ノーモア ヒロシマ・ナガサキ

4820519409原爆写真 ノーモア ヒロシマ・ナガサキ 【日英2カ国語表記】
清水 博義 黒古 一夫
日本図書センター 2005-03-18

by G-Tools


先日、テレビドラマ「はだしのゲン」を見ていて、娘(中一)が原爆ドームに行きたいと言い出しました。図書館に行った時「原爆の写真を見たい」と言うので、これを借りました。

悲惨です。
惨すぎる。

今ちょうどわたしは音羽の幼女殺害事件のルポを読んでおりまして。(相変わらずこんな本を読んでます・・)
山田みつ子にどんな事情があれ、たった2歳の子どもの首を絞めて殺すという行為に、「どうしてそんなことを・・・!」と、絶句する思いです。かけがえのない命、しかも可愛い盛りのその命を奪う権利は誰にもないはず。

「戦争」で、奪われた命にも同じ事が言えるのです。
戦争だから命を奪ったり、奪われたり・・・お互い様でしょうか?
原子爆弾の場合「落とせば何万人もが死ぬ」「その中には赤ちゃんだっている」と、わかってるのに・・・それでも、原爆を落とさねばならなかったのですか。
戦争だから・・・で、済まされてしまってはいけないです。

「わ、痛そう」「わ、怖い〜」「かわいそう」と言う語彙でしか語れないけど、娘もしっかりとその残酷さを感じてくれたみたい。

写真自体もインパクトがあるけど、泣けるのは峠三吉さんの「にんげんをかえせ」や山田かんさんの「人間が人間を、武器持つものはもたないものを」という「武器」、原民喜さんの「コレガ人間ナノデス」、中川美苗さんの「学徒」などの詩。あるいは写真に添えられたコメントらが、胸をえぐるように訴えかけます。

どんな場合も人が人を殺していいわけない。
そんな当たり前のことを痛切に感じています。
21:48 : [本・タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(2)

日本残酷死刑史/森川哲郎(平沢武彦編)

日本残酷死刑史―生埋め・火あぶり・磔・獄門・絞首刑
日本残酷死刑史―生埋め・火あぶり・磔・獄門・絞首刑森川 哲郎 平沢 武彦

日本文芸社 2001-06
売り上げランキング : 406944

おすすめ平均 star
star日本の死刑制度史がよくわかる

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



この本は「尊敬する戦国武将は織田信長」とか言ってる人に是非とも読んでもらいたい。どれだけ彼ら(家康にしろ秀吉にしろ)残酷な一面を持っているか、よく分かり勉強になります。たしかに偉大な面もあるに違いない。だけど、偉大な面があるからといって見過ごしに出来ないほどの残酷な所業の数々。信長の場合比叡山や長島の一向一揆の焼き討ちなど、わりと知られていると思うのだけど(それでも「尊敬する」って言う人がいるので解せない。個人の自由だと言えばそうなんだけど)秀吉や家康、武田信玄などの残酷物語も書いてあって興味深かったです。特に家康の場合構成の歴史書などでは神格化され、負の部分は公文書から削除されてしまったとか。
人間の命が犬一匹、花一本よりも軽い時代があったとおもうと、処刑の歴史は人権の歴史とも言えそうです。
その昔、薬子の乱で藤原仲成が処刑されてから平清盛が保元の乱にて自分の一族でもある平忠正など敵方(崇徳上皇方)を処刑するまで、
350年もの間、政府による死刑は実質上行われていなかった・・・と言う話や、江戸時代の歴史に名を残す切腹の美学やら、歴史上の有名な処刑の数々など、ウンチク部分がとっても興味深く読めて、なおかつ人間の命や人権も考えさせられる、なかなか有意義な一冊でした。
タイトルは残酷で、たしかに残酷な処刑の方法や様子なども書かれていますが、基本的には「死刑反対」の書。そういう誘導になっているから、と言うだけではなくこの手の「残酷拷問処刑モノ」を読むと、死刑はたしかに野蛮な拷問の延長上にあるような感じを受け、死刑反対に思いは傾きます。たしかに、明らかに許しがたい殺人者などもいてそういう人を死刑にするのは当然!って言う気持ちもどこかにはあるし、自分がその被害者の近しい人間だった時の事を思うと、大きな声で「死刑反対」って言えない。しかも、最近死刑を避けるため(だけではなく、刑を軽くしようとして)にあの手この手のいい訳合戦みたいなのが繰り広げられているのを見ると、いくらそれが「死刑廃止」というヒューマニズム思想からの行為であっても、どっか間違ってるとしか思えない場合もあります。特に山口県の母子殺人事件とか。法、刑法はいったい誰のためにあるのか、よく考えたい所です。
12:46 : [本・タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(0)

