ワルキューレ

監督ブライアン・シンガー (ユージュアル・サスペクツ/スーパーマンリターンズ/X-MEN) 主演、トム・クルーズによる、事実を元にした戦争アクション映画。
ヒトラー暗殺計画のひとつであり、最後の暗殺となった「ワルキューレ」作戦の全貌を描きます。
散々予告で見て期待感が高すぎたのか、思ったよりも面白く感じられなかった。
前半は作戦に突入していく「準備期間」、後半は作戦の実行と収束。
結末は分かりきっている物語なのだけど、後半の緊迫感は並々ならぬものがあり、大変見応えがあったと思いました。が、前半がどうにも印象が弱かった。
冒頭でこの、主人公の大佐が爆撃により大怪我を負い隻眼、隻手になってしまうシーンがあるのだけど、それがそこまで必要なシーンだったのか?と思いました。その分もっと作戦の準備にかかった水面下のやり取りを見せて欲しかったような気がします。何故と言うと、主人公のシュタウフェンベルク大佐をはじめ、関係者がこのミッションに関わろうとした過程が、あまりにもあっさりと描かれていて、拍子抜けしてしまったので。
反逆に関わると言う事は命をかけるということで、その決意は通常では想像できないほどの煩悶や逡巡があるはずなのだけど、その点が全然見えなかったのです。
そこが後半のハラハラ感を大きく削いでしまった気がして残念。
映画は史実にかなり忠実に基づいて作られているようだけど、⇒ネタバレか【そもそも「爆弾」がチャチすぎる!本当に暗殺する気なら、もっと大きな爆弾を仕込むべきだったと思うし、いっそ自分が犠牲になってもヒトラーを確実に殺そうとしないと無理なんじゃないかと思ってしまいました。自分が助かろうと思ってるようじゃ、そりゃ暗殺なんて成功しないのでは・・。世紀の暗殺事件の割りに関係者の気持ちがあまりにも甘い!と、感じてしまったんだけど・・。それは映画の問題じゃなく、史実の問題なのですが・・・。
なので、決してつまらないとは思わないけど、★★★☆


それにしても、ヒトラーというひとは40回もの暗殺計画をくぐりぬけてきたとのこと。悪運が強いというか、非常に周到で厳戒なセキュリティに守られてたんだなぁと思う。人の心を掌握する術には長けていた事に驚かされます。

主人公のシュタウフェンベルクは祖国ではとても有名な英雄で、その名前の街ができたほどだそう。
奥さんは案外にも長生きされたそうで、そこもビックリしました。

Valkyrie
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ぼくは考える木/ポーシャ アイバーセン

