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【映】クロッシング

B0048BPFP2クロッシング [DVD]
マクザム 2010-12-24

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北朝鮮の家族の物語。
炭鉱で働いている元サッカー選手のヨンスは、貧しいながらも妻と息子と幸せな家庭生活を送っている。
しかし、妊娠中の妻が結核で倒れ、ヨンスは二人を残し、中国へ出稼ぎに行く決意を。
それは当然、許可の無い越境であり、ここ北朝鮮では大変危険な行為だった。

これが北朝鮮の誇張のない現実だとしたら辛すぎる映画だった。


内容に触れています。ご注意下さい。


序盤で、貿易をしていた友達が韓国のビデオを見ている。サッカーやドラマなど。ヨンスも時々息子を連れて見せてもらいに行っている。この行為が自殺行為なのだ。やがてそれが体制側にばれたその友人は、連行されてしまう。
これひとつとっても、まるで自由の無い国で、縛られて生きていることの辛さが分かる。
海外のビデオを見ただけで、サッカーの試合を見ただけで強制連行。おそらく殺されたのであろう。
まさに別世界のように理解しがたいし、受け入れがたい生活なのだけど、北朝鮮の人たちは今もこんな暮らしをしているんだろうか・・・。


ヨンスは結局、妻の薬を買うためのお金を儲けようと思って、中国へ危険を冒して渡る。
脱北だとか、反体制だとか、不穏分子だとか、そんなことは全然なくて、純粋に薬を買いたいだけ。
それがなんだかわけもわからず、意図もせず、「ドイツ大使館駆け込み事件」という大事に巻き込まれてしまう。
家族を捨てるつもりがなかったのに、家族のためにした行いなのに、結果的に家族を捨てることになってしまったヨンスの苦悩が見ていても辛かった。
辛いのはヨンス側だけじゃない。残された家族も過酷な生活を強いられる。保障も保険も福祉もないのか。。。
ともかく、この家族が一体どうなるのか目が離せず、見入ってしまった。

特に泣けたのは、生き別れたあとに、初めて父と子が電話で喋るシーン。
息子のジョニは開口一番「お父さんごめんなさい」と泣き謝るのだ。両者の気持ちを思うと、いたたまれなかった。


ご都合主義でもいいから、私は違う結末にして欲しかった。
でも、それでは作品が訴えたいことの半分も伝わらないんだろう。
辛いけれど、こういう現実があるんだということだろう。
エンドロールのとき、とても幸せな光景が広がっている。
これは、ジョニの思い出なのか・・・いやきっと、本当にこんな風に幸せに暮らしているに違いない、と願ってしまうのだった。


トラウマ映画になるような辛い物語だった。





監督 キム・テギュン 
脚本 イ・ユジン
出演 チャ・インピョ
    シン・ミョンチョル
    ソ・ヨンファ
    チョン・インギ
    チュ・ダヨン



余談だけど、最初↓こちらの映画と思って見始めたので、ビックリしてしまった(^_^;)。
どちらも見るつもりだったのでいいんだけどさ・・・。

クロッシング [Blu-ray]
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Happinet(SB)(D) 2011-03-04
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18:29 : [映画タイトル]か行トラックバック(0)  コメント(1)

【花】花は咲けども

先週の「サザエさん」でやってましたね。
「七重八重、花は咲けども山吹の、実のひとつだに無きぞ哀しき」
授業で習ったのを覚えてますよ。
文法とかは全然覚えてないけど、こういう「エピソード」的なことは、覚えてるものですよね。

うちの山吹。↓
これは八重山吹というのだそうです。
その下の写真は「白山吹」です。こちらは花びらが一重です。
山吹色の山吹にも一重の山吹があるので、歌にある山吹は、実際には「やまぶき」ではなく「やえやまぶき」なんでしょうね。

八重山ブキ

しろやまぶき
12:55 : [そのほか]写真トラックバック(0)  コメント(0)

【本】ジェノサイド/高野和明

4048741837ジェノサイド
高野 和明
角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-03-30

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とても面白く読んだ。壮大で、まさにこちらの「思いを越える」内容。こんなに面白い本を今まで読んだか?と思ったぐらい。
最初はとても曖昧な輪郭でワケが分かりにくかったのだが、読み進むにつれ徐々に輪郭がはっきりとしてきて、途中やめられないほど釣り込まれ、鳥肌が立つような興奮を覚えた。
「素数」がこんなに大事だったなんて・・・というところからして、私には驚きの連続の本だった。

イラクで傭兵として戦争に参加しているイエーガーの元に、あるとき謎の仕事が舞い込む。「人類のためになる。しかし汚い仕事だ」と。イエーガーは病気の息子の治療費のために引き受ける。謎のミッションには、同じような傭兵の中から4人が選ばれていた。4人はアフリカ、コンゴ共和国へ向かう。
一方、科学者である父親を急病で亡くした研人。薬学部の大学院生で、創薬の研究をしている。父親の死後、父親からメールが届く。そこには、自分にとって無謀と思えるような創薬に関する指示があった。
一見関係のなさそうな両者がどこでどう繋がるのか。
両者を結びつける「ハイズマン・レポート」とは何か。


ここから先は内容に触れます。ご注意願います。


タイトルが「ジェノサイド」大量殺戮であり、さまざまな事例が盛り込まれていて、人間の残酷さを描いている。
同種同士でジェノサイドを行う生き物は、「ヒト」だけなのだ。
そう言うことが書かれている「ハイズマン・レポート」は、とても読み応えがあり、本当に科学者が書いたこういうものがあるのかと思えたほどだ。(著者の創作らしい!)
「ヒト」の進化の歴史は、ジェノサイドの繰り返しで、他を殺して生き残る強い種族が原生人類だとすると、その人類の中に必ずそういった残酷な「遺伝子」が盛り込まれているのか。
地球上で一番の害虫、ヒトの進化の過程など人類学・・或いは生物学、薬学などあれこれと目いっぱい科学方面の専門的なことがたくさん書かれていて、難しくもあったが、平たく説明されているので何となく分かった気にもなり、とても知的に刺激を受けたような気になって楽しかった。
新生人類の知能の描き方はリアリティがあってビックリした。「複雑な全体をとっさに理解する」とは、それがムリだということすらわからない自分には、よくわからなかったけれど、ルーベンスという超・秀才の解説によって噛み砕かれていて理解しやすくなっていて釣りこまれた。私達の言語が「1次元」というくだりには、本当に面食らってしまった。
このルーベンスの登場で、かなり物語の「全体像」がはっきりとさせられた。アメリカ大統領の観察も面白かった。