名もなき毒/宮部 みゆき

4344012143名もなき毒
宮部 みゆき
幻冬舎 2006-08

by G-Tools


社長の庶子(になるのかな?)の娘と結婚して、元いた出版社から引き抜きの形で義父(社長)の会社の広報部に配属された杉村がにわか私立探偵になるシリーズ第2弾。
今回は、自分の部署にいたアルバイトの女性原田いずみの迷惑行為がもとで、ある殺人事件の被害者の家族と知りあい、その事件に介入して行きます。

残念ながら前回の「誰か」のほうが面白かった。シリーズにするにはちょっと主人公はじめ人物の魅力が乏しいと思う。
最初にハウスシック症候群など登場し「毒」は身近にあるものだという抽象的な示唆を含めながら、人間の心の中の「毒」を表現したかったと思う。けど、一番物語の中で「毒々しい」のは元アルバイトの原田いずみではなかったか。しかし彼女のいったい何がそこまでエキセントリックに毒を撒き散らす原因となったか、たしかに彼女のやることなす事がスキャンダラスで面白いと言えば言えたのだけど、原因もなしにその行動だけが取りざたされては後に残るのはただ空虚な後味の悪さだけでは?
肝心の冒頭の無差別殺人のオチの付け方もあまりにあっけなく、納得も出来なければ説得力もない。何にもまして「原田いずみ」「シックハウス症候群」「無差別殺人」のどれもが上手く絡み合ってなかったのが残念。最後までは読めたけど宮部さんにしては面白みに欠けたなぁと思わざるを得ませんでした。
辛口でゴメンなさい(^_^;)
10:22 : [本・タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(1)

夏草の賦/司馬遼太郎

4167663198夏草の賦 [新装版] 上
司馬 遼太郎
文藝春秋 2005-09-02

by G-Tools

4167663201夏草の賦 [新装版] 下
司馬 遼太郎
文藝春秋 2005-09-02

by G-Tools


戦国期の長曾我部元親の一生を描いた作品です。
四国の土佐に生まれた元親は、信長がやがては天下を取るのでは、といち早く気付いた堺商人宍喰屋の言葉から、織田家に近い所と姻戚関係になりたいと考えた。それで織田家の侍である斉藤内蔵介の妹、菜々をはるばる遠方から娶る。
当時土佐は鬼国と呼ばれ、同じ人間の住むところではないぐらいに考えられていたようだ。しかし、菜々は二つ返事でOK。進んで土佐に行くのだった。

物語はその菜々が元親のもとに嫁いだ時から始まります。
野望に燃えて破竹の進撃を続け、土佐から四国全土を手中に収めかけ、天下を夢に見た元親が信長や秀吉の前に夢破れその生涯を終えるまでを描いてあるのです。

読むと天下を取るような人物ではないのに、天下を夢に見て信長や秀吉に翻弄された哀れな武将…というイメージ。前半の生き生きとした常勝武将のイメージから一転して急落する後半は同情してしまって泣けた。
元親がはじめて京に上ったときの話など、(あまりの文化の違いにビビってしまう)滑稽過ぎて悲しかった。わたし自身が田舎モノだから「田舎モノで悪いか!!」と元親に激しく同情してしまった。
今とは違い情報伝達の行き届かないこの時代なのだから仕方がないのだけど、土佐の文化のお粗末さに打ちのめされるような主人公が本当に哀れ。
天下を取るには東海道筋に生まれていないと駄目だと嘆く主人公の心情や、他の土地と比べた土佐の独特の風土に育まれた武士の気性、やがて幕末の中心となる藩士たちを生み出す原点がここに描かれており、いちいち興味深く読んだ。