4152089946ぼくは考える木―自閉症の少年詩人と探る脳のふしぎな世界
Portia Iversen 小川 敏子
早川書房 2009-01

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自閉症について、とてもおおきく誤解していたと思う。
自閉症の人たちの多くがこんな風に誤解されていたとすれば、私たちは今まで彼らにとんでもないことをしてきてしまったことになるのでは・・・。
普段ほんとうに当たり前のように、触りながら見て音を聞く・・・だけど、ここに登場するティトは、音を聴いているときは目の前にあっても、物を見ることが出来ません。見ているときは聞くことが出来ない。その時々に一つの感覚しか使えないのです。ティトには、人の顔はまるで海の波のように形を変えて見えるらしい。一度にたくさんの情報が入り込んでくると、頭の中はカオスになるのだそう。自分の体さえも、ここにあることが実感できず、実感する為に手をヒラヒラさせたり揺れたり(こう言う行為をスティミングというのだそう)するんだそうです。
このように聴覚型の自閉症は、運動する事がまったく苦手。なんと「見る」ことすらも「動き」なのだと・・。動かなくても見えるじゃないかと思ってしまう。だけど、ある種の人には、たとえば視力に問題はない場合でも、見ると言う行為が一つの難関なのだと知りました。なんと言う不思議で神秘的な脳の働き。当たり前に思ってることが当たり前ではないと気付くとき、自分の傲慢さを思い知ります。
そして見た目はまったく普通の人間と違う動き方や、状態なのだけど、実は普通と同じ、あるいは普通以上に知能が高く、物事をとてもよく「わかっている」。だけど、それを表現する手段がないのです。
インドのティトと母親ソマによって、実は自閉症の人にも知性がありコミュニケーションを取る事が出来るということが明らかになります。
ティトの書いた数々の詩の美しい事。
もちろんそこに到達するまでに、ふたりはすごい労力や努力をしている。それはまるで、ヘレン・ケラーとサリバン先生のように。ティトとソマのふたりも言わば「奇跡の人」なのです。
ポーシャは自分の息子、ダヴがティトとよく似たタイプの自閉症であることから、コミュニケーションをとることができるかもという望みを持って、ティトとソマをアメリカに呼びます。
専門家が提唱する数々の検査は、自閉症の人間には苦痛でしかないのに、決して正しい結果を知らせてくれるものではなく、何度も何度も繰り返して検査に憤り落胆しながらも、ポーシャは自閉症の人たちの為にも諦めることなく、活動を続けます。正しく理解する為に。
著者ポーシャが、息子ダヴの知能は高く、今まで自分が息子にしてきたことの無意味だったと知ったとき、コミュニケーションが取れるのだと思う喜び、知能が普通で嬉しい、それ以上に今まで何年もかけて息子にしてきた働きかけや教育が間違っていたと知れば・・・。
ポーシャのあふれる感情が胸を揺すぶります。
ソマのメソッドによってダヴは格段に進歩していく。きっかけがあれば、言葉を覚え、知性を取り戻したヘレンケラーのように、彼らの世界も180度変わるのです。
今後研究が進み、ティトやダブのように、真実の姿を周囲に理解されるようになることを切に願います。
ポーシャの家族の最後の描写に心から胸が温もるのを感じて、感慨深かったです。

★★★★★
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乱反射/貫井徳郎

4022505419乱反射
貫井 徳郎
朝日新聞出版 2009-02-20

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と言うわけで、半日で読了。魅了された!!オススメです!
事件を扱ったミステリーではあるけれど、子どもを亡くした親の気持ちがものすごくリアルに描かれていて(と思う)感動的でもあった。泣けるミステリー。貫井作品の本領と言った所で、深く深く満足しました。ブラヴォー!!

++++ご注意:ちょっとネタバレかも+++++

ある、平凡な家庭の幼児の突然の死。それは新聞記事としては小さな扱いだったが、実は何人もの「殺人者」の手によって行われた・・。
という、衝撃的だけど全貌のつかみにくいイントロで物語は始まる。
何人もの、一見無関係の人々が登場する。彼らはごく普通に生活をしているだけ。ある人物は退職後に犬を飼い可愛がる、ある人物は街路樹の伐採に反対している、ある人物は虚弱体質で・・・なんの変哲もない普通の人たちの生活。それが淡々と描かれているだけなのです。(でも、人々の心理描写がきっちり描かれていて読み応えがあるのだけど)
これが「幼児の死」に関わりがあるのだろうか?きっとあるんだろう、と読みながら思いました。結末は最初から分かっています(最初に書いてるんだから)。これが一つの流れになるんだろうと想像もつきます。要するにネタは最初からバレているのだから。それでも、人々の「気持ち」の描き方、心理描写が巧みでリアルなので逸らされずに釣り込まれてしまい、結末が分かっているからこそ先を急がせられてしまうという作品でした。
どこにも「犯罪」はない。だけど、そこここに「犯罪」はある。
なぞなぞのような、あるいは禅問答のようだとも思いました。
喪失感、虚無感、絶望、どこにもやり場のない気持ち・・・幼児の死の原因が一本の線でつながったとき、そこにあふれる悲しみに圧倒され、胸がつぶれそうな気持ちにさせられてしまう。
バタフライ・エフェクトという言葉があります。自分のふとした行動が、どこか自分のあずかり知らぬところで、大きな影響を与えるかもしれないということ(のよう)です。本書を読みながらこのことを思い出しました。
自覚があってもなくても、悪意があってもなくても、良かれと思ったことですら、もたらす影響と結果はかならずしもいい事ばかりではなく、自分にも誰にも計り知れない。
人間は自分ではどうにもならない因果関係の中で生きているのだと思いました。

+++++++++

今年に入ってから、面白い本がたくさん。
とても嬉しいです♪
21:46 : [本・タイトル]ら行トラックバック(0)  コメント(5)

