つぐない

B001CPPU4Sつぐない [DVD]
キーラ・ナイトレイ, ジェームズ・マカヴォイ, シーアシャ・ローナン, ロモーラ・ガライ, ジョー・ライト
ジェネオン エンタテインメント 2008-09-26

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監督:ジョー・ライト
出演:キーラ・ナイトレイ, ジェームズ・マカヴォイ, シーアシャ・ローナン, ロモーラ・ガライ, 他

イギリスの上流家庭の娘セシーリアは、使用人の息子ロビーと密かに心を通わせあっています。しかし身分の違いから一線を踏み越えることが出来ません。その一線を踏み越えたまさにその瞬間、セシーリアの妹のブライオニーに目撃されてしまいます。
その夜の晩餐会にて、その家が預かる親戚の子どもたちが家を出て迷子になってしまう。手分けして探すみんな。ところがそこで、ブライオニーはとある現場を目撃してしまいます。疾走した双子の兄弟の姉が、誰かに犯されていたのです。
ブライオニーは迷うことなく、襲っていたのはロビーだと証言する。そしてロビーは連行されていくのでした。

なんとも胸に残る物語で、余韻がとても大きいです。
お城のような屋敷の中でたおやかな少女たちがうごめく様には、絵画のような芸術性を感じ、その美しさに魅了されましたが、それだけじゃなく、戦争の生々しい場面ではその迫力とともに、戦争のなかでやつれ、疲弊しきった兵士の虚無感が伝わり息苦しくなるようでした。
でも、やっぱり物語の内容がすごく心に残ります。
「つぐない」と言うタイトルの意味、それは映画の終わりごろにようやく、わかります。その意味が分かった時、彼女の気持ちにとても切なくさせられてしまい、いたたまれなくなりました。
引裂かれた二人の恋人は本当に気の毒だったけど、13歳の少女にどこまで「罪」があったのか・・と、思いました。自分の好きな男が、自分にとっては「安全パイ」だったはずの姉とあんなことをしていて、それを目の当たりにしたショックは、やっぱり大きいと思うし。そのあとで見た「事件現場」も、重ねてその日のうちに二度も、そんな場面に遭遇したことが、気の毒でしかない。
それなのに、周囲の大人たちはそんな彼女のショックを思いやりもせず。
看護士になってから姉の所に行く予定が、結局行けなかった。
多分姉は許しただろうと思うんです。ロビーもきっとあんな風に罵ったりしなかったと思う。でも、そこで二人に許されて「終わり」に出来ることじゃなかったからこそ、あえて姉に会いに行かなかったんじゃないのかな・・・。
ふたりに憎まれていると言う枷のなかに自ら入って、あえてその中で一生、自分の「罪」に向き合いながら生きることを選んだのでは?と思いました。いくら謝っても、もしも二人が許してくれたとしても、時間はもどらない。「なかったこと」には出来ないから。誰が許してくれるといっても、自分で自分を許せないから。
その後の彼女の一生は、映画では描かれてないけど、そこを思ってみるとあまりにも切なく悲しい。長い長いその時間を、彼女がどんな気持ちで過ごしたのか。
3人の誰もが悲しく辛く、さめざめと泣けてしまいました。

★★★★★

贖罪 下巻 (2) (新潮文庫 マ 28-4)
贖罪 下巻 (2) (新潮文庫 マ 28-4)Ian McEwan 小山 太一

新潮社 2008-02
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4102157239贖罪〈上〉 (新潮文庫)
Ian McEwan 小山 太一
新潮社 2008-02

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誘拐/本田靖春

4480421548誘拐 (ちくま文庫)
本田 靖春
筑摩書房 2005-10-05

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東京オリンピックの開幕を翌年に控えた昭和38年3月の末に、昭和事件史のなかでも有名な、吉展ちゃん誘拐事件は起きました。
本書は、その事件を語るノンフィクション。。
事件があまりにも有名であり、結末も犯人も落とした刑事までも知っているのです。
それなのに、読めば読むほどに緊迫感が高まり、手に汗握ります。
読んでいる最中は、事件やそれぞれ人間関係などとても読み応えがあり、追うもの追われるもののドラマにグイグイと釣り込まれたのですが、読み終えてみると胸に残るのは犯行を犯してしまった犯人小原保の哀れな一生に対する感慨でした。
一言では言い切れないけれど、貧しさがひとつの「原因」であったとは思うものの、貧乏だからと言ってこんな卑劣で残酷な犯罪の言い訳にはなりません。
むしろ、彼が犯行を認めてからの態度に感じることが多いのです。
自白のみが犯行を確定するという状況の中で、黙秘を続ければ小原に逃れる道はあったのに、でも、彼は犯行を認めます。
犯行を認めるまでは稀に見る凶悪な面を見せておき、いざ犯行を認めたときからはその罪を贖うためにもと、警察に協力的で善人のようにさえ見える、このギャップ。
獄中では見事な短歌を作り、その短歌のひとつひとつに胸を打たれてしまいます。土偶短歌会の主催者にあてた手紙などを見ても、その文面の謙虚さや真面目さからはとても犯行と結びつかず、読みながら「なぜあんなことをしてしまったんだ、小原よ」と、思わず呟いてしまうのです。
深い反省を認めながらも結局は減刑されず、小原保はスピード裁判で死刑に・・・。当然と言えば当然かもしれませんが、読みながら「なんとかならないものか」と思ってしまいました。
「明日の死を前にひたすら打ちつづく鼓動を指に聴きつつ眠る」
「おびただしき煙は吐けどわが過去は焼きては呉れぬゴミ焼却炉」(小原保の歌集「十三の階段」)
『凶悪無残な性格でもその心がけ如何によっては生まれたときのように善良に立ち返ることもある、あるいは人が人の罪を裁き処刑することの矛盾、そして被害者が加害者の処刑を当然と思う封建時代の仇討ち意識につながる恐ろしさ』と、土偶短歌会の主催者の森川氏が「十三の階段」の後記に書いているそうです。
最終的に刑を受け、平塚刑事が墓参りに行ったとき、その家族の墓には小原は入れてもらえずに、土盛の下に眠っていたと言う。犯人と思えば容赦なく警察に突き出し、刑死すればこの扱い、家族からも見放されたあまりにも哀れな生涯に、同情してはいけないのだけど、せずにいられず。泣けてしまいました。
「落としたのはおれだけど、裁いたのはおれじゃない」という平塚刑事の叫びに「罰とは、贖罪とはなんだろう」と思わずにいられませんでした。
22:18 : [本・タイトル]や行トラックバック(0)  コメント(2)

