イノセント・ボイス~12歳の戦場

B000FHVUBQイノセント・ボイス~12歳の戦場~
カルロス・パティジャ ルイス・マンドーキ レオノア・ヴァレラ
ポニーキャニオン 2006-07-28

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重い・・・重い重い映画です。
後からじわじわ来る感じで、思い出されてまた涙があふれてくるような・・・。
1980年、中米の小国エルサルバドルは、農民層を中心に組織された反政府ゲリラと政府軍の内戦が勃発。
そして主人公チャバ11歳が住むクスカタンシンゴという村は、両軍が対峙する中間点であったため、日夜銃弾戦におびえる暮らし。
チャドの家にも容赦ない銃弾が打ち込まれます。泣き叫ぶ幼い弟や姉を守るのがチャバの役目。なぜなら父親は家族を捨てて出て行ってしまったから。
物語はそんなチャバが戦争のさなかにも子どもらしい楽しみや、初恋を戦火におびえながらも明るさを失わないで経験していく日常を描いているのですが、わたしたちが思う「日常」とはかけ離れた生活がそこにあるのです。
子どもが楽しそうに遊んでいるのはごく普通の光景。だけど、チャバたちの生活では「うー!」というサイレンが唸ると、その後が「外出禁止時間帯」。その時刻が来るとアラームのように銃撃が始まるのだ。
ある日あるとき、突然に学校に政府軍がやってくる。子どもたちを徴兵するために・・・。なんと、驚くことに12歳になると政府軍が徴兵に来るのです。時には10歳の子どもさえ政府軍にとられてしまう。
往来を歩く女性がおそらく慰安婦にするためだろうと思うけど、政府軍に連れて行かれる。かばう牧師でさえ殴り倒して平気だったり。
健やかに眠れない夜が続き、家は日に日にぼろになり、チャバの12歳の誕生日は近づく・・・。


ゲリラも政府軍もいったい結局何のために戦っているのだろう?兵士たちはそれをわかっているのだろうか?
どうして政府軍に国民が命を奪われないといけないのか。どうして、たった12歳の子どもが銃を持たされて、昨日まで隣人だった人間を殺さなくてはならないのか。どうして夜安らかに眠れないのか・・・。


アメリカ政府が、この政府軍に多額の軍事援助をしているとのこと。びっくりした。
人間が「そこ」に「そのひと」として生まれるというのは、奇跡のような確率なのです。自分がチャバであったかもしれないのです。
映画を見終えた後、テーブルを見て、そこに静かに置かれているマグカップを見て、金魚の水槽の水音を聞いて、いったいこの世界とチャバの世界の違いは・・・同じ人間でありながら、なぜ?と思うとまた涙が流れるのでした。

★★★★




4812425344イノセント・ボイス―12歳の戦場
オスカー・トレス
竹書房 2006-01

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B0001N1LQSサルバドル-遥かなる日々-〈特別編〉
オリバー・ストーン ジェームズ・ウッズ ジェームズ・ベルーシ
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2004-10-22

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四度目の氷河期/荻原 浩

4104689033四度目の氷河期
荻原 浩
新潮社 2006-09-28

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実はちらほらと、不評も耳にしましたが、わたしは面白く読めました。
主人公は、父親のいないワタルという少年。
母親が遺伝子の研究者であったり、自分の外見が一般的な日本人の友達とはどう見ても違っているのを、「自分の父親はクロマニヨン人だ」と思い込んでしまうワタルの少年期を描く作品です。
突拍子も無い「父親がクロマニヨン人」説・・・。
だけど、こう考える事でしか自分自身を保つ事ができず、この考えを生きる事のよすがとしなければ、片時もいられなかったワタルの寂しさ、孤独がひしひしと伝わり、わたしは胸が熱くなる思いでした。
「友達」と言う言葉への羨望、孤独を埋めてくれたイヌのクロやサチとの時間、母親を大事に思う気持ち、陸上を始めた理由など、ひとつひとつに胸打たれました。
後半の物語がちょっと普通っぽくなってしまったり、終わり方がどうもすっきりしなかったり、ちょっと粗は見えるような気がしますが(何様発言失礼)ワタルの気持ちがこんなにも切なく迫る作品、おぎりんならではの成長物語だと思いました。
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