虚夢/薬丸 岳

4062147416虚夢
薬丸 岳
講談社 2008-05-23

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通り魔に襲われた一家が味わう地獄のような日々。そのなかで生き残った家族が感じる理不尽さや、癒されることのない悲しみや苦しみがもたらすものは。。。

とても、読物としてはよく出来ていると思う(ナニサマな発言ですが)。釣り込まれたし、一気に読めたし、登場人物たちにも充分感情移入ができた。と言う事で、いい作品だと思うのですが、ノンフィクションが好きで、とくに「累犯障害者」や「自閉症裁判」などを読んでしまった後では、やっぱり「小説」の域を出ていないと感じられてしまいました。どうしても、あの事件を思い出すし、あの事件を思い出せば事件の陰で「今まで生きてきて一度も楽しいと思ったことはない」と言って短い人生を閉じて行った妹さんのことを思い出さずにいられず。被害にあった人たちの苦しみも筆舌にしがたいとは察しますが、きっと表面からは見えない苦しみや悲しみがあちこちにあると思うのです。
でも、刑法39条に関する疑問、心神耗弱心神喪失によってたとえ何人人を殺しても、罪に問われないあるいは、軽い刑で済むということ、それが果たして正しいのかどうかと言う問題提起は重いです。
ぜひとも、広く読まれたら良いと思う作品です。
ただ、「天使のナイフ」同様、登場人物たちのつながりに、あまりにも都合の良い偶然が多すぎるような気がしましたが。

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私の男 /桜庭 一樹

4163264302私の男
桜庭 一樹
文藝春秋 2007-10-30

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内容に触れています。未読の方、ご注意下さい。

結婚直前の花にとって「私の男」とは、花婿ではなく15年間一緒に暮らした養父の淳悟のことだった。物語は、結婚式当時から、数年ずつさかのぼり二人の過去を掘り起こして行く。

第一章で提起された謎が、各章時間をさかのぼる事で次第に明らかにされていくと言う設定です。そのなかで、花と淳悟ふたりの濃密な生活ぶりを浮き彫りにするのです。閉塞感と安心感が奇妙に同居する人生のなかで溺れるように生きているふたり。そして、明らかになる事実とは・・・!!

ものすごい問題作だと思うのだけど、文体などの雰囲気でかなり内容から目をそらされてしまう。でも、根底に描いてあることは、とうてい受け入れられないのです。それを問題視する物語ではないので、余計に嫌悪感が沸いてしまいました。
各章ごとに、「その後」が気になる展開なのですが、「その後」にはあまり触れられておらず、なんとなく数年たったみたいな展開なので、その点もすこし消化不良。たとえば→ネタバレ 婚約者の男はふたりの睦まじい姿を目の当たりにして「このふたりはデキてる」と思わなかったのか、思ってもなお花と結婚しようと思ったのか、不思議です。この場合、何もかもわかってのことだと思うのだけど(何年も付き合っていて気付かないはずがないので)そのうえで花と結婚しようとする、この婚約者の倒錯した内面こそ、もっと覗いてみたかった。
ほかにも、隠した死体との同居生活はどんなものだったのか、とか。。。田岡は捜索されなかったんだろうか。においなど異変に周囲は気付かなかったのか。
そしてなによりも思うのは、何故淳悟は花の母親とそういう関係になったのか、また、実の娘に対してそういう行為をするようになった背景はなんだったんだろう?すべて自分の母親が、父亡き後に厳しい母親になったからだとしても、それが何故たった9歳の少女の性的虐待につながるのか、
とういように、主人公たちをこう言う行動に駆り立てたその根源は何かなとが、もうちょっと説得力があったら読後感は違ったのかもしれません。
唯一良かったと思ったのは、震災にあった一家の中で、ひとりだけ難を逃れられる花に向かって、父親が愛情深く「生きろ」と伝える場面です。花に別の親戚の所に行けと、花を心配した大塩さんのふたりがこの物語の救いです。
15:09 : [本・タイトル]わ行トラックバック(0)  コメント(0)

インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国

インディ、久々の復活、楽しみにしていましたが、わたしは残念なことに楽しめませんでした。
辛口ですので、ファンのひとには申し訳ないんですが・・・。
でも、やっぱり書きます。

(以下、内容に触れますので未見の方はご注意下さい。)

