【映】30デイズナイト

B003R3KC1O30デイズ・ナイト プレミアム・エディション [DVD]
ポニーキャニオン 2010-10-06

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ジョシュ・ハートネットのヴァンパイヤもの・・・と聞いたら「見なくては!!」です。
舞台はアラスカの北のはての町。
極夜に跋扈するヴァンパイヤたちと、ジョシュ演じる保安官との戦いの物語です。
戦いって言うよりも、やっぱりひたすら逃げるしかないですけどね。
極夜・・・というのが、ミソですね。
ご存知、ヴァンパイヤは太陽の光が苦手。だから朝が来れば棺おけのベッドに戻り・・・その間は人間はとりあえず安全・・というのが定石ですが、今回30日間、夜ばかりが続くんです。
で、極夜の前には、街の人口が3分の1以下になるみたいで、みんな逃げるように飛行機でどこかに旅立ちます。
それから、極夜の間は、ダイナーでは飲酒禁止らしいです。
お酒は夜飲むものだとすれば、極夜では、いったいいつ飲むのをやめるのかわからないからなのかな?などと、その生活ぶりにも興味を惹かれました。
そんな中で、保安官エバン(ジョシュ)の妻ステラは、ジョシュと夫婦としての決別を決意、街を出て行こうとしましたが、アクシデントで街にとどまることになります。
これも、飛行機の最終便が出てしまったら、もう1ヶ月飛行機が来ないようで・・ステラは出て行きたくても出て行けないんです。
つまり、この街は極夜に閉じ込められた密室状態なのですね。
そこに、バンパイヤの一行がやってきて殺戮(捕食)を思うがままに繰り広げる。
北のはてと言う地の利を利用して、なんとか逃げ切ろうと言うエバンたち。
ともかく、エバン(ジョシュ)が頼もしくカッコイイ!
そして、いつ食われちゃうかと言うハラハラのし通しで、あっという間の2時間弱でした。
(冒頭、ヴァンパイヤが登場するまでがちょっと長いのだけど・・)
人間の本質が見せられる極限状態のなかで、人がお互いを思いあったり、かばいあったり、勇気を見せたり・・・もちろんその逆もあるんだけど、人間は捨てたものじゃないと、思わせられたり、だからこそ、切なくさせられたり・・・なかなか見応えのあるバンパイヤものでした。
正直に言えば「渇き」よりも、こっちのほうが好きだなぁ~。
ジョシュはカッコよかった~♪

ウェブの評判で「サムライミなのに~」みたいな、期待はずれという感じの評判も結構見たので、あんまり期待しないで見たのですが、私は充分楽しめました。
ヴァンパイヤものというよりは、「ドーンオブザデッド」みたいなゾンビものに近いと思いましたよ。
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【本】灰色の虹/貫井徳郎

4103038721灰色の虹
貫井 徳郎
新潮社 2010-10

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伊佐山は昔かたぎの頑固一徹な刑事。
「これ」と狙った容疑者はとことん追い詰め自白を取る・・・という、信念のようなものに突き動かされて事件を追う。
ある呉服屋勤務の独身女性が、自室で殺された。それを調べる伊佐山は、携帯電話のやりとりから、交際相手の男性に目をつけ、事件は解決にぐっと近づくのだった。
そんな伊佐山の命をひそかに狙う男がいた。はたしてその男の正体は・・・。


冒頭からものすごい吸引力が強く、ぐぐっと引き込まれて一気読みしました。
山本周五郎賞を受賞した「後悔と真実の色」よりは、物語に入りやすかったです。
ある事件に関わった人々の「その後」の物語でもあるのですが、昔も今も、この伊佐山刑事の憎たらしいこと。読んでいてともかく、ムカムカしてきました。
冒頭に書かれている、呉服屋勤務の女性殺害事件などは「それは間違いなく冤罪だろう」と読む側は思わされます。状況証拠しかなくても、自白が取れたらそれでいいという、伊佐山の姿勢。現実にも、昔のことだけではなく、今現在もよくあることなのじゃないでしょうか?先日起きた文書改ざんの件だって・・・。ああ、こんな風に冤罪は作られていくんだなと、ものすごい説得力がありました。
伊佐山刑事だけではなく、やる気のない弁護士、自分の思ったとおりに決め付けてしまう検事、そして裁判官。。。本書の中には「それが冤罪だとしても、関わった人々はそれぞれの職務に忠実であっただけで、誰が悪いわけでもない」と言う言葉があったけど、私はそうは思えませんでした。最初に事件に関わった警察が一番悪いだろう・・と。伊佐山が一番悪いだろう・・と思いました。まぁ他の弁護しはじめ、検事裁判官にもともかく腹が立つのですが・・・。
読み終えて、そのあたりのことが曖昧なままになっているのが、釈然としませんでしたが、それはもう「釈然とできないものなのだ」と言うのが著者の言いたいことでもあるのかもしれないとも思います。
でも、私はスッキリさせて欲しかったな・・。
物語としては文句なく面白く、グイグイと引っ張られますが・・・私は冒頭の事件を含め「真実はどうだったのか」なんてことが気になってしまいました。これは物語全体を見れば、些細なことなんでしょうかね?

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【映】ハート・ロッカー

B0030XN8VCハート・ロッカー [DVD]
ポニーキャニオン 2010-09-02

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イラク駐留のアメリカ軍。のなかの、爆弾処理班に所属する兵士の物語。
戦争の大義名分だとか、正義か悪かとか、そう言う小難しいことを一切排除して(いるように私は感じた)ただ、爆弾処理班の兵隊たちの「日常」を淡々と描いてあります。
淡々と・・と言っても、やっぱりそこは戦場なので、死がいつもすぐそばに。
仲間が死ぬこともあれば、市民が巻き添えになって死ぬこともあり、常に命は脅かされている。
そんな危うさが自分の生と死を紙一重で隔てている・・・それが戦地での日常なんですね。
普通の市民として平和な街で暮らしていたら、一生に何度も味わうことのない緊張が、そこでは【日常】で、常に間近なのです。
そして、極限の緊張を強いられるその生活の果てに、兵士たちは自分でも気付かないうちに、戦争に蝕まれているのです。

冒頭に登場するテロップの言葉
「戦争は麻薬と同じである」(だったっけな??)
が、作品のラストで大きな存在となって、見ているものに虚無感を植えつけます。
なかなか印象的な映画でした。
(あんまり小難しくなくて、頭を使わないでいいのもありがたかったな・・)

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【本】優しいおとな/桐野夏生

4120041506優しいおとな
桐野 夏生
中央公論新社 2010-09

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家族をもたず、信じることを知らない少年イオンの孤独な魂はどこへ行くのか―。(「BOOK」データベースより)

