2007'08.28
![]() | 超「暴力」的な父親 (ベスト新書 152) 梁 石日 ベストセラーズ 2007-07-19 by G-Tools |
以前、梁石日さんの「血と骨」を読んだ時に、その主人公の破天荒と言うか型破りと言うか破れかぶれと言うか、なんとももの凄い人となりに驚いたのです。「こんな人間が主人公ってアリ?」みたいな。
でも、その「血と骨」に登場した主人公は、著者の父親がモデルと聞いて二度ビックリ。実在の人物だったとは!あまつさえ、著者の父親だったとは!
で、その父親について著者が語ったのがこの本書『超「暴力」的な父親』です。最初から釣り込まれるように一気読みしてしまいました。
まるで吼えるように、猛るように人生を荒々しく生きた、梁さんの父上。DVはあたりまえ、母親に暴力を振るう家具を壊す(時には家も)しかも、母親が一生懸命働いて得たお金も自分のために奪い去る、それが当然の如く。自分がいくら稼いでも一切家族のためには使わない、びた一文でさえ。妾は作るし、その生活費を妻に要求したり、息子(梁石日さんのこと)にたいして、妾を「お母さんと呼べ」と言ったり。
妻が瀕死の病に倒れてもやっぱり、お金を出さなかったり。
と、驚きの連続なのです。
ただ、儒教の国の生まれのこの父上は、一家の嫡子である梁さんには暴力を振るわなかったらしい。しかし、身体的暴力は振るわねど、たとえば息子の目前で自分の肉体を、無残に傷つけて見せたりという一風変わった「仕置き」は何度もしている。
圧倒的な存在感を示す父親も、老いには勝てなかったようで、というか、多分日ごろの生活の付けが回ってきたのか、病に倒れます。
そしてついには著者と決定的な別れのシーンを迎えますが、それがなんとも哀愁に満ちているのです。
また、著者の梁さんがこの父上を反面教師にして「良い父親」になったのかと言うと決してそうではないらしく、その辺りが赤裸々に描かれているのも興味深いです。
どんな父親像も、このひとのまえにはかすんでしまうと思われる、梁俊平氏の強烈なすがた。事実は小説よりも烈しい!!
「血と骨」の感想は↓に。




