ハンニバル・ライジング

hannibal


監督 ピーター・ウェーバー
出演 ギャスパー・ウリエル 、コン・リー 、リス・エヴァンス 、ケヴィン・マクキッド 、スティーヴン・ウォーターズ 、リチャード・ブレイク


「羊たちの沈黙」のレクター博士の若き日の姿を描いた作品。なぜカニバリズムのレクター博士が出来上がったか、その原点を紐解いている。
正直言えばレクターの若き日の姿とか、人食いになったわけとかが描かれているにしてはちょっとパンチが足りないと思った。
「ハンニバル」や「レッド・ドラゴン」があまりにも強烈だったし、それに比べて平凡だったと思う。

ただ、若きレクターを演じるギャスパー・ウリエルが非常に美しく堪能できる。
が、まぁわたしのツボとはちょっと違ったのでそれほどの「萌え」もなく。



もっと正直言えば、「ロッキー・ザ・ファイナル」の後ハシゴしてみるほどのもんじゃなかった。それぐらいならもう一度「ロッキー・ザ・ファイナル」を見ても良かったかなと思う。今思い出しても殆ど印象が無い。ちょっと残念。ギャスパーの顔のほかは、コン・リーの繊細な美しさと、「ドレミファソ〜ラファミ、レ、ド、、ソ〜ファミッソファミレ、ソ〜ファミッソファミレ・・・」というY音楽教室のCMで子どもたちが歌ってる歌が記憶に残ってる程度。

★★★
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永遠の0/百田尚樹

4778310268永遠の0 (ゼロ)
百田 尚樹
太田出版 2006-08-24

by G-Tools


「わたしの父親ってどんなひとだったのか」という、母の呟きから、戦死した祖父について調べる事にした姉弟。聞けば終戦間際に特攻隊として死んだという。当時、祖父と同じ部隊などに所属してその人となりを知る人たちを訪ね歩く。そこで聞かされたことは、祖父が「臆病者だった」ということ。祖父は「生きて妻の所に帰る」と公言していたらしいのだ。少々落胆しながらも、当時の物語を聞き歩くうちに、見えてきた祖父の本当の姿とは・・・。

兵士として死んだ祖父の生前を知りたい、と思うだろうか?わたしも同じように祖父を戦争で亡くしているが、戦争中の祖父の行状を知りたいとは思わない。怖いというのが本音。戦争中はみんな本来の自分を見失っていると思う、非日常の人格だったと思うし、聞きたくないことも出てくるような気がして、聞くのは怖いです。なので、この小説は設定自体は良いと思わない。姉弟の会話なども生活感やリアリティに欠けている。


ところが、読むうちにその欠点を埋めるぐらいの大きなパワーに、見る見る引き込まれていった。
それは戦争中のことを語る老人たちの物語にものすごい迫力があったから。
真珠湾攻撃からラバウル、ガナルカナル、レイテなどなど、日本軍の戦いをなぞりながら個人の視点で丁寧に語ってゆく。なので、迫真のリアリティがあり物語に釣り込まれました。そして全編情景が浮かぶような臨場感と迫力に唸らされます。
祖父宮部が腕のいい零戦乗りだったことから、戦闘機のはなしも詳しく書かれてて、今までとはまったく違うポイントから戦争を見ることが出来る。なんでも最初のほうでは、零戦というと無敵の戦闘機であり、世界に誇る性能があったとか。(誇れるとは語弊があるけど)しかし、やがては物資不足による性能低下、あるいは作り手や整備士が徴兵されるために人材不足になる。戦闘機に乗る士官たちも、次々に死んでゆくため次第に腕が落ちてゆく。そのうちにアメリカはグラマンという強力な戦闘機を開発。しかし、アメリカは兵士を守る戦いだったのに、日本は兵士を使い捨てる戦いだったと・・・そこで語られる日本軍の物語には背筋がぞっとするような恐ろしさがあります。日本は負けてよかったのだ、あのまま勝っていたら世の中はどうなっていただろうかと思わずにいられません。
最後のほうに語られる特攻隊の物語は、その壮絶さに言葉を失います。まさに「使い捨て」られた若い命を思うと辛く正視できないほど。


孫たちが発見した祖父の物語は、出来すぎなぐらいよく出来ていて、ラストは悲しい感動に包まれました。戦争を語り継ぐにはこう言う本はとても大切だと思った。

15:22 : [本・タイトル]あ行トラックバック(1)  コメント(0)