2007'02.01
![]() | 底なし沼 新堂 冬樹 新潮社 2006-08-19 by G-Tools |
新堂さんは、読んだ直後は「お腹いっぱいです。新堂作品はもう読みません。」と思うのだけど、しばらくたってほとぼりが冷めると、またこりもせず求めてしまうのです。
で、やっぱり「お腹いっぱい・・・」になるのだった・・・。
相変わらず登場人物の誰にも好感も共感も持てない!
それでも読まされてしまうのだけど・・・。
債権の二重取立てを生業としている蔵王と言う男が主人公。
一旦完済された借金の証書を、金融業者から買取り、その「借用書」を元にして金をゆすり取る。
わたしにはとてもカタギには思えないこの商売、ヤクザの杯を分けてるわけではないので「カタギ」だと言うのだ。カタギと言うイメージの幅広さに驚く。
この男の(返したはずの)借金の取立てのすさまじさにまず、新堂節を見せ付けられる。金を借りるということは、すなわち命を掛ける事、いいや命以上のものをかける覚悟でなければ、金を借りてはいけません。
ただ「死ぬ」ぐらいなら生易しいと言えるのだと肝に誓いながら読む。
蔵王に対抗する勢力として登場するのは、結婚相談所を経営する日野。彼もまた、綺麗な顔をしていながら金の亡者で、結婚を餌に会員から金を搾り取る事だけを考えている人間です。
二人ともプライドだけは天より高いので、衝突したらどちらかが折れるまで戦いが続く。
その戦いに、暴力団や、暴力団を食い物にするグループまで出てきて、いったい誰が最後に残るのか・・・。
まぁ中盤までは、暴力沙汰が多くてもいったい誰が頂点に立つのか知りたくて、先を急がせる面白さがあったのだけど、この日野という男が思ったよりもヘボい存在だわ、暴力団を食い物にする恐れ知らずの鬼集団が、またあっけなく片付けられてしうわで拍子抜けすると言うか。
しかもそれらがすべて、これでもか!という怒涛の暴力沙汰のうちに描かれていて、いい加減辟易してしまった。
新堂さんの本は、ある意味「いましめ」的な意味合いもあるのでは。
絶対に街金(もう、闇金もサラ金も同じように感じます)などではお金を借りるまい、こう言う輩とは絶対に近づきになりますまい。
こんな目にあわずに一生を過ごせられたら、それだけでも「しあわせ」だと思う。怖い怖い。
もう当分新堂さんは遠慮しておきます。
と言いつつまた読んでしまうのは目に見えているのですが。




