【本】母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き/信田さよ子

4393366255母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き
春秋社 2008-04-10

by G-Tools


「墓守は任せたよ」と母に言われて、今までの母の自分への献身を「謀られたのか」と思う・・・端的に言うとそんな親子のことを分析した本です。ウチの親子関係にはちょっと当てはまらない部分もあって、それほどこの本に分類されるタイプの中には身につまされるものはなかったように感じますが、要所要所で自分の「過去」が頭をもたげて、とても居心地の悪い思いにさせられた一冊。
「赤毛のアン」が好きな人は全員が全員「孤児願望」があったとは思わないけど、確かに孤児願望があった私には、その部分が一番はっとさせられたかも。
家庭内での夫の立場が問題の根源だとする後半では、なんだか自分がその「夫」になったような気がしましたがそれはなぜ・・(笑)。
深刻に感想や思ったことを書き出すと、とんでもなくとめどなくなりそうなので、この辺で。
スポンサーサイト
14:04 : [本・タイトル]は行トラックバック(1)  コメント(0)

【本】恍惚の人/有吉佐和子

恍惚の人 (1972年)
恍惚の人 (1972年)
新潮社 1972
売り上げランキング : 496170


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


舞台は今から35年以上も昔の1972年、主人公は、その当時ではハイカラな「働く主婦」。スープの冷めない距離である離れには、夫の両親が住んでいて、舅のほうは根性が悪く主人公をネチネチといびるような男だったのだけど、姑の突然死がきっかけなのか、はたまた舅のボケが先だったのかわからないけれど、主人公たちが気付いたときには、すでに舅のボケが大変に進んでいて、主人公は否応もなく自分をいびりぬいた舅を介護しなければならなくなったと言う話。
主人公がほとほと困る様子がリアルに描かれていて、古い物語だけど一気に読まされてしまいました。特に、舅は自分が元気なときは、息子の妻である主人公をいびりにいびったらしいのだけど、ボケてからは自分の息子や娘の顔もわからず誰かも分からないのに、主人公のことだけは認識していて、何をするにもこの主人公、昭子の名前を呼ぶのです。夜中のトイレもこの昭子でなければ「同伴」させず、昭子がたまにはあなたが行って下さいと、夫に頼んでも、息子である夫を「泥棒」だとか「強盗」だといって怖がり、昭子の名前を呼ぶのです。
今ほどの主婦は働きながら主婦もしている方々が大半だと思うけど、この時代はなかなか希少であったと思われる昭子のようなライフスタイルの持ち主でさえ、やっぱり介護は「嫁」のすること、と思っていたようで、介護の重荷がドッと双肩に掛かっていてその重いこと。読んでいてこちらも気が重くなるようでした。
自分だったらと置き換えると、この主人公のような立派な態度は取れないだろうと思うし、自分の狭量を差し引いてもこの主人公は立派過ぎるような気がしてしまいますが、とても読み応えのある一冊でした。
入れ歯を自分で作って、それを箱いっぱいにためておくとか・・・そういう描写のひとつひとつに「うわ!」と思いながら読みました。
13:58 : [本・タイトル]か行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】絶対貧困/石井光太

4334975623絶対貧困
光文社 2009-03-24

by G-Tools


1日1ドル以下で生活している、絶対的な貧困層の人々と、ともに寝起きした著者ならではの生の声が聞こえるルポルタージュ。
「もの乞う仏陀」や「神の棄てた裸体」など、過去の著書と比べて、さらに踏み込んでいるように感じましたが、その絶望感をカバーするためか、ことさら明るい調子に努めているように思います。そこが、なんとなく違和感があったかな。
でも、現地でこれだけの取材を出来るライターは、そうはいないと思うのでその点は、やっぱりすごいことだと思います。
フィリピンの女性が売春をしながら、子どもを売春宿でそだて、そこから学校にもやらせているのですが、著者の「こんなところで、お母さんの売春する姿を見せては、子どもによくない影響があるのでは」と言う意味の質問に答えて「子どもがわたしの売春する姿を見て、軽蔑して『お母さんのようになりたくない』と思えば、それが一番子どもの為になるのだ」と言う答えを返します。
この言葉が本書の中で一番印象に残っています。


13:45 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝/Leslie Dendy Mel Boring C.B. Mordan