舞台は近未来でしょうか?
貧富の格差がかなり大きくなっているようで、公園にはホームレスたちがあふれ、炊き出しにも大勢が列を成して集まる。そしてアンダーグラウンドと呼ばれる地下を牛耳る一派も暗躍して、東京は魔の街になってしまっているようです。
イオンはそんな東京の片隅で生きている15歳ぐらいのホームレスの少年。
どこで生まれて、親は誰なのかも知らない。
世の中には「優しいおとな」と「優しくないおとな」と、「どっちつかずのおとな」の3種類がいる・・・と教えてくれたのは、鉄と銅という、ふたごの兄弟。
幼い頃に一緒に育った鉄と銅を探して地下にもぐったイオンでしたが、生気を奪われるように闇に飲まれていく。
イオンは鉄と銅に会えるのか・・・。

最初は、イオンの心理描写に、いつものような著者独特の臨場感が感じられず、どことなく違和感を感じてしまっていました。いったいイオンは何がしたいのか?どうなりたいと思っているのかとか・・具体的なことが分からず、ただ命さえも危ういほどのホームレス中学生みたいな生活が延々と描かれているだけ・・。
モガミという、イオンに唯一親身に接する大人が登場しますが、イオンはモガミにも心を開かないところなどもイライラさせられました。そしてモガミの正体はナンだろう?やっぱり少しの引っ掛かりがあってどうにも読みにくさを感じていました。
近未来と言う設定(それとも、パラレルワールドのような、別の日本が舞台なのか?)もなんだかしっくり来ないなぁ・・・ホームレス同士の勢力争いもイマイチのめり込めないな~・・・などなど、結構不満気に読んでいましたが、イオンがアンダーグラウンドに潜ってから段々と面白くなってきた!
桐野さんといえば、破滅に向かう人生(だけどそこに爽快感がある)を描かせたら右に出るものなし。
今回も、イオンが破滅に向かって進んで行きます。
実は、そこにいつものような爽快感はなかったけど、代わりに、イオンを心配する気持ちが初めて芽生えてきて、物語に共感し始めたような気がしました。
登場した最初から、イオンはすでに底辺の生活を送っていたのに、そのまだ下にある暮らし。人はどこまで落ちぶれるのか・・これでもか、これでもかと言う、たった約15歳の少年に課せられた、過酷な人生。
ひとはどん底まで落ちたときに、何かをつかむのかもしれません。
読後感は、いつもの桐野作品とは違う味わいがあります。桐野さんらしくないとも言えるかも。
でも、私は好き。
読み始めとは打って変わって、心に残る物語となりました。



13:09 : [本・タイトル]や行トラックバック(2)  コメント(0)

【本】音もなく少女は

4167705877音もなく少女は (文春文庫)
ボストン テラン Boston Teran
文藝春秋 2010-08-04

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冒頭にある、手紙の内容では「殺人事件の真実に関する告白」のようなものがいきなり書かれていて、次のページには「54歳のブロンクスの女店主、麻薬の売人を射殺」という、新聞記事が載せられている。
だから、私はこの本をミステリーだと思って読んでいました。
でもこれはミステリーとは違うと思います。
耳が聞こえないというハンディを背負って生まれてきた、主人公のイブ。
父親には愛されず、その上悪事に利用され、そして母親も父親に酷い虐待を受けている・・。
私はイブが父親に復讐するタイプのミステリーか・・と思ったのですけど、そうではなくて、女たちの間に受け継がれていく愛情の物語だと思います。
イブと母親クラリッサが、ある日偶然出合ったドイツ女性のフラン。
過去、ナチスの迫害に逢い、悲惨な体験をして身心に大きな傷を持つフランは、イブ親子の真の理解者として、そして家族のように寄り添って生きていくことになります。
イブは耳の聞こえないハンディをものともせずに、やがて写真に興味を持ち、自己表現の手段としていきます。
自分たち親子がフランに助けられたように、イブもまたある少女の人生を助けることに・・・。
イブの成長を通して、登場する女性たちの静かな強さと、お互いを思う深い愛情が胸を打つ作品でした。
12:14 : [本・タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】(500)日のサマー

B003I3QO4M(500)日のサマー [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2010-07-02

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運命の出会いを信じる男性と、そう言うのはまるで信じていない女性との「ボーイミーツガール」を描いたラブストーリー。とても良い映画でした。普通のベタベタな恋愛映画は好きじゃない人も、きっと楽しめると思う。
でも、何も情報や予備知識は入れずに、まずは観てもらいたいです。
感想は下に・・。↓















500日と言うタイトルが示すとおり、その500日間を描いてあるんですが、その手法が斬新。
500日のあちこちがランダムに登場して、ちょっと出来事の経過や時間が混乱してしまうんですが、それがとても印象に残る感じなのです。
恋人になってるかと思えば、まだ出会ってまもなくの頃だったり、ケンカしていたかと思えば、夢中になり始めの頃だったり・・と。
恋愛の最初の高揚感のようなものや恋愛最中の気持ちが、主人公の姿からすごくよく伝わります。
作品を撮ったマーク・ウェブ監督は、ミュージック・ビデオ出身だということ。
すごく納得です。音楽クリップを見てるようで、映像がとても楽しくておしゃれでした。
主人公のトムは、どこかで見たなーと思ったら「インセプション」の人。
あの時もヒースレジャーに似ているなーと思ったんだけど、エドワード・ノートンにも雰囲気が似てるように感じました。なで肩のところとか?(^^ゞ
サマーはゾーイ・デシャネル。彼女は「テラビシアにかける橋」で印象的。「ハプニング」よりもずっと良いと思います。
美男美女の、そして、繊細な男性と、現実的な女性の恋愛物語です。

実は全然、こういうラストを想像してなくて。
この500日のあとのこのラストが、ものすごく心に残ると言うか、すごくハッとさせられると言うか。

もうちょっとネタバレ↓















こんなほろ苦い結末になると思ってなくて、いつかサマーはトムのもとに戻るのでは・・・
と、ごく普通のハッピーエンドを期待していた私。
「ああ、そう来るのか!」と、意外性にコロッとやられてしまいました。

19:53 : [映画タイトル]か行トラックバック(0)  コメント(3)

【映】渇き

B003KY4D6A渇き [DVD]
角川映画 2010-07-23

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大好きなソン・ガンホがバンパイヤに~!
これは見なくてはと、レンタルリリースを楽しみにしていました。
「オールドボーイ」など復讐三部作のパク・ヌチャクの監督作品っていうのも、楽しみのひとつでした。
バンパイヤものと言っても、元来謎の病気の治療法の発見のために、自ら身をさしだした神父が、その病気によっていったん死ぬが蘇り、その後はお決まりの「血が欲しい」と言う話です。普通の「吸血鬼」とちょっと設定が違います。
普通の吸血鬼は、美女ののど元にガブっと食らい付き血をすすり・・・ですが、このバンパイヤってば。
コメディ?と一瞬思いました。(^^ゞ