女ともだち/真梨幸子

4062134055女ともだち
真梨 幸子
講談社 2006-06-23

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最近、「読書メーター」を使ってます。そこでなんとなくウロウロしていて、頭の片隅にインプットされた本、それを図書館の返却コーナーで見つけ「これは、あれだ」とひらめいて即借りました。
結構面白かったんですよ~。私の好み!ラストはちょっと説得力がなかったけど、読んでる間の引力はかなり強く感じました。なんといっても女たちの描き方が生々しくてよかった。
なので、今日また町方面に用があり、ついでに寄った図書館で、この真梨幸子さんの本を数冊借りてきました。久々の作家読みになるか??乞う、ご期待(笑)。

さて、この「女ともだち」の感想は・・・。

雑誌記者の主人公野絵は、小さな地方都市のタワーマンションで起きた、二つの連続殺人事件の真実を追う。逮捕された「犯人」は真犯人ではなく、ほかに真犯人はいると言う確信を持ち、それを探すことを目的に、事件をルポとして雑誌に連載していく。
本書では主人公が書いているルポが、実際の出来事(本書中の)と交互に挿入されているのだけど、その主人公の書くノンフィクションが結構面白く、読ませられた。ただ、このノンフィクションを実際にノンフィクションとして読んだら、違和感があると思うんだけど(あまりに著者の主観が大きいから)作中ノンフィクションである事を考えてこう言う文体にしたのだと思う、そのバランスが上手いと思った。ここでいかにも「ノンフィクション」の、たとえば佐木隆三さんみたいな文章が来たら、読者はきっとここまで面白みを感じないのではないか?と思います。(佐木氏には失礼ですが・・私は佐木さんの本、好きですけど)
何人もの女たちが登場する。中のひとりは「東電OL殺人事件」の主人公をモデルにしたのだろうと思わせられたが、実際に「加害者」ではなく「被害者」をこんなに掘り下げて、その半生を明らかにするのは、いくら事件物ノンフィクションが好きでも、読む側として気が重い。だから「グロテスク(桐野夏生)」は、あまりにリアルだったからだと思うけど、読後感がとても悪かったし、「東電OL殺人事件(佐野眞一)」はまだ読んでいない。なんといっても彼女は殺人事件の被害者なのです。私が人を殺したわけじゃなく、殺されたんだ、なのになぜこんな事を書かれなければならないの?と思うと思う。
この「女ともだち」では、主人公の目的が「真犯人探し」という確たる目的があったせいもあり、まったくのフィクションとして面白く読めた気がする。
ラストになると、意外な真実に驚かされるが、そこまで行くのはちょっと出来すぎじゃない?と思ったのだけど、それまでの引力はすごく強かった。
★★★★




次の本はしかし、真梨さんの本じゃなく貫井徳郎さんの「乱反射」。
これは予約の人が待ってるので、とりあえず先に読まねば。そして、貫井さんの作品だけありすごく期待が大きく、早速読み始め、あっという間にもうすぐ読了。さすがの引力!貫井さんは面白い!!
4022505419乱反射
貫井 徳郎
朝日新聞出版 2009-02-20

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20:15 : [本・タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(0)

東京島/桐野 夏生

4104667021東京島
桐野 夏生
新潮社 2008-05

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戦争中に実際に起きた事件をモデルにしていると言うことで、その事件のあらましを読んだだけでも「これを桐野さんがどのように『料理』するのか」と期待が大きかったのだけど、時代設定などが「戦時下」から「現代」にと、変えてあるせいもあり、やけにあっさりした物語になってしまったと言う感想。
物語は、清子と隆の夫婦が世界一周クルージングの旅に出て遭難し、流れ着いた無人島にあとからまた漂流者の団体が流れ着き、そしてそこにまた別の一行が流れ着き・・・結局島は男が30人以上いたのに、女は清子ただ一人と言うアンバランスな状態になってしまうのです。助けは来ない、一切の文明もない無人島で、清子たちはどう生き抜いていくのか?と言う物語。
「漂流」を題材にした本と言うと真っ先に吉村昭「漂流」を思い出します。これはまさに著者が、無人島での漂流を体験したのかと思えるほどの圧倒的なリアリティがあって唸らされたのに対し、桐野版ではなんだか全然リアルな感じがしなかったのです。読む前は「漂流」ものとは思ってなくて、きっとたった一人の女をめぐって男たちが壮絶な争いをするんだろう・・などと、なんとなくだけど考えていたので意外だったし「漂流もの」として捉えたら、吉村さんの「漂流」には叶わず、物足りない気持ちが残ります。吉村版ほどの切実な緊迫感がまるでないからです。
しかし、リアリティはなくとも不思議と物語は強い説得力があり、ぐいぐいと読ませられてしまいました。この「説得力」こそ桐野さんの持ち味、そして相変わらずの吸引力に感心させられ、ラストの意外性も満足。いかんせん、物語の内容に比べてボリュームがないように感じたのだけど、私としてはもっと長い物語にして、もっと書き込んで欲しかったです。
桐野作品の自分的ベストは「メタボラ」「ダーク」です。