↓↓ここから
冒頭のほうで、インディが迷い込んだ核実験場、その核爆発の真っ只中から生還するシーンがあります。
核爆発、原爆投下そのままの雰囲気(ではないだろうけど、本当の原爆はもっともっと)
マネキンがたちまち熱にとけ、全てが一瞬で跡形もなく吹き飛ばされる。
なんと悪趣味な・・・。ワクワク感がこれで一気に引いてしまいました。
そんな中で、冷蔵庫のなかに入り込んだインディは、無事に脱出する事ができるのです。
そんなアホな。あり得ない。
みなさん、冷蔵庫です。核爆弾が落ちても、冷蔵庫に入れば助かります・・って?
そんなアホな。
ちょっと酷すぎるんじゃないですか。
インディもかなり被爆しているはずでは。
被爆について、もうちょっとでも勉強したらあんな設定にはしなかったはず。
その後のストーリーにこの核実験が何の関係もないから、余計に疑問に思います。
なぜなんだろう。なぜこの核実験を映画に使ったんだろう??
映画なんだもん、いいんですよ、核実験をしても。
核爆発から逃れる事ができる奇跡のような生命力もアリですよ。
フィクションだもん。
ただ、モンダイはその「見せ方」と「リアリティ」と「説得力」だと思うのです。
映画の中で人が死ぬ場面があっても、普通は「映画だから」と思いますよね。
だけど、「人が死ぬ事」や「殺す事」で笑いをとったり、それをギャグにした場合
見ていていやな気分になりませんか?
それと同じ事だと思うんですよね。

↑↑ここまで
これをインディはしぶといなぁさすがだなぁ、面白い!!と思えるかどうか、
それがこの映画を楽しめるかどうかの鍵かなと思います。



12:09 : [映画タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(3)

スターダスト

B0012GXBBGスターダスト スペシャル・コレクターズ・エディション
ジェイソン・フレミング, ルパート・エヴェレット, シエナ・ミラー, リッキー・ジャーヴェイス, マシュー・ヴォーン
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン 2008-02-20

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壁の向こうにある、不思議の王国「ストームホールド」。主人公トリスタンは、片思いの相手に星をプレゼントするために、その壁を乗り越える。そこでは、流れ星の心臓を手に入れ、若さを取り戻そうとする魔女たちや、王国の継承争いで星の持つルビーを奪おうとする王子たちと、追い追われの大冒険が待っていた。

うーん・・・長い!!前半はもう長くて面倒で、見るのをやめようかと思えたけど、後半がとても面白くなり引き込まれる展開で、ラストがまた気持ちいいくらいのラストなので、見てよかったと思いました。
どうして、流れ星が地上に落ちると美女になるの?しかも、クレア・デインズが美女で良いの?と言う感じで、多少疑問に思うところはあるんですが、まぁ「魔法の国」での話だと割り切れば、オッケー。
主人公の冴えない青年がこの冒険によって、カッコよくたくましく成長していくのが、見所の一つではあるんですが、そのサブキャラたちがとても愉快で、楽しかったのです。
たとえば、王国の継承者を争う兄弟たち(それを見ている死んだ兄弟たちとか(お父さんはP・オトゥールですよ。相変わらず美しいブルーアイズでしたわ))や、なぜか登場する海賊船の船長がロバート・デ・ニーロだったり、しかも変な癖があったり、でも、いい人だったり。
魔女のミシェル・ファイファーもすごい熱演。だんだんと老いて行く姿が、他人事ではありませんでした(^^ゞ
主人公が星に惹かれて行くのも、星が主人公に惹かれて行くのも、イマイチ説得力に欠ける気がしたけど、一種のストックホルム症候群じゃないかと思って納得した。
ラスト、ほんとに気持ちいいハッピーエンドで、長々見たカイがあったと思いました。こうじゃなくっちゃ!!
カスピアン王子のベン・バーンズもちらっと登場。できれば主人公を彼にしてほしかったな。

★★★☆


11:53 : [映画タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

アレックス・ライダー

B0011ETP2Sアレックス・ライダー
ユアン・マクレガー, アレックス・ペティファー, ミッキー・ローク, ビル・ナイ, ジェフリー・サックス
アミューズソフトエンタテインメント 2008-02-22

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叔父に引き取られて育てられている孤独な少年、アレックス。叔父の突然の死により、叔父の仕事を急遽引き受ける事に。。。その「仕事」とは、、、、、「スパイ」だったのです。。。!!