あの戦争から遠く離れて―私につながる歴史をたどる旅/城戸久枝

4795847428あの戦争から遠く離れて―私につながる歴史をたどる旅
城戸久枝
情報センター出版局 2007-08-20

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これは、中国残留孤児である父親の生涯を丹念に調べ上げた、その実の娘さんの手による渾身のノンフィクションです。城戸久枝さん、著者のお父さんは城戸幹さん、その父親(著者の祖父)が満州軍の軍人であったことから、満州で終戦を迎えます。しかし、中国残留孤児のご多聞に漏れず、様々な悪条件が重なり中国に取り残されてしまうのです。彼はしかし、中国にて情厚い中国人女性に引き取られ、とても愛情深く育てられます。
やがて来る文化大革命の時代に、日本人であることを表明した幹氏はとても中国では生き難く、身の危険さえ感じるように・・・。大学に合格するだけの実力があっても、日本人であると言うことがマイナス材料となり不合格になったりするのはマシなほうで(と言うのは語弊がありますが)、その後の生活の全てが幹氏が中国で生きることを否定しているのです。そこで、幹氏は日本に帰ることを考えます。とても中国で生きる道はないのです。
だからと言って国交回復前の中国から日本に帰ることはとても困難なことで、ましてや世の中は文革の嵐の最中で、日本人はとても危険な目に合っていて、そんな中で幹氏がとても苦労した末にやっと日本に帰ることになるくだりは、とてもハラハラさせられるし涙なくしては読めません。特に中国の育てのお母さんとの別れ・・。
それら一連の経緯がとても丁寧に描かれていて、リアルに再現されていて読み応えがあります。
これを調べたのが、娘さんの著者なのですが、第二部はその父親の物語を書くことになった経緯やその取材の内容が描かれていて、いわば第一部のメイキングと言えましょう。
父親が中国残留孤児であるということに思いを馳せ、その人生をなぞろうとする娘の気持ちとは、親子のつながりの深さを思わずにいられない感動作品でした。
特にやはり、中国で幹氏を育てたお母さんの無私の愛情には頭が下がります。自分だったらそんな風に出来るのか??と思ってしまいます。育てたと思ったら日本に帰ってしまう息子・・。泣きながらも幸福を念じて、送り出す母。
こう言う親子の映像はかつてテレビでよく見られましたが、帰って来た残留孤児のひとにはこんな人知れぬご苦労があったのかなと思いました。タイトルがまたとても良いとおもいます。


この作品は、第39回大宅壮一ノンフィクション賞を山田和さん「知られざる魯山人」(文藝春秋刊)と同時に受賞しました。
選に漏れてしまったノミネート作品は城島充さんの「ピンポンさんー萩村伊智朗伝」(講談社刊)、鈴木敦秋の「明香ちゃんの心臓ー<検証>東京女子医大病院事件」(講談社刊)の2作品ですが、私は「ピンポンさん」と「明香ちゃんの心臓」の2作品を読み、とても感動しました。漏れたとは言え、名作だと思うことを追記しておきたいです。
22:15 : [本・タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(0)

ペネロピ

B001AZGRMOペネロピ
クリスティーナ・リッチ, ジェームズ・マカヴォイ, キャサリン・オハラ, リチャード・E・グラント, マーク・パランスキー
ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント 2008-09-17

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先祖の悪行で豚の鼻と耳を持って生まれた少女が、幸せになるまで。
魔女ののろいを解くためには、「愛」が必要と言う、最初はごくありふれた設定ですが、主人公ペネロピがとてもかわいらしく(普段のクリスティーナ・リッチよりも断然可愛い!)是非とも、彼女を幸せにしてやって欲しいと言う思いで映画を見ておりました。
どちらかと言うと、ペネロピが家を出て自立してからは断然幸せそうで、そのままでもいいじゃないかと思ってしまうのです。むしろそのままで幸せになってほしいと。
映像の一つ一つが楽しくて、飽きることなく全編楽しく見られました。
マカヴォイは今まで見た中では一番キュートでした。


10:32 : [映画タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(2)

ミスト

B001CJ0UXAミスト
トーマス・ジェーン, マーシャ・ゲイ・ハーデン, ローリー・ホールデン, アンドレ・ブラウアー
ポニーキャニオン 2008-09-17

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・・・・・・・・・。
10:25 : [映画タイトル]ま行トラックバック(0)  コメント(10)