【本】ランチのアッコちゃん/柚木麻子

4575238198ランチのアッコちゃん
柚木 麻子
双葉社 2013-04-17

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内容紹介
屈託を抱えるOLの三智子。彼女のランチタイムは一週間、有能な上司「アッコ女史」の指令のもとに置かれた。
大手町までジョギングで行き、移動販売車の弁当を買ったり、美味しいカレー屋を急遽手伝うことになったり。
そのうち、なんだか元気が湧いている自分に気付いて……。
表題作ほか、前向きで軽妙洒脱、料理の描写でヨダレが出そうになる、読んでおいしい短編集。
(Amazon紹介文)

「ひみつのアッコちゃん」みたいなイメージで読み始めたら、全然違う長身で男勝りのアッコちゃん。アッコちゃん違いです(^_^;)
元気をなくした主人公が、アッコちゃんの用意したランチのおかげで、元気を取り戻していく物語。それどころか、しっかりと自立して成長していく姿が清々しくて応援したくなるし、こちらも元気になった気分。
そのパワーが魔法のようで、やっぱり「ひみつのアッコちゃん」みたいな気がした。こんな人が身近にいて、自分を我知らず慮っていてくれて、あまつさえ元気になるヒントをくれるなんて・・。
だれかに思われていることで、孤独で寂しかった主人公の気持ちが癒されていく。人はだれかと繫がってて、元気に生きていかれるんだろうな・・と感じさせてくれる。
4つの短編からなる一冊で、後半の2編は美智子とアッコちゃんは、脇役として少ししか登場しないのが寂しい限り。もっとアッコちゃんと美智子の物語も読みたかった。
ちなみに、表紙の弁当がまた庶民的なのがいい(笑)イマドキのキャラ弁みたいな凝った弁当じゃなく、私が普段作るような弁当だもん(^_^;)。なんせ、インゲンをブロッコリーに替えたら私が作ったのとうりふたつ・・っていうのが親近感を誘ったわ(笑)
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【本】連続殺人鬼カエル男/中山七里

4796680896連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)
中山 七里
宝島社 2011-02-04

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「切り裂きジャックの告白」に登場する古手川刑事がとってもよかったので、その前編にあたるこちらを読んでみました。「切り裂きジャック」も相当グロいのですが、こっちはもっとグロかったかも・・(^_^;)。
夏の暑いとき、ぞっとして、ひんやり効果があるかもしれません・・・(^_^;)。

あらすじ・ネタバレです。未読の方ご注意です。











カエル男、というのは、犯人が残した犯行声明文からいつの間にか世間が命名したニックネームだ。
その手口はあまりにも残忍で、想像するだけでもおぞましい。
捜査に当たる古手川刑事は、過去に殺人を犯した人間を調べるうちに、ピアノの教師で音楽療法士の有働さゆりと出会う。それによって自分も音楽の素晴らしさを知る。
有働のところにピアノを習いに来る勝雄は、過去に幼女を殺した犯歴があった。
しかし、カナー症候群と言う自閉症のため、不起訴→措置入院→保護観察となり、いまさゆりがその保護司を務めている。古手川は有働の一人息子、真人とも懇意になっていく。
そんな時、真人がカエル男に殺されてしまう。
犯人はいったい誰で、被害者たちにはどんなつながりがあるのか。
平行して語られる、ナツオという少年視点の物語。彼は実の父親から性的虐待を受けている。
父親への強い恐怖心から、それを乗り越えるために、自分こそが恐怖になるのだと決意するナツオ。最初は小動物の殺害から、やがて近所の小さい女の子を手にかけてしまうのだった。
彼の数年後が勝雄なのか?

物語の核には思わぬ登場人物がいて、何層にも入り組んだ犯罪となっていた。
何度も翻る「結論」で、読者は翻弄されてしまう。
本当の結末は意外だったし、また、そこにもオチがついていて、とてもよく出来たミステリーだと思った。
刑法39条のこと、音楽療法のこと、古手川の過去、色々と盛り込まれていたけれど上手く絡み合い、散漫にならなかった。