これも、可もなく不可もなく。
なんといっても、アレックスがスパイになって行き、その仕事をこなしていくと言うことに対して、説得力が全然ない。そして、その仕事にしても全然必要性がないというか、どうしてもアレックスがしなければならない仕事には思えないので、緊迫感が殆どない!
なので、スパイモノとして見れば、全然面白くありません。

面白いと言うか、よかったのは、ひたすらアレックスのキュートさ。
これがあれば、多少物語がまずくても、ご馳走様!って言う感じになります。
アレックスが前半、マッチョな強面相手に立ち回りをするシーンでは、あまりにすごさに目を奪われ、そのシーンがこの映画の中では一番楽しめた。カッコよい!一見の価値あり。

脇は、曲者俳優たちが陣取り、結構面白いキャストだったんだけど、なんかもったいないような気がしました。今回面白かったのは、「チャーリーとチョコレート工場」で、ガム少女バイオレットの母親の役をやったミッシー・パイル。面白かったです。
あと、ご存知デイヴィ・ジョーンズのビル・ナイとか、ハグリットのロビー・コルトレーンとか。
ミッキー・ロークは「こんなになってしまったのね」ってか。

見てソンはない、けど、見なくてもいいかもしれない、と言う程度の映画です。

★★★
11:38 : [映画タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(0)

モーテル

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ルーク・ウィルソン, フランク・ホエーリー, ケイト・ベッキンセール, ニムロッド・アーントル
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2008-05-21

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不仲な匂いをぷんぷんとさせた、夫婦連れが長距離ドライブの途中、深夜車が故障してしまう。
修理のあてもなく、モーテルに泊まる事を余儀なくされるのですが、不審な物音がするそのモーテルでは、殺人ゲームらしき映像のビデオがおいてあったりして、そして恐怖の一夜が幕を開けたのです。。。

と言う流れで、まったく可もなく不可もなく。
こう言う映画を見慣れてない人には面白いと思うけど、全く怖さも感じないし、見た目のグロさもそれほどでもないし、特に出来が悪いとは思えない映画ですが、盛り上がりもしませんでした。
全くもって「普通」ってかんじ。。。。
不仲の夫婦がこの一夜の恐怖から、連帯感を取り戻すっていうのがテーマなんだろうか。
内容的には妙にマジメな設定でした。それが上滑りしていたような気がしました。

★★★
11:26 : [映画タイトル]ま行トラックバック(0)  コメント(0)

梅雨ってかんじ

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雨の合間に写してみた。
00:29 : [そのほか]こころのうちトラックバック(0)  コメント(0)

歳月の梯子/アン・タイラー

4163161805歳月の梯子
アン・タイラー
文芸春秋 1996-04

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お初の作家だけど、女性心理をえぐる事に長けていると言う評判を聞いて読んでみました。
とてもおもしろかった。グイグイと読まされました!

子ども達も大きくなり、自分が家庭の中でそれほど重要ではないと思えて、ちょっと落ち込み気味の主婦(つまり「空の巣症候群」)が、唐突に家出をしてしまう話です。
最後にはどうせ収まるところに収まるんでしょ・・・と、斜に構えて読んでたんですが、これが面白くって一気に読んでしまいました。
「ふとした拍子」の家出に、自分自身も戸惑いながら、新しい土地で新しい自分になることを、リアルに具体的に「実現」していく主人公。あれよあれよと生活の地盤を固めていく主人公の姿が、とても眩しいのです。生き生きとした主人公に、こちらも「翼」をもらったような気分で、とても爽快になれました。登場人物たちもみな好感が持て、彼らとの関わりの中で「変化」してゆく主人公の姿には、ワクワクさせられたし、スリリングですらありました。
小さな心理描写がリアルで丁寧、だから自分自身に置き換えて読みやすい展開で、「わかるわかる」と共感を呼ぶ箇所がいたるところにあります。

家出、なんて、主婦には大冒険。
しかし、知らない街で、心機一転、まったくのゼロからやり直したい。今まで持っていたものを全て捨てて、家族も知人もいないところで全然違う生活を始めたい、って、誰にでもこう言う気持ちはあると思うな~わたしは。
ただ色々考えると、たいていの人が思うだけで終わるのだと思う。主人公ディーリアにはその「いろいろ」を想像することができなかったのか、それができないくらいいっぱいいっぱいになっていたのか。よーく考えるとちょっと鈍感なような気もしたけど、読んでる最中はそんなことは思わない。ディーリアには「一歩」踏み出す「勇気」があったのだと、思いました。
できるのなら、こんな風にしてみたい・・・一度しかない人生だもん、一度くらいこんな事があってもいいのじゃない?と思いながらしばし、爽快感に浸りました。
じっさいにそれをやったときには、寂しくもなるだろうし、恋しくもなるだろうという、そういう気持ちも含めて、すべてが面白かったです。