★★★
17:38 : [本・タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(0)

告発のとき

B001GXG83I告発のとき [DVD]
トミー・リー・ジョーンズ, シャーリーズ・セロン, スーザン・サランドン, ジェームズ・フランコ, ポール・ハギス
ポニーキャニオン 2009-01-07

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イラク戦争から帰還するはずの息子が行方不明になり、それを探す父親が知った真実とは。
自身が強いプライドを持つ軍人だったハンク(トミー・リー・ジョーンズ)は、息子の事も当然自分のような正義感あふれる兵士であり、イラク戦争はアメリカの正義を貫く戦争だと信じて疑わないが、段々と息子失踪の真実に触れていくうちに「そうではないんだ」という現実を突きつけられる。そこにあった「兵士」たちの「真実」に、薄ら寒い気分にさせられた。
印象に残ったけど、胸をえぐられるとか、慟哭するほど悲しいとか言うほどではなかったかな。息子への思いは、けして感情むき出しに表わさず押さえている父親。淡々とした父親の悲しみが印象的ではあったけど・・・。

息子の失踪を捜査する基地のある町の警察官に、シャーリーズ・セロン。地味だったけどやっぱりキレイだな。


14:35 : [映画タイトル]か行トラックバック(0)  コメント(0)

人を殺すとはどういうことか―長期LB級刑務所・殺人犯の告白/美達 大和

4103136316人を殺すとはどういうことか―長期LB級刑務所・殺人犯の告白
美達 大和
新潮社 2009-01

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タイトルの通り、2件の殺人事件で長期刑務所に入っている殺人犯人の手記。前半は自分のそれまでの半生と、殺人事件を起こしたあらまし(詳しくは書かれてない)そして、その後どのように自分が贖罪に向かうにいたったかと言う心理の変化が書かれていて、後半は犯罪者ウォッチングとでも言うか、受刑者たちを冷静に観察して分析している。
そもそも、著者の犯した殺人が「計画殺人」だったと言う事と、余りにも冷静に自分の犯罪やらその後の心理状況を分析解説しているので、しじゅう違和感が付きまとう。ナニサマだと自分を思っているんだと思うこともしばしばで、かなり腹立たしい気分になった。あるとき天啓をうけるようにはっと自分の罪の重さに気付くのだけど、それすらも、あまりに冷静な筆致に嫌悪感が沸いてしまった。
後半、受刑者の観察においては、生来の聡明さでかなり的確にタイプの分類や分析がなされていて感心し、なるほどなと思うことが多かった。刑に服しているということの意味や、罪を贖うということの意味を考えさせられる本ではありました。
でも不快な気持ちの沸く手記でした。その不快さに★★★。
・・・と思ったけど、やっぱり★。←受刑者ウォッチングの的確さに。(それとて不条理を感じた)
14:19 : [本・タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(0)

ポトスライムの舟/津村 記久子

4062152878ポトスライムの舟
津村 記久子
講談社 2009-02-05

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とくにドラマティックな出来事が起きるわけではなく、年収約160万円の独身女性の日常が淡々と描いてありました。休憩室のポスターの世界一周に憧れたり、刺青を入れることを真剣に考えたり、そういう頭の中が丁寧に書いてあり、最初はそれほど面白く感じなかったのだけど、段々と釣り込まれていました。特に友だちとの関わりが読み応えあり。私はなんとなく、ヤマフミさんや角田さんの小説のようだと思いましたが読後感はこちらのほうが爽やかだったような気がします。特に好きなタイプの小説ではないけど。
最近読んだマンガ「すーちゃん」「結婚しなくていいですか。―すーちゃんの明日」を髣髴とさせて、よく似た印象を受けました。

4344011597すーちゃん
益田 ミリ
幻冬舎 2006-04

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4344014510結婚しなくていいですか。―すーちゃんの明日
益田 ミリ
幻冬舎 2008-01

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14:06 : [本・タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(0)

レッスン!

