ニューオーリンズ・トライアル

B000E41NJOニューオーリンズ・トライアル スタンダード・エディション
ジョン・グリシャム ブライアン・コペルマン リック・クリーブランド
ジェネオン エンタテインメント 2006-03-24

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監督 ゲイリー・フレダー
製作総指揮 ジェフリー・ダウナー
原作 ジョン・グリシャム
出演 ジョン・キューザック 、ジーン・ハックマン 、ダスティン・ホフマン 、レイチェル・ワイズ

これは面白かった!!
法廷ものというか裁判もの、陪審員ものです。

発端はある銃の乱射事件。16人が死に、犯人も自殺。
その遺族が、その犯人に違法に銃を売った銃の製造メーカーにたいして損害賠償請求の裁判を起こす。
遺族側が雇った弁護士は、正義漢らしき弁護士のローア(ダスティン・ホフマン)。対する銃の製造メーカー側は、陪審コンサルタントのフィッチ(ジーン・ハックマン)を雇う。
陪審コンサルタントは、陪審員の候補たちの各背景を綿密にリサーチし、その裁判に有利な陪審員を導き出すと言うものらしい。
そして、その陪審員には、候補に上がり嫌がっていたニック(ジョン・キューザック)も含まれていた。
やがて、双方の弁護士に「評決売ります」と言うメッセージが届く。
差し出したのは謎の女、マーニーだったが、彼女はニックの恋人だった!!
二人の狙いは何なのか…。そして裁判の行方は…。

+++++++++++

まず、銃を乱射した「本人」ではなく「銃の製造メーカー」相手に訴訟を起こすということと、陪審員制度という日本にはない二つを取り上げた映画。当然「陪審員コンサルタント」なんて言うのも知りません。
そんなアメリカならではの裁判が、非常に興味深い。日本でも裁判員制度が始まることだしね。陪審員制度とどう違うのかも知らないけど、なんか参考になるかも?(笑)
ローアとフィッチとマーニーたちの三つ巴。一体誰を応援すればよいのか?誰が正義なのか?少なくともフィッチではないことだけは確かなのだけど、マーニーたちの狙いは一体何かということが分かるまでの緊迫感がすごい。
すべてが分かってから、思い返せば確かに色々と符丁が合うことに気付かされる。
テーマも映画としての作り方もかなり上質で面白かった。オススメ!

★★★★☆

そう言えば昔デミ・ムーアの「陪審員」って言うのもあったけど、あれは面白くなかった。でも、こっちは期待を裏切りますまい。
ジョン・グリシャム原作の裁判ものというと「レインメーカー」や「依頼人」も面白かったですね♪
B000657R8Cレインメーカー
ジョン・グリシャム フランシス・フォード・コッポラ マット・デイモン
ジェネオン エンタテインメント 2004-11-25

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B000BTCMC4ザ・クライアント 依頼人
アーノン・ミルチャン スティーブン・ルーサー ジョン・グリシャム
ワーナー・ホーム・ビデオ 2005-11-18

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17:18 : [映画タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(0)

ナショナル・トレジャー

B000FIKF6Qナショナル・トレジャー 特別版
ジョン・タートルトーブ ジェリー・ブラッカイマー ニコラス・ケイジ
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 2006-07-07

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うそか本とか分からない代々一家に伝わる宝の地図伝説を、執念で本当だと立証して宝捜しをする男の話です。
やっとのことで仲間たち、イアン(ショーン・ビーン)やライリー(ジャスティン・バーサ←ちょっと背が低かったけどナイスガイだったわ。★★★★)たちと、地図の手がかりはアメリカ独立宣言書にあることを突き止める。
が、その直後仲間だったイアンが裏切る。
独立宣言書を手に入れることができるのか?そして、宝は本当にあるのか?


結構面白かった。追う者追われる者の緊迫感がドキドキさせてくれて楽しかった!

でも、地図に至るまでのヒントが長ったらしすぎる。しかもあんなヒントじゃ辿り着かないのが普通ですよ。それに、もんのすごく苦労して見つけたヒントを、あとから敵方のイアンたちが何の苦労もなく見つけてほぼ同時にその場に登場って。それに、なんで二人は恋人になるんだ~~。いつそんな意気投合があった?古物に惹かれるもの同士波長が合ったと言う事?
ま、面白かったからいいけど。

★★★
16:30 : [映画タイトル]な行トラックバック(2)  コメント(7)

検索ワード

「24 キム うざい」

というワードでうちを見つけた方がいらっしゃる。
同意を求めてるのかな?
はい、わたしも「24」の「キム」は「うざい」と思います!!


「でたでたでた」とか「みさえ 便秘 でたでたでた」

と言う検索ワードも。
これは多分、くれよんしんちゃんのみさえのお便秘の歌のことですね。
ということで、でたーでたでたでた の続きを。

※みさえの部分⇒み
 ヒロシの部分⇒ヒ
 しんちゃん ⇒し
 ひまわり  ⇒ひ

み:でたーでたでたでたでたでたでたでた
し:なにが?
ヒ:でたーでたでたでたでたでたでたでた
ひ:だぁぁ?
み:青い空はより青く
ヒ:白い雲はより白く
み:僕にいい事
ヒ:ないはずなのに
みヒ:とっても幸せ
みヒ:でたーでたでたでたでたでたでたでた
ヒ:出たー
し:でたーでたでたでたのはいいけど何でそんなに喜ぶの?
み:大人になればわかることもあるわ
ヒ:小さなことしか願いは叶わないのさ
し:だからそんな人生子どもは知りたくはないぞ
  だってオラたちの人生は輝いているんだぞ
(ここで変な歌はいる)
み:でたーでたでたでたでたでたでたでた
ヒ:でたーでたでたでたでたでたでたでた
み:小さな小さなしあわせだけど
ヒ:心も身体もしみわたってる


これは、小学6年のムスメが聞き取りにより歌詞を書き出したので、本当の歌詞とは違っているかもしれませんことをお断りしておきます。間奏部分の「変な歌」というのもムスメの歌詞カードのままに書きました。暇だねわたしも。笑ってやってくださいな。
15:37 : [そのほか]もろもろトラックバック(0)  コメント(0)

パパとムスメの7日間 /五十嵐 貴久

4022502347パパとムスメの7日間
五十嵐 貴久
朝日新聞社 2006-10

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イマドキの女子高生、小梅と、イマドキのサラリーマンの父親の身体が入れ替わるコメディです。
映画の「フォーチューン・クッキー」なんてのも、これは母親とだけどムスメが入れ替わるのです。
特に今回、目新しさは感じなかったけど、それなりに面白く読めた。

とくに年の差を感じるのはケータイの使い方など。映画や本も。
おっさんなのにすごいスピードでケータイを打つ、そりゃみんなにビックリされるよね。同じことを女子高生がやっても素通りなんだけど。
憧れのケンタ先輩とのデートで、思わず「小説」の話で意気投合して盛り上がるのは笑った。あそこが一番おもしろかったな。やっぱ本読みとして気持ちがわかるのですね。
視点を変えて、立場を変えれば今まで気付かなかったことに気付く、というのが入れ替わりモノの普遍的テーマと言うか。
予想通りの展開とオチなんですが、それでも楽しめた作品です。
15:11 : [本・タイトル]は行トラックバック(1)  コメント(0)

ニキータ

B000228TU4ニキータ
リュック・ベッソン アンヌ・パリロー ジャン・ユーグ・アングラード
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン 2004-06-25

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「な行のタイトル強化月間」のため、久しぶりに見て見ました。
テレビ放映もあったので、何度か見ているけど、やっぱり泣いてしまう映画です。

無期懲役と引き換えに、政府のため訓練を受けた後に、秘密工作員として働かされることになったニキータの孤独と哀しさと、愛を描いた物語。
チンピラでヤク中で、まるで野良猫のように手のつけられない少女だったニキータが、殺しのテクニックを獲得していくのと比例して人間らしく女性らしく成長してゆくのが印象的です。人を愛すれば愛するほど、仕事が辛くなっていく。優しくされるほどに辛さも増す…。ニキータの孤独と哀しさが胸を打つ名作です。

ともかく、マルコがいい!
優しいんです。
こんなにも優しい男がいるだろうか??