しかし、子どもって言うのは、母親は自分を無条件で愛してくれて当たり前だと思ってるもんね。
お弁当箱を出さなかったり、洋服を脱ぎ散らかしたり、漫画やビデオを出しっぱなしにしては怒られても、すぐにムッとして反抗的な口答えをして、お風呂だとかゴハンだとか言っても全然聞いてくれなかったりしておきながら、でも、だからそれが母親の家出の一因になるって言われても、絶対に理解しないと思う。こっちはそれで、マジで家出したいぐらいキレそうになることがあるんだけどね。
そんな風に絶対的に「安心」(⇒愛情を疑わない)している子どもがいると思うと、家出なんてとんでもないですわね。

以下ネタバレ↓

わたしは、あっちの街で関わった人たちを「タイムトリップ」のように、「なかったこと」にするのか?って言う所がちょっと疑問。もちろん、話の結末としてはこれで良いと思う、でも、たとえばディーリアがハウスキーピングをしていた家のノア坊やとか・・。そのおじいちゃんのナットとか。ディーリアをほんとに頼りにしてしまっている人たちを、やっぱりサムの言うように「捨てる」ことになるんだろうか?そうだとすれば、やっぱり深く関わってしまったディーリアの「罪」のようなものを感じるのだけど。

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17:22 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

ミツバチの苛酷な労働環境

昨日、めずらしくNHKの「クローズアップ現代」を見ていました。
ミツバチが近年謎の大量失踪をするということです。略してCCDと言うらしいです。
それはアメリカの大規模農場での話なのですが、どれだけ人間たちが人間たちだけの為に他の生物や動植物をないがしろにしているか、、、人間のためなら他の生物の遺伝子操作をも平気で行い、罪悪すら感じない人間のエゴと言うことを考えさせられる衝撃的な内容でした。
是非ともご紹介させてください。

(以下、ビデオ録画したわけでもなく、大事なポイントが落ちていたり、記憶違いにより間違った記述があるかもしれませんので、ご了承下さい。お気づきの点は一言お願いします。)