B000WPEJ5Aレッスン! (プレミアム・エディション〈2枚組〉) [DVD]
アントニオ・バンデラス, リズ・フリードランダー
松竹 2007-12-22

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アントニオ・バンデラス主演の、高校生矯正プログラムものです。
フリーダムライターズ」が書くことで立ち直っていく高校生たちを描いているなら、こちらは「踊る」ことで立ち直っていく、これも「フリーダムライターズ」同様、実話ベースの物語らしいです。
踊るといっても、ヒップホップダンスやストリートダンスじゃなく、完全にソシアルダンス。その教師役のバンデラスがとってもとってもハマり役!紳士でスマートでカッコイイので、見ていてとても気分が良かったです。
いわゆる底辺の見捨てられた高校生たちを、バンデラス演じるピエール・デュレインという社交ダンスの世界ではかなり名の知られたダンサーが、ちゃんと「ひと」として「紳士」「淑女」として扱い、生徒たちも次第にそれに答えていく物語。始まったときから、結末はこんなもんだろうと予測できる物語ですが、その途中がとても面白かったです。
ダンスを通じて、人として大事なことを学んでいくというベタといえばベタなストーリーですが、それこそが大事なこと。自分に自信を持てば愚かな行為に身を任せなくなるだろうと言う、ピエール・デュレインの「教育」に感銘を受けました。
ダンスのシーンも見応えがあり、なんといってもバンデラス!!カッコよかったです~!ギトギトしたカンジが薄れていい感じになってきましたね、この人。よくあるようなメタボじゃなく、スタイルはいいし笑顔は優しそうだし、ときめきました!彼にあんな風に淑女然と扱われたらメロメロになりますね。
生徒たちの中に飛びぬけてスタイルがよく美人の子がいて注目。ヤヤ・ダコスタ
あと、上手い!ヒロインのヤヤ・ダコスタよりも上手いと思った女生徒が「ステップ・アップ」のヒロインでした。上手いはず。ジェナ・ディーワン
そして「小説家を見つけたら」と「コーチ・カーター」に出ていたロブ・ブラウン。彼はダンスは下手でした(笑)。
★★★★
13:53 : [映画タイトル]ら行トラックバック(0)  コメント(0)

屋敷女

B001FLUIQO屋敷女 アンレイテッド版 [DVD]
ベアトリス・ダル, アリソン・パラディ, ナタリー・ルーセル, ジュリアン・モーリー;アレクサンドル・バスティロ
キングレコード 2009-01-07

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もうホラーはいいわ、一生分見てしまいました・・・・と思っていたはずなのに、評価の高いホラーを見つけるとつい手が伸びてしまう・・・サガでしょうか。
今回のこの「屋敷女」は、フランス発不条理ホラーです。精神的にも怖く、スプラッター要素の血がドバドバと言う視覚的にも怖く、ホラー好きとしては満足のいく作品だったのでは。
冒頭、交通事故の場面。身ごもっていた主人公の、おなかの赤ちゃんが事故の衝撃を受けているシーンがとても印象的です。そして、その後。事故で夫を亡くして出産間際の主人公はひとりでクリスマスを過ごすのですが、その夜見知らぬ女が訪ねてきていきなり主人公を恐怖のどん底に突き落とす、恐怖の一夜が始まるのです。
なぜ主人公がそんな目に合わねばならないのか、一体それは誰なのか。ひゃー、きゃーと、テレビの前で騒ぎながら見てました。不条理にも思えるその理由が判明するとき、見ているものはキャッチコピーを思い出し愕然とするのです。
心臓の弱い方、妊娠中の方はご鑑賞をおやめ下さい、という注意書きの通り、見た目がかなり痛いです。ホラーの苦手な娘と一緒に見たのですが、娘は泣きそうになってました。慣れてるわたしも途中「ぅげー!」と思うシーンがあって、結構キます。
ホラーが好きな人は一度見てみて下さい。
★★★☆

