2006'10.15
武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新
磯田 道史

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とある古書店にある温州みかんのダンボール箱。その中に古い和紙が詰め込まれていた。それはこの著者が長年切に手に入れたいと願ってきた「武士の家計簿」である。天保13年(1842年)7月から明治12年(1879年)5月まで37年間の、実に詳細な金銭出納の記録だった。金沢藩(加賀藩)の算盤係だった猪山家の日常を、残された家計簿や書簡メモ書き等から、瑞々しく蘇らせる。今までは知らなかった武士の暮らし振りが事細かにわかり、感慨深い1冊です。
(詳しい内容は、書店サイトなんかの商品説明を見て下さいね)
小説じゃない。ただ、著者が金銭の出し入れに従って、一家の生活状況を解説していっただけ(だけ、と言うのは語弊ですね)だけど、すっごくリアルにその場面が目に浮かぶんですよ。
武士は食わねど高楊枝、の喩えの通り武士って言うのは貧乏だったんですね。この猪山家は「筆算」能力が人よりも長けていたので(それなりの努力もしただろう。結構スパルタだったみたいだし)下級武士の中ではエリート的存在だったと思われるが、それでも、貧乏暮らし。たとえば、この家から二人が役所に出仕していた時期(一つの家から同時期に二人の人間が出仕することは許されていなかったらしいが、これも算盤係ならではの異例のことだったらしい)にも、二人合わせて年収が(今の金銭感覚に直して)1230万円。うん、結構な金額。でも、出費がメチャクチャすごくて、借金を余儀なくされて借金が年収の2倍にもなったらしい。主にお付き合いやしきたりにお金がかかったらしい。出世すればするほどその出費がかさみ、貧乏が募っていく…不思議な仕組みだったらしい。
前半は、猪山家の経済状況を覗きながら当時の武士階級の暮らし振りを再現。とっても親を大事にしていたとか、親を立ててたとか、そう言うことが数字で分かります。案外にも女も大事にされてたみたい。お小遣い(給料?)もちゃんと別会計でもらってて、経済的に自立していたんですよ。うちなんて、主婦のわたしはお小遣いも当たらないしもらっても食費に消えちゃう。(ま、ちまちまと古本を買ったりするお金は、家計から使ってますが)夫のパチ代には膨大にお金がかかってるし、ちょっと武士の家計簿、見習うべきです。キッチリすると言うことが大事なんだなぁ…と、改めて思い知らされる。
そして後半は、猪山直之成之親子に焦点をあて、幕末から明治にかけて武士たちがどのように生きたか、武士そのものの行く末はどうなったのかを描いてあります。
算術によって出世した成之はやがて、大村益次郎に認められ、益次郎の死後も海軍にて算術面で活躍するが、結局不幸な晩年を送ったらしい。
小説ではないのに、小説以上にドラマティックな一冊だった。
磯田 道史

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小説じゃない。ただ、著者が金銭の出し入れに従って、一家の生活状況を解説していっただけ(だけ、と言うのは語弊ですね)だけど、すっごくリアルにその場面が目に浮かぶんですよ。
武士は食わねど高楊枝、の喩えの通り武士って言うのは貧乏だったんですね。この猪山家は「筆算」能力が人よりも長けていたので(それなりの努力もしただろう。結構スパルタだったみたいだし)下級武士の中ではエリート的存在だったと思われるが、それでも、貧乏暮らし。たとえば、この家から二人が役所に出仕していた時期(一つの家から同時期に二人の人間が出仕することは許されていなかったらしいが、これも算盤係ならではの異例のことだったらしい)にも、二人合わせて年収が(今の金銭感覚に直して)1230万円。うん、結構な金額。でも、出費がメチャクチャすごくて、借金を余儀なくされて借金が年収の2倍にもなったらしい。主にお付き合いやしきたりにお金がかかったらしい。出世すればするほどその出費がかさみ、貧乏が募っていく…不思議な仕組みだったらしい。
前半は、猪山家の経済状況を覗きながら当時の武士階級の暮らし振りを再現。とっても親を大事にしていたとか、親を立ててたとか、そう言うことが数字で分かります。案外にも女も大事にされてたみたい。お小遣い(給料?)もちゃんと別会計でもらってて、経済的に自立していたんですよ。うちなんて、主婦のわたしはお小遣いも当たらないしもらっても食費に消えちゃう。(ま、ちまちまと古本を買ったりするお金は、家計から使ってますが)夫のパチ代には膨大にお金がかかってるし、ちょっと武士の家計簿、見習うべきです。キッチリすると言うことが大事なんだなぁ…と、改めて思い知らされる。
そして後半は、猪山直之成之親子に焦点をあて、幕末から明治にかけて武士たちがどのように生きたか、武士そのものの行く末はどうなったのかを描いてあります。
算術によって出世した成之はやがて、大村益次郎に認められ、益次郎の死後も海軍にて算術面で活躍するが、結局不幸な晩年を送ったらしい。
小説ではないのに、小説以上にドラマティックな一冊だった。



