、気性もよくて好き。
なんであんな彼氏?と思ったけど、だんだんと良く見えてきた、あの彼氏(笑)。

頑固ジジイの妻の父親が、死んでいこうとする娘に抱擁するシーンと、末っ子が、母親の死を認識する場面はやっぱり泣けた。


16:23 : [映画タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(0)