そして本書の一番の魅力は、研人と正勲とうい二人の若者の滅私奉公的な活躍ぶりだ。
研人は、そもそも情熱もなく惰性のように研究して「父親のようなつまらない科学者になるに違いない」将来を、あきらめたような生活を送っている。
そんな研人が父親の遺言を受け、「GIFT」という謎のソフトに触れ、正勲という強力な助っ人を得て変わっていく。
若い二人の「病気の子どもを助けたい」という純粋な情熱と、科学者としてのサガのようなものとの相乗効果。それが生み出す、爽やかで清清しいパワーに胸が熱くなった。タイムリミットがあるので余計に緊迫感があって、ますます一気に読んだ。

またアフリカという国の現状、今日日ニュースでも見かけるコンゴ共和国の内戦の原因や民族紛争のあらましをザクッと解説してあるのも読み応えがあり、とても考えさせられた。
ピグミーという呼び名が蔑称であるということや、彼らは人間以下の扱いで、時には食べられてしまう存在だとか・・・知らなかったし、驚き!でもその登場するピグミー人がジャングルの中で生き生きと活躍したり、彼らの生活習慣に触れるなども新鮮な驚きがあった。少年兵の問題はやはり胸に重く響いたし、どこを取っても興味深く読んだ。
コンゴのジャングルでの4人の傭兵達のやり取りや逃亡劇、ナイジェル・ピアーストのコミュニケーションなどもはらはらさせられて読まされた。

テーマは「ジェノサイド」なのかもしれない。
でも、私はもうひとつのテーマは「ギフト」だと思う。
新生人類から現生人類への、逆に現生人類から新生人類への。
正勲から研人への・・二人の若者から病気の子どもたちへの。
そして、父親から息子への。
研人の父親が研人に託した「想い」。それを受け取り、父親を思う研人。
深い感動があった。おススメ!


※一度目に読み終えたとき、驚愕の面白さ!と思い、2回立て続けに読みました。
※そんなに頭がいい新生人類の思考なら、これほど危ない目に会う前に脱出できたのでは?
※そして、もっと早く「クスリ」を開発できるのでは?
※新生人類の出現はこうも簡単に国家的ブレインたちに信じられるものか?
などなど、2度目の読書では、ちょこっと突っ込みたくなる部分もありました。
でも、それでも一気に読まされるだけの面白さがあって、最後はやっぱり泣かされました。





11:26 : [本・タイトル]さ行トラックバック(2)  コメント(10)

【映】ラスト3デイズ~すべて彼女のために~

B003YGMLFYラスト3デイズ~すべて彼女のために~ [DVD]
ポニーキャニオン 2010-11-17

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突然、妻が意味も分からず逮捕されてしまったら?
冤罪と信じる夫が、妻のために起こした行動とは。

まったく内容を知らずに(ジャケットの感じからしてサスペンスだということぐらい)観たので、意外な展開に驚きました。
ごくごく普通のオジサンが、妻のために身を張って頑張るのですが、結果的に「ふつうの」おじさんではなし得ないぐらい、すごいことをやってのける話です。
ここまでするのか・・・。妻のために・・・。
夫婦でこの映画を見に行ったら、だんなさんの大半は肩身が狭い思いをするのではないでしょうかね(笑)。
「96時間」とか「ダイハード」などのように、CIAや刑事が夫なら(「96時間」は父親)もっと度派手なエンタメ作品になったところ、あまりにも普通の男性のすることなので、結構地味な展開。それでいて、はらはらさせられてしまいました。
あ、「激流」は、普通の男が妻子を助ける話ですね。ちょっとそれを思い出しました。
それにしても、ダイアン・クルーガーは美しいですね。
あんな奥さんだったらやっぱり夫も俄然張り切るのかもしれません・・・(^_^;)
でも、アドバイスをくれた「体験者」も、「やるのは簡単、難しいのはその後を生き抜くこと」ということを言ってます。
ラストの光景は、その男の言葉を思い出し、ほんの少しもやっと感が残るものでした。








20:31 : [映画タイトル]ら行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】ザ・ファイター

the fighter


デヴィッド・O・ラッセル監督、マーク・ウォールバーグ製作・主演クリスチャン・ベイル共演の、実話に基づいた映画。

ボクサーのミッキー(マーク・ウォールバーグ)がボクシングを指南され尊敬するのは、兄ディッキー(クリスチャン・ベイル)。
かつては「ローウェルの誇り」と呼ばれて地元の期待を一身に集めた。
だけど、今は過去の栄光を振り回すだけで、生活は堕落してミッキーのトレーニングもまともに出来ていない。
母親はいわゆる「ステージママ」で、ミッキーの試合の全権を握っている。
そんな二人に振り回されるうち、ミッキーは無謀な試合を組まれてしまう。
そんな折、ディッキーが警察沙汰を起こし、その波紋はミッキーにも及ぶ。
恋人シャーリーンのすすめもあり、ディッキーや母と別れる決意をするミッキーだったが・・・・。