それに、元来吸血鬼って、青白い顔の繊細な美青少年っていうイメージでしょ。たとえば「ポーの一族」「インタビュー・ウィズ・バンパイヤ」「トワイライト」などなど・・・。
しかし、韓国を代表するソン・ガンホ、決して「美青年」とも「美中年」とも違います。
ところが、ビジュアル的にいけてるんですよ。
まず、神父の衣装・・・キャソックって言うらしいんですけど、これがカッコいいんです。
これをはためかせながら、原題が「こうもり」らしいのですが、こうもりさながらに宙を舞う、ソン・ガンホがみょーにカッコイイ!
そして、このドラマは「不倫」ドラマでもあります。
相手の女優さんとはかなり濃厚なシーンがありまして、今まで無きにしも非ずですが、あんまりその手のソン・ガンホを見たことがなかったので、そのエロさにくらくらしました(←変?)。
ただ、病気発生時にボツボツができるんですけど、私はこの手の症状が苦手。
でも、ハウルの変身シーン(羽が顔や手から生えてくるとき、収まっていくときのブツブツ苦手!)ほどは、気持ち悪くなかったな。。

神父の心理も見応えがあったけど、よりすごかったのは、不倫相手のテジュの変貌ですね。
神父と付き合うことでどんどん変わって行く、その姿に唖然としてしまった。
バンパイヤになったからと言うよりも、この女と出会い、ハマっていくことが神父の不幸だったかも。
バンパイヤ退治のヘルシングみたいなのが出てきて杭を打つとかの、お定まりの展開じゃなくて。
テジュに振り回される神父の姿に哀れみをおぼえる内容でした。



11:45 : [映画タイトル]か行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女

B003CGD1FAミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 [DVD]
アミューズソフトエンタテインメント 2010-06-04

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「ミレニアム ドラゴンタトゥーの女」の映画版。
原作の感想は→こちらです。
見たかったので、念願かない、DVD見ました。

結論から言うと、意外にも結構楽しめました!!

ただやっぱりね、リスベットやミカエルの心理や情緒の面では、かなり物足りないです。
たとえば、ミカエルがリスベットに対して抱く気持ちの変化とか、その逆とか・・。
リスベットと脳卒中で倒れた後見人との結びつきとか、探偵会社の社長との間に漂う情とか、そう言うのが見えなくて、どうしてリスベットを描けていると言えようか?と思うのです。
ワプスとしてのリスベットの活躍は、私が一番好きな部分でして、それが「スーパーマン」みたいに、原作を読んだときはすごく爽快だったんだけど、それもイマイチだったなぁ。。。。。。
だいたい、リスベットのあの「ちから」があったら百万馬力、怖いものがないのではないでしょうか。
まさにスーパーマン並のちからだと思うんです。
そんな超能力を使いこなすリスベットの活躍は胸がすくようだったんですが、映画ではさらーっとした感じで、そこまでの超人的なものは感じられませんでしたね。
ミカエルにしても、のべつまくなしにモテているのが、あの人のアイデンティティのひとつでもあるのに、それもイマイチ。きっとモテるだけのフェロモンがハンパないだろうし、魅力ももっと全面に出てるはずなんですよ。
後見人の悪徳弁護士との絡みなんかも、原作読んでないとちょっと分かりづらいかもね。


などなど、色々不満は数々あったけど、 足りないところは脳内補足で、結構面白く観ることができました!
だから、映画だけじゃなく、原作も読むことをおススメします。
映像には映像の利もあるんだし、両方を一緒にして楽しみが倍化するという、人気作品映画化の成功例になるのではないでしょうか?
本では、とても映像化できないでしょ?というアレなシーンもたくさんあったので心配したけど、思ったよりもあっさりと、それでいて核心は突いていたので、感心しました。
ミソはですね、ちょっと忘れてるってことね(^_^;)
あ~そうだったそうだった・・・で?次はどうだったっけ?
みたいな・・・そんな鑑賞だったから、余計に楽しめたのかもね(笑)。
健忘に万歳・・って言うのは冗談だけど、まぁともかく個人的には面白かったです!
キャストとして、リスベットはもうちょっと可愛くて、ミカエルはもうちょっとカッコよくてもよかったかもね~~
ハリウッドでも製作するのかな?
http://news.ameba.jp/hottrash/2010/07/75293.html
ミカエルにダニエル・グレイク・・・ちょっとイメージ違うのでは。
もっとソフトな感じの人が良い様な・・・。
リスベットはこの中ではクリステン・スチュワートがイメージに近い気がします。
まぁ面白いもの見せてください、って感じですね。
11:52 : [映画タイトル]ま行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】マーターズ

B002VZ2BLSマーターズ [DVD]
キングレコード 2010-01-06

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ホラー映画です。フランス。
グロかったです~。

冒頭、ある虐待者から少女が逃げ出します。でも、その少女が詳しくを話さなかったために事件自体はうやむやに・・・。リュシーという少女は保護施設に入れられ育てられます。アンリという友達もでき、成長したリュシーは、ある幸せな一家を訪れ、いきなりショットガンで・・・・。

個人的に、その虐待の背景と、リュシーがどういう行動に出るのかが興味のある点でした。
リュシーが彼らに復讐するのか、それともトラウマかなんかの影響でとんでもない人物に育ってしまうとか・・・発想が貧困なので、こうやって書くとますますつまらないけど(^_^;)

が、話が非常に思わぬ方向に進んでしまいました。
あまりにも荒唐無稽な、それは絶対にない!!って言う感じの・・・。(スプラッタは大体が荒唐無稽ですが)
それが中盤からラストのラストまで意外性の連続で・・・・グロい描写は多々あるんですよ。血もドバドバです。かなりのグロさです(自分的には許容範囲内)気が弱い長女がそばにいて、部屋に逃げ帰りました。
が、その恐怖感よりも、物語の意外性のほうが勝ってしまったと言うのが本音。

なんだったんだろう?これは・・・・・。
11:42 : [映画タイトル]ま行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】牛の鈴音

B003SM80B8牛の鈴音(うしのすずおと) [DVD]
バップ 2010-09-08

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上映開始の頃、テレビなどでとても評判になった作品。
あの時結構内容をテレビで見てしまい、見たときは涙が止まらないぐらい泣けたけど、そのときに感動の大部分をつかってしまったか?いざ本編を見てみると、そこまでは感動というか、泣くほどのことはなかったです。
そして、この作品は何?「ドキュメンタリー」なの?いわゆる普通の「映画」なの?
淡々と日々の暮らしが写されるだけだけど、それが意外にもドラマティックだったので、そこに「ドキュメンタリー」ではない違和感が感じられてしまいました。

実は「ザ・コーヴ」の影響があると思う。「ザ・コーヴ」は見てないんだけど、都合よく編集されたり脚色してある作品で、地元の漁師さんたちにはとても不幸な騒ぎになってしまっていますね。
では、私が今まで見たことがあるノンフィクションだと思ってきた「ドキュメンタリー作品」に、そう言うことはなかったのか?今見ている「牛の鈴音」はどうなんだろう?と、頭のどこかにあって、思ったよりも感情移入できなかったかも・・・と言うのが正直な感想です。