4314010215自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝
Leslie Dendy Mel Boring C.B. Mordan
紀伊國屋書店 2007-02

by G-Tools


第1章 あぶり焼きになった英国紳士たち
第2章 袋も骨も筒も飲みこんだ男
第3章 笑うガスの悲しい物語
第4章 死に至る病に名を残した男
第5章 世界中で蚊を退治させた男たち
第6章 青い死の光が輝いた夜
第7章 危険な空気を吸いつづけた親子
第8章 心臓のなかに入りこんだ男
第9章 地上最速の男
第10章 ひとりきりで洞窟にこもった女

サウナに入って、どんなに体を温めても、人間の体温は変わらない。と、いわれて見れば「そんなの当然」と思うかもしれないけれど、かつては周囲の温度に合わせて体温も変化していると思われていたらしいです。この第一章「あぶり焼きになった英国紳士たち」に登場する紳士たち(軍人さんもいる)は、90度以上の温度の部屋にこもり、人間の体温が周囲の温度に関わらず一定を保つことを実証しました。彼らのお陰で、いま、病気になったとき真っ先に体温を測って、体調の目安や病状の推測に用いられているようなのです。
と言う風に、自分の体を使って、さまざまな実験に取り組んだ人たちの列伝。
科学者たちは「喜んで」実験台になり、病気が発生すると「自分の憶測が間違ってなかった」ということで「喜ぶ」ほどです。その探究心・・・・同じように危険に身を晒しても、たとえば自分の趣味だけではなく、人類の為になるんだから、意義があるのだと文中に出てきまして、フムフムと思った次第。

第3章の「笑うガスの悲しい物語」のように、身を呈して実験をして、結果を出してもその手柄が認められたのは、死後20年以上経ってからだったとか、(しかも本人は自殺してしまう)、第4章「死に至る病に名を残した男」や、第5章「世界中で蚊を退治させた男たち」のように、自分の体に病原菌を打って(あるいは、その可能性のある蚊にわざと刺されて)その結果病気が悪化して死んでしまった科学者もいて、結果的に気の毒な科学者も多いです。彼らの壮絶な実験の果てに今現在はいろんな事が分かっているんだとしみじみ思わせられます。

原書はアメリカで、子ども(小学校高学年から中学生)向けに書かれたものらしく、訳本である本書もとても読みやすいので、お子さんにもオススメできます。
真似したい・・・と思われたら困りますが・・(^_^;)

11:31 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

【映】レスラー

映画「レスラー」は二回見に行った。
エンディングテーマの歌詞にも、すごく胸打たれた。(字幕スーパーの歌詞ですけど(^_^;))
「自由を求めてもがく 片足の男を見たら、それは俺・・・・」
忘れられない映画です。


子どもがいっぱい寄ってきて「技かけて~~ランディ~~!」とか、せがまれているシーンや
ランディに試合を「ホットだったぜ」と誉められて若手レスラーが喜んでるシーンとか・・好きです。
2度目もやっぱり泣けました。


00:18 : [映画タイトル]ら行トラックバック(0)  コメント(0)

天文ブーム???



知り合いの知り合い、と言う間接的な話で恐縮なんですが、その男性はトシのころなら50中盤から後半、友だちのうち二人が家に天文台を建設中とのこと。
そう語ってくれたそのご本人も、少年時代に天文ブームでハマった過去があり、今改めて時間経済に余裕が出来て、その「趣味」が復活しており、「お仲間」である友達の天文台作りに何かとアドバイスをしたり相談に乗ったりと言う近況を、楽しそうな様子で生き生きと語っておられました。
私はあんまり覚えてないけど、天文ブームってあったんですかね?
少年の頃星にロマンを感じた人たちのうち大勢が、いまこのウチの知り合いの人のように、マイブームの復活としてその道に戻ってきているらしいです。
自分の家に天文台を・・・というのは、天体ファンの悲願のようなものらしく、工夫を凝らして建設中とのことですが、天体の写真を撮るには、とても繊細さが必要だそうですよ。
風が吹いて建物がほんの少しでも揺れたらピントがずれてダメ、床を歩いた振動さえもダメ。針で突いたような鋭いピントでなければ納得できないそうなんです。
当時に比べて今は、カメラも望遠鏡も望遠レンズも性能が良くなっていて、この写真の望遠鏡のようにコンピューターが内蔵されていると、星の位置をパッと探し当ててくれるそうです。
そりゃ、ポイントをギュギューッと絞って、いい写真が撮りたくなる気持ちも分かりますよね!
知り合いの男性は、望遠鏡ではなく、カメラに望遠レンズをつけると言っておられました。
すっごい望遠レンズらしいです。多分、こんなの?(違ってたらスミマセン)