ミツバチはそもそも、受粉と言う使命を帯びて人間の農場内をブンブンと飛び回っています。
夜になれば巣箱に戻るのですが、あるときふっと農場主が気付いたとき、大量のミツバチの巣箱が空のままだったということ。ミツバチの不在の原因、ミツバチが巣箱に戻っていないことの原因を、農場主はじめ誰も知らない。ミツバチの謎の大量失踪と言うことです。
一体なぜ・・・・その原因を探る所から番組はスタートしました。
一般的に考えて、ミツバチの失踪が自分たちにどんな影響を与えているか分からなかったのですが、これは世界的規模の食糧難を引き起こしうるとても深刻な現象なのだそうです。
なぜなら、農場の植物の受粉をミツバチに頼っているから、ミツバチがいなくなれば植物は受粉が出来ず、受粉が出来なければ実がならず・・つまりは、果物や農作物が出来ない、育たないと言う事につながるのです。。
これに危機感を募らせたアメリカ政府はミツバチがいなくなった原因究明に乗り出しました。
「不明になったハチが見つからない」「ハチの死骸すらない」という難問をクリアし、なんとか死骸を見つけ、その原因を死骸から探っていくと・・・。
ミツバチの免疫力がとても低下していると言う事が分かったそうです。
番組はそこで、アメリカの巨大なアーモンド農場を取り上げます。なぜアーモンドかと言うと、中国やインドの経済振興でアーモンドヤブルーベリーやマスカットなどの、それまでぜいたく品であった食材の市場、需要が拡大しているのだそうです。
その農場は日本人の農業に関わらない私などから見れば(充分田舎育ちで広い田んぼも見慣れているのですが)ものすごく広大で想像の範疇をはるかに超える広さです。それが一面アーモンドの木のみ、アーモンドしかない、それがアーモンド農場なのです。当たり前ですけど・・。
そのなかで、ミツバチは例によって受粉の使命を担ってひたすらアーモンドの木の間を飛び交います。ミツバチの行動範囲は2~3キロ。この農場のように、アーモンドの受粉期間はアーモンドの蜜しか食べません。
人間だって、一種類の食べ物しか食べないでいれば、病気になるでしょう。同じように、ミツバチも多種類の花の蜜を食べなければ、寿命は半分になってしまうのだそうです。
そのうえに、人間に使われてミツバチは必要以上に飛び交い、蜜を巣箱に持ち帰り、受粉をして飛び回っているという、過酷な労働がストレスになり免疫低下につながっているとのこと。
そして、巣の中の蜜を調べてみると、その蜜には強い殺虫効果のある農薬、ネオニコチノイド系殺虫剤が大量に含まれていたというのです。
どうやらこの農薬がミツバチの神経を破壊して方向感覚をなくし、ミツバチが巣箱に帰れないと言う事態になっているようです。
ミツバチが巣箱に帰らない原因が、これで究明されました。
ところがそれからが人間のスゴイところです。ミツバチが減ってしまえば、結果的に農作物の収穫高が減り減収になります。だからそこをどうクリアしていくか、ちゃんと考えたわけです。
巣箱に幼虫の合成フェロモンを与える。それが考え出された解決法。
幼虫のフェロモンがあると、ミツバチは幼虫のために、もっともっと蜜を持って帰ろうとして、木と巣箱の往復回数を増やすのだそうです。
そのために作られた合成フェロモンは、なんと幼虫20万匹分なのだそうです。
にせの幼虫フェロモンに騙されたミツバチはさらに過酷に飛び回り、結果的に受粉の効率は150%上がるのだそうです。
人間も同じですよね。子どもや家族の為に働き手は頑張り、時には体を壊す事も。
そう、ミツバチも働きすぎる事でその寿命が減ってしまう。命をすり減らして、ミツバチは人間の為に飛んでいるんです。騙されているとも知らず。
そして人間のほうも新たな問題にぶち当たる。いくら稼働率が上がっても、寿命が短くてはどうしようもない。ところがそれも解決する方法を編み出します。
それは、ミツバチをアフリカから連れてくる事でした。アフリカのミツバチは病気になりにくい強い体質なのだそうです。
しかし、またそこにも問題が発生する、アフリカのミツバチは病気に強いだけあってか、攻撃的で人間にも被害を及ぼすのだそうです。
そしていたちごっこのように今度は「従来のミツバチとアフリカのミツバチを掛け合わせて、病気には強いが性格が穏やかなミツバチを作る」と言う解決法を見つけます。
そこで番組ではとある博士を登場させました。
そもそも、なぜ、ミツバチばかりがこんな風に受粉受粉と、受粉の使命を背負わされているのかという理由を、博士は語りました。
それは自然環境の変化で、他の受粉を担うはずの生物(他の昆虫やハチドリなど)がいなくなってしまったからだというのです。アーモンド畑にはアーモンドの木しかない、そんな環境は不自然で、他の昆虫や動物たちも住めなくなり、いなくなるとのこと。
その結果として、今現在のようにミツバチを酷使するということになるのだそうです。
問題が起きれば解決に向けて、執念深くすらある人間の探究心、そのために人類は繁栄してきたんだし自分もその探究心に大きく恩恵を受けています。が、なんともミツバチに対して申し訳ない気分になりますよね。
一寸の虫にも五分の魂、と言う言葉がありますが、人間はどこまで身勝手で自分たちの(利益の)事しか考えてない生き物なんだろう。自分たちのためにはミツバチの本来の姿がどうなろうと知ったことじゃない、優先すべきは人間の生活。こんな傲慢なことで良いのだろうか??
と思った次第です。
そして、自分も紛れもなく、人間なのでした。


「ハチはなぜ大量死したのか」ローワン・ジェイコブセン



17:45 : [そのほか]もろもろトラックバック(0)  コメント(0)