とはいえ、それでも、老いさらばえて痩せた牛が、一歩一歩ヨロヨロと田んぼに向かう姿や、牛を大事にしながらも酷使せざるを得ないおじいさんの姿に、やっぱり感動はあります。
牛よりも粗末にされていると怒り心頭のおばあさんにも、すごく共感。おばあさんは気が強く機関銃のごとくよくしゃべり(おばあさんのおしゃべりがナレーターの代わりになるほど)牛にも意地悪なことを言うし、おじいさんにもとてもきつく当たるんですが、でも、自分がこのおばあさんだったらやっぱり同じように思っただろうと、私はおばあさんの立場に立って同情してしまいました。
だけど、こんなに働きづめに働くおじいさんを見ては、やっぱり私には何も言えません。
ただ頭が下がるだけ。
子どもたちだって、「牛のおかげで学校に行けた」と言うのですが、親への恩は感じないのか?とちょっと腹が立った。
新しい若い牛を買って、飼う事になるんだけど、またこの若い牛が意地悪で!!
牛の世界にもやっぱり優劣、上下関係があるのね、、、と思ってしまいました。
最後に、牛が集めた(集めたのはおじいさんとおばあさんだけど)柴の束を見て、その数の多さに感極まりました。

この映画を見ている間中、高村光太郎の「牛」の詩が頭の中をぐるぐるしていました。
暗記しているわけではないのですが・・・・(^_^;)

牛はのろのろと歩く
海でも山でもどこへでも歩く・・・みたいな感じ。
牛の目は優しい
とか
牛のよだれ・・とか
断片のしかも本の少ししか覚えてないけど(覚えているとは言いがたい)
それでも、その詩がずっと背後にある気がしていました。

こんなページがあったのでリンクさせていただきます。
「牛の鈴音」の牛は「のろのろ」と言うよりも「よたよた」なんですけどね・・・(^_^;)

高村光太郎 「牛」 朗読
http://t-koutarou.net/Entry/18/



11:29 : [映画タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】静寂の叫び/ジェフェリー・ディーヴァー

415079555X静寂の叫び〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ジェフリー ディーヴァー Jeffery Deaver
早川書房 2000-02

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4150795568静寂の叫び〈下〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ジェフリー ディーヴァー Jeffery Deaver
早川書房 2000-02

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ディーヴァー作品はライムシリーズしか読んだことがないのだけど、評判がいいのでこの作品を読んでみました。

聾学校の女生徒と教師たちが乗ったスクールバスが、凶悪な脱獄囚3人組にバスジャックされてしまい、今は使われていない食肉工場に監禁され、犯人たち彼女たちを人質に篭城する。その犯人たちと対峙する捜査官。果たして人質は無事に救出されるのか、犯人たちは逮捕されるのか。

ほとんど、食肉工場とその付近に設えられた警察側とのやりとりだけで進行していきますが、そのなかで、捜査官と犯人の会話で繰り広げられる心理戦、駆け引きがとても読み応えがありました。
主人公のポター捜査官は、ディーヴァーで言うとやっぱりライムがいるように、頭の回転やらなにやら、すごくスマートなのですね。賢い人の頭の中って・・・なんでもない会話に見えて、実は裏に思惑のある発言だったり・・・。
犯人たちに捕まっている、聾学校の少女たちにも、そこでは緊迫したドラマが繰り広げられていて、主人公のひとりであるメラニーの視点がリアルに描かれていて読ませます。
また、政治方面からも、マスコミ方面からも、事件に介入しようとしてきて、捜査官たちが煩わされる様子などは、とってもありそうなリアルな展開でうならされました。
こういうものを読んでいると、時々犯人側にちょっとした親近感も沸いてしまうんですが、これも読者なりに「ストックホルム症候群」に掛かっているのかも知れません。
悲惨な結末を迎えた過去の篭城事件に思いを馳せる、ポター捜査官の思い出なども興味深かったです。
ラストはちょっと「そこまで?」と言う感じもしたのですが、全編一気に読まされる面白さで満足です。
ライムシリーズもまだ全部は読んでないので、今度また読んでみたいと思います。
11:08 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】閃光/永瀬隼介

4043759029閃光 (角川文庫)
永瀬 隼介
角川書店 2006-05-25

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玉川上水で見つかった他殺体。身元はすぐに見つかった。ラーメン店主の葛木勝53歳。
捜査に当たった所轄の中で、漫然と定年退職を待つだけの老刑事滝口政利は、被害者の名前を聞いたとたんに顔色を変え、自ら捜査陣に加わった。コンビとなった若手刑事の片桐慎次郎は、滝口からこの殺人が昭和を揺るがしたある大事件と結びついているのだと聞かされるのだが・・・。


表紙の絵を見たらピンと来るように、これは、三億円事件をモデルにした物語です。
この夏に映画になりました。それがきっかけで読んでみようと思いました。
映画の公式HPはこちら
私は三億円事件の発生は残念ながら全然覚えていませんが、時効になったときのことは覚えています。
すごい騒ぎでしたもんね。
私は中2だったと思うけど、同級生が予定表の黒板に「三億円事件時効成立」とかなんとか書いたのも覚えています。
後で聞くと散々残っていた遺留品やヒントもたくさんあったにも関わらず、結局迷宮入りしてしまったのです。
すると、一体犯人は今頃どうしているんだろう?3億円のお金はどこに消えたのか?使われたのか、使われなかったのか?
きっとミステリ作家は一度はこの事件を基に、真に迫った「推理」を自分の小説内で展開してみたいのじゃないでしょうか?

そんなことを考えながら読んで見ると、これが案外「本当にそうかも」と、私みたいな人間には納得できるぐらい説得力がある展開でした。
いつも昔々の事件が現代に蘇る・・と言う設定の物語には、ちょっとムリを感じることが多いのですが、今回は全然ムリじゃなく、すんなりと・・それも「あるかも!!」と言う感じ。
あるいくつかの設定は、実際のものと酷似しています。だからこそ、さもありそうな感じが増していると思いました。未解決事件を推理して、ひそかに実はこうなっているんだ・・と教えられて、一種の満足の得られる作品でした。

永瀬隼介という人の作品は「永遠の咎」を読んでいて、それほどいいと思えなかったのでそれ以後読まずに着ましたが、いや、結構好みの感じですよ。これからももうちょっと読んでみようと思います。
ただ、登場人物にあんまり好みのタイプがいないのが残念。
映画では、若い方の刑事、片桐が主役みたいですが(クレジットの一番目に書いてある)原作では年寄りの刑事、滝口が主役。どっちの刑事も性格的には・・どうかなーって言う感じで、そこが残念。背景はふたりとも中々複雑なものを持っていて、魅力的というに一歩足りなかったのが、惜しかった。(あくまで個人的に)