先に見た「P2」なんかは「もう一度見よう」と言う気になるタイプのホラーですが(ホラーって言うよりもサスペンスですね)こっちはもう、見るのも思い出すのもキツい。けど、人には「見てみ~」と勧めたい。。。。そんなタイプの作品。
13:34 : [映画タイトル]や行トラックバック(0)  コメント(0)

チェンジリング

今年一番の本命映画というほど好みの映画でした。
実話ベースの映画で、タイトルの「チェンジリング」とは「取替え子」の意味。ヨーロッパに伝わる民話で、妖精がさらった子どもの代わりにおいていく「にせもの」の子どもの事。タイトルのとおり、行方不明になった後に、我が子ではない子どもを「あなたの子どもだ」と強引に押し付けられてしまう悲劇の母親を主人公とした物語。
子どもがいなくなり、その後見つかり、しかし違う子どもで・・・という展開がとてもスピーディで、だけど、母親の喪失感、心配・・信じてもらえないもどかしさや苛立ちや、やっぱり子どもを思う気持ちを丁寧に描き出していてとても釣り込まれる物語になっていました。最初から最後まで一瞬も興味が削がれず、のめりこむように食い入るように見たので、2時間半あっという間でした。
私も自分で今ここに書いたような部分しか知らずに映画を見たので、その後の展開にはとてもビックリ。「えー、そういう事件だったのか」と言う驚きと・・・・。
母クリスティンの強さに、同じ女性として深く感銘を受けました。予告編で見た数々のシーンを覚えてて、ああ、こう言う場面だったのか・・・と納得しつつ(特にチラシ↓になってるシーンなど)やりきれない思いや感動を感じました。アンジーは迫真の演技で釣り込まれました。悪役たちはあくまで悪役で、もう、憎たらしい事この上ないヤツらばかりで。今後なんかの映画に出てきても絶対に「あのときの憎いヤツ!」と思ってしまいそうです。特にゴードン役の男、ブレンダン・フレイザーを崩したような男で(ブレンダン・フレイザーに悪いか??)「うなぎ」みたいな印象。(実際の事件の事はここに。)

クリント・イーストウッド監督と言うと「ミリオンダラーベイビー」を思い出し、どうしても胸苦しくなってしまうのですが(「ミリオンダラー・・」は今までに見た映画の中で一番苦手かも。「ミスティックリバー」もラストに不満あり)今回の映画はとても良かった。やりきれない気持ちなのはやっぱり同じで、イーストウッド監督は見ている人をこう言う気分にさせるのが好きな人なのか・・と思ってしまうけど、実際におきた事件だっただけに、納得してしまう。でも、「おもしろい」とか「興味深い」と言う言葉で映画を楽しむのは申し訳ない気持ちです(・・って、私が言うなって感じですが)。
チェンジリング
16:54 : [映画タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(2)

アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない/町山智浩

アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)
アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)町山 智浩

文藝春秋 2008-10-09
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タイトルのとおり、アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない・・学歴が低い高いに関わらず(教師を目指す大学生や普通のビジネスマンでさえ、知っていて当然と思われる常識を知らない!)アメリカ人の大半は「無知」あるいは「間違った知識」しかもっていないと言う結構衝撃の一冊。
個人の資質だと済ませられればいい話ですが、それによって戦争に突入してしまったり、世界経済をおおきく揺るがすようでは、笑って済ませられない。世界一の覇権国家だという自負があるのなら、是非とももうちょっと国民を教育するべきだと思いました。(教育すべきトップがトップでは無理がありますが)たとえば日本のお隣さんみたいに、いまだに知識や情報を規制している国家のことを「怖い」と思うのと同じ種類の怖さがアメリカにあるとは思わなかったので、大きな衝撃でした。
しかし、すべて日本にも言えること・・。日本の大学生だって、ときには大人だって似たようなもんじゃないでしょうか?かく言う私だって物知らずだし、子どもたちだってものすごく無知です。アメリカ人の半分は日本に原爆を落としたことを知らないそうだし、ベトナム戦争の事も、負けたってことも知らない人が多いらしいけど、日本の若い人たちが日本の「戦歴」をちゃんと知ってるかどうか、となるとあやしいのじゃないでしょうか。。(でもある程度年齢の上の人たちは日本がどこの国と戦争をしてどこの国に侵略したかってことは知ってると思う。アメリカ人は戦争経験のあるひとたちですら、いい加減な知識しかないみたいで・・。)無知はやっぱり「利用」し易いからそのままにしておくのでしょうか。正しい「教育」「知識」って大事だなぁと改めて感じた次第です。