結末↓









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【本】ロスト・ケア/葉真中顕

4334928749ロスト・ケア
葉真中 顕(はまなか・ あき)
光文社 2013-02-16

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戦後未曾有の大量殺人事件の真相に迫る問題作。

冒頭裁判にかけられている「彼」。43人もの命を奪ったと言う罪で。
寝たきりの老人を殺して回った殺人鬼。
その真相は・・・。

ミステリーには違いが無いけれど、書かれている内容はあまりにもシビアでヘヴィ。
ただのミステリーとかフィクションとかでは済まされない切実な内容だった。
私にはまだ介護が必要な肉親がないので、たぶんピンとは来ていないんだろう。
でも、そんな私にも、この先確実に訪れるだろう「未来」がありありと目に浮かぶように描かれていたと思う
人類史上類を見ない老人大国となる日本、そこで老人たちはどのように老いて行き、どのように死んでいくんだろうか。医療が発達して、命だけは長々と永らえることが出来る今・・。そして介護をする側は、見取る側は?
介護保険の導入によって介護がビジネスになり、ビジネスになった以上は、利益や効率が優先させられてしまう。
ときには命よりも・・。そんな中で人は幸せに老後を生きられるんだろうか?
介護に疲れ果てた登場人物の一人は言う。「人が死なないなんて、こんな絶望的なことは無い」と。

本書では、舞台となる介護施設が介護報酬の水増し請求や、事業所指定の不正取得などを摘発される。
不正という字面から浮かぶような悪行が行われているわけではない、と言うことが本書を読んではじめて分かった。そうしなければならない内幕というのが確かにある。
なんといっても現場は過酷だ。
理想を追いながらも、現場の状況に我慢できずにやめてしまう介護士がいたり、使命感などから続けていても、限界ぎりぎりの介護士がいたり・・本当に介護の現場は、過程でも施設でも過酷だ。
読みながらとても陰鬱になってしまった。
そんな中で「彼」は、淡々と殺人を続けていく。
40人以上を殺しても、それは発覚しない。「彼」は確信を持って殺して回っているのだ。

それに気づくのは、自身も親を介護施設に預けている検事。
この検事たちはどうやって、犯行に気づいていくのか。
そこもまた見所の一つ。
データをコンピューターで分析して、やがて、犯人像を結んでいくのだけど、その過程がすごい。
たかがデータとか、たかが数字と思う。しかし、こんなにもはっきりとさせることが出来るんだ、と驚きつつ寒心してしまった。

そして、犯人はやがて逮捕される。
しかし、それで物語が終わるわけではない。物語は永遠に問題を提起し続けるのだ。


介護すること、見取ること、介護保険の落とし穴、介護ビジネスの裏側、安楽死と尊厳死など、色々な現代の日本の抱える問題が描かれていて、考えさせられてしまった。

登場人物の一人が発する言葉がある。「迷惑かけていいですよ」。

絆は「ほだす」と言う意味合いもある。
縛り付けると言う意味を含む。
「きずな」と言うほど聞こえが良くない意味が含まれている言葉なのだ。
でも、ひとは一人では生きられない。つながりなくして生きられない。
世の中に、人に迷惑をかけずに生きている人なんていないのだ。
迷惑をかけることを恐れすぎるより、迷惑をかけたりかけられたりしながら、それが無理なく自然につながりながら生きていける世の中であって欲しい。




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【本】路(ルウ)/吉田修一

4163817905路(ルウ)
吉田 修一
文藝春秋 2012-11-21

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台湾に、日本の新幹線を走らせるというプロジェクトを軸に、それに関わる人間達のドラマを描いた作品。
7年間の長期にわたる物語で、特に大きな事件が起きるわけでもなく、淡々としたドラマだった。
主人公の春香は学生時代に台湾へ旅行をして、エリックと言う名前の青年に出会う。
彼とはほんのひと時を過ごしただけだけれど、それが忘れられずに、結局のことろ台湾で新幹線プロジェクトに関わっている。
また、定年後に妻を亡くし寂しく暮らしている葉山と言う老人は、台湾生まれの引揚者。
台湾には、胸がちくりと痛む思い出を持っている。
台湾青年の陳は、フリーターだが幼なじみの美青が未婚の母となり、気にかかっている。
こんな風にいろんな人たちのドラマが交錯する。
実は内容をちらりと聞き真山仁「ベイジン」みたいな企業サスペンスかと思って読んだので、ちょっと拍子抜けしてしまった。
プロジェクトに多少の困難はあれど、まぁまぁ順調に(国民性の違いから、やっぱり順調と言うのは妥当ではないだろうけれど)プロジェクトも進み、物語自体に大きな起伏はない。
春香とエリックの物語にしても、(最初は陳がエリックなのかと思った)もうちょっと丹念に描いてあれば素敵なラブストーリーになりえただろうけれど、群像劇の中ではインパクトも弱かったかなと思えた。
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【本】64/横山秀夫