額あじさい

あじさい ふつうのがくあじさい あじさい すみだのはなび


きれいに咲いたのでアップ。

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ランボー・最後の戦場

ランボー・最後の戦場 公式HP

ランボーなので、誰かが捕まる、ランボーが助けに行く、、、
それ以上でもそれ以下でもない
と言う気持ちで見れば、充分すぎるほど楽しめる作品になっています。
あまりにも残酷な描写の数々、
人がまるで、虫けらのように殺されていく無情さ
・・・と、書くと、ただただ残虐な映画でしかないように思えるだろう。
でも、それが不思議なことに、見ているものにも「ためらい」を感じさせない。
と言うのも
冒頭、相手方の兵士たちが、とんでもない酷さを見せてくれるので
その後のランボーとの戦いの中で、どんなにコテンパンにやられようとも
まったく見ている側に躊躇が沸かないのです。
それどころか、人殺しをしていると言うのに
それを見て、こちらはストレス発散ができるほどに爽快な気分を味わってしまうのです。
わたしが特別に残酷な人間だと言うのではないと思う。
それは多分、ひとえに脚本やリアルなCGのなせる業なのではないでしょうか。
そう、考えるとスタローンはすごいと思う。
ナルニア国 第2章」とは違い、人を殺す事に何の疑問も抱かせない
ある意味、見事です。

★★★★

16:36 : [映画タイトル]ら行トラックバック(0)  コメント(2)

ブレイブ ワン

B0011Z7ESOブレイブ ワン
ジョディ・フォスター, テレンス・ハワード, メアリー・スティーンバージェン, ニッキー・カット, ニール・ジョーダン
ワーナー・ホーム・ビデオ 2008-03-07

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「フライト・プラン」が結構アレだったのし、賛否両論、という評を見ていたので、大体の予想つけつつ期待しないで見ました。
思ったよりもずっとよかったなぁ。
主人公の圧倒的な悲しみや虚無感が伝わり冒頭から泣けてきた。主人公の行動が倫理的にどうこうという以前に、彼女がああ言うことをしたことに対して、違和感が無かった。説得力があった。ラスト、ああ言う形はどう思う?とか、そんなことどうでも良いとおもった。
彼女と刑事の関係も良かった。なかなかヒットです。

★★★★
16:24 : [映画タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(2)

僕のピアノコンチェルト

B0015XEYSA僕のピアノコンチェルト
洋画
ポニーキャニオン 2008-05-21

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タイトルからして、ピアニストを目指す少年の話かと思いましたが、(リトルダンサーとか、北京バイオリンみたいな)ちょっと違った。

主人公のヴィトスは、たしかにピアノも常人離れしたうまさなんですが、IQが180以上、測定不能だという天才少年。とてもじゃないが、自分と同年代の子どもたちと話が合わず、教師たちでさえバカに見えてしまうらしい。当然浮いてしまう。
親はかれに、才能に見合った教育を受けさせようとします。しかし、ヴィトスはそんな毎日に嫌気が差し、「普通になりたい」と願うのです。
物語は、そんなヴィトスと、彼を取り巻く環境や人々のなかで、ヴィトスの日常とかれが成長していく様子を描きます。

++++++++++
これは面白かった。
まず、ヴィトスの生意気さ加減が面白い。
こんな子どもを持ってしまったら、親もどうかなってしまう。期待もするだろうし、天才を育てていると言う義務感もあるだろうし、大変だ~。でも、子どもにとって何が一番良いか、という「基本」を見失ってしまう。「自分の子」を育てているのじゃなく「神童」を育てていると言う自負が、親にどう言う行動を取らせるかという展開がリアルでした。

そんな中で、理解してくれるおじいちゃんとの関わりが、見ているものにもホッとさせてくれます。このおじいちゃんがまた良い。ちょっと「世界最速のインディアン」思い出しました。住んでるところも田舎で、キレイな田園風景。ヨーロッパの田舎ってキレイですねぇ。目の保養。

そんな風に、進んでいくと、こんどはまたちょっと違うテイストの展開に。何重構造の映画なんだろう?みたいな。でも、違和感は無かった。面白かった。
そしてオーラスには、やっぱり「リトル・ダンサー」。
タイトルから受ける印象とはずいぶん違った内容だけど、最後にやっと、「ピアノコンチェルト」と言う、そのタイトルにも納得が行く。

でも、最後の演奏シーン、長いな。たしかに演奏はすごいと思うけど(ほんまもんの神童らしいです)もうちょっとコンパクトでも良かったんじゃないのかな。最後にああ言うステージを見せてくれる映画は多々あれど、どれも「長い!」と思ってしまうものが多い。「ブラス!」くらいの長さがちょうど良いと思います。

★★★★
16:20 : [映画タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(0)