映画は観ていませんが、DVDになったら観ようと思っています。

15:39 : [本・タイトル]な行トラックバック(1)  コメント(0)

【本】夢を与える/綿矢りさ

4309018041夢を与える
綿矢 りさ
河出書房新社 2007-02-08

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ある少女の半生が描かれています。
恋人を手放すまいとしてしがみつくようにして父親と結婚した母親は、主人公ゆうが生まれてからは、一心にゆうの面倒を見る。それが高じて、ゆうはモデルクラブからCM出演、そして芸能界のスターダムにのし上がっていくのです。ステージママに翻弄された子役タレントの物語・・・と一言で言い切るには、アイデンティティの確立できないままに成長し、周囲に翻弄される悲しい少女の物語のようでもあり・・・。
あまりにも、その人生が、両親の結婚のきっかけから丁寧に丁寧に書かれているので、読み進めるのが難儀に感じるほどでした。が、文章が読みやすいのでなんとか・・。
本当のスターの実生活って、どんな感じなんだろう。。。なんて、下世話なことを考えながら読みました。
ステージママがぴったりくっついている若いタレントって、本当にたくさんいて、表面化するのはステージママの行き過ぎた管理だとか、強欲ぶりだったりするので、信憑性はあるような・・・ないような。
まったくその世界を知らないのでなんとも言えませんね。
こういう物語の主人公には珍しく我が弱い感じの主人公だったんだけど、やっぱりいったんこうと決めたらてこでも動かない。応援してよいやら、良く分からないもやもやした読書でした(^_^;)
親として考えてみると、胃が痛いどころではありませんわ。。。。
11:09 : [本・タイトル]や行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】天国旅行/三浦しをん

4104541060天国旅行
三浦 しをん
新潮社 2010-03

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読みすすめていくまで分からなかったんですが、ふっと気付けば「死」がテーマなのか・・と。
いやいや、実は「心中」がテーマの短編集でした。

「森の奥」
富士の樹海で首吊り自殺をしようと思った男が失敗→生き残り・・それを発見してくれた男と同行することになりますが・・・?
一体男の正体はナンだったんだろう?

「遺言」
やっぱりあの時死んでおけばよかったんですよ・・・と何度も繰り返す妻との生活。
妻との想い出の中に、主人公の人生があります。
夫婦の形のひとつ。

「初盆の客」
ウメばあさんの初盆に訪れた若い男性客。留守番をしていた、私(ウメばあさんの孫)に向かって「あなたと僕はいとこだ。実はウメばあさんはあなたのおじいさんと結婚する前に、私の祖父と結婚していたのだ」と唐突な話をするのですが・・・。
初盆という、あの世とこの世が境界をゆるめる感じのある時期にやってきた、不思議な客の幽玄的な話。

「君は夜」
昼間の自分と、夜中の自分がいる主人公。実は夢の中でもうひとつの人生を生きている。
夢と現実の境界が段々と近づいてしまうと・・・。

「炎」
目立たぬ存在の女生徒の私。憧れの先輩がある日、学校で焼身自殺をした。
先輩の彼女と私は、自殺の真相を探り始めるのだが・・・。

「星くずドライブ」
いきなりユーレイになってしまった恋人と生きる男の話。

「SINK」
子どもの頃から仲が良く、ワケありの悦也にたいして何かと親切に世話を焼く悠助は、大人になってもやっぱり身近に存在して、色々と世話を焼いてきた。
一見親友のように見える二人だけれど、その心底には何があるのか。。


どれも少し不思議な話で、その世界にどっぷりと浸かります。ユーレイのような怖いものじゃなくて、とっても身近な感じがする、本の少しの恐怖。
私が好きなのは「君は夜」「星くずドライブ」「炎」など・・。
しかし、実はどの話も読者が知りたいことがイマイチぼかされていると言うか・・。
真実は何だったのか?誰がそれをしたのか?結局、どうなったのか??という、肝心のポイントがぼかされています。わざと?ですよね?だからこそ、読後に不思議な余韻があるんだと思います。

くままさんにお借りしました。ありがとうございました!



10:37 : [本・タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(2)

【食】四角豆

しかくまめ

義弟の実家が育てている「四角豆」って言うのをいただきました。
あちらのお母さんに「わぁこんな珍しいの見たことない!」と言うと
「私も初めて作ってみたの」と言っておられました。
さっそくその夜天ぷらにしてみたんだけど、これが淡白な味にサクサクと小気味のいい歯ごたえで!
野菜の嫌いな娘も「美味しい!」と、取り合うように食べていました(笑)。
若干ほろ苦いのが、また美味しいです~!
実はその日、ウチの母も、市場でこれを見かけたそうですが、得体が知れないので(笑)スルーしてきたそうで。
食べてみて美味しかったので、今度はまた買って食べようと思います。
最近、出回ってるらしいですね。
私は見たことがなかったけど。
なんだろう???と思ってる人は一度試してみてください。
美味しいよ!
詳しい素性と食べ方はこんなページをご参考にされては・・。

↓下記、秋のあれこれ。
栗おこわ。。んまし(*^_^*)

くりごはん

酔芙蓉。今年も咲きます。
冬にはかなり短く枝を切り払うんですが、秋にはこんなにでかく・・(写真じゃ分かりづらいですね)。
うちは酔芙蓉を見慣れているので、夕方にも白いままの、普通の芙蓉を見ると不思議な感じがしますね。
赤くなった花は、翌朝はしおれた感じになってしまって、ちょっと寂しいのです。
白い花と赤い花両方がきちんと綺麗に咲いている場面は、あんまりない感じかな?
酔芙蓉にへばりついてるわけではないので(笑)、良く分かりませんが。
以前の記事はこちらです。