どんなに人間としてダメでも、堕落した生活を送っていても、兄のボクシングの力量を信じている弟のミッキーがいじらしい。
母親にしても、どんなにでしゃばりで強情でワンマンだけど切り捨てられないし、ミッキーの真面目さ、優しさ(弱さというのかもしれないけど)に、少しイラっとしながらも好感を覚えたし、なんだかジーンとさせられた。
兄と母だけじゃなくて、誰をも切り捨てられないんだから、ミッキーって本当に優しいというか博愛主義者?
ボクシング映画といえば、お決まりのトレーニングのシーン。別々のところで兄弟が同じように頑張る姿が、とてもカッコよかった。
恋人のシャーリーンは、(エイミー・アダムスが演じてるんだけど、すごい変貌、結構な迫力!)ミッキーを家族の手から守ろうとして、しまいにはケンカまでしてしまう。強い女だと思った。
ステージママから離れても、やっぱり強い女性に惹かれてしまうのかな(笑)。
ディッキーが立ち直っていく過程はとてもリアルで(実話なんだから当然かもしれないけど)感動的ですらあった。
誰かのために・・・と思う気持ち。
彼らがお互いに思う気持ち、兄弟愛を強く感じて感動した。
兄弟愛なんていうと、うそ臭かったり引いてしまったりしそうだけど(私がひねくれているからか?)屈折した気持ちながらも、兄を慕う弟、無条件に弟を愛している兄、というのがすんなり伝わってきて、よかった。
クリステャン・ベイルはアカデミー賞はじめ色んなところで助演男優賞を獲得しているけれど、納得。すごい迫力だった。
母親役のメリッサ・レイってあんまり有名な女優さんじゃないと思うけど、こちらも同じく助演女優賞をアレコレ獲得。
知らない女優さんだったので(見たことある映画に出演しているけれど覚えてない)余計にものすごいインパクトだった。

★★★★☆


20:50 : [映画タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

【遼】東建ホームメイトカップ

東建1

ただいま、三重県桑名市の多度カントリークラブで開催中の、東建ホームメイトカップ。
予選の2日間と、決勝の一日目、遼くんを応援に行ってきました。
今日はあいにく、行かれないんですけどね~。
って、今日が肝心なのにね!(^_^;)
↓ チケットは昨日、16日の分。こうしてる間にも試合が進行中と思うと、行きたい気持ちがムクムク。。。。。

東建3

東建4

東建2

ゴルフ観戦って初めてだったし、ゴルフ場に入ったこと自体が初めてだったんですが、綺麗ですね。
そして、初日に「すごい人!!」と思ったんですが、決勝1日目の昨日はもっとすごい人でした。
今日はさらに混んでいるんだろうなぁ・・。
遼くんの打ってるコースは、隙間なく人が取り囲んでいる感じでしたよ。
で、誰もが「遼くんは」とか「石川は・・」とか、ネコも杓子も、老若男女全ての人が・・というのは大げさにしても、まあおそらくほとんどの人が遼目当て。
でも、間近で選手のプレイを見ていると親心がわいてきて、どの選手でも心から「頑張って!!」と思うのです。

今日も行きたかったけど、どうしても行かれない・・それを哀しく思うより
昨日までの3日間も行くことができたのを感謝します。
家族にも迷惑かけたしね(^_^;)

でもこれで、すっかりハマってしまったりしてね<観戦。
9月のTOSHIN GOLF TOURNAMENT IN Lake Woodはこれも三重県の津市のカントリークラブだし、
アジアパシフィック パナソニックオープンも、栗東町と、行けない事はない距離。
このあとすぐにある中日クラウンズも愛知県だし・・
なーんて、・・・・ね(笑)。

はぁ~楽しい3日間でした。
今日のテレビ放送を楽しみに待つ。
目指せ優勝!(*^_^*)
 ...続きを読む
13:12 : [そのほか]好きな人のことトラックバック(0)  コメント(2)

【映】みんな元気

B00472MEOCみんな元気 [DVD]
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 2011-01-19

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「ニュースネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督の同名作品のリメイクだそうです。
オリジナルがあることも知らなかったし、ジャケットの雰囲気から、ハートウォーミングなホームコメディかな~ぐらいに思っていたけど、ふたを開けてみたら、エライ泣かされてしまいました。

ロバート・デ・ニーロが演じるフランクは、妻を8ヶ月前に亡くしたばかり。慣れない一人暮らしをなんとか順調そうに送っています。独立した4人の子どもたちが久しぶり(妻の葬儀以来)集まるというので、いそいそと準備している様子がほほえましい。お肉も高級なものを、バーベキューのセットも買って・・。それなのに、子どもたちにドタキャンされてしまいます。

しかしフランクはめげずに、遠方の子どもたちにこっそりと会いに行くんです。持病があって医者に止められているにも関わらず。。。ナイショでいきなり会いに行き、驚かせてやると言う悪戯心。
でも、それも、最初に訪れた次男の家で、留守なのか、待ちぼうけを食らわせられて・・。
フランクは無事に、子どもたち全員に会えるのでしょうか。

老いた親が、子どもや孫に会えるのを楽しみにしていたのに、それがドタキャン・・。それだけでもウルルっとなってしまった私。次男の家の前で待ちぼうけを食らって、ただ待っている姿や、「今日は用事があるから一緒にいることが出来ないの」と追い出すようなシーンなど、見ているほうは哀しくて、おじさんが気の毒で泣けてきます。
また、子どもたちが一瞬、幼い子どもの姿で登場するシーンなど、親にとっては子どもはいつまでも子どもなんだなぁ・・・と、親の愛情をひしひしと感じて、それもまたウルル~。
ともかく、かなり最初のうちから、ツボにハマってしまってずっと泣けてきたんです。
子どもたちには子どもたちの事情があり、それが分かる後半は、それまた涙で。

母親は良かれと思って、父親に子どもたちの「真実」を伝えなかったんだろうと思うけど、でもそれは正しいことなんでしょうか?悪い姿もいい姿も、全部伝えたらよかったのに。私はこの家のお母さんは何を考えて、全て秘密にしてなくなってしまったんだろうと思います。家族なら、幸せも困難も分け合うべきですよね。て、それは理想に過ぎないんでしょうかね。

ともかく、ロバート・デ・ニーロがはまり役。あのひと、演技力があるから何をやっても上手いと思うけど、本当にあの人の雰囲気や表情に泣かされました。

★★★★☆
11:42 : [映画タイトル]ま行トラックバック(0)  コメント(2)