で、それならばと思って、ネットでも検索したらあるわあるわ。素人さんが天体の写真を撮ってはアップされているブログやHPは、たくさんありました。
個人のサイトさんなのでリンクはしませんが、さすがの写真がたくさんアップされていて見入ってしまいました。
若い人たちは理科離れの年代なので、天体にも興味持つ人が少ないらしいですね。
見あげた所で、星なんて見えませんもんね。ウチは田舎なんだけど、それでも光害っていうのありますもん。
ウチの夫の出身地は、スキー場が近くにあるような田舎のほうですが、星空のきれいなコトは驚くほどです。眺めていても飽きないですね。
知り合いのひとのお友達の天体ドーム、見学に行きたいぐらいです(笑)。
全国の公開天文台はこちら ウィキペディア 
みなさん来る22日の日食への意気込みも半端じゃないらしいです。
きっとブログなんかもたくさん更新されるでしょう。ちょっと楽しみですね。

CELESTRON 天体望遠鏡 ネクスター4SE
CELESTRON 天体望遠鏡 ネクスター4SE
セレストロン???
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools





21:27 : [そのほか]もろもろトラックバック(0)  コメント(0)

【映】ヤング@ハート

B001U65T2Wヤング@ハート [DVD]
スティーヴン・ウォーカー, スティーヴン・ウォーカー
ポニーキャニオン 2009-05-20

by G-Tools


平均年齢80歳のお年寄りたちのコーラス隊を追ったドキュメンタリー。
「おじいちゃん、おばあちゃんになってもこう言う趣味を持って楽しむのは、とってもいいことだ。歳を取ってなお頑張る姿には感動を覚える」と言う、そんな感想を抱くのではないかと・・我知らず予想していたような気がしますが、映画を見て打ちのめされました。
平均80と言っても、その歌唱力たるや、とてもとても歌の下手な私なんぞとは比較にならず、力強い発声、しっかりとした音程、リズム感、どこをとっても「ちゃんとした」コーラスなのです。
コーチもなかなか厳しく、妥協をしない。
「おじいちゃんだから、この辺で仕方がない」とか、そんなことは(全然ない、とは言えないと思いますが)ほとんどなさそうです。
そして、92歳のお嬢さんを筆頭に、みなさんお元気なこと。やっぱり歌を歌うことで色んな部分が刺激されたり鍛えられたりしてるのが、目に見えて分かる!
しかし、病気で具合が悪くなる人も中にはいて、亡くなってしまう仲間もいます。
仲間を失うって、どんな年齢でも同じように悲しいと思うけど、高齢になればなるほど「次は自分か」と言う気持ちが大きくなったり、付き合いが長い分切なさが増したりするんだろうと思います。
でも、歌うことで悲しみを乗り越えていくんですね。
その姿を見てまた、こちらが元気をもらう・・・ありきたりだけど、そんな感じ。
こんな老後なら楽しいぞ、自分もこんな風に歳を取りたい、と思わせられます。
映画の取り方と言うか見せ方もスタイリッシュでカッコよくって、色んな曲が挿入されてて(もちろん、ヤング@ハートのナンバー)「ステイン・アライブ」のときなんて、そこに込められたユーモアにノックアウトです(笑)。
胸を打たれるって、こう言う映画ですよね。
20:56 : [映画タイトル]や行トラックバック(1)  コメント(0)

【本】風花病棟/帚木 蓬生

4103314168風花病棟
帚木 蓬生
新潮社 2009-01

by G-Tools


医師を主人公にした物語の短編集です。
医師として患者の死に立会い、あるいは命を救い、感謝されたり思い出を語ったり・・・。
どれもしみじみとした物語ですが、テーマがテーマだけに切なさがこみ上げる物語が多いです。
時々はウルウルとしながら読みました。
短編集は苦手なので、これも読むのに時間がかかりましたが(^_^;)。

「藤籠」がめちゃくちゃ切ないです。泣けた。
「顔」という作品では、衝撃を受けました。
「ショットグラス」うーん、許せない。
「終診」しみじみしました。
お医者さんは代々お医者さんの家系って多いようですが、ここにも父と息子の確執や思い出を交えた作品が2~3ほどありました。
医師の・・というよりも、人として真摯で優しさのある人々の物語だったような気がします。
先日読んだ「ノーフォールト」でも考えさせられたけど、今の医療制度に抜け落ちているのではないか?と思われる「人情」みたいなのが詰まってました。
17:04 : [本・タイトル]か行トラックバック(2)  コメント(2)