416381840564(ロクヨン)
横山 秀夫
文藝春秋 2012-10-26

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横山さんの本って久しぶりに読みました。
半分ほど読んでるようだけど「クライマーズハイ」と「出口のない海」が断然良かった記憶がありますが、この「64」はそれらに並ぶ名作と思います。
最初はとてもとっつきとっつきにくい感じがしたんだけど・・。

舞台はD県の県警察。
主人公の三上は、8ヶ月前に人事異動で刑事部から刑務部所属の広報に移動してきた。
不本意な人事に納得できず、「2年で刑事部に戻る」と強い意志を持っている。
三上が最初に手がけたのは、広報室の改革だった。めざすは広報室を「自治」。
しかし、三上の一人娘が家出をしてしまい、捜索に警察の力を借りた三上は牙を抜かれてしまったも同然。
事件記者との交渉も広報室の自治とは行かず、ひたすら警察上部の意向に沿ったものになってしまうのだった。
そんなとき、警察庁長官がD県に視察に来るので、段取りをつけるように言い渡される。
警察庁長官の目的は、ロクヨンの時効を一年後に控えて、ロクヨン事件の被害者家族への面会。
ロクヨンとは、14年前の昭和64年に起きた、少女誘拐・殺人事件だった。
三上はその視察訪問に疑惑を持つ。
はたして、隠された本当の目的とは・・・。


三上の娘の家出、そして無言電話。三上夫婦にとっては娘からの電話としか思えない。
時を同じくして、とある交通事故の匿名報道に揺れる広報部。上部からは匿名で推し進めるように言われるし、記者たちからは加害者名の開示を迫られるのだ。
ロクヨンの時効まで1年。被害者の父親はかたくなに心を閉ざし、警察庁長官の訪問を拒む。
ロクヨンのことを調べると出るわ出るわ、不可解なことが出てきて三上の刑事根性をくすぐる。
三上は刑事部に戻りたいけれど、一度刑務の仕事をすれば、刑事部からはスパイごとき扱いを受ける。刑務の、影の人事権を持つといわれる二渡と三上には浅からぬ因縁がある。

最初は戸惑ってしまった。
64と言う事件の真相を探るミステリー?・・・ではない。
警察内部のパワーバランスと確執を描く警察小説?・・・と言うのも違う。
娘の家出を含む三上の家庭の問題や、記者達との報道協定をめぐる激しいバトル、ともかくいろんな要素がてんこ盛りで、私には掴み所がないというか、何を軸に読めばいいのか良くわからいまま読みすすめた。

ところがところが・・・・・・。
後半。
怒涛の展開が待ち受けていた。
今まで混沌としていた世界が急に開ける感じ。

混沌が徐々に収まってくると、ひたすら興奮した。

ロクヨンを絡めた現在の事件。
ただでさえ緊迫感あふれる事件の渦中で、怒号が飛び交い嵐のようになる記者会見が余計に緊迫感を増す。
そこにかかわる記者達との攻防。そして「ウチの記者達」の気持ち。
泣かされた。
徐々に増す広報室内の連帯感、そして徐々に変わっていく三上の気持ち。
刑務と刑事の間で揺れ動きながらも自分の立場を明確にしていく部分にとても読み応えを感じた。
何もかも、目を離せない展開で、ページをめくる手が止まらない。

相変わらず会話も文体もタイトだから、すらーっと読んでしまうと意味を汲み取れない。
読み逃さないように気をつけてじっくりと読む。
ああ、そうだったのか。あれもこれも・・ここに帰結するのか、と言う驚き。
ミステリーだった。やっぱりミステリーだった。それも思いっきり重厚な。しびれた。

「事件」の真実にまた泣かされ、「犯人」の思惑に頭が下がる気持ちがした。
やがて出した三上の「結論」も感動した。

最初はとっつきにくかったし、宮部さんの「ソロモンの偽証」を抜いての1位に首をかしげたのだけれど、読み終えてみれば、読みづらいと感じた分、難所を攻略した達成感と充足感が大きかった。
余韻を引くのでまた読み返したくなる物語。
このミス1位も頷ける。

面白かった!!
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【本】ラバーソウル/井上夢人

4062177137ラバー・ソウル
井上 夢人
講談社 2012-06-02

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内容(「BOOK」データベースより)
洋楽専門誌にビートルズの評論を書くことだけが、社会との繋がりだった鈴木誠。女性など無縁だった男が、美しいモデルに心を奪われた。偶然の積み重なりは、鈴木の車の助手席に、美縞絵里を座らせる。