すいふよう

すいふよう大

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【本】死刑の基準―「永山裁判」が遺したもの/堀川 惠子

4535517223死刑の基準―「永山裁判」が遺したもの
堀川 惠子
日本評論社 2009-11-24

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NHKのETV特集「死刑囚永山則夫 獄中28年間の対話」というのをこの春先、多分再放送だったと思うけど、見ました。それがきっかけであり、この作品が講談社ノンフィクション賞を受賞したというのもあり、手に取りました。(先に読んだ「トレイシー」も同時受賞しています)
読むうちに、ETV特集と内容がそっくりなので「あれ?」と思って奥付を確認すると、本の著書はその番組のプロデューサーの方のようです。
永山則夫の肉声の録音されたカセットテープ、永山則夫が獄中に読んだ膨大な書籍や、書き残した膨大なノートや手紙の類、1970年に『裸の十九才』という映画を監督した新藤兼人さんの証言、そして、今まで取材に応じたことがなかった永山則夫の元妻である和美さんの証言など・・・
テレビではたくさん印象的なことがあって見入ってしまいましたが、本書はそれを一冊にまとめてあり、タイトルのように永山則夫の刑をとおして「永山基準」とは・・・「死刑の基準とは・・」という問題提起を、より深く追求しているようでした。
裁判員制度が始まる前に、著者は「死刑の基準」というものに踏み込みたかったようです。
山口県の光市母子殺人事件の死刑判決に衆人が拍手喝采したという光景を見て、著者は絶句します。法律が個人の復讐の手立てであってはならない、という著者は長年ヒロシマの取材を続けてきたので、その地元広島地裁で「やられたからやりかえせ」とも取れる衆人の拍手喝采に驚いたようです。
そこでも使われた死刑の基準、「永山基準」。。それが何なのか、じっくり考えさせられる本でとても読み応えがありました。
まぁ考えさせられたからと言って、私には死刑の基準もわからないし、そもそも廃止か存置かすらもはっきり決めかねてしまうヘタレなのです。。
死刑に相当する罪であると思っても、その後の更正の様子を知らされれば「なせこの人が死刑にならねばならないのか」と思うこともあり、またそこまで更正したのは「死刑」という現実を突きつけられたからで、これが「無期」だとしたらここまで更正してなかったかもしれないし・・などなど・・揺れまくります。
本来は、やっぱり死刑は廃止するべきだと思っているのですが、でも、遺族の方々の気持ちを前にすればそんなことはあっさりと言えないし。
そんな私が何をか言わんや・・・です。
でも、本書の中で、永山則夫に無期懲役という判決を出した二審の船田三夫裁判官の「法は全ての被告人の前において平等でなければならない、裁く人によってその生死が左右されてはならない。死刑宣告は裁判官全員一致の意見によるべきである」という部分に、納得しました。
それでは実質的に「死刑は廃止」というのと同じであるというのが、結局死刑にした三審の意見だったのですが、うーん・・・難しいけど、私は船田裁判官の意見に傾きました。
裁判員制度が始まり、刑の決定は多数決のようですね。選ばれた市民を含めて9人の中で、5人が「死刑」と言えばたとえ4人が「無期」と判決を下そうとしても死刑になってしまうのは、やっぱりどこか変だと思うのです。
でも、自分が被害者の立場に立ったとき、同じことが言えるかどうか全く自信がありませんけれど・・・。

それから、本書では永山則夫と元妻の和美さんの結婚したときから離婚したときの話がとても印象的でした。
永山も和美さんも、母親と社会に捨てられ切り捨てられた者同士として、決して他者にはわからないところで通じるところもあり、結ばれていったのです。
永山もかなり辛い過去があり涙なくしてその部分は読めませんが、和美さんもまた辛い過去を持っています。
沖縄で、フィリピン人との間に生まれた和美さんには、戸籍がありませんでした。お母さんが出生届を出さなかったからです。働く母親の代わりに、和美さんはおばあさんに負ぶわれて育てられます。
しかし、母親がアメリカ人男性と結婚し、アメリカに行くときに、戸籍がないためにパスポートも取れない。
なんと、お母さんはそんな和美さんを置いていきます。
和美さんは戸籍がないから高校にも行けないと言う現実に絶望します。
特にテレビの映像が印象的なのですが「国際福祉沖縄事務所」と言う看板を見つけて、そこに飛び込んだとき、事務所の女性に、支援金がもらえると言われるのですが「白人の子は10ドル、黒人の子は5ドル、フィリピン人の子は3ドルよ」と言われて「いらない!」と事務所を飛び出したと言います。
それを語るときの和美さんは泣いておられました。
高価なので買えずに万引きした戸籍の専門書を読みながら、当時の少女であった和美さんは泣けてきて「今に見ていろ」と強く思ったそうです。
見ていろ!というのは、殺すって言うことですよ。
と。このときに永山のように拳銃を持っていれば間違いなく引き金を引いたと。
でも、それを引き止めたのはおばあさんの存在でした。おばあさんに愛情深く育てられた和美さんは、そのおばあさんを思い出し、心を静めたそうです。
後に戸籍が出来て、家族のいるアメリカに発ったときも、見送ってくれたおばあさんが「ひとさまに後ろ指をさされるようなことはしなさんな、そしたら私があんたを負ぶった意味がないから」と言うことを言われたそうです。
永山と同じ地点にいたかもしれない和美さんに、こんなおばあさんがいて、そして永山には誰もいなかった。
永山のお母さんへの憎しみと相反する愛情。
なんと、永山の写真はお母さんにそっくりなのがまた切ないです。
和美さんとの出会いによって代わって行く永山の姿が印象的です。
「私と生きて」と言う和美さん。ずっと死刑でいいんだと思ってきた「思想のために死ぬ」と言ってきた永山に生きる希望がわいてくるのですが、一審「死刑」、二審「無期懲役」、三審「死刑」と翻弄された永山は
「生きろと言ったのはあなたたちだ。いざ生きるつもりになったら殺すのか」と言うことを弁護士に言ったそうです。

当時の弁護士や裁判官や検事の言葉も書かれているのですが、事件から何年経っても、関係者たちに深い思いを残している人なのだなぁと感じました。
もう少し、私も関連書籍を読んでみたく感じました。

死刑囚 永山則夫 (講談社文庫)
死刑囚 永山則夫 (講談社文庫)佐木 隆三

講談社 1997-08
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無知の涙 (河出文庫―BUNGEI Collection) 木橋 (河出文庫) 復讐するは我にあり (文春文庫) 永山則夫 聞こえなかった言葉 涙の射殺魔・永山則夫と六〇年代





11:28 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(2)

【本】催眠/ラーシュ ケプレル

4151788514催眠〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ラーシュ ケプレル Lars Kepler
早川書房 2010-07-30

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4151788522催眠〈下〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ラーシュ ケプレル Lars Kepler
早川書房 2010-07-30

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「ミレニアム」と同じくスウェーデンの人気ミステリーという評判で読んでみました。

ストックホルムの郊外で、一家惨殺事件がおきます。一人生き残った被害者の少年は、体中に無残な傷を負い瀕死の状態。しかし、その一家にはひとり行方の知れない少年の姉がいて、犯人はその姉を狙うのではないか・・姉の身柄を急いで保護しなければならない・・と、警察はひとりの精神科医に依頼をするのです。
「瀕死の状態の被害者少年から、『催眠』により、情報を引き出して欲しい」と。
依頼を受けたのは、催眠で過去に一世を風靡した精神科医のエリック。
しかし、エリックはある出来事により、10年前に催眠を封印したのでした。行方不明の少女の身柄の保護が急務だとして、その封印を無理やりに解かせられたエリック医師は、少年から証言を得ます。
その証言の内容は予想も付かないものでした・・・・。
エリックは10年ぶりに催眠を行ったことで、思わぬ事件に巻き込まれていくのでした。。。