最後の仕事に失敗して逃亡を決意するニキータ。
そのニキータに「すべて知っている」と打ち明けるマルコ。
ニキータは自分の仕事を知られまいとして暮らしてきたのに、マルコはちゃんと知っていたんですね。知っていてもニキータを愛してきた。
そして今、ニキータが自分の前から姿を消すと言う段になっても、聞き分けよく理解してくれる。
「わたしが出会ったただ一つの愛」
というニキータのつぶやきに、泣けて泣けてしょうがないのです。

マルコ、優男だしケンカも弱そう、だけど!!
こんなにも男らしい男が他にいるだろうか?
というか、「愛すること」で女を守ることもできると示してくれたような。
彼こそは男の中の男です。


リュック・ベッソンは「レオン」のほうが人気があると思うけど、わたしは断然この「ニキータ」が好き。一番です。

★★★★☆
14:56 : [映画タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(6)

ペット・セメタリー2

B000A1ECYEペット・セメタリー2
ラルフ・S.シングルトン エドワード・ファーロング アンソニ・エドワーズ
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン 2005-08-19

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ペットをその墓場に埋めると、蘇ると言う伝説の墓場「ペット・セメタリー」。その墓場がある町に、母親の死後、越してきた獣医親子。そこで友達となった少年の犬が死んで、そこに埋めてみるのだが…。

ペット・セメタリーの続編です。
本編に比べてつまらんのですが、小学6年のムスメが最近ホラーにはまっているので、借りてきました。
そしたら、面白いように怖がった…。見せるのではなかったかも(笑)。

ともかくわたしはこの映画のエディくんが大好きで♪
「T2」のジョン・コナーよりも好きなぐらいです。
最初のほうで、自分の猫をヤンチャ坊主たちに奪われるシーンがある。
猫を奪い逃げさる不良たちを追いかける前に「シット!!」と言うんです。
その「シット!」がむちゃくちゃ可愛い!!
今回はひさーーしぶりに見たけどやっぱり可愛い!!
最後のほうでタキシード姿になるんだけど、これがまた可愛い!!
断じてショタコンではないのだけど、この頃のエドワード・ファーロングは最高でしたね。

★★☆
映画としては大して面白くないけど、エドワードを見たいから何度も見返したくなる作品。

怖いのは「1」そして何よりも原作ですね。
B000A1ECY4ペット・セメタリー
リチャード・P.ルビンスタイン スティーヴン・キング 吉田・理保子
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン 2005-08-19

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416714803Xペット・セマタリー〈上〉
スティーヴン キング Stephen King
文藝春秋 1989-08

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4167148048ペット・セマタリー〈下〉
スティーヴン キング Stephen King
文藝春秋 1989-08

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22:49 : [本・タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(0)

木更津キャッツアイ(試写会)

木更津キャッツアイ・ワールドシリーズ
試写会に行ってきました。
前作はおろか、テレビドラマも見たことがなく、なんにも予備知識がない。
だから、全然訳が分からず、ついて行けなかった…。
「フライ、ダディ、フライ」の岡田君がすっごくカッコよかったので楽しみにしていたんだけど、岡田君演ずるところの「ぶっさん」は3年前に死んでいた!がーん。
ま、それでも出てはくるんですけどね。

あらすじ++++

ぶっさんが死んで3年。仲間たちはバラバラになり、それぞれがぶっさんの死を乗り越えられないでモンモンとしている(ようです)。
公務員となったバンビは、とある未開地で不思議な声を聞く。
「それを作れば彼は帰ってくる」みたいな。
ぶっさんのメッセージだと思ったバンビは、仲間を集め、その未開地に何かを作ろうとする。そして「それ」が出来上がった時、ぶっさんは帰ってくるのだろうか?

++++++++

「フィールド・オブ・ドリームス」のパロディみたいです。
訳がわからないし、テンションが高すぎるのも好きじゃない。ゾンビまで出てきてどうにもついて行けない…。
でも、不思議と面白かったなぁ。
最後まで見ていると、その「不思議な出来事」にすべて説明がつくのです。無論その説明自体が「あり得ない」ことではありますが、それでも「ファンタジー」として見れば、楽しめるかな?
伊坂光太郎作品を読んだ時みたいに、ストンと落ちる、パズルをはめ込むようなオチ。この映画にはその「ストンと落ちるオチ」があって、「ああ、そう言うことだったのか!!」という驚きが中盤(終盤?)に、怒涛のごとく押し寄せて、それが楽しかった。だから思ったよりも楽しめた。

でも、ぶっさん、死に際のがん患者にしては元気そうだし。あと、邦画の嫌いなところはテンションが自分の生活と比べて違いすぎる。あんな風に喋ったり動いたりする人は周囲にいないですよー。邦画でも「誰も知らない」みたいな自然な演出が好き。好みのモンダイですね。わたしはこの「木更津」みたいな映画の演出は好きでない。なので、岡田君もイマイチだったわ。わたしがすきなのは岡田くんじゃなく、岡田君が演じている「朴舜臣」だったと再確認。
後の席に座った結構年配のひとは、夫婦(?)で「面白くないね」「出ようか」とボソボソと喋って出て行った。気持ちはよく分かった。この映画は、「わかる」ひとと「わからん」ひとにキッパリ分かれると思ったよ。

★★★
22:35 : [映画タイトル]か行トラックバック(0)  コメント(2)

新潮45 その時、殺しの手が動く

4101239150その時、殺しの手が動く―引き寄せた災、必然の9事件
「新潮45」編集部
新潮社 2003-05

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実際に起きた事件のルポ。これは「新潮45」シリーズ第3弾です。
テレビや新聞をにぎわしたニュースを、検証して背景を探るというもの。
相変わらず凄惨でおぞましい事件の数々が浮き彫りにされ、人間の愚かしさを伝えています。

が、今日は、愚かしさの中に歴然と存在する人としての美点、というかホッとできるエピソードをご紹介したいです。

背景となる事件は、2000年の8月に大分県で起きた殺人事件。
民家に15歳の少年が押し入り、寝静まった一家6人を次々とサバイバルナイフで襲った。結果、死者3名、残る3名も重症を負う。
少年はその家の主(65歳)と釣り仲間だった。
少年の周囲で、ポルノ漫画を撒き散らしたり下着泥棒が頻発していて、村の住民たちから疑われていた。
被害者の家では、少年と同じ年頃の少女がいて、彼女が覗きの対象であったらしく風呂場を覗かれたり下着を盗まれたりした。
そのことを、一家の主が注意したところ逆恨みをして犯行に及んだようなのだ。
少年が育て来た背景なども書かれていてそれも興味深いけれど、ここでは割愛。

さて、亡くなったご家族はその少女から見て、おばあさん、おかあさん、弟の3人。
覗かれていた少女は一命を取り留めたけど、ナイフの傷が神経に達していて下半身が不自由になってしまう。そして、亡くなった弟のほかにももう一人弟がいて、この弟もナイフで胸を刺されたが幸い心臓部を外れ、長時間の手術の後に命を取り留める。でも、重いトラウマを抱えることに。
もう一人命を取り留めた、おじいさんはナイフの先が脳に達したために今も寝たきりの状態らしい。