そのほかにも宗教問題を含め、「へぇ~!」と思うことのオンパレードで、大変面白く読めた一冊。アメリカのトウモロコシ栽培事情とか。医療制度についてとか。映画「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」の主人公の話とか、シンプソンズとFOXのこととか・・・色々面白かった。ブッシュ批判が激しく(当然ですが)マケイン氏のことを持ち上げてる感じもしたけど、興味もなかったマケイン氏の半生に興味が湧いた。
色んな映画やドキュメンタリーを紹介していて、それらもとても興味を惹かれました。とりあえず見たいと思ったのが「レンディション」。でも、日本には入荷してないみたい。ショック。「マイティ・ハート」だけでも見るか。

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11:00 : [本・タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(0)

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録/石川 拓治

4344015444奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録
石川 拓治
幻冬舎 2008-07

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初めて「自然農法」という言葉を知ったのは忘れもしない、本岡類氏のミステリー「神の柩」だった(・・と思う・・(^_^;))。ミステリー自体面白いものだったと思うのだけど、いかんせんかなり以前に読んだので、内容は忘れてしまったのです。ゴメンなさい(^^ゞ。
でも、そこに出てきた「自然農法」と言う農法にものすごく衝撃を受けました。だって、畑の草は刈らずに生やしておく事こそ、農作物の為になると書いてあったんですもん。猫の額ほどの畑ですが、草取りに追われて、果ては諦め草ぼうぼうにしてしまっては、近所のおじさんたちの視線を気にしていた私は「自然農法だって!草を取らんでもいいんだって!!」と夢のような感じだった。

余談から入ってしまいましたが、この本今話題ですよね。ちょっとタイトルや雰囲気から「そうだ、葉っぱを売ろう!」に似ているイメージがあり「もう読んだから良いや」みたいな気持ちもあったんですが、、、、読んでよかった!!

「諦めなければ夢は叶う」・・と、スポーツ選手のセリフをここで使いたいです。
絶対に無理と言われていたリンゴの無農薬栽培を10年も20年もかけて成功するという、気が遠くなるような話です。殆ど収入もなくなり、リンゴの木は枯れかけ、家族をも犠牲にして、そのことに罪悪感や焦燥感を覚えながらも夢を捨てず、試行錯誤のすえに死をも考えたときにふっと見つけた「出口」。
ほとんど悟りを開いた釈尊のよう。木村さんの姿はとても尊く神々しいほどに感じました。圧倒され、感動しました。
そして、自然と人間は共生出来る!と手本を見せられたその反面、逆に人間の傲慢さを再認識させられました。本書を読みながら何度も、ミツバチのことを思いました。NHKのクローズアップ現代で取り上げられていた「アメリカ発 ミツバチ“大量失踪(しっそう)”の謎」のことです。あの番組をを見たときも思ったんですが、人間だけが他の生物の生態や形やあり方そのものを変えてしまって平気でいるんだなぁと。その権利があると、当然のように思ってる・・。
この木村さんがやっていることは、ミツバチを大量失踪させた原因とは、まったく反対のことをやっているのです。あまりにも正反対で驚くほどでした。
そして、人間が絶滅しても地球は滅びないけど、昆虫が絶滅したら地球は滅びると、何かの本で読んだ事があるのを思い出しました。
木村さんの功績もすばらしいけど、支えたご家族もすごい。奥さん、娘さんたちは言うに及ばずですが、(婿養子さんです)義理のお父さんが、木村さんのやることに一切口を出さず反対もせず「やめろ」とも言わず、あまつさえイタドリを取ってその中の虫を川釣りの餌として売ると言う内職までやって木村さんを支えた事に、とても深い感動を覚えました。木村さんもすごいけど、ご家族もすごい。この家族なくして木村さんの成功はなかったかもしれませんよ。






4062095653神の柩
本岡 類
講談社 1999-03

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