上下2巻の長丁場ですが、さくさくっと読めてしまいました。
エリック医師の家族の物語や、エリックの息子が関わる恋人の近辺の話(なんと、ポケモンが登場。ポケモンって本当に世界的に有名なのですか。すごいな、ニンテンドー)そして、エリックがなぜ催眠を封印したのかというかこの物語など、かなり盛りだくさんです。
アマゾンの評価の中に、浦沢直樹の「モンスター」のようだ・・と言う意見があったけど、まさに!言われてみないと思いつかなかったけど、言われて見たらなるほどそうだ・・。
過去の部分がちょっと長くてだれてしまったのと、「ミレニアム」のリスベットやミカエルのような、登場人物の魅力と言うのが足りず、どこかで見たような話の切り貼り的な感じもして、大絶賛というほどは面白く感じませんでしたが、一気読みするだけの面白さはありました。


11:12 : [本・タイトル]さ行トラックバック(1)  コメント(0)

【虫】クモの巣を見る

洗濯物を干すとき、近くの栗の木にクモが巣を張っていて、思わず眺めてしまう私です。
いつ見ても、獲物を手にとって、食べてると言うかアレは汁を吸ってるのか・・要するにお食事中です。
私は、ムシが巣にかかって、クモが捕縛する瞬間が見たくて、そこにとどまるのですが、クモの巣のそばを虫たちがひっきりなしに飛び交っているのに、待てど暮らせど虫が巣に掛かる瞬間は見られません。
うまい具合にクモの巣をよけて飛んでいるようなのですね。

さて、クモの巣には、その巣に間借りするように住んでいる、小さなクモがたいてい1匹ぐらい「同居」しています。いま、ウチの栗に巣くっている2匹のクモの巣にも、間借りクモがそれぞれ1匹ずついます。
多分、おこぼれをもらっていると思われるのですが、大家のクモに近づいてはお腹の辺りを食べるしぐさが見られて、ひょっとして、大家クモの糞でも食べるのか、それとも大家クモのお腹からエキスでもそっと吸うのか・・・なんて、私にはわかりませんが、大家のクモはさっと後ろ足で振り払うと、間借りクモは大急ぎで飛びのきます。
この理由は分かります。
下手したら、小さな間借りクモは大きな大家クモに食べられてしまうからです。
なぜそんなことを知っているかと言うと、アレはまだ私が小学3~4年生のこと。
クモの巣に、その辺の小さな虫をわざと掛けて、クモに与えたことがありました。
クモは喜んで食べていましたが、そのときも間借りのクモがいて、エサを食べる大家のクモにまとわり付いていたんですよ。そのうちに、その間借りのクモがうっとおしくなったと見えて、大家のクモは間借りのクモを、クルクルクルクル~~~~~~~っと糸で巻いて捕縛して、食べてしまったんですよ。小学生の私にはとても衝撃的な事件でした。。!(笑)
そんなことを思い出しながら、毎朝洗濯物を干すときに、ムシが掛かる瞬間を求めて、クモの巣を凝視する今日この頃なのです。(ん?病的?(笑))

・・・と思ったら、うひょー!こんなサイト発見!
日本蜘蛛学会 公式ホームページ(試用版)

このページに「間借りクモ」じゃなくて「イソウロウグモ」と紹介されています。なるほど・・!
クモの好きな人はじっくりとご覧になるとよろしいかと思います(*^_^*)




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【本】となりのツキノワグマ

478758605Xとなりのツキノワグマ (Deep Nature Photo Book)
宮崎 学
新樹社 2010-07

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自然写真家、宮崎学さんのツキノワグマの写真集。
「ツキノワグマ」って、年々減少していて絶滅が予想される希少動物・・・というイメージを覆す写真集です。
宮崎さんはいつも、固定カメラで何ヶ月とか何年とか長期にわたっての撮影をされているようなので、その観察眼にはとても説得力があるのですが、ツキノワグマは確かに一時減少したようだけど、今は逆に増えてきているとのこと。。
クマが人里に下りてくるのは、山でのエサ不足により・・・と、報道されたら思わず鵜呑みにしますが、実際に捕獲されたり殺処分されたクマを見ても、エサが足りずにやせ細ったクマなど、見たことがない・・らしいです。
人間の、思うよりもすぐそこにいるツキノワグマ。
人間がクマに出会って襲われたり、そのためにクマが殺されたりという、双方にとって悲惨なことにならないためにも、国や地域や自治体で、もっと正確なクマの生存数や棲息状況を研究把握するべきだと言う、宮崎さんの言葉に深く頷くものです。

本書は写真集ですから、とてもユニークで時には愛らしくも見えるクマの姿が満載。

あと、特筆すべきは「クマクール」と「マタミール」と言う、宮崎さん独自の開発製品!
まず、「クマクール」というのは、クマをおびき寄せるえさです。クマの好みって千差万別らしく、くまのプーさんの影響もあってか?私たちはクマって言うのは全体的に「ハチミツ好き」と思ってませんか。私は思っていました。でも、宮崎さんの観察によると、そう言うクマは一割ほどなんだそうです。
研究の結果、クマが一般的に喜びそうなエサを考案。それでクマを呼び寄せてるんですが、そのエサを名づけてクマクール!!実際に、クマが寄ってきた様子が写真に収められています。
そうして呼び寄せたクマの「股間」を撮影する!その装置を名づけて「マタミール」!!(笑)
股間を見ることで、そのクマの性別はもちろん、固体識別なども完璧に行えるようで、クマの数を把握するのもすごく役に立っているようです。こういう発想にはただ頭が下がります。

今度、COP10が開催されますが、テレビの特集でもよく「自然が危ない!」みたいなものを目にするんですが、そこで言われていることのいくつかは、宮崎さんの本にも書かれています。
小さな子どもにも分かりやすく解説した子供向けの写真集もありますので、親子でご覧になってはいかがでしょうか??

宮崎学さんに関する過去記事「森の365日/宮崎学」「森の写真動物記/宮崎学

けもの道 (森の写真動物記 1)
けもの道 (森の写真動物記 1)宮崎 学

偕成社 2006-10
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森の写真動物記〈5〉クマのすむ山 (森の写真動物記 5) ワシ・タカの巣 (森の写真動物記 3) となりのツキノワグマ (Deep Nature Photo Book) 森の写真動物記〈8〉肉食獣(にくしょくじゅう) (森の写真動物記 8) 森の写真動物記〈6〉樹洞 (森の写真動物記 6)

10:20 : [本・タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】正義のゆくえ

B002P66JMK正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官 [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2010-06-02

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あらすじ:多様な人種、さまざまな事情を抱えた移民が集まってくるロサンゼルス。移民局I.C.E.のベテラン捜査官マックス(ハリソン・フォード)は不法就労者の取り締まりが任務だが、彼らの立場に同情的なため、つい彼らの事情を気遣ってしまう。そんなある日、同僚の妹が殺され遺品の中から偽造グリーンカードを見つけた彼は、独自の捜査に乗り出す。シネマトゥデイ