実はこの少女の両親は離婚していて、母親が実家に帰って祖父母と暮らしていたらしい。
で、こう言う事件にあって別れたお父さんが現場に急行。その現場を見て激しく後悔されたという。
自分の娘と息子を引き取りたいと思うのだけど、今現在の家族への遠慮からなかなか言い出せずにおられたようだ。
でも、そこで、今の奥さんが「お父さんが引き取らんでどうするん」と切り出された。そして、お父さんから見れば連れ子にあたる今の子どもさんたちの励ましもあり、娘さんと息子さんを引き取られたそうだ。
被害者の少女は、車椅子で高校大学に進学、それを仕事をやめた今の奥さんが送り迎えしておられるという。
まだ車椅子の生活は続いてるだろうし、被害に遭われたことは本当に言葉も出ないぐらい気の毒なことだけど、お父さんやお父さんの新しい奥さん、そのお子さんたち、そう言うすばらしい人がこの世には確かにいらっしゃるのだと思うと、酷い事件の数々の中に一筋の光が見えるような気がして、救われるような気がするのです。



11:15 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(0)

なぜ家族は殺し合ったのか/佐木隆三

なぜ家族は殺し合ったのか
なぜ家族は殺し合ったのか佐木 隆三

青春出版社 2005-06-01
売り上げランキング : 23067

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消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 人はいつから「殺人者」になるのか 殺戮者は二度わらう―放たれし業、跳梁跋扈の9事件 殺人者はそこにいる―逃げ切れない狂気、非情の13事件 その時、殺しの手が動く―引き寄せた災、必然の9事件


ものすごく怖い本。
こんなのを読んだらユーレイも物の怪も吸血鬼も怖くないです。
人間の恐ろしさ、残酷さおぞましさ、そしておろかさと弱さ。余すところなく描かれていた。ほんとに怖かった…。



この事件は「新潟少女監禁事件」が発覚した直後に発覚した「小倉少女監禁事件」です。ニュースでも大々的に報道されたのでまだ記憶に新しいですよね。少女がおじいさんのところに助けを求めて逃げ出して、少女の父親は犯人との同居の末に殺されたと言った事件です。あの時はこの事件がここまで凄惨な事件だったとは知らなかった。本書でも報道の順番を追って、書かれているので最初のうちは何が何やらわからないという状態です。が、徐々に事件の全貌が明らかになるに連れ、読むだけでも胸苦しさを覚えるほどにおぞましく、陰惨で凄惨な事件だと言うことが分かってくる。それはもう、こんなおそろしい犯行が今までに会ったのかと思うほど。例えば大昔だけど「津山30人殺し」などと言う戦後最大の虐殺事件もある。でも、残酷さで言うと断然今回の事件のほうが残酷だと思うのだ。

この事件が残酷なのは、殺されたのは逃げ出した少女の父親だけではなく、犯人の家族だったと言うから驚くではないか。松永太の内縁の妻の緒方淳子。その緒方の実家の、父と母、妹夫婦、その子ども二人…自分の肉親たちを6人、「一家殲滅」に追いやっていると言うこと。また、6人の中でも家族でありながら松永に操られるままに、暴力をふるったり、その果てに直接手をかけて殺したりもしたらしいのだ。

そして殺した上に、死体をバラバラにして処理していること。
特に、発見された少女はその殺人や死体処理を強要させられており、その供述が本文中に裁判のときの証言と言う形で明らかにされてるのだけど、非常におそろしいです。人間をバラバラにする…、小説ではいくらでも読んできたし、慣れてるかもしれない。だけど、この本での「それ」は、今まで読んできた小説とは格段に違うおそろしさがあった。手が震えるようだった。
脳は頭の天辺を切るのではなく、下あごから…などと言う供述があり、生々しい恐怖に駆られます。

それにしたって、何故そんなことになったのか、それは本書をぜひとも読んでいただきたいのだけど、人間の愚かしさ…たきつけられれば家族でありながらも、疑っては暴力をふるったり果ては殺したり…そこまで落ちてしまう弱い生き物なのだと言うことが分かる。またそれをさせる松永の残忍さには声も出ないぐらいだ。

著者は、この犯人像がオウムの麻原彰晃と似ていることに注目。麻原が部下や信者をマインドコントロールで支配下においたように、松永もまた「虐待」「電気ショック」という暴力による恐怖感を植え付けることで、被害者たちをマインドコントロールしたと言うこと。麻原は殺人は「自分はやってないし、指図もしていない。部下が勝手にやった」と言ったが、この事件の犯人松永太も「家族同士で勝手に殺しあった」と言ったことも似ている点だ。
一番怖いのは、松永太が「実行犯ではない」…ということか。

いかに凄惨な事件でもそれを直視して反面教師として学習するしかないという著者の思いが、事件の凄まじさの前では霞んでしまいそうである。
わたしは事件のルポは好きで割と読むが、ここまで怖いと思ったのは初めてだったように思う。
23:12 : [本・タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(0)

ニック・オブ・タイム

B000FBFRNEニック・オブ・タイム
ジョン・バダム ジョニー・デップ クリストファー・ウォーケン
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン 2006-07-07

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お気づきお方はいらっしゃらないでしょうが、実は「な行のタイトル強化月間」展開中なのです。
わたしの拙い本館の映画レビューコーナーの「な行」だけ、なぜか著しく陥没してるのです。
この「ニック・オブ・タイム」はサイト開設以前に見てるんだけど、な行ということと、リンク先のサイトさんのところでレビューアップしてあったのでもう一度見ることに。
ちなみに、この他にも「ノイズ」「ナインスゲート」「ネバーランド」と、ジョニーは結構「な行」タイトル出演が多いかも!


あらすじ+++++++

子連れ出張の途中で(というか、離婚した元妻の葬儀に出席してその帰り、父親のジョニーはそのまま仕事に行くつもりだったらしい)に、謎の男女に拉致されて、娘を人質に取られてある仕事を押し付けられる。その仕事とは、とある人物の暗殺だった。とある人物は誰か、そしてジョニーはそれを成し遂げるのか…。

+++++++

なんでまた、こんなフツーのサラリーマンのおっちゃんにこんな無謀な仕事をさせようとするのか…。
誰に「仕事」を押し付けようかと、ウォーケン様と相棒の女が駅で人を物色して、ジョニーに白羽の矢をあてるのだけど、それがなぜかというと…。
チラッと見た時にジョニーがチンピラを軽くあしらったのです。それを見て「適任だ」と即断。って、それはないで、そんなアホな!と、軽い突っ込みから映画が始まるので、全編違和感が付きまとうと言えば言えるのだけど、ジョニーが本当にその仕事をするのか、なかなか真に迫ってて見入ってしまう。
大体フツーの人がいきなり拳銃を握らされて「殺せ」って言われて、自分に縁も縁もない人を殺せるか?否!!いないないな!!自分だったらと考えると、たとえ娘を殺すと脅されても出来ないと思う。倫理的に出来ないと思うよりも先に、きっと人を殺すと言うこと自体に躊躇してしまうと思うのだけど?
しかーし、この映画の場合その命令を出してる男が我らがウォーケン様で。ほんとに冷酷無比に、膝を拳銃でガッツンガッツン殴りつけては言うことを聞かせようとするウォーケン様、かれほどこう言う役が似合う男はいないと思う。ウォーケン様にこんな風に命令されたら誰でもビビって「はい!」と言うことを聞いてしまうでしょう。わかります。ビビリまくってオドオドしてるジョニーが気の毒で、気の毒で。
どうにかして、その命令を聞かないようにしようと画策するうちに、協力者にめぐり合い…。この協力者たちが結構いい味。
誰が味方で誰が黒幕か?見ていくうちに思い出してきたけど、それでも結構楽しめました。
ただ、ジョニーがオッサンくさいかな?ちょっと太目だし。あごのラインがちょっとね。でも、好き♪