これから読む人は、なるべく、余計な情報を仕入れずに読まれることをおススメします。
これから書く私の感想は、ネタバレになります。
くれぐれもご注意ください。






























主人公は鈴木誠という、いわば「異形」の青年だ。病気によって顔かたちが変わったらしく、一目見た相手は固まってしまうほど。自分を「メドゥーサ」と自嘲する。声帯や舌にも以上があるらしく、喋り声も相手に不快感を与えずにおれないという。
何の病気か書かれてないけれど、このあたりで非常に不快になる。
それはたぶん、鈴木誠を「差別」「嫌悪」する以外の選択肢が読者に無いからだろう。
物語は、モデルの絵里と出会い、一方的に愛してしまいストーカーとなった挙句、絵里の周囲の男たちを惨殺していく、それを独白や供述調書のような形で、本人鈴木誠、モデルの絵里、鈴木のお抱え運転手の金山、モデル事務所の人間や、鈴木誠が寄稿していた音楽雑誌の編集長などの視点で描くのだ。
鈴木誠自身の独白や供述(では無いのだけど)だから、犯行は疑いようも無く、見た目も悪いそうだけど内面も悪いこの男に、結局はとても嫌悪感が沸いてしまう。

それと、すべてはすでに起きた話に対する回想らしいのだけど、核心に迫るまでが長いので、中盤かなりだれてしまった。

そしてラスト。
意外な結末がまっている。
見事に騙されたのだけれど、なぜか爽快感が無い。
たしかに、「やられた!」と思うのだけど、その結末はあまりにも切ない。そして、ずっと、書かれていることをただ信じた自分にも、なんだかガッカリしてしまうのだ。切なくて、申し訳ない気分になった。だから、爽快でもないし、良かったとも思えない。
やるせない・・・・そんな言葉がぴったりなのじゃないかな。
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【本】レアケース/大門剛明

4569803555レアケース
大門 剛明
PHP研究所 2012-08-07

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内容紹介
近年、何かと話題の「生活保護制度」の矛盾を突く問題作!
生活保護者を担当するケースワーカーとして、大津市役所に勤める石坂壮馬。彼は、生活保護をもらうだけでいっこうに自立しようとしない者や、仮病などで保護費を詐取しようとする者、そして被保護者を食い物にする「貧困ビジネス」の存在に、生活保護制度の矛盾を強く感じていた。そんな中、大津市内では、あくどく稼いでいると評判の者から盗みを働き、貧しい人々に金を配る「現代のねずみ小僧」が話題になっていた。社会のセーフティネットとしては、自分の仕事より、ねずみ小僧の働きの方が有効なのか――ねずみ小僧に複雑な思いを抱く壮馬だったが、ある日、彼の担当する被保護者が殺される事件が起こり……。
殺人事件の意外な真相とは? そしてねずみ小僧の意外な正体とは? 「横溝正史ミステリ大賞」受賞でデビューした社会派の気鋭が格差社会の闇に迫る、二転三転する衝撃のミステリ。
(Amazon 紹介ページより)


めずらしくAmazonでも詳しい内容紹介がしてあって、転載させていただきました(^_^;)。
そう、とてもタイムリーな話題なのだ。
読み始めて、そういうテーマに触れていると思うと、読者として期待するのは「いったいどう言う輩が、どう言う方法で生活保護費を不正受給しているのか?」という問題と「本当に生活保護が必要な人間にどういう形で影響が及んでいるのか?」そして「我ら納税者にどのように関わってくるか」ということじゃないかと思う。(私だけの疑問だったらゴメンナサイ)
でも、本書は、現代のねずみ小僧という人物の登場で、話がそちらに逸れ気味というか、そちらが物語のメインなので(誰がねずみ小僧なのか、主人公にかぶせられた容疑は晴れるのか)読んでて期待とはちょっと違うという感じがしてしまった。勝手に期待しておいて申し訳ない限りなのですが…(^_^;)。
ただ、主人公荘馬の仕事内容の描写で、ケースワーカーの実態というものが良くわかって、大変だなぁ!と頭が下がった。お仕事薀蓄としては興味深く読めた。
しかしこれ、ひょっとしたら「黒い家」みたいな恐ろしい物語にもなり得た気がして、少し残念。
でも、大門さんには期待して、次作も追っかけますよ!(もういいよって言われそう)
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【本】ロスジェネの逆襲/池井戸潤