【本】ブラックランズ/ベリンダ・バウアー

4094085505ブラックランズ (小学館文庫)
ベリンダ・バウアー 杉本 葉子
小学館 2010-10-06

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図書館の新刊コーナーにあったので借りてみた作品です。

主人公、スティーヴン12歳。祖母、母、弟との4人家族。
その祖母は、叔父のビリーが子どもを狙う連続殺人犯に殺されてしまってから、心を閉ざす。そしてまたその祖母に愛されずに育ったために、スティーヴンの母も愛情薄い。
家の中の空気が冷たくぎすぎすしていて、なにかと自分にとって辛いのは、きっとビリーが殺されても遺体が発見されず、事件が過去のものになっていないからだ・・と感じているスティーヴンは、ヒースを掘り返してビリー叔父さんの遺体を発見しようとしている。
そんなスティーヴンが、服役している殺人犯(ビリーたちを殺した連続殺人鬼)に手紙を出した。ビリーの遺体があるところを知っているのは、殺人犯だけなのだから・・・。


最初のうちは、遺体を掘り起こしてビリーを見つければ家庭内の雰囲気が改善されるというスティーヴンの考えに、ちょっと疑問を感じた。スティーヴンは温かい家庭になってほしい、おばあちゃんにもお母さんにも優しくなって欲しい・・という一心なんだけど、その理由で「遺体発掘」とは飛躍しているような気がしたんです。
でも、物語が進むうちに、スティーヴンの境遇があまりにも気の毒で、(家では愛されず、学校でも苛められ、唯一の友達のルイスもまた、決して手放しで歓迎できそうにない部分がある友達で)スティーヴンに同情したし、応援する気持ちになっていった。
12歳の子どもと死刑囚の暗号めいた文通にしては、意味深過ぎて、こんな風に上手く意思が通じ合うものかと、一瞬は思ったけど、12歳にしては、スティーヴンはよく読書し(その理由もある)読書年齢が高いし、そう言う意味ではかなり読解力や推理力があるとみて自然だった。それだから、やっぱりこの二人のやり取りが始まってから、一気に面白さがまして釣り込まれるように読んでいきました。
あとはドキドキハラハラの連続で、一気に読んでしまった。
ともかくスティーヴンがいじらしい。なんとかこの子がいい境遇になるように・・・と。
途中登場する、母親の恋人に寄せる父親に対するような思慕なども、すごく可愛くて健気で不憫だった。

偶然手にした本にしては、かなり面白く読めた。満足!





11:12 : [本・タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】お初の繭/一路 晃司

4048741411お初の繭
一路 晃司
角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-10-30

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内容(「BOOK」データベースより)
繭煮でむせ返る製糸工場。故郷に残した家族のため、恥辱に耐えながら、健気に奮闘する少女たち。今宵、無垢な少女たちの園がじわりじわりと犯される…。第17回日本ホラー小説大賞“大賞”受賞作。

女工哀史をもとにしたホラー作品です。
物語としては結構面白かったです。主人公はじめ、製糸会社に働きに出る少女達の人物描写が上手かったし、するすると読めました。製紙会社の名前が瓜生と書いて「ふりいく」で、その息子は「二成(ふたなり)」で、会社の仕事相手が「フルチンスキー」とか・・ふざけているのか?と思いましたが(^_^;)こういうのは「遊び心」って言うんでしょうかね。
ホラーとしてはありがちなイメージ。少女マンガ読みには、「悪魔の花嫁」あたりでこの手のものは読んだかな?という感じ。
つまらないとは思わないけど、ホラーとしてはそれほどでもないかな。
20:00 : [本・タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】空白の5マイル/角幡唯介

408781470X空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む
角幡 唯介
集英社 2010-11-17

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内容(「BOOK」データベースより)
チベットのツアンポー峡谷に挑んだ探険家たちの旅を追い、筆者も谷を踏破。もう一度訪れたいと再び挑むが、想定外の出来事の連続に旅は脱出行と化す。第8回開高健ノンフィクション賞受賞作。

そして、先日「第42回大宅荘一ノンフィクション賞」を受賞されました。
W受賞おめでとうございます。

とても読み応えのある一冊でした。
グーグルアースを開けば家にいながらにして、地球上のどこでも見ることが出来る現代において、「探検」の意味を著者は示しています。前半の読みどころは、このツアンポー峡谷をめぐる先人の探検家達の物語でしょう。
とくに、同じ早稲田大学のボート部の先輩が、同じ峡谷を探検中に亡くなったくだりが出てきます。これには絶句してしまいました。こんな人物が本当に、いるんだなぁ・・・。今回、東北の地震でも、津波に飲まれる間際まで半鐘を鳴らし続けた消防士さんの話とか、みんなに「逃げろ!!」と触れ回っているうちに自分が逃げ遅れて津波に飲まれた人の話とか、みんなを誘導しているうちに、自分の家族が津波に飲まれて一人残された人の話とか・・こんな人物がいるんだなぁと頭を下げずにいられない人の話しを毎日のように、目にしていて・・同じ感動を味わいました。残された親はやっぱりたまらないと思います。またパートナーの方のインタビューが載っていたけど、その人も重い荷物を背負っての人生になっています。このくだりは実は私には特に印象的でした。
後半は著者自身の、峡谷入りのルポですが、これがまた凄まじい。この人の先輩である高野秀行さんの著書が好きで、よく読んでいるんですが、雰囲気が全然違いますね。極限状態の中で、生死の際すれすれのところで目的地を目指し・・はては結局目的地は「生還あるのみ」になってしまってたり、本当に過酷な「探検」の様子がリアルに描かれていました。
疲労じゃなくて衰弱してしまうほど過酷な行程の中では、過酷さで言うと、まだまだ!って感じなのかもしれないけど、体中を隙間なくダニに食われたりとか・・想像するだけでも絶叫してしまいそうです。







でも、あえて言うなら・・・・
私はやっぱり高野さんの本が好き。
人とのふれあいや出会いと別れ、そういったものが温かみを伝えてくれるから。




19:49 : [本・タイトル]か行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】フクロウからのプロポーズ/ステイシー・オブライエン