★★★☆
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20:57 : [映画タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(4)

ネクスト・ドア~隣人をかたづけろ~

B00005GBOEネクスト・ドア~隣人をかたづけろ~
トニー・ビル ジェームズ・ウッズ
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 1995-05-21

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TVMらしいです。
1994年の作品。何気に豪華なキャスト?
ジェームズ・ウッズが若い!でもTVMにも出てるんですね。
奥さん役はケイト・キャプショー、「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」の彼女。スピルバーグの奥さんみたいですね。
「隣人」の役はランディ・クエイドで、デニス・クエイドのお兄さんです。すっごいベテランですよね。最近では「ブロークバック・マウンテン」にも出演。

さて、内容は、隣り合った二つの家族が些細なことから対立して、おしまいには大喧嘩に発展してゆくさまを描いたブラックコメディです。

些細なことって言うのは、スプリンクラーなんですね。
ランディ・クエイド演じるレニーの家のスプリンクラーがのべつ幕なしに、水をまいてて。で、隣であるウッズ(こっちが主人公)演じるマット家の花壇の花をも枯らしてしまうんです。
マットは、大学教授だけど少々子どもっぽい部分があり、仕返しにレニー家のソファ(外で使ってるやつ)に水をまいて水浸しに。
そのまた仕返しに今度は、レニーがマットの車を水浸しに…。
もうやめようと思い立ったマットが休戦を申し込むが、その条件にレニーはソファの弁償を請求する。
弁償には応じたくないマットがレニーの家に直談判に行くとレニーが留守で、奥さんがマットを家に引き入れ、胸の刺青を見せる。
そのことをまた根に持ってレニーがマットに暴力を・・・。ついには警察を呼ぶはめに…!!
こんな感じで段々とエスカレートしていく「大人のケンカ」を描いてます。
子どもたちは親友同志だったのに、このことがきっかけで絶交状態。
このケンカは収束に向かうのだろうか…??

TVMだし、こんなもんかな?って感じ。
特にキャストなんかに思い入れがなかったら、お金出して見るほどのものではありません・・・と思う。

★★★

隣人モノ、家モノとしては
「隣人」「パシフィック・ハイツ」が断然オススメ。「隣人は静かに笑う」もね。この手の映画は大好きなんです。ご存知だったら教えてくださいね。

B0009Y29J2隣人
アラン・J・パクラ ケビン・クライン メアリー・エリザベス・マストラントニオ
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 2005-09-21

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B00012T1YS隣人は静かに笑う
マーク・ペリントン ジェフ・ブリッジズ ティム・ロビンス
ポニーキャニオン 2004-01-21

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B00005QYJNパシフィック ハイツ
ジョン・シュレシンジャー メラニー・グリフィス マシュー・モディーン
ポニーキャニオン 2001-11-21

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20:53 : [映画タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(0)

オール讀物 9月号

充実していましたよ♪

荻原浩「占い師の悪運」
こないだの「チョイな人たち」よりも若干面白みに欠けるけど、でも、荻原節が効いてる面白いユーモア小説でした♪

東野圭吾「落下る」
ガリレオシリーズです。

一番よかったのは「池袋ウェストゲートパーク」シリーズの「バーン・ダウン・ザ・ハウス」。泣けた~~!お勧めですよん♪
わたしゃ、すっかり石田さんのファンになりつつあります。節操ないけどゴメンちゃい。っつーか、マコトってカッコいいね。テレビドラマもあったんだよね。調べたらマコトは長瀬か。(呼び捨て)岡田君だったら見たかったな!


ほかにも、直木賞がらみの、森絵都さんと三浦しをんさんの受賞作が、掲載されてるし(読んでないけど)対談も角田光代さんを交えて掲載されてるし、受賞のお二人のエッセイも載ってるし。

恩田陸さんの新連載は「夜の底は柔らかな幻」…読まないけど。

今月は結構読んだなぁ。よかった♪

あ、もう10月なのに今ごろ9月号の紹介でゴメンネ。
回覧雑誌なんで回ってくるのが遅いのです…^^;

※回覧雑誌の説明
オール讀物
小説現代
小説新潮
文藝春秋
主婦の友
婦人公論
暮らしの手帳
の、7冊を一月1700円で回してもらうのです。
貸し本ですね。本やさんが持ってきてくれるの。
まえはこれに「スクリーン」があったのに、いまはないのが残念。
20:41 : [本・タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(0)

セッションが切れました

わたしは一つの記事をタラタラ時間をかけて書く事が多いので、昨日も「武士の家計簿」いったん、下書きで保存しておいて書きなおしてから、アップしようとして「保存」ボタンを押したら「ログインページ」になってしまった。
結構頑張って書いたのでショック。一気に脱力でどうでも良いような感想文になってしまった。
どうにかなりませんか。FC2さん。
10:15 : [そのほか]もろもろトラックバック(0)  コメント(2)

武士の家計簿/磯田道史

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新
磯田 道史

4106100053

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とある古書店にある温州みかんのダンボール箱。その中に古い和紙が詰め込まれていた。それはこの著者が長年切に手に入れたいと願ってきた「武士の家計簿」である。天保13年(1842年)7月から明治12年(1879年)5月まで37年間の、実に詳細な金銭出納の記録だった。金沢藩(加賀藩)の算盤係だった猪山家の日常を、残された家計簿や書簡メモ書き等から、瑞々しく蘇らせる。今までは知らなかった武士の暮らし振りが事細かにわかり、感慨深い1冊です。
(詳しい内容は、書店サイトなんかの商品説明を見て下さいね)


小説じゃない。ただ、著者が金銭の出し入れに従って、一家の生活状況を解説していっただけ(だけ、と言うのは語弊ですね)だけど、すっごくリアルにその場面が目に浮かぶんですよ。
武士は食わねど高楊枝、の喩えの通り武士って言うのは貧乏だったんですね。この猪山家は「筆算」能力が人よりも長けていたので(それなりの努力もしただろう。結構スパルタだったみたいだし)下級武士の中ではエリート的存在だったと思われるが、それでも、貧乏暮らし。たとえば、この家から二人が役所に出仕していた時期(一つの家から同時期に二人の人間が出仕することは許されていなかったらしいが、これも算盤係ならではの異例のことだったらしい)にも、二人合わせて年収が(今の金銭感覚に直して)1230万円。うん、結構な金額。でも、出費がメチャクチャすごくて、借金を余儀なくされて借金が年収の2倍にもなったらしい。主にお付き合いやしきたりにお金がかかったらしい。出世すればするほどその出費がかさみ、貧乏が募っていく…不思議な仕組みだったらしい。

前半は、猪山家の経済状況を覗きながら当時の武士階級の暮らし振りを再現。とっても親を大事にしていたとか、親を立ててたとか、そう言うことが数字で分かります。案外にも女も大事にされてたみたい。お小遣い(給料?)もちゃんと別会計でもらってて、経済的に自立していたんですよ。うちなんて、主婦のわたしはお小遣いも当たらないしもらっても食費に消えちゃう。(ま、ちまちまと古本を買ったりするお金は、家計から使ってますが)夫のパチ代には膨大にお金がかかってるし、ちょっと武士の家計簿、見習うべきです。キッチリすると言うことが大事なんだなぁ…と、改めて思い知らされる。