「移民」に関わる人たちの群像劇。
アメリカにどうしても永住したい、グリーンカードが欲しい!!!と言う切実な願いを持っている人たちの話なので、アメリカに対して好感を持たない人が映画を見ると、ちょっと白けるかもしれませんが、私は面白く(興味深く)見ることが出来た。
それぞれの立場で、移民に対する取り扱い方や気持ちが違っていて、いろんな方面から見ることが出来ていると思う。
ハリソン・フォードが実直で誠実な捜査官を熱演していた。どこまでも正義漢であり、こういう人物がいないと困る。
イスラエルの少女の家族の物語には驚いた。
学校で、心のうちを正直に綴った作文を読んだだけで、危険人物扱い。自爆テロの危険ありと判断されて取調べまで受けて家族がバラバラにされてしまう。こういうこと、本当にあるのかどうかわからないけど、リアルだった。
調べに来た女性捜査官が、少女の部屋を見て、その殺風景さすらも「テロリズム」の判断材料にしているのは、無性に怒れてきた。たしかに、「恐れる」気持ちは分かる。。と思う。でも、「殺風景な部屋に住んでいて、年頃の少女らしくない。テロリストだ」とはなんという短絡的。決め付けの恐怖。いったんそう言う目で見てしまうと、もう、冷静には判断できないんだろうな。
そのほかにも、もう少しでグリーンカードの儀式?に出席できるというときに、悪い仲間に誘われて馬鹿な犯罪に手を染めてしまう少年の話、グリーンカード欲しさに身を差し出す女と、その気持ちを利用する悪代官・・みたいな、役所の男の話や・・・散漫にならない程度に詰め込まれていて、なかなかに見ごたえあり!(群像劇は時々私は、物語が多すぎて苦手になるけど、今回は良かったです。)
インディジョーンズが、私が見た最近のハリソンフォードだけど、ハリソンはこういう役柄もとても似合っていると思うな。。!!
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【映】インビクタス / 負けざる者たち

B0043BOQHUインビクタス / 負けざる者たち [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ 2010-11-03

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いまさら、説明の必要もない作品です。
公開当時、劇場で鑑賞したかったけど、なぜか行けずに終ってしまいました。
そして、遅ればせながらやっとレンタルで鑑賞しました。

はい、とても感動的な物語でした。

が、映画が感動的というよりも、実際にあったこの物語が「史実」として感動的なのです。
もちろん映画の描き方で台無しになることもあるので、これをストレートに感動が伝わる映画に仕上げた、脚本家や監督、俳優たちのそれぞれの仕事っぷりが良かったんでしょうが・・・。音楽の使い方もうまくて、ドラマティックでしたね。

私はやっぱり、脚本家よりも監督よりも俳優よりも、ネルソン・マンデラ(みんなにマディバと呼ばれ親しまれている)という人の素晴らしさに感動しました。27年間も収監されて、子どもだってその間に死なせているし、あまりにも辛い半生を強いられながらも、その相手を赦すことが出来る人。
大統領に就任したとき、身の回りを警護するSPたちに、いきなり白人が登場します。イギリスの公安です。
警護担当の責任者のジェイソンはとても納得できず、マディバに直訴します。
「ついこの前まで自分たちを狙い、仲間を殺したやつ等」だから、信用も出来ないし一緒に仕事もしたくないと・・・。そんなジェイソンにマディバが言うのです。
「公の場で私を警護する君たちは、私を象徴する存在だ。民族の融和(和解)のありかたを見せるのだ。民族融和は、君たちから始まるのだ。赦しは魂を自由にし、恐れを取り除く。赦しは最高の武器なのだ」と・・・。
こういう人物を前にしたら誰でもうなだれてしまいますね。たとえ映画でも。
マンデラ大統領は、ラグビーのW杯が自国で開催されるのを利用して、10億人のラグビーファンが南アフリカを見ると知り、その勝利を自国再生の契機にしようと考えます。
実際、南アフリカのラグビーチーム、スプリング・ボクスは弱小だったみたい。
自国のチームを応援するのは白人たちで、黒人たちは相手チームを応援するという、南アフリカを象徴する応援のありようを根底から変えようと決意。
スプリングボクスの名前とカラー(これはアパルトヘイトの象徴だから)を変えようという意見が、黒人たちに満場一致で支持されたときも、マンデラ大統領は「名前もカラーも残そう。アフリカーナーはもはや敵ではなく、仲間である。スプリングボクスは彼らの宝だから、取り上げてはいけない。われわれは思いやりと自制心、寛大な心で彼らに接しよう。それがなかった彼らに・・。復讐を考えるよりも国を築くことが大事。」と訴えたときも、視野の広さや長期的に物事を捉える慧眼に感動しました。
また、そのチームのキャプテンであるフランソワ・ピナールがまた素晴らしい。
チームのメンバーは一人の黒人選手チェスターを除いて全員が白人です。その選手たちから差別心を取り除き、一丸となって南アフリカのために戦う気持ちにさせたリーダーシップと人間的な大きさ。
このフランソワ・ピナールというひとは、他にはまれなほど何年間もずっとキャプテンを続けた選手だそうですね。偉大なキャプテンだったことがそれからも伺えます。
(映画でも、もうちょっと、チームの選手が「変化」していく様が良く見えたらよかったなあ。あんなに簡単には実際には行かなかったんじゃないだろうか?しかし、黒人地域に選手が遠征して子どもたちを教える場面は良かった。)
二人の偉大な人物の物語として、ともかくいい物語でした。
まぁ正直、試合の結果がどうこうというよりも(それはそれで劇的で、いや、劇的過ぎて却ってうそ臭い(笑)事実は小説よりも時には陳腐なのかもしれません。いや、陳腐なんて語弊があるけど、これが作られた物語だったらこのラストはあまりにも陳腐だと言われてしまうのではと思うのです)二人の人物の偉大さに胸を打たれた映画でした。

マンデラの名もなき看守」という映画を見たけど、それは収監されている間に看守と友情を重ね、やがて開放されるまでを描いたものですが、そのラストでは夫人にも歓迎され幸せそうだったマンデラさんですが、やっぱり大統領になるまでに、家族とは色々あったようです。
自分がマンデラの家族なら、やっぱり、白人と手を取り合おうとするマンデラは赦しがたいのかも知れません。求めて止まない家族に背かれた姿には、なんともいえない悲しさがありました。

スポーツを政治的に利用すべきではない・・という意見もあるようですが、平和のための利用なら歓迎されるべきだと思うし、日本だって「ピンポン外交」とかあったようですしね。
でも、その後の現在の南アフリカ共和国が、マンデラ大統領が望んだように再建されているのか・・と思うと、先日開催されたサッカーのW杯のときの報道などを見ても切ないものがありますね。

12:22 : [映画タイトル]あ行トラックバック(1)  コメント(0)