4863131011フクロウからのプロポーズ 彼とともに生きた奇跡の19年
ステイシー・オブライエン 野の水生
日経ナショナルジオグラフィック社 2011-02-21

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スタジオミュージシャンとして子どもの頃から活躍していた著者ステイシーは、父親の影響で科学が大好き、そうして生物学を専攻して、カリフォルニア工科大学でフクロウの研究に専念していました。
あるとき、教授から、羽に異常があるために決して野生に戻すことの出来ない、メンフクロウのヒナを、自分の養子として迎え一生の面倒を見ることをすすめられます。
本書は、ステイシーがメンフクロウのウェズリーと暮らした19年間にも及ぶ、奇跡のように濃密で愛情深い日々の記録です。

トリ頭・・・なんて、バカの代名詞みたいに使われているけれど、カラスやオウムが賢いことなどは周知の事実で、ウチに飼っている2羽のインコも、ちゃんと人を見て懐いたり(懐かないのもいるけれど・・)しています。
ボタンインコのほうは、特にウチの夫が大好きで・・・・などと書き始めると違う方向に行くので止めておいて(^_^;)。

ウェズリーはものすごく賢くて繊細です。
読み進むほどに、驚きの連続。写真も載っているのですがその姿のかわいらしさ(著者もかなりの美人さんです)と、生態や性質の特異なことに驚いたり、愛しく感じたり・・・まるで目の前にステイシーとウェズリーがいるかのように、ワクワクドキドキしながら読みました。
まず大変なのがエサの確保でしょうか。
メンフクロウなどフクロウたちはとにかく健啖家(というのか?)。すごい勢いでネズミを食べるのです。
(余談ですが、森林の伐採によって、フクロウの住処である洞を持つ木がなくなり、フクロウがいなくなるとネズミが大繁殖してしまうのです。)
ペットショップでマウスを買ってきて、殺して(!!)冷凍庫で冷凍(!!)。
食べるときにレンジで(!!!)解凍・・・という、まぁ常人であればちょっと考えられない生活です。
鉤爪やくちばしの鋭さも、人間には大きな危険を伴います。洋服なんかもぼろぼろになったよう。
でも、学者として動物を何より愛するステイシーには、そんなことはなんでもないことのようでした。
また、メンフクロウは耳からの情報(物音)で世界を把握するとか。目で見たもの(視覚)で世界を構築している人間にはどんなものか想像もつきませんが、描写に寄るととてつもない聴力のよう、などなど、驚かされることが満載。
特に興味深かったのは、メンフクロウが群れない生物だそうです。いわゆる「しつけ」というのは、群れる性質を持つ動物にしか出来ないことなのだそうです。ステイシーもウェズリーをしつけようとか、(都合の)悪い行動をいさめたりしようとせず、じっと付き合うのです。いったん、声を荒げたりきつく接したりしてしまうと、もう二度とヒトに懐かなくなるのだそうです。
また、メンフクロウは雌雄で番うと、一生をそのパートナーとともにすごし、添い遂げるのだそう。相手が先に死んでしまうと、自殺とも思えるような、【自ら生きることを捨てる】とも取れる行動で、本当に死んでしまうことすらあるのだそうです。
それは、ウェズリーも同じで、ステイシーをパートナーと認め、それはもう献身的に尽くします。
驚いたのは、寝ているステイシーの口にネズミを入れてくるなど、聞けば身の毛もよだつのですが、ウェズリーはいたって真面目。ステイシーの身を案じて、どうしてもネズミを食べさせないと気がすまないらしいのです。
また、ステイシーの髪形が変わってしまうと、とても大きな反応・・それは、たとえば結い上げた髪がステイシーの頭部を襲っていると勘違いするため・・・・・など
こんな風に、はたから見ればコミカルですらある二人の同居生活。
一体誰がこんなに、一人の女性を心から一心に愛する事が出来るんだろうか?と思うような、愛情深いウェズリー。
そしてみごとな献身でその愛情にこたえて、ウェズリーを大切にするステイシー。
耳の良いステイシーはウェズリーの鳴き声を聞き分けて、また、ウェズリーはステイシーの声と行動をインプットして、二人の間には「会話」も成り立つなど・・・二人の出会いと生活は、まさに奇跡のような19年間なのです。とてもとても胸を打たれました。
また、ステイシーが動物の研究者でもあるために、生態が実に科学的にも解説されていて、その点もとても読み応えがありました。
さて、19年というタイトルのとおり、ウェズリーは19年でステイシーの元を去っていきます。
そのときの描写は、ステイシー自身の難病のこととも重なり、涙なくて読めません。
でも、幸せだったよね、ウェズリー。
たいへん感動の一冊でした。








13:22 : [本・タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(0)

【災】台湾からの義捐金

台湾からの義捐金がすごいことになってるようです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110409-00000016-scn-cn

台湾総統「台湾からの義援金は日台間にある深い感情の表れ」

サーチナ 4月9日(土)16時10分配信
 台湾の馬英九総統は、台湾で東日本大震災のために集まった義援金が40億台湾ドル(約120億円)を突破したことは、日本と台湾の間にある深い感情の表れだと語った。聯合早報網が伝えた。

 馬英九総統は、これまでに義援金40億台湾ドル(約120億円)と救援物資500トン以上が集まったことを明らかにし、「台湾の人びとの日本への深い愛を示し、日台関係において双方の感情がどれほど深いかがよく分かる」と語った。

 馬英九総統はさらに、「日本と中華民国は断交して40年近くになるが、数多くの具体的な政策をとったことにより日台関係は改善し、日台双方が特別なパートナー関係であるとの位置を固めることができた」と指摘。さらに、台湾故宮博物館にある国宝を日本で公開することを実現したいと表明した。(編集担当:畠山栄)