そして後半は、猪山直之成之親子に焦点をあて、幕末から明治にかけて武士たちがどのように生きたか、武士そのものの行く末はどうなったのかを描いてあります。
算術によって出世した成之はやがて、大村益次郎に認められ、益次郎の死後も海軍にて算術面で活躍するが、結局不幸な晩年を送ったらしい。

小説ではないのに、小説以上にドラマティックな一冊だった。
21:59 : [本・タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(2)

ナニー・マクフィーの魔法のステッキ

B000G7PRV4ナニー・マクフィーの魔法のステッキ
エマ・トンプソン カーク・ジョーンズ コリン・ファース
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2006-09-21

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子供向けの映画でたいしたことがないとたかをくくって見たら、あらら、結構ステキな映画♪
乳母モノなので、メリーポピンズを思い出しますね。
こちらは、母親を一年前に亡くした、ヤンチャでヤンチャで手ごわい子ども7人のお守りにやって来た不思議なナニー・マクフィー。大きな鼻に繋がった眉毛、1本だけ飛び出した大きな歯に毛が生えた大きなイボ。異様に醜い乳母。子どもたちは20人以上も乳母を追い出して自慢にしていたけど、今度ばかりはそうも行かず。ナニー・マクフィーが不思議なステッキをトン!と地面に打つと、不思議な力が作用する。
最初は抵抗していた子どもたちも、その魔法の力には抵抗しきれず、でも、マクフィーの心の温かさにが段々と心を開いて、マクフィーを頼みにしていく。「必要ならいてほしくないと思われてもここにいる。でも、必要でなくなれば、いてほしいと思われてもいなくなる」が信条。
マクフィーとの関わりを通じて、子どもたちや父親が変わって行くのが見所なのだ。そして、変わっていくのは子どもたちだけじゃなくて…?
ラストのなんともいえぬ幸福感は、子供向けの映画だからと敬遠してはもったいないと思わせるに充分。映像もきれい!(ラストね)
見てよかったなぁ♪
子どもたちも可愛いし。オススメです。

★★★★
22:12 : [映画タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(0)

ニューヨーク東8番街の奇跡

B000HT2MSMニューヨーク東8番街の奇跡
マシュー・ロビンス ジェシカ・タンディ ヒューム・クローニン
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2006-11-30

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頂きモノの古いビデオの中にあったので、見てみました。
これと「コクーン」がごっちゃになってたけどこれでハッキリしたぞ。
「コクーン」よりもこっちのほうが好き♪
1987年の古い映画だけど、今見ても面白い。
ジェシカ・タンディは「ドライビングMissデイジー」や「フライド・グリーントマト」で印象深い女優さん。今回はボケてしまった老女を演じていて、その夫と一緒にダイナーを経営しながら、ダイナーがある同じビルに住んでいる。
(夫役のヒューム・クローニンとは「コクーン」でも競演してる、実生活も夫婦だった)
このビルが取り壊しになるというので、住民たちは立ち退きを命じられているのだけど、どこにも行く当てもない彼らは断固として立ち退きに応じない。
そこに、宇宙から謎の生命体がやってきて、彼らに力を貸してくれるというハートウォーミングコメディ。
その謎の生命体は、ちいさな宇宙船のような生命体でこれがユニークで可愛い。なんと出産までしちゃう。力を貸してくれるといっても、壊れたものを直す程度。根本的な解決をしてくれるわけではないのだけどね。だから、地上げ屋の嫌がらせは映画が終る直前まで続く。
物語はその中で住民たちの人間模様を描いているのだけど、それが結構胸にひたひた迫るものがある。
老婆がどうしてボケてしまったのかと言うと、高齢というのもあるだろうが息子を事故でなくしたショックのせいもあるんだろう、地上げ屋の一人を息子と勘違いしてるんだけど、その気持ちを思うとかなりぐっときます。
父親である夫を責める場面など、責める妻責められる夫両方の気持ちに泣けてしまう。
奇跡が起きるラストは、ミエミエなんだけど、それでもオッケー。こう言うラストは心が温かくなるので大歓迎です。

★★★☆
21:55 : [映画タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(0)

ポセイドン

B000FPEMWMポセイドン 特別版
ウォルフガング・ペーターゼン カート・ラッセル ジョシュ・ルーカス
ワーナー・ホーム・ビデオ 2006-10-06

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豪華客船が沈没するまでを描いたパニック巨編です。
30年前の「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイク。
オリジナルのほうが断然いい!と言うコメントを目にしていたので、あんまり期待しないで見たのだけど、それが良かったのかわたしはすごく面白かった。思わず息を止めたり、苦しくなるような緊迫感があってなかなか真剣に見入ってしまった。劇場で見たかったな。

豪華客船、沈没、となるとどうしても「タイタニック」を思い出すけど、ただ沈むまでにジャックとローラの恋愛を描いた「タイタニック」と違い、こちらは沈没から逃れて生きようとするサバイバルな部分に面白みがあり。

まず、主人公がカート・ラッセルということだけど、わたしはディランを演じたジョシュ・ルーカスのほうが良かった。かれは「ステルス」のときよりも数段カッコよかったです。特に≪油が燃え盛る水面に、ホースを持って飛び込んだとき≫に、ハートを鷲づかみにされましたな。うん、カッコよかった。その後もいい役どころで、最初に出てきたときの胡散臭さは何の布石でもなかったのがちょっと拍子抜けするほど(笑)。
娘の彼氏もカッコよかったけど、ディランの前にはまだまだ!って感じ。
カート・ラッセルが≪娘たち恋人を残して、犠牲になるくだりはオリジナルも同じ設定なんだろうか…アルマゲドンに≫似ていました。
それと、≪子どものピンチ、あれはもう良いです。絶対に助かるのが分かってるから≫ハラハラしないんだよね。

感動も目新しさも特にはないけど、最近のパニック映画の中ではかなり面白かったと思う。

★★★★
21:29 : [映画タイトル]は行トラックバック(1)  コメント(4)

メリー・ポピンズ

B00069BLR6メリーポピンズ スペシャル・エディション
ドン・ダグラディ ビル・ウォルシュ ロバート・スティーブンソン
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 2005-01-21

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子どもたちが大好きで、何度も借りてみているけど、一度も英語版で見たことがない。吹き替え版ばかりです。DVDはまだレンタル店に入ってないようで…。見たいなぁ。オリジナル。

とは言え、吹き替え版も良いですよ。バートを山ちゃん、子どもたちのお父さんを永井一郎さん、ちょろっとだけ出てくる警官を、ユパさまこと銭形警部こと納谷悟朗氏が吹き替えしているしね。

ジュリー・アンドリュース若くて可愛いです!

