翳りゆく夏/赤井 三尋

406275469X翳りゆく夏 (講談社文庫)
赤井 三尋
講談社 2006-08-12

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第49回乱歩賞受賞作品です。

東西新聞社に内定の決まった女子学生をめぐって、過去の誘拐事件が暴かれると言うミステリー。なかなか面白く、読ませる文章構成で一気に読みました。登場人物も魅力的で好感が持てて、乱歩賞としてはそこそこイケているなぁと。

女子学生は、実は20年前の誘拐犯の娘だったのです。その娘が新聞社に内定が決まって、それをスクープされてしまう。しかし、どうしてもその娘が欲しい新聞社は、過去の誘拐事件をもう一度洗いなおすことにします。そこで20年の時を経て浮かび上がる真実とは!

と言う話なのですが。
面白いのは面白いとして、時効もとっくに過ぎてて、犯人はそのときに死んでしまっているのに、はたしてもう一度その事件を調べようとするものなんだろうか・・・確かに調べなおす事になる過程は書かれているんですが、動機として弱かったと思う。
そして、20年前の事を人は覚えているものだろうかとも。ましてや証言者の中には当時5歳だった人物もあるのです。5歳当時のことをそんなにきちんと覚えているのか・・・昨日のことすら覚えてないわたしには神業に思えるし、わたしじゃなくても無理があるんじゃないかと思ってしまった。たしかに、昨日の事よりも20年前の事の方が覚えてたりするものかもしれないけども・・・。
ミステリーは謎解きを楽しむものなので、時々こうやってかなり都合の良い展開になることがある。それを承知で読むべきなのかもしれないけど、乱歩賞を取るにはちょっと都合よすぎる展開では?と思った。
結末にはある程度予想は出来たけど、でも、面白い展開だと思いました。

話の流れには関係ないけど、途中「職業美人」って言う言葉が出てきて、印象に残っています。その人はお化粧も髪型も地味で飾り気が全然ない、でも、主人公はそのストイックな姿を「キレイだ」と思うのです。よく「薄化粧をするのは人前に出るときの最低限のマナー」と言う事を聞くのですが(聞いたのですが)なんか納得できなかったんですけど・・。上手くいえないけど「職業美人」って良い言葉だなぁと思いました。
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