自分だったら・・・と思うと、ここまでしてくれる台湾の方々には感謝しきれませんね。
台湾って、昔日本が植民地にしていたのに、中国と違ってあんまり根に持ってないらしく・・・日本軍の後に来た中国国民党がよほどひどかったらしいです。「犬が去って豚が来た」という言葉があるそうで。
このことは、「台湾人生」という本(DVDも出てるそうです)を読んでちょっと台湾の人たちの気持ちが分かりました。
台湾では日本顔負けの軍国教育をして、お国のために死ねという気風を刷り込んでおきながら、その後日本軍として戦争に参加した人たちに補償や年金の一切を渡していないらしく、これも自分が同じ立場だったら絶対に「日本許すまじ」となると思うけど、なぜか台湾の人たちは親に見捨てられた子どものような複雑な気持ちを抱きつつも親日家が多いとこのこと。本気で日本のために戦った人も多かったらしいです。(教育の恐ろしさでありますが)お年よりは日本語に堪能な人が多いらしいですしね。
そんな複雑な(国交断絶もしているというではないですか・改善されているというけど)国なのに、よくぞこんな大金を。。。
国民数、平均所得から言えば頭が下がる巨額だそうです。

政府には正式にお礼を言ってもらいたいです。
もちろん台湾に限らず、他の国もそうなのですが。
それどころじゃないというのは良く分かりますが、せめて誠意が見たいです。無視しないで。

震災後すぐの頃には、テレビ局がチャリティコンサートを催しました。
ジュディオングなんかが中心となり、馬英九総統まで出演したそうです。
そのときも集まった金額21億円に驚きました。

私もジェイ・チョウのファンじゃなかったらあんまり印象に残らなかったかもしれません。お恥かしいです。


11:12 : [そのほか]もろもろトラックバック(0)  コメント(1)

【映】キック・アス

B004IEB0BCキック・アス DVD
東宝 2011-03-18

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主人公のデイブはヒーローに憧れる高校生。ついには通販でそれなりのスーツを買い、自ら「ヒーロー」として、町の治安維持に向かいます・・・・が、あえなくナイフで刺され、その上交通事故に!!!
治療の結果、体中の何分の一かはスチール製の骨を入れられ、痛みを感じにくい身体になりました。
ヒーローへの夢をあきらめきれないデイブは、またもや、弱きを助けに街に繰り出します。がそれは、行方不明のペットを探すという、身の丈にあった活動になりました。
ところがそんなデイブの前に偶然、ヒーローとして活躍する場面が登場。インターネットでその姿を配信されて、デイブは一躍時の人に。
そんなデイブに近づく謎の親子、ビッグダディとヒットガールとは何ものなのか・・・!

最初は「なんだこの話は・・・」と呆れ気味に見ておりました。
でも、ヒットガールの登場で俄然面白くなりました。すごくカッコいいんですよ。
人を殺してしまうのは、いかに相手が悪人でもいかがなものか・・・と思うんだけど、そんな「常識」を忘れさせてくれるぐらいの活躍で、見惚れてしまいました。
勘違い的な笑いや、ほのぼのした友情?や、恋愛なども散りばめられていて、飽きさせなかったです。
ヒットガールに触発されるのか、デイブもだんだんと本気でカッコよくなります。
クライマックスの登場シーンは見ものでした!
ヒーローもの?アクション?青春モノ?
そう言う要素がごっちゃになってかなり楽しめる一作品です。でも好き嫌いは分かれそうですが。

主人公のアーロン・ジョンソン。
以前「トムとトーマス」を見たときに、可愛い男児だなぁと思っていました。
でも、可愛い子役は成長すると残念なことになる場合も多いでしょう?
彼は、今回オタクな感じの青年でパッと見はダサいのですが、よくよく見るとかなりの美形です。
可愛い子役が長じても美形だった。嬉しいことですね(*^_^*)
まだこの先が分かりませんが(笑)美しい中年を目指してもらいたいです。
↓こんなのが近日発売。これも見たいですね!

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12:21 : [映画タイトル]か行トラックバック(1)  コメント(0)

【映】ベスト・キッド

B0047GMIR6ベスト・キッド [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2011-01-12

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ご存知、「ベスト・キッド」のジェイデン・スミスとジャッキー・チェンによる現代版リメイク。

オリジナルはかなり面白かったので、まぁこんなもんだろうという感じ。
面白くはあったけど冗長に感じました。長い!眠くなった(^_^;)。

オリジナルでは、主人公は高校生。今回は小学生か?中学生かもしれないけど。
苛められている主人公を、ジャッキー演じるハンが救い、相手をぶちのめすシーンがあります。
でも、相手がいくら強くても、まだ幼い少年達なので、大人気ないような感じがしました。
そう言うところが「主人公は高校生」だったオリジナルと違います。
小学生(中学生)同士の戦い・・って、ちょっと正視に堪えかねるところがあります。

でも、主演のジェイデンくん、すごい身体能力の持ち主みたいですよね。
今後楽しみな役者さんです。成長してどんどんアクション映画に出てほしいな。

もう一度オリジナルのほうを見たくなりましたね。
★★★☆
12:05 : [映画タイトル]は行トラックバック(2)  コメント(2)

【映】ミラーズ・クロッシング

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コーエン兄弟の映画、個人的には好きなのとそうでないのがあります。
たとえば「ファーゴ」は一番好き。
「バートン・フィンク」は良く分からなくて早送りで見て(^_^;)余計に分からなかったという・・・・(汗)。「レディ・キラーズ」「ビッグ・リボウスキ」もそれほど好きでもない。でも、「ノーカントリー」「バーバー」は結構好き。
そんな、決して「コーエン兄弟ファン」といえない私ですが、今回はかなり面白かったです。

内容は
<ストーリー>
929年、禁酒法時代のアメリカ東部のある街。アイルランド系とイタリア系のボスが暗黒街で激しく勢力を争っていた。街を取り仕切るアイルランド系の大ボス、レオ。レオと固い男の絆で結ばれたバクチ打ちのトム。2人から愛されるしたたかな娼婦のヴァーナ。姉のヴァーナに守られて裏切りを重ねるチンピラのバーニー。裏切り、陰謀、欲望が渦巻き血なまぐさいギャング戦争の火蓋が切って落とされた──!(アマゾンのDVD紹介より)