かの有名な「スーパーカリフラジスティックエクスピアリドーシャス」も「チムチム・チェリー」もモチロンいいんですけど、子どもが大好きなのはむしろ、それよりも「一杯の砂糖があるだけで」と言う歌です。それと「乳母の歌」と言うタイトルなのかどうか知らないけど。「ひまし油を飲ませないで」と言う歌詞があるけど、ひまし油ってドンなのだろうか。いつも気になります。「トム・ソーヤーの冒険」や「ピーターパン」にも出てくるよね。よほど不味いらしいけど…。

好きな場面は、バートと一緒に公園でバートの絵の中に入り込んで、アニメとの合成の世界で歌ったりおどったり。ペンギンと一緒にダンスするのがすごく楽しい。バートのダンスがキレがあって好き♪
子どもたちのお母さんがファンキーで面白いのもグッド。

★★★★
21:10 : [映画タイトル]ま行トラックバック(0)  コメント(4)

無痛/久坂部羊

4344011589無痛
久坂部 羊
幻冬舎 2006-04

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為頼英介47歳、町医者。かれは人の持つ病気や症状を外見から、当てることができる(見える)特異な能力を持つ。
あるとき知り合った、精神障害児童の私設で働く臨床心理士の高島奈美子から、施設内の14歳の少女サトミのことで相談を受ける。
それはサトミが、一家4人が惨殺された事件に自分が関わっていると言うものだった。
その奈美子は、元夫から執拗なストーカー行為を受けていた。
一家惨殺事件を追う早瀬は、刑法39条への疑問と必要性の間で揺れていた。
為頼のように「見るちから」がある白神メディカルセンターの白神は、為頼を病院に迎え入れようとしていた。
その白神は、先天性無痛症のイバラを雇い、世話をしていた。
それぞれの物語が繋がる時、事件の結末は…。


面白かったけど、これ、最後まで読めない人って結構いると思う。
あまりにもグロくてえぐいんだもん。
冒頭に、一家4人の殺害現場が事細かに状況説明されてるのだけど、淡々とした描写がグロくて怖い。
今まで読んだ残酷シーンの中でもトップクラスであると思う。
その後も、すっごくえぐい描写があり、グロ好きのわたしもさすがにゲンナリしてしまった。
物語りも、詰め込みすぎの感があったかな。一体何の物語を読んでいるのか分からなくなってしまった。
刑法39条の必要性について、早瀬という刑事がずっと悩んでるのだけど、それが一番この物語の中では読み応えがあった。もうちょっと膨らませてもらっても良かったと思う。
犯罪を犯す人間にたいしての考え方などは、こうやって説かれると納得してしまいそうだけど、差別に繋がる怖い発想では?とも思えた。
どうも極端なんですよね。それが魅力かも知れないけど。

11:53 : [本・タイトル]ま行トラックバック(1)  コメント(0)

赤い指/東野 圭吾

4062135264赤い指
東野 圭吾
講談社 2006-07-25

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妻に頭が上がらない、言いたいことも言えないだけじゃない、自分の親を大事にすることすら禁じられてしまう主人公。それでも、まだ妻には文句も言わない。その家の息子がまたバカ息子で(この親にしてこの子あり…みたいな?)とんでもないことをしでかした!!さあ!親としてはどうする??

冒頭からともかく、この男のダメっぷりにイライラしながら読んだ。イライラしつつも次のページが気になって仕方がないのは東野さんの上手さか。読めば読むほどに、この男のダメダメ度が上がっていく。
妻も相当なもんで、ともかく自己中!小説と分かっていても、その身勝手な発想にはあきれて絶句してしまった。いや、叫びました。何度も。心の中で。「なんですとーーーー???!!!」と。
東野さんが描くミステリーとしては、なんだかな~~~って感じだった。ラストも読めましたね、さすがのわたしも。
しかし、いつもながらほんとに好感の持てる登場人物が少ない。それなのに物語は面白い。これは東野さんの魅力としかいえないですね。

加賀刑事の従兄弟を通して、加賀親子の顛末を見せる手法はグッと来た。最後に「本当のこと」が分かる時、一番よかったなぁ。本編の内容とは別モノなのだけど、練りこみ方が上手いと思いました。

短編を引き伸ばしたみたいだけど、だからかな…軽く一気読み。面白かった!
11:22 : [本・タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(8)

ビッグ・フィッシュ

B000BVVFPMビッグ・フィッシュ コレクターズ・エディション
ダニエル・ウォレス ティム・バートン ユアン・マクレガー
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2005-12-16

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やっと見ました。もう3年ほども前の映画なんだね。なんで今まで見なかったのか…。面白かった!!泣いた!!

ほら吹き男爵のように荒唐無稽な作り話を堂々とみんなに聞かせ(しかも何度も同じ話を繰り返す)他人には受けが良いけど、自分の息子には疎ましがられている父親。その死に際に、息子は「本当のことを話して」と頼むのだけど、父親は相変わらず大法螺を吹くのをやめない。
でも、実はそれは大法螺なんかじゃなくて…。

父親が語る法螺話がすっごく楽しい。息子にとって父親の思い出って言うのが、父親が語る法螺話でしかないので、それを回想として見せてくれるのだが、このあたりがバートン!って言う感じで楽しい楽しい!ウンパルンパも出てくるしね!(笑)ミョ~にデッサンの狂った顔の大男とかもいいねぇ!

だけど、往々にしてこう言うのが「父親」だと息子としてはちょっと…。本とは「妻としてはちょっと」とも言いたいけど、話の中では妻は夫を受け入れてるので、すっごく美しい夫婦愛がサブテーマとして描かれえてて、気持ちがいいのだと思う。

「見るものによって違う姿になる」と言う魚。自分の過去の体験も、人の姿も、言わばその魚のようなもので、見る人によって全然違って感じるのだよね。お父さんには人生は確かに、こういうものだったのだよね。
それを理解できた時、息子は父親に大きなプレゼントをする。
「話が下手」と、言われてきた息子が一世一代の「法螺話」を。なんと言う暖かい法螺話だったか!!!泣けた泣けた…!!

ティム・バートンって、いい話を作りますね。大好き!

★★★★★
11:32 : [映画タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(0)

ヴェロニカ・ゲリン

B0009Q0JZQヴェロニカ・ゲリン 特別版
ジェリー・ブラッカイマー キャロル・ドイル メアリー・アンガスドナヒュー
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 2006-01-25

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麻薬撲滅のために、ペンの力で世間に訴えようとして、麻薬組織の内部を抉り出し、そのために暗殺されてしまった実在の女性記者の物語。

冒頭、主人公への銃撃事件からのフラッシュバック。
銃撃よりもショックなのは、子どもたち(幼児含む)にまで麻薬が蔓延している、そして大人たちが子どもたちを食い物にしてるのが当然の、タブリンって言う町のどうしようもない映像。1990年代ですよ?
取材しようとすると、ラリった調子で少年が「見返りに金をくれ」と言う。でも、お金を渡したら速攻で薬に化けるのが分かってる。
暗澹とする場面は続く。
地域の中には、マフィアたちを排除するための組織を作り、デモ行進をしたりと言う気骨ある人々もいる。でも、そのデモ行進に参加する人数の少ないこと!!衝撃を隠せないヴェロニカは、自分が記事を書くことでこの現状をなんとかしようと思うのだ。
その後の彼女の勇気ある数々の行動。女で、妻で、母でもある彼女がものすごく危険な取材をいくつも体当たりでこなしてゆくのだけど…。

普通なら引いてしまうし怖くてたまらない場所や人への突撃取材、書くことの情熱と記者魂を見せつける彼女に、ただひたすら圧倒されたんだけど…しかし、だんなさんはすごく寛容な人だったのね~。家事も育児も放りっぱなしで、取材に飛び回る彼女に(少しキレかける場面はあるんだけど)おおむね好意的?それとも放置?だってね、普通の夫だったら、脅されようが殴られようが撃たれようが絶対に取材を止めない妻に、平気でいられたはずがないのだけど…。
仕事と家庭の両天秤、色々疑問は湧いたけどね。なんせ子どもがほんの3つぐらいだったので、かわいそうだったって言うのが正直な気持ち。
まさに、麻薬撲滅のために命をささげた女性ジャーナリストだったわけです。
彼女の死で皮肉にも世間は立ち上がる。司法も変わる。彼女の死が、決して無駄にはならなかったことが、救いではあるけど…。誰かが犠牲にならなければ動かない行政や世論に、すこしやりきれなさを覚える。
でもやっぱり感動してしまった。

★★★★
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灰色のピーターパン/石田衣良

4163250301灰色のピーターパン―池袋ウエストゲートパーク〈6〉
石田 衣良
文藝春秋 2006-06

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石田さんは「うつくしい子ども」がイマイチだったので、それ以来まったく読む気にならなかった。こんなに多作で人気ある作家なのになんと2冊目。しかもシリーズものの最新刊。無謀と思ったけど、さて、読んでみれば…あらま、面白いのね。池袋ウェストゲートパークシリーズって。
例によってあさみさんの本を回していただいたのだけど※他の本が目当て※(あさみさん、ありがとうございます♪)この本は「前作を読んでないので」とお返ししようかと思った。でも、ためしにちょっとだけでもと読んでみれば、あれれ?面白いや~ん!!サクサクと読めるので、やっぱ全部読もうと。しかも結構好みの文体だったりして。満足満足。息子が第一巻を持ってるのを本棚にて発見。今度また読んでみようと言う気になりました。

それにしても、奥田さんのユーモア系と言い、石田さんと言い、食わず嫌いはいけないねぇ!