アポロ11号

アポロ11号
アポロ11号日暮 雅通

河出書房新社 2009-06-27
売り上げランキング : 85280


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


新刊コーナー(図書館)にあったので、借りてみた。
読まないんだけど・・・(^_^;)
写真だけでもパララ~~っと、眺める。
宇宙兄弟」読むと、こう言う本もちょっと興味湧く。
17:45 : [本・タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(0)

手塚潤子の和布ステーショナリー―作って贈って楽しむ手作り文房具

手塚潤子の和布ステーショナリー―作って贈って楽しむ手作り文房具 (和の手しごと)
手塚潤子の和布ステーショナリー―作って贈って楽しむ手作り文房具 (和の手しごと)手塚 潤子

誠文堂新光社 2009-06
売り上げランキング : 478782


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


目が弱くなって。。。って、トシヨリモードですが(^_^;)
裁縫や手芸はとんとご無沙汰ですが、見るのは好き。
ブックカバー、しおり、手帳カバー、ペンケース、めがねケース、携帯電話ケース
電子手帳ケース、CDケース、はがきケース 通帳パスポートいれ 名刺いれ
ハサミ入れ、ティッシュ入れ、巾着 カード入れ 小物ポーチ 化粧ポーチ
パソコンケースやキャンディ入れ・・・などなど、いろんな和布で作れるケースや入れ物たち。
見ているだけでも楽しいけど・・・・
やっぱり作りたくなりますね。
気持ちだけね・・・(^_^;)
17:31 : [本・タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(1)

【本】デンデラ/佐藤 友哉

デンデラ
デンデラ佐藤 友哉

新潮社 2009-06
売り上げランキング : 50105


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


すさまじい小説です。なんせ、登場人物は、アラウンド70からアラウンド100歳までの「老女」たちのみ。姥捨て山に捨てられた彼女たちは、「デンデラ」という自分たちの村を作り上げ、ひそかにコミュニティを作り、しぶとく生きています。あるものは、自分を捨てた村への復讐に燃え、あるものはそこで余生を静かに送りたいと願い・・・。50人もの老女たちが、それぞれの思惑の中で対立しながらも、老女たちを死滅させようとする「自然の脅威」と戦い・・・・と言う物語です。
すさまじかったです。

しかし、いつの時代の設定なんだろう?と言う疑問を筆頭に、老女たちの名前に全て名字がついていたり、言葉使いや、身のこなしも、その体力知力など、どこをとっても、リアリティに欠けた感じがしました。昔話の雰囲気は皆無。
ひょっとしてこれって、現代なの?と思うほどでしたが、振り返って語られる老女たちの若い頃の生活は、やっぱり現代ともかけ離れていて、読んでいてずっと疑問がぬぐえず、違和感が高まっていきました。
老女たちがサバイバルで段々と減っていく・・・・って、バトルロワイヤルの老女版か?という印象。

ところで、

 ...続きを読む
11:26 : [本・タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(2)

【本】女神記/桐野 夏生

4048738968女神記 (新・世界の神話)
桐野 夏生
角川グループパブリッシング 2008-11-29

by G-Tools


「じょしんき」と読みます。
桐野さんが描く古代日本神話。
桐野さんだからまぁ一気に読まされるが、興味のある分野ではなく、心惹かれなかった。
今まで読んだ桐野作品では、どれよりも「ふつー」だったかな。


10:48 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】ノーフォールト/岡井 崇

4152088087ノーフォールト
岡井 崇
早川書房 2007-04-18

by G-Tools


産科に勤める若い医師、柊奈智(ひらぎ なち)は当直の夜、容態が急変した妊産婦の出産に立ち会う。その妊産婦は緊急性の高い帝王切開をすることになり、奈智が執刀をすることになった。一旦は成功したかに見えた手術だったが、その直後に容態が急変し、奈智は裁判に巻き込まれてしまう。
出産と言う医療に生き甲斐を感じて、その世界に入った奈智だったが、現実に周産期医療を取り巻く状況はかなり厳しく、翻弄され疲弊してしまう。そんな中で、医師として成長していく奈智の姿をとおして、現代医療の抱える問題点、矛盾点などを克明に提起した意欲作。