4478020507ロスジェネの逆襲
池井戸 潤
ダイヤモンド社 2012-06-29

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内容(「BOOK」データベースより)
ときは2004年。銀行の系列子会社東京セントラル証券の業績は鳴かず飛ばず。そこにIT企業の雄、電脳雑伎集団社長から、ライバルの東京スパイラルを買収したいと相談を受ける。アドバイザーの座に就けば、巨額の手数料が転がり込んでくるビッグチャンスだ。ところが、そこに親会社である東京中央銀行から理不尽な横槍が入る。責任を問われて窮地に陥った主人公の半沢直樹は、部下の森山雅弘とともに、周囲をアッといわせる秘策に出た―。胸のすくエンタテイメント企業小説。

これの前に読んだ「ルーズベルトゲーム」がちょっと物足りなかったけど、こちらはとても面白かった!
池井戸さんの作風として、やっぱりなんとなく結末は予想できるんだけど、その過程が読ませる!
主人公の半沢はバブル世代。とても男気があふれて頼もしい人物で、彼についていこうとする氷河期世代の森山も誠実でよい。
私は、金融モノが苦手なので、このバブルシリーズ?は読まなかったけど、とても読みやすくて分かりやすかった。シリーズ最初からまた読みたい。
10:47 : [本・タイトル]ら行トラックバック(1)  コメント(0)

【本】ルーズヴェルト・ゲーム/池井戸 潤

406217376Xルーズヴェルト・ゲーム
池井戸 潤
講談社 2012-02-22

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内容説明(Amazon商品紹介ページより)
中堅メーカー・青島製作所の野球部はかつては名門と呼ばれたが、ここのところすっかり成績低迷中。会社の経営が傾き、リストラの敢行、監督の交代、廃部の危機・・・・・・。野球部の存続をめぐって、社長の細川や幹部たちが苦悩するなか、青島製作所の開発力と技術力に目をつけたライバル企業・ミツワ電器が「合併」を提案してくる。
青島製作所は、そして野球部は、この難局をどう乗り切るのか?
負けられない勝負に挑む男たちの感動の物語。


面白かったけど。あえて言うとマンネリ感があったかな。
舞台が中小企業、大企業に汚い手で追い込まれ、銀行から融資が受けられず背水の陣。会社には職人気質で融通が利かないけど実直な社員がいて・・みたいな。
今回はそこに社運を象徴する野球部があるという。。。そこがちょっとプラスアルファ??
この作品を最初に読んだらきっとすごく面白く感じたと思うけど「空飛ぶタイヤ」「鉄の骨」「下町ロケット」と来たら(それ以外も多少読んでいますが)またか・・みたいな(^_^;)。
とはいえ各所に感動のポイントがありジーンとさせられもした。
うまい作家さんだけに今後もっと新鮮な感動を期待したい。辛口でゴメンナサイ。
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【本】ローラ・フェイとの最後の会話/トマス・H・クック

4150018529ローラ・フェイとの最後の会話 (ハヤカワ・ミステリ 1852)
トマス・H・クック Thomas H. Cook
早川書房 2011-10-07

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公演のためにセントルイスを訪れた歴史学者ルーク。しかし会場には、再会するとは夢にも思わなかった人物が待ち受けていた。その名はローラ・フェイ・ギルロイ。20年前、遠い故郷でルークの家族に起きた悲劇のきっかけとなった女性だ。なぜ今会いに来たのか?
ルークは疑念を抱きつつも、彼女とホテルのラウンジで話すことにした。だが、酒のグラス越しに交わされた会話は、ルークの現在を揺り動かし、過去さえも覆していく。謎めいたローラ・フェイの言葉が導く驚愕の真実とは?
巨匠の新たなる代表作。
(本書裏表紙紹介文より)

「記憶シリーズ」じゃないようだけど、読んだ感じでは記憶シリーズみたいな印象を受ける。
いったいこの二人に何があったのか?それが知りたくてただただ読み進める。
そのうちに事件の真相だけじゃなく、ルークの故郷や家族への感情なども浮き彫りになる。
小さいみすぼらしい町から、どうしても出て行きたかったルーク。若いときには大事なものが分からなくて、それどころか遠ざけようとして必死になる・・。そして後悔する・・。それは故郷や父親。恥じたり嫌ったり。
ローラとの対話で、ルークが自分の内面をじっくりと見つめることが出来て、孤独にも終止符を打つという、読後感の良い作品となっていて最後はジワリと泣けてしまった。
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