収録作品は
●灰色のピーターパン
●野獣とリユニオン
●駅前無認可ガーデン
●池袋フェニックス計画

各感想は↓にて。


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17:50 : [本・タイトル]は行トラックバック(1)  コメント(2)

闇の底/薬丸 岳

4062135280闇の底
薬丸 岳
講談社 2006-09-08

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うちのブログでも異例の盛り上がりを見せた「天使のナイフ」の薬丸さんの第2冊目。
期待しましたが、正直に言えば前作には及ばない…。平凡な感じがしました。
だけども…。一読の価値あり…かな。ビミョーだけど。前作が良すぎたからなぁ…次に期待かなぁ…でも、確かに光るものがある!!(ナニサマ発言)

+++あらすじ+++

埼玉県警の長瀬、幼い少女が性犯罪の対象となり殺された事件を扱うことになったが、彼自身もまた犯罪被害者の一人であった。
時を同じくして、公園のゴミ箱から凄惨な殺人遺体が発見される。
ふたつの事件は奇妙なつながりを見せる。
殺したもの『サムソン』、そして刑事たち、視点を入れ替えながらやがて事件は劇場型犯罪へと発展してゆく。
犯人『サムソン』とは誰なのか?誰が犯人に辿り着けるのか?


+++感想+++

サクサク読めるけど、「天使のナイフ」の時のように後半に期待したスピード感もなく、特に引きつけられると感じることもなく、平坦な盛り上がりのまま終ってしまった感じ。
ラストの終り方も、なーんかキッパリしてなくて。読後感が悪いと言うか、納得できないと言うか。でも、読者がそう感じるのを著者は狙ったと思う。読者にこの手の犯罪への問題意識を高めるように提言していると感じた。
でも、好みではなかったです。
主人公の刑事、長瀬は過去に犯罪に遭っている。それが本書の一つのキーになっていて、長瀬の過去や心理状態には非常に興味が湧いたし、リアルな設定でひきつけられはしたけど、読者に肩入れさせるほどの魅力や痛みが伝わって来ないように感じた。ひょっとして先日読んだ「心にナイフをしのばせて」と知らないうちに比較していて、迫力負けしていると感じたかも。

ただ、犯人がなぜ犯行を思い至ったかと言うところが…すごく生々しくて怖かった。納得。この本で一番よかったのは「犯人の動機」です。これはちょっと唸らされてしまった。
それと、法治国家における私刑の是非。もちろん私刑はゆるしてはいけないこと。登場する刑事達の苦悩はそれを再認識するだけの説得力があった。



ネタバレ感想↓

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21:04 : [本・タイトル]や行トラックバック(0)  コメント(4)

The MANZAI〈3〉/あさの あつこ

4861763355The MANZAI〈3〉
あさの あつこ
ジャイブ 2006-09

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3巻を読みました。1,2巻の感想はこちら
前巻は学校の文化祭で漫才を披露するまでのすったもんだが面白く、その後夏祭りの特設ステージで漫才をやるという話に発展していき、ふたりがその勇姿を見せてくれるのかと思ったのだけど、いったん足踏み状態。個人的な問題が持ち上がってくる。例の仲間たちで難局を乗り越えられるのか…、という感じでしょうか。相変わらず、登場人物たちの会話が面白い。それだけでも漫才のようです。歩やメグの内面にもスポットをあてて、どんどん彼らが愛しい存在になってゆきます。
でも、少々ストーリーがとまって、すごくスピードダウンしているような気がします。夏祭りは?漫才は?と思うけどそっちのほうは全然進展がない。それが3巻のストーリーなのかも知れないけど。「バッテリー」の後半の時のように、会話ばかりで物語そのものが動かないと言うか。
そこだけがちょっと残念でした。

翔ママちゃんにお借りしました。ありがとうございました。
11:46 : [本・タイトル]さ行トラックバック(0)  コメント(3)

ALWAYS 三丁目の夕日

B000C5PNTGALWAYS 三丁目の夕日 豪華版
西岸良平 山崎貴 吉岡秀隆
バップ 2006-06-09

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夫が、ビッグコミック・オリジナルをもう30年ぐらい読んでます。
わたしも夫と知り合った頃から読んでるので、20年以上になる。
読み始めたときからすでに連載されてた。ロングラン!!
連載は読みつづけるのが面倒になってきたので、あまり読まなくなったんだけど、「三丁目の夕日」はたまに読んでいます。
原作は連作短編漫画で、一話ずつ読みきりです。
これが一つの映画になるなんて、どういうストーリー展開になるんだろうと、すごく不思議な感じがしたし、ちまたの「感動した!」「泣いた!」と言う評判に、逆にちょっと腰が引けてたんだけど…。

原作のレギュラー陣が、映画の中で下町人情溢れるあったかい物語を展開してゆく。鈴木オートの一家3人、売れない作家の茶川と居候の淳之介、飲み屋の美人おかみサユリ。
ものはないけど、活気と明るさ、あたたかさだけは十分すぎるほどあった昭和のよき時代を見事に再現しています。
作りかけの東京タワー、都電が走る街にはまだまだ高層ビルの面影すらなくて、多摩川にかかる鉄橋のうえを煙はいて走るSL。
戦後の傷跡を覆い尽くして、これから発展するぞと言う活気に溢れた街、思えばこの映画の頃が日本人は一番幸福だったのかも知れませんね。

+++++

映画でよかった~と思ったのは子どもたちが可愛かったこと。
鈴木オートの一平君もすごくかわいかったし、茶川さんにもらわれた淳之介くんも、健気で良かった。
とくにクリスマスにプレゼントをもらうくだりがすごく良かった。
そのまえに自分の希望を「何がほしい?」と訊かれ、すごく遠慮しがちに答えていたのだけど、実際にもらったプレゼントは淳之介の本当にほしいものだった!その時の輝く顔!
「どうしてぼくのほしい物がわかったんだろう」と、つぶやく淳之介に教えたかった。
「それをくれた人が、君のことを好きだからだよ。好きな人のことを知りたいと思うのは当然なんだよ」と。(←ちょっとくらもちさん入ってるんですけどね)
もらったほう、あげたほう両方の気持ちにジワーンとしました。

++++++

泣くよ、泣くよと思っていたので逆に心構えが出来ていたのか、わたしとしたことが思ったほどには泣けなかったのは我ながら意外。
原作のほうが好きだと感じたからかな?
それとも、わたしには物語が美しすぎて毒が足りなかったかな?(笑)

でも、映画もとってもよかったです。オススメです。


★★★★
21:50 : [映画タイトル]英数トラックバック(0)  コメント(4)

生首に聞いてみろ/法月綸太郎

4048734741生首に聞いてみろ
法月 綸太郎
角川書店 2004-09

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「ほうげつ」綸太郎、だと思っていました^^;。
「のりづき」さんだったのね。しかも、作中人物(主人公)と著者が同じ人なんですね。新鮮でした。
もちろん初読み!!kigiさんにお借りしました。ありがとうございました♪


雑誌のライターをしている主人公の法月綸太郎は、昔馴染みのカメラマン田代周平から写真展の誘いを受ける。その写真展で、田代のファンだと言う川島江知佳と知り合うが、彼女は綸太郎の知り合いの翻訳家、川島敦志の姪だった。
江知佳は高名な彫刻家、川島伊作の娘であり、伊作の石膏像のモデルになっている。そんな話の最中に伊作が倒れたと知らせが入る。伊作が倒れた現場にあった江知佳をモデルにした石膏像は、首がなくなっていたのだ。誰が何のために、首を切り取ったのか?
そして事件は起きた。江知佳が行方不明になったのだ。江知佳の失踪と、石膏像の首がなくなっていることとの関連は???