うーん、こんなひどい事になっているのか・・・。と言うのが読み終えて正直な気持ち。

正直言って、とうの昔に出産と言う大事は済ませてしまったので、(子どもたちへの問題として捉えるにはまだ先のことかな・・)現実問題として切実な感じはないんだけど、でも、近頃ニュースなどで聞く「出産を受け持つ病院の激減」とか「市内に産科が皆無」とかの話は、えらい時代になったなぁ・・・と暗澹と感じてはいました。
だからこの本を読んで、そのからくりと言うか原因と言うか、だからこんなに産科が減ってしまい、妊産婦たちが困っているのだということが改めて良くわかり、事の重大さに愕然とした次第。

主人公の若い医師は、その志とは関係なく医療訴訟に巻き込まれます。
どんなに誠意があって力を尽くして治療に当たったとしても、患者側がそれを承知していたとしても、裁判に持ち込めば医師を悪者にしなければならない・・という図式。
訴訟を恐れて産科に入局する医師が減っているらしいですが、この作品では、人員不足による当直の多さなんかも大きな問題になっていて、確かに悪循環を生んでいると思えます。
日本がアメリカ方式になんでも転換して行き、そのうちアメリカのような「訴訟大国」になってしまえば、どんな未来が待っているのかと思うと空恐ろしいです。
著者は、「無過失保障制度」と言うのを日本も取り入れるべきだと紹介しているのだけど、その制度は、医療事故がおきてしまったとき、その事故が「医療過誤」と「医療災害」のどちらでも患者側が補償を受けられるというもの。本書に書かれているので、ここでは詳しく書きませんが、その制度であれば、医師側患者側が一体となって事故の原因究明に取り組み、結果的に医師側も、患者側も、そして後年同じような事故を防ぐためにも、誰のためにもなると言うすぐれた制度であるように思えました。

この作品は、現役の医師である著者が、医師がどんどん減っていく今の医療界を憂えて、その現実を世間の人に知ってもらいたいとの願いを込めて書かれたものだそうです。だから、医師と作家の二足ワラジというわけではなく、本書はいまのところ、著者唯一の「小説」のよう。
小説としてのネックは、医療の専門用語が多発され難しいイメージになってるということぐらいで、主人公奈智にとても好感が持てるのと、奈智をとりまく医師団の人柄のよさも(医師たちを良く描きすぎているのでは?と言う気持ちがなくもない(笑))あいまって、物語に入り込みやすく、面白かったです。

是非とも厚生労働省はじめ、お役人さんたちに読んでもらって、参考にしてもらいたいです。




10:38 : [本・タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(0)

テレビ台

大型テレビね・・・・
まだ具体的には買う予定もないのに、テレビボードをあれこれネットサーフィンして物色しています。
とりあえず、こんなサイトがあったので、メモがわりにアップ。

http://www.storio.co.jp/diy/workblog/archives/001000/001300/index.php?page=all

自作ですって。
ほかにも色んな家具のヒントが!
まぁ私にはムリだろうけど見るだけでも楽しい♪
だれか、作って下さい~~~(爆)。
19:08 : [そのほか]もろもろトラックバック(0)  コメント(0)

【映】画家と庭師とカンパーニュ

B001S8SFHS画家と庭師とカンパーニュ [DVD]
ダニエル・オートゥイユ, ファニー・コットンソン, エロディ・ナヴァール, ジャン=ピエール・ダルッサン, ジャン・ベッケル
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2009-06-03

by G-Tools


パリからふるさとに帰ってきた画家のところに、庭師としてやってきたのは、かつて学校で友だちだった元、国鉄職員。二人は旧交を温めながら互いを「ジャルダン」「キャンバス」と呼び合うように・・。
田舎で暮らし、「ジャルダン」の家族思いの素朴な人柄に触れることで、段々と身勝手だった「キャンバス」の内面にも変化が現れる。しかし、やがて二人にも別れのときが・・・。

とてもきれいな田園地帯で織り成す、いい年のオジサンたちの友情物語。世間的に評判はよいけど、物語に起伏があまりにもないので、私は正直言えば退屈に感じてしまった。最後まで見たら、お互いの友情の深さにストレートに感動したけど・・・。

★★★
10:54 : [映画タイトル]か行トラックバック(0)  コメント(0)