とにかく、ガブリエル・バーンがカッコいいんですよ。頭も切れるし策士ですね。
でも、根底にはある人物に対する並々ならぬ「情」がある。そのためにここまでするか?ということもやってしまう。
見ていて「男の中の男」と言う感じを受けました。
すごく冷徹かと思えば、殺人を躊躇する優しさも持っている。それが優しさかと思えば、実は違っていたり?
二転三転はするんだけど、気持ちよく騙された感じがして、見終えてみると感動が残りました。

★★★★

<キャスト&スタッフ>
トム…ガブリエル・バーン
レオ…アルバート・フィニー
ヴァーナ…マーシャ・ゲイ・ハーデン
バーニー…ジョン・タトゥーロ
キャスパー…ジョン・ポリト
エディ・デイン…J・E・フリーマン
フランキー…マイク・スター

監督:ジョエル・コーエン
製作:イーサン・コーエン
脚本:ジョエル&イーサン・コーエン
撮影:バリー・ソネンフェルド
11:54 : [映画タイトル]ま行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】扉をたたく人

B002QBT2UK扉をたたく人 [DVD]
東宝 2009-11-20

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地味な作品でしたが、色々考えさせられて心に訴えるものがある、良い作品でした。

主人公のウォルターは大学教授。妻に先立たれてからは惰性のような生活。大学の授業もおざなりで、死んだようなどろんとした余生に突入している感じです。
あるとき大学側から強引に学会で論文を発表するように命じられ、しぶしぶ学会の開かれるニューヨークへ。
そこにはかつて自分が妻のいた頃に暮らしていたアパートメントがあるのですが、久しぶりに入ってみるとまるで知らない若者が入居しており、鉢合わせしてしまいます。
若者夫婦はすぐに出て行ったのですが、行くあてのない彼らを不憫に思い、ウォルターは「しばらくの間、ここにいてもいい」と言ってあげるのです。
そこから3人の奇妙な同居生活が始まり、若者タレクの、屈託のない純粋で善良な部分と、ミュージシャンである彼の演奏する「ジャンベ」を習い始めたことにより、急速に二人の間には友情が芽生えていくのです。
そんなあるとき、駅でほんの些細な手違いからタレクが警察に拘束されてしまいます。手違いだからすぐに釈放されるよ、と、ウォルターはタレクの彼女をなぐさめるのですが、彼女の口から出た言葉は・・・・。


映画の中では、本当に面白みもない、ブスーっとしたおじいさんのウォルターが、タレクとの出会いによって徐々に心を開き、「楽しそう」になっていくのが、すごく見ていて面白い。こっちも「そう、そうだよ、ウォルター。楽しくやろうよ」と声を掛けたくなるようで。ストリートミュージシャンなんて、勇気が要るようなことにも挑戦していく姿、自然にリズムを刻むようになっていく姿、それがまぁ上達していくこと!そんな姿は、時々くすっと笑えるほのぼのとしたものでしが。
でも、タレクの拘束以後はあまりの理不尽さに見ているのも辛いほど。
それをウォルターが親身になり、そして真剣になり・・・静かでひっそりと暮らしていたウォルターが、楽しみを取り戻し、そして熱い男になっていったんです。
なんとかならないのか?なんともならないものなのか?
9.11という日から、アメリカでどれほど危機感が増したか、それはテロに狙われたことがない私には想像がつきませんが、「正義の行方」を見たときにも感じた、偏見を生み出す恐ろしい思想も、その危機感が生み出したのはある意味仕方がないことなのかもしれません。
タレクの母親が、会えなくてもせめてタレクのそばにいる・・とやってきてからの生活は、一見希望があるようにも見えました。
みんなで幸せになるのだと、そんな予感があったような気がします。
あまりに切ないラストには、絶句してしまいましたが・・・それでも、なお、ジャンベをたたくウォルターの姿に、心から応援したくなるようなそんな物語でした。

★★★★☆
11:44 : [映画タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】息もできない

息もできない [DVD]
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ずいぶん時間が経ってからの感想アップです。

借金の取立て家業の、サンフン。すごく極道な男で、暴力暴力暴力の毎日。殴って蹴って借金を返済させる。そんなサンフンがあるとき道ですれ違った女子高生のヨニを殴って気絶させる。それがこの主人公二人の出会いです。
お互い罵倒しあいながらもなんとなく馬が合い、いつしか、悪口を言い合いながらもデートのようなこともする仲に。
ヨニには、母親亡き後弟と共に、精神錯乱状態の父親の面倒を見ています。と言っても弟も相当にグレており、こちらも暴力。映画の中はのべつ幕なしに暴力そして「シバロバー」(・・・と、聞こえたのですが「このやろう!」の意味です)の声。
ちぐはぐな二人のロマンスの様でもあり、友情物語のようでもある。
だけど、二人が一緒に幸せになるには、あまりにも「暴力」に翻弄されすぎてしまっていて、とても切ない幕切れでした。と言っても多分、そうなるんだろう・・という予想通りの結末でしたけど。
主人公二人の気持ちが、だんだんと接近していく過程がとてもよかったです。ふたりとも、自分の境遇を言わない。いかにも幸せな暮らしをしているような素振りで付き合っている。だけど、お互いなんとなく、嫌気が差すような不幸な境遇を察知している・・そんなことが伝わってくる、川べりの抱擁は特に切なかったです。
ただ、人物関係が狭く偶然に頼りすぎていて、それは暴力のリンクにハマった人たちを象徴しているのかもしれないけれど、ちょっと上手く出来過ぎという感じもしました。
主人公のヤン・イクチュンという人は、製作・監督・脚本・編集・主演、5役をこなしたそうで、すごい才能と思います。
次作も期待したいです。

★★★☆
13:22 : [映画タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】ロケットボーイズ/ホーマー ヒッカム・ジュニア

4794209371ロケットボーイズ〈上〉
ホーマー ヒッカム・ジュニア Homer H.,Jr. Hickam
草思社 1999-12

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4794209452ロケットボーイズ〈下〉
ホーマー・ジュニア ヒッカム Homer H.Jr. Hickam
草思社 2000-02

