2007'04.08
![]() | 殺戮者は二度わらう―放たれし業、跳梁跋扈の9事件 「新潮45」編集部 新潮社 2004-05 by G-Tools |
新潮45シリーズの4巻目。
犯罪の被害者になるのは、加害者と出会ってしまうと言う不運が招く不幸だと思うけど、日常生活でそうとは知らず出会ってしまうのも不幸だけれど、なんの前後も脈絡もなく、ただ偶然にその加害者と出会ってしまった人もまた不幸です。
名古屋アベック殺人事件・・・同じころに起きた「女子高生監禁コンクリート詰め殺人」とともに世間を震撼させました。「未成年者による残虐な事件の双璧をなす」と言われます。
この事件はわたしにとってもわりと近い場所の事件で、被害者の二人が不幸にも加害者のろくでなしどもに遭遇してしまった大高緑地公園に、学生時分にわたしも行ったことがありました。ので、事件が起きた時は薄ら寒くなりましたが、こうして事件の全容を改めて振り返ると薄ら寒いどころか背筋が凍り、暗澹としてしまいます。
特筆すべきは「犯人」たちの「その後」。加害者のうちの一人に対するインタビューがあります。その中で彼は、自分が賠償金を払っていない事を悪びれもせず、また、被害者への謝罪などに対しては「後ろを振り返らず、前を向いて歩きたい」と言う言葉で済ませてしまう。被害者へ果たすべき責任の数々は彼にとっては「後ろ向き」なことであり、「前を見て」生きる彼にはごく普通の家族が居て彼らを守る真っ当な父親なのだ。
神戸大学院生が、たまたま出あったヤクザに因縁をつけられ、惨い暴行の末に殺された事件は、その加害者のヤクザたちに憤りを覚えると共に、事件に対してまったく真剣に向き合わずにみすみす被害者が死ぬのを傍観していたような体の、警察官たちに深い不信感を覚える。
ともかく、恐ろしい事件の数々。どよんと落ち込んでしまいますがどうしたことか、この手の本が好きでついつい読んでしまう。
本当に怖いのは、ユーレイでもなく悪霊でもなく、人間です。