ネバー・バックダウン

B001LOFA5Eネバー・バックダウン [DVD]
ショーン・ファリス, アンバー・ハード, キャム・ギガンデット, ジャイモン・フンスー, ジェフ・ワドロフ
Happinet(SB)(D) 2009-02-27

by G-Tools


たまたま、現代版「ベスト・キッド」と言う言葉が私のアンテナに引っかかって借りてみた。(とくに「ベスト・キッド」のファンと言うわけでもないけど・・。)
転校先の高校で格闘技に目覚め、強くなっていく主人公を描いた青春物です。私はこういう、いかにも狙ったような引いたり寄ったりが乱用(?)されてる手振れ映像が大嫌いなので、最初はちょっと敬遠してしまったけど、見ているうちに内容に引き込まれました。
父親の死を自分の責任だと感じ、母にも責められているように感じてしまっている主人公、彼が格闘技の師匠に出会う事で、肉体的にも精神的にも大人になっていく過程がちゃんと描かれていて、なかなかの掘り出し物かと思いました。

★★★

余談だけど、最後は当然というか、やっぱり格闘技の試合シーンで終わるんですが、ちょうどその場面が終わったとき私のケータイの着信が鳴りました。その着メロは「ロッキー」のテーマ。あらまー、ちょうどロッキーみたいだなと思っていたところ。ベタすぎてネタにもならない。と言うわけでこの作品も、基本はロッキーでした。

主役のショーン・ファリスって、トム・クルーズとアシュトン・カッチャーをミックスしたような(トムの厭なところを取ったような・・って、失礼な!)イケメン。好みじゃないけど、見ていて爽やかな・・・。ちょっとチェックしておこうかな。
seanfaris1

seanfaris2


10:39 : [映画タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(0)

やんごとなき読者/アラン・ベネット 訳:市川 恵里

4560092257やんごとなき読者
市川 恵里
白水社 2009-03-11

by G-Tools


バッキンガム宮殿にお住まいのやんごとなきご身分の、女王様。あるとき、移動図書館を見つけ、気まぐれから本を借りて見ます。そこから女王様の「読書人生」が始まるのです。人生もかなり終盤に達しようとする時、敢えて「新しい領域」に踏み込む楽しさ、読書していく事で自身が少しずつ変わって行く過程、読書によって鍛えられていく思考、そして、何よりもやんごとなき身分の者の読書を好まない周囲との「戦い」が、とてもユーモラスに描かれていて楽しめる作品。
本が好きなら、誰でもこの本は楽しく読めると思います。
かつては面白くないと感じた本が、読書を積み重ねる事でいつの間にか「読むチカラ」が備わり、その魅力を充分に味わえるまでに(本読みとして)成長した女王様の姿に、本読みの先輩として「よっしゃ」と思う気持ちと(ナニサマ??)、自分には長年読書をしていてもそのチカラが備わったと言い難い忸怩とした気持ちが妙に入り乱れてしまいました。
最後に女王の出した結論に至るまでには、紆余曲折があるんだけど、それすらもその「結論」にたどり着くための「ご縁」だったと思うと、人生にはこうした「ご縁」と「出会い」が絶妙に面白いはたらきをもたらすと言う側面があるなと感じ入りました。
11:52 : [本・タイトル]や行トラックバック(1)  コメント(2)

厭な小説/京極 夏彦

4396633165厭な小説
京極 夏彦
祥伝社 2009-05-14

by G-Tools


祝!!
初京極本、ついに読了。
とても分厚い本だけど、サクッと読めました。
厭な子ども、厭な老人、厭な家・・・いろんな「厭」が散りばめられた、「厭」だらけの小説。こんな小説を読む意味、書く意味はあるのか・・・と思いながらも全部読んでしまいます。
でも、マンガ読みから見たら、こう言うのはホラ・・山岸凉子さん辺りのほうが断然上手いんだなぁ。
11:41 : [本・タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(2)

もう私のことはわからないのだけれど/姫野 カオルコ

4822247481もう私のことはわからないのだけれど
姫野 カオルコ
日経BP社 2009-06-18

by G-Tools


家族の介護に関わっている人たちの、インタビュー集。
呟きのようなその文面から、諦めと絶望、そしてその人の人生の一端が垣間見え興味深い。

と思ったら
 ...続きを読む
11:38 : [本・タイトル]ま行トラックバック(1)  コメント(4)