暗闇のヒミコと/朔 立木

4334925871暗闇のヒミコと
朔 立木
光文社 2007-12-14

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人里はなれた郊外にある、高級老人ホームで老人カップルが不審死。容疑者に上がったのは老人ホームのベテラン介護士だった。事件の真相を追う新聞記者は、個人的に容疑者に惹かれていくが・・・。

リンメイ先生シリーズの番外編といったところでしょうか。
冤罪をテーマにした所は「死亡推定時刻」と同じような感じだったけど、容疑者と言うか被疑者に肩入れできないので(これも、「暗い日曜日」だっけ、のときに感じたんだけど)どうしても弁護士等に「無罪を勝ち取るために頑張れ」と思えなかったので、読んでる間テンションが上がらなかった。
この物語は主人公が新聞記者で、彼が被疑者との関わりの中で事件に対して感じた心象や、被疑者への思いなどが中心になってるのだけど、被疑者にいい感じを抱けないから、この主人公に対しても感情移入ができない。またこの記者には、ちょっとイラっとさせられたし。
裁判の様子はたしかに詳しく、リアルに描かれてて臨場感もあったけど、ちょっとくどいと言うか飽きてきてしまった。
つまらなくはなかったけど、可もなく不可もなく、と言うカンジ。やっぱり「死亡推定時刻」みたいな「鷲づかみ感」は無かったです。残念でした。
僭越ながら、朔立木氏の書く物語は、読者心理を無視している部分があると思うなぁ。エラソーだけど。どうも読んでて共感ができないんですよね。物語は面白いんだけどね。

★★★



これは↓★★★★★

4334924360死亡推定時刻
朔 立木
光文社 2004-07-21

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北尾 トロ/裁判長!シリーズ

4167679965裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)
北尾 トロ
文藝春秋 2006-07

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4163675604裁判長!これで執行猶予は甘くないすか
北尾 トロ
文藝春秋 2007-04

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雑誌に連載するために、裁判の傍聴をはじめ、それにはまってしまった著者の裁判傍聴記録。
最近は裁判員制度開始時期が迫ってるので、よくこう言う本が出てると思う。今まで裁判傍聴録というと、佐木隆三氏のとか、固い系のしか読んでいなかったので、こう言うちょっぴりファンキーで野次馬根性丸出しの本を読むのは新鮮でした。しかし、著者が裁判傍聴にのめりこんでいくように、裁判には「ドラマ」がある。人間のおかしみや悲しみ、人生、あらゆるものが凝縮されているのだと思う。
特筆すべきは、傍聴を趣味にしている熱心で裁判を知り尽くした「傍聴マニア」たちの存在。彼らは裁判の行方を殆どぴたりと当てると言う。事件のケースの内容よりも裁判に携わる人たち、裁判官や弁護士や検察官に目が行くようになり、裁判所の「人事」が気になりだしたら一人前なんだとか。
裁判の行方は、ひとえに「人間」が決めているものだと言う事も、改めて実感させられる。
映画「それでもぼくはやってない」の中にもこういった「傍聴マニア」と呼ばれる人が登場するが、モデルはこの著者なんだと、周防監督が言ったとかいう「裏話」も書いてある。
また、映画「それでもぼくは」のモデルケースとも言うべき、冤罪裁判と思われたケースは後にやっぱり被告人がわいせつ行為をしていたのが明らかになったとか、まぁ色んな裏話にビックリさせられます。
「4年でどうすか」のほうは、右も左も分からない著者がだんだんと傍聴のコツを会得していくあたりの流れや、オウムや山田みつ子、佐木隆三というビッグネームも登場し、非常に興味深い。
そして、「執行猶予はあまくないすか」のほうは、そのタイトルにもなった警官の嬰児殺し事件など、インパクトのあるものもあり、また傍聴マニアの筆頭であるダンディ氏の行方が大変きになるところ。ダンディさん、トロさんに連絡して下さい!!

裁判所が近かったら(地裁じゃなくて、高裁ぐらい)わたしもマニアになりそう。なんか、私の求めているのはこう言うことなのかもしれない。野次馬ですみません。

4652078153気分はもう、裁判長 (よりみちパン!セ)
北尾 トロ
理論社 2005-09

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4101282528危ないお仕事! (新潮文庫)
北尾 トロ
新潮社 2006-05

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410128251X怪しいお仕事! (新潮文庫)
北尾 トロ
新潮社 2006-03

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4344407997キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか (幻冬舎文庫)
北尾 トロ
幻冬舎 2006-06

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