一番最後の島津戦のくだりなどは、涙なくしては読めない。なんでも史上まれに見る激戦だったそうで、その壮絶さに驚いた。そして味方であるはずの仙石権兵衛の大バカ野郎よりも、敵であるはずの島津家の家老、新納武蔵守忠元の礼節に大感動。

なにかが切れてしまい、情熱を失った元親の晩年はただただ哀れとしか思えず、本を閉じる時は感慨に浸ってしまった。
18:12 : [本・タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(0)

ぬるい生活/群ようこ

4022501952ぬるい生活
群 ようこ
朝日新聞社 2006-08

by G-Tools



相変わらず笑いました!
年齢を重ねることをしみじみと身近に感じるようなエッセイで、視力の衰えに始まり、皮膚のたるみや女性としては素通りできないことがスパッと書かれてて身につまされることばかりを「そうそう!」と言う勢いのうちに読んでしまう。でも、笑ってしまうんだけど、やっぱりどこかその笑いが乾いてるような気がしたけど。
顔の毛穴が大きくなるとか、縦長になるとか、毛穴が数えられるぐらいくっきりと見えるとか。
そして、今回、印象に残ったのはなんといっても「ホメオパシー」です。
これは何かというと、更年期障害の症状のひどいお友達が受けた一種の治療法なんだけど、「同毒療法」と言ってトリカブトや砒素も使うような治療法を用いるらしい。で、これをお友達が受けて、すごくひどかった更年期障害の症状がかなり改善されたそうだ。ま、お友達はその後の不摂生がたたり(と、わたしが言うのは口幅ったいような気がするけど)症状は戻ったりもしたらしいけど、何度も「ホメオパシー」と言う単語が出てくるので、しっかりと覚えてしまった。
自分にもいつかやってくる更年期。そのときどうなるかは、まだまだわからない。けれども、群さんのエッセイには群さんを含め、いろんな女性のいろんな症状が書かれているので、その時がきたらまたこの本を読みたいと思う。ほんとは「思い出したい」と言いたいけど、覚えてるわけが無いからね。
それと、群さんのごく親しい女性作家が亡くなった時の事が、この本には登場しますが、友達を突然失った喪失感に苦しむ群さんの様子に、胸が詰まりました。死を選んだことについて責めたりせずに「ごゆっくり」と認めてあげたい自分がいたり、その片方で悲しみのあまり体調を崩す自分がいたり…と言うことが淡々と書かれていますが、この文章から群さんの悲しみの深さが伝わり、泣ける。
更年期は延々と続き、50歳もいいものよ、と言われていたけれど自分ではそれほど悪くも無いけど取り立てて「いいものよ」とは言えないという群さん。ひたひたと忍び寄る足音が聞こえる妙齢の自分には人事とは思えず、けれども、ただ怖がるだけじゃなく群さんのような心境に至ることが出来ればいいなーなんて思ったけど、無理だろうなぁ!(笑)
19:32 : [本・タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(2)

なぜ家族は殺し合ったのか/佐木隆三

なぜ家族は殺し合ったのか
なぜ家族は殺し合ったのか佐木 隆三

青春出版社 2005-06-01
売り上げランキング : 23067

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 人はいつから「殺人者」になるのか 殺戮者は二度わらう―放たれし業、跳梁跋扈の9事件 殺人者はそこにいる―逃げ切れない狂気、非情の13事件 その時、殺しの手が動く―引き寄せた災、必然の9事件


ものすごく怖い本。
こんなのを読んだらユーレイも物の怪も吸血鬼も怖くないです。
人間の恐ろしさ、残酷さおぞましさ、そしておろかさと弱さ。余すところなく描かれていた。ほんとに怖かった…。