+++++++++++++++++


登場人物の相関が結構ややこしいかも。登場人物は少ないのだけど、中身の濃い相関を展開していて、最初のうちはメモをとりながら読みました(笑)。
事件が起きて、盛り上がるまでがちょっと長い。はやく事件が起きないかな~と、不謹慎なことを考えてしまった(笑)。
事件そのものは、残酷シーンに慣れきってる読者にはたいした衝撃はないけど、同時期に読んだ他の作品との類似点にちょっとビックリ。(読んだのは「心にナイフをしのばせて 感想こちら」)
なかなか進展しない捜査にイライラするが、こつこつ積み重ねるタイプの主人公の推理に、読者も徐々に巻き込まれるようにして読ませられる。だんだんと真相に近づく様子は読み応えがありワクワクした。
犯人がわかってみれば、今までまんべんなく張り巡らされた伏線の数々に思い至り、アレはそう言うことか、と言う発見の連続で、気持ちよく騙された感じの清々しさを覚える。
特に犯人は(またしても)全然分からなかったので、ビックリさせられた。犯人と言うか犯人が行った「工作」に驚かされた。
ラスト、皮肉な巡り合わせに愕然とする川島の慟哭が辛い。

でも、どうしても言いたくなる。
そんな迂遠な手を使わず、さっさと自首と言う形で真相を告白すればよかったのに」と。ゴメンなさい!!(笑)
でも、面白かったです!!
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心にナイフをしのばせて/奥野修司

4163683607心にナイフをしのばせて
奥野 修司
文藝春秋 2006-08

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1969年、就学して間もない男子生徒が同級生に殺される。
無残にも首を切り落とされて…。
神戸の「酒鬼薔薇事件」よりも28年前に、よく似た事件が起きていたのだ。
本作は、その被害者側の姿を追ったルポルタージュ。

読めば、被害者側がどんなに苦しみながらその後の約30年を生きてこられたかが分かる。時には同じような文章が続く淡々とした描写、それはとりもなおさずその地獄から抜けられずに苦しんできたと言う事実を浮き彫りにする。

睡眠薬を常用し、殆どを寝て過ごしたお母さん、寡黙にもただひたすら堪えるだけのお父さん、殺伐とした生き地獄のような家庭で「わたしが死んだほうが良かったのだ」と思いながら生きてきた妹。(おかあさんは妹の世話すら放棄した)
その苦しみは一見徐々に薄れ、普通の社会生活ができるまでには回復するかに見える。だけど、決して、癒されてはいないのだ。
この一家に、その事件が及ぼした影響のあまりにも大きさに、読者は押し潰されそうなほど重みを感じます。

殆ど一冊、被害者家族の取材で費やされ、加害者のことはチラッとしか出てこないのがちょっと物足りない。

しかしここで明らかになった、加害者はと言うと…。
情報は少ないけど、すごいインパクトです。


少年法と言うものに守られ、厚生施設を出た後は姓も変え誰だか分からぬようにその後を生きて、なんと弁護士となり名誉ある暮らしをしていると言う。
被害者家族には、示談にて決められた700万円ほどの金額の、ほんの数パーセントの40万ほどの金額が支払われただけで、あとは知らん振りをする加害者家族。
お金の問題じゃない、もらっても手もつけたくない、と思う気持ちと、誠意を見せて謝罪してほしいという気持ちに苛まれる被害者家族。

そんな被害者のお母さんに、弁護士となった少年Aがぶつける言葉がすごい。

「お金が必要なんですか
少しぐらいだったら貸すよ
印鑑証明と実印を用意してくれ
50万円ぐらいなら準備できる
今は忙しいから一週間あとで…」

「謝ってください、一度も謝ってくれてない」
というお母さんに
「なんでおれが謝るんだ」
と言い放つ少年A。



言葉もない。
それが正しい司法のあり方でしょうか?
罪を償い、更正することは大事だし、すばらしいことだけど、苦しみからいつまでも(多分死ぬまで)逃れられない被害者側にたいして、これほど「のうのうと」と言う言葉が似合う生もないのではないかと思えてしまう。

犯罪加害者の更正にかける年間支出は466億円。
かたや被害者のための予算は11億円。

なんか間違ってる…と思わずにいられなかった。




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がばいばあちゃんの幸せのトランク/島田洋七

4198923612がばいばあちゃんの幸せのトランク
島田 洋七
徳間書店 2006-01

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結婚はね、ひとつのトランクをふたりで引っ張っていくようなもの。その中に、幸せとか、苦労とか、いっぱい入ってるの。絶対、最後までふたりで運ばんといかんよ。ひとりが手を離したら、重くて運ばれん。



がばいばあちゃんのシリーズ、第3弾です!!
やっぱり泣けた~。
今度は、昭広少年が大人になり、挫折を味わいながらもりっちゃんという生涯の伴侶を得て、漫才師B&Bとして成功し、やはり挫折したりを繰り返して現在にいたるまでを描いてある。
がばいばあちゃんの登場シーンはそうは多くないんだけど、その存在感は健在で、要所要所で洋七氏に与えるがばいばあちゃんならではの助言が、なんともあたたかく胸をついてきてじわーんと、ほろほろっと泣けてしまうのだ。
「昭広、わたしに謝ることはない、自分で決めたのだから頑張れ」と、どんなときでも絶対に昭広を否定せず、全面的に受け入れて応援したり。


泣かされただけではなく、さすがに一世を風靡した漫才師だけあって、洋七氏の文章に笑わされもした。
洋七氏と律子夫人がはじめて上京した時の話…初めての都会にちょっとしたパニックになる様子や、東京で自分たちの方言が通じないと思い込んで四苦八苦する様子など、おかしくておかしくて!
また、吉本の門をたたきその世界に入ってからのくだりでは、師匠の島田洋之助に弟子入りして、間寛平ちゃんと仲良くなり、ビートたけしと遊びまわりと、芸人さんたちのビッグネームがバンバン出てきて楽しい。
まさに無一文からスターダムにのし上がるサクセスストーリー的なワクワク感と、その後の暗転、そしてそこからまた自分らしさを取り戻すまでが、時にはスピーディに時にはしみじみと綴られている。


個人的には、途中で登場するがばいばあちゃんの手紙に一番泣けたかな。
この手紙だけでも、(ってことは決してないのだけど)一読の価値あり。

オススメです!
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佐賀のがばいばあちゃん
がばいばあちゃんの笑顔で生きんしゃい!

映画:佐賀のがばいばあちゃん
漫画:佐賀のがばいばあちゃん
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