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映画「遠い空の向こうに」を見たとき、原作も絶対にいつか読みたい・・・と思ってましたが、何年掛かったことやら、やっとその「いつか」が訪れ、読むことができました。(正直、「下町ロケット」を読んだことも関係があったでしょう)
ウェストバージニア州コールウッドは炭鉱の町。主人公サニーは、炭鉱労働者のリーダーである父親の元、将来は炭鉱で働くものとして育てられます。兄ジムはコールウッド高校アメフト部の花形選手。父親はジムを自慢にし、運動も苦手なサニーのことは見向きもしません。
そんな折、ソ連の宇宙開発で、スプートニク号が打ち上げに成功します。アメリカはこのことに大変ショックと危機感を抱き、その余波は田舎町にも波及。子どもたちの教育カリキュラムが厳しくなるという形で・・・。
サニーは自分にもロケットを打ち上げられるのではないかと思い、母親の後押しもあり、着手します。最初はもちろん失敗の連続。だけど、変人だけどすごい頭脳の持ち主であるクラスメート、クエンティンや、幼馴染たちと協力し合って、ロケットを飛ばすという夢は実現に近づきます。最初は相手にもしてなかった町の人たちも次第に応援し、学校側もよき理解者であるライリー先生の強力で次第に認めてくれるようになり・・・。

大筋は映画と同じなのですが、映画よりも父親の存在はサニーたちに協力的だったと意外な気がしました。もちろん、無理解なのですが、それなりに陰で物資の融通をしたり、映画の頑固オヤジよりは軟らかかったかな。
小さな田舎町なのですが、成績優秀な子どもが集まっていたのか・・それとも、誰でもこのように、チャンスさえあれば学問も向上するのか?ものすごく難しそうなことを、まだほんの高校生なのに、探求して理解していくのは、やっぱり「夢」に向かってがむしゃらに突き進む「気持ち」の問題かも知れません。勉強するには、「なぜその勉強をするのか」という動機付け、「どうしてもやりたい」という意欲など、前向きな気持ちが重なれば、思いもかけないほどのパワーが沸いてくるものなのだ・・・と思いました。
最初のうちは誰にも理解されない、強力もしてもらえない・・そんな中、サニーたちに陰で協力してくれて、その結果として炭鉱内の事故で死んでしまう人物がいるのですが、このくだりや、ライリー先生のくだり・・・映画を見たので分かってはいたけど、胸が詰まり泣けました。皆がサニーたちロケットボーイズを思う気持ちが温かくて、本当に心に沁みます。
ロケットボーイズの夢が町の人たちの夢にもなっていく。
さびれようとする炭鉱を舞台に、あまりにもドラマティックな物語です。まさに、事実は小説よりも奇なり。本当に感動の物語で、おススメです。
読んで良かった(*^_^*)
13:04 : [本・タイトル]ら行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】純平、考え直せ/奥田英朗

純平、考え直せ
純平、考え直せ奥田 英朗

光文社 2011-01-20
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下っ端のヤクザの純平、ある日組長から、いわゆる「鉄砲玉」に「任命」されます。
下調べと「その後」の前慰労をかねての3日間を描いた作品。
面白くてさくさくっと読めます。
読んでる間中、読者の誰もが「純平、考え直せ」と思うのです。
あまりにも「素直」で「純粋」過ぎるために、組織や上の人間に利用され、それが分からない純平が哀れで切ないのですが、それがコミカルに明るく描かれているので、暗くならないんです。
3日間に多くの出会いがあり(そう言うあたりは都合よすぎな展開?)人々に好かれている様子を見たりしては、純平のよさが読者においおい伝わってくる。
最後は純平が大好きになってしまっています。
途中、ネットの書き込みで純平の行動を世間が評価するのですが、これが結構今の世の中にありそうな展開。
書き込みのシーンが多すぎてちょっとだれますが・・・でも、本当にこういうこと書きそうなリアリティがあります。
そして、登場人物の一人、元大学教授の薀蓄がすごくまともな意見で説得力があったのも印象に残っています。
純平は大好きで、物語としても面白かったですが、やっぱり現実的に考えて、引いてしまう自分がいるのも確か。
純平、考え直せ。そして堅気になりなさい。
そう言いたいです。

12:05 : [本・タイトル]さ行トラックバック(1)  コメント(0)

【本】下町ロケット/池井戸潤

下町ロケット
下町ロケット池井戸 潤

小学館 2010-11-24
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映画「アストロノーツ・ファーマー」みたいに、あまりにも荒唐無稽な感じの「ロケット造り」の話だったらどうしよう?なんて思ったけど、全然そんなことない、下町の中小企業の「オッサン」が、ロケット造りに参加していくという、一見「そんなことあるんだろうか」と思えるようなテーマが、ものすごくリアルに胸に響く感動の物語でした。

主人公、佃航平がもともとは研究者としてロケット作りに参加していたのが、ロケット製作の失敗→父親の町工場の後を継いで経営者となって成功してる・・・という設定がそもそも、その物語にリアリティを持たせています。
最初から、製品の出荷を削減されたり、資金繰りに困ったり、困難続きの主人公。相手は大手企業や大手銀行、話の分からない「悪者」ばっかりで、主人公が「苛められる」図。まるで時代劇の悪代官と越前屋みたいに裏で主人公を蹴落とす策を練ったりして、もう本当に役者が揃ってる!という感じで、端から「こんなやつらに負けるなよ!」と、読むほうの気合も入りまして・・・。ページをめくる手が止まらない、だけど、丁寧に読んで行きたいと思わせられる物語でした。
なんといっても登場人物たちにものすごく共感と好感が持てました。
佃の脇を固めるブレーンたち(笑)も、一丸となって困難に立ち向かう、それがワクワクしなくてどうしますか?
「空飛ぶタイヤ」が、池井戸作品でもっとも好きですが、それと同じぐらい大好きです。
ものすごく爽やかで、ちからが漲ってさえくるような読後感。
いい物語を読んだ・・・・・そう感じました。

おススメです!


11:57 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)
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