この事件は「新潟少女監禁事件」が発覚した直後に発覚した「小倉少女監禁事件」です。ニュースでも大々的に報道されたのでまだ記憶に新しいですよね。少女がおじいさんのところに助けを求めて逃げ出して、少女の父親は犯人との同居の末に殺されたと言った事件です。あの時はこの事件がここまで凄惨な事件だったとは知らなかった。本書でも報道の順番を追って、書かれているので最初のうちは何が何やらわからないという状態です。が、徐々に事件の全貌が明らかになるに連れ、読むだけでも胸苦しさを覚えるほどにおぞましく、陰惨で凄惨な事件だと言うことが分かってくる。それはもう、こんなおそろしい犯行が今までに会ったのかと思うほど。例えば大昔だけど「津山30人殺し」などと言う戦後最大の虐殺事件もある。でも、残酷さで言うと断然今回の事件のほうが残酷だと思うのだ。

この事件が残酷なのは、殺されたのは逃げ出した少女の父親だけではなく、犯人の家族だったと言うから驚くではないか。松永太の内縁の妻の緒方淳子。その緒方の実家の、父と母、妹夫婦、その子ども二人…自分の肉親たちを6人、「一家殲滅」に追いやっていると言うこと。また、6人の中でも家族でありながら松永に操られるままに、暴力をふるったり、その果てに直接手をかけて殺したりもしたらしいのだ。

そして殺した上に、死体をバラバラにして処理していること。
特に、発見された少女はその殺人や死体処理を強要させられており、その供述が本文中に裁判のときの証言と言う形で明らかにされてるのだけど、非常におそろしいです。人間をバラバラにする…、小説ではいくらでも読んできたし、慣れてるかもしれない。だけど、この本での「それ」は、今まで読んできた小説とは格段に違うおそろしさがあった。手が震えるようだった。
脳は頭の天辺を切るのではなく、下あごから…などと言う供述があり、生々しい恐怖に駆られます。

それにしたって、何故そんなことになったのか、それは本書をぜひとも読んでいただきたいのだけど、人間の愚かしさ…たきつけられれば家族でありながらも、疑っては暴力をふるったり果ては殺したり…そこまで落ちてしまう弱い生き物なのだと言うことが分かる。またそれをさせる松永の残忍さには声も出ないぐらいだ。

著者は、この犯人像がオウムの麻原彰晃と似ていることに注目。麻原が部下や信者をマインドコントロールで支配下においたように、松永もまた「虐待」「電気ショック」という暴力による恐怖感を植え付けることで、被害者たちをマインドコントロールしたと言うこと。麻原は殺人は「自分はやってないし、指図もしていない。部下が勝手にやった」と言ったが、この事件の犯人松永太も「家族同士で勝手に殺しあった」と言ったことも似ている点だ。
一番怖いのは、松永太が「実行犯ではない」…ということか。

いかに凄惨な事件でもそれを直視して反面教師として学習するしかないという著者の思いが、事件の凄まじさの前では霞んでしまいそうである。
わたしは事件のルポは好きで割と読むが、ここまで怖いと思ったのは初めてだったように思う。
23:12 : [本・タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(0)

生首に聞いてみろ/法月綸太郎

4048734741生首に聞いてみろ
法月 綸太郎
角川書店 2004-09

by G-Tools


「ほうげつ」綸太郎、だと思っていました^^;。
「のりづき」さんだったのね。しかも、作中人物(主人公)と著者が同じ人なんですね。新鮮でした。
もちろん初読み!!kigiさんにお借りしました。ありがとうございました♪


雑誌のライターをしている主人公の法月綸太郎は、昔馴染みのカメラマン田代周平から写真展の誘いを受ける。その写真展で、田代のファンだと言う川島江知佳と知り合うが、彼女は綸太郎の知り合いの翻訳家、川島敦志の姪だった。
江知佳は高名な彫刻家、川島伊作の娘であり、伊作の石膏像のモデルになっている。そんな話の最中に伊作が倒れたと知らせが入る。伊作が倒れた現場にあった江知佳をモデルにした石膏像は、首がなくなっていたのだ。誰が何のために、首を切り取ったのか?
そして事件は起きた。江知佳が行方不明になったのだ。江知佳の失踪と、石膏像の首がなくなっていることとの関連は???


+++++++++++++++++


登場人物の相関が結構ややこしいかも。登場人物は少ないのだけど、中身の濃い相関を展開していて、最初のうちはメモをとりながら読みました(笑)。
事件が起きて、盛り上がるまでがちょっと長い。はやく事件が起きないかな〜と、不謹慎なことを考えてしまった(笑)。
事件そのものは、残酷シーンに慣れきってる読者にはたいした衝撃はないけど、同時期に読んだ他の作品との類似点にちょっとビックリ。(読んだのは「心にナイフをしのばせて 感想こちら」)
なかなか進展しない捜査にイライラするが、こつこつ積み重ねるタイプの主人公の推理に、読者も徐々に巻き込まれるようにして読ませられる。だんだんと真相に近づく様子は読み応えがありワクワクした。
犯人がわかってみれば、今までまんべんなく張り巡らされた伏線の数々に思い至り、アレはそう言うことか、と言う発見の連続で、気持ちよく騙された感じの清々しさを覚える。
特に犯人は(またしても)全然分からなかったので、ビックリさせられた。犯人と言うか犯人が行った「工作」に驚かされた。
ラスト、皮肉な巡り合わせに愕然とする川島の慟哭が辛い。

でも、どうしても言いたくなる。
そんな迂遠な手を使わず、さっさと自首と言う形で真相を告白すればよかったのに」と。ゴメンなさい!!(笑)
でも、面白かったです!!
11:15 : [本・タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(0)

贄の夜会/香納 諒一

4163246800贄の夜会
香納 諒一
文藝春秋 2006-05

by G-Tools


非常に心惹かれるタイトル。
図書館に予約したのは良いけど、お友達からお借りした本がとってもとってもたまってしまい、飽和状態なので、図書館の本を読んでる場合じゃないんですよ。でも、せっかく順番が回ってきたんだから読みたい。でも、読んでる場合じゃない….この二つの気持ちのせめぎあいの中での読書。結果はあんまり芳しくなく。評判ほどは面白く感じませんでした。

冒頭猟奇殺人事件が起き、捜査に加わる孤独な刑事、そして妻を殺された孤独なスナイパーのふたりが、別方面から犯人に迫っていく。
その途中、スナイパーの手がけるヤクザの抗争がまた、警察にも絡んできて。三つ巴と言うか四巴と言うか、フクザツかつ巧妙にずべての事件が絡み、緊迫感のなかにも刑事スナイパーの背景描写がまた読ませる。ふたりの孤独感がひしひしと伝わり胸打たれもする。

ただ、犯人の設定が、世間を恐怖の渦に巻き込んだとある事件の犯人像をそのまま使ってて、ちょっと違和感があったかも。あと心理学者が登場して薀蓄を垂れたり分析したりするんだけど、そこの描写が長くて飽きたのとちょっと真実味が薄かったかな。でも、多分読み応えはあったと思う。途中でやめようかと思ったけど、最後まで読んでよかったなぁと思えた。

ただ、猟奇ミステリーとハードボイルドの融合と言う感じだったけどわたしはハードボイルドの部分は余分だったかも。
とにもかくにも気もそぞろに読んだのであんまり良い感想文も書けず(あ、関係ないか)申し訳ないです…。
22:37 : [本・タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(0)

2億円の女/垣根涼介

4104750018君たちに明日はない
垣根 涼介
新潮社 2005-04-01

by G-Tools


↑ これは未読なのですが、毎度おなじみ(?)『回覧雑誌』でやって来た『小説新潮』5月号にて、この『君たちに明日はない』の続編が連載開始されました。(回覧雑誌なので情報が遅いのです)
これが読み始めたら結構面白い〜。主人公はリストラ請負人の真介です。デパートのリストラを推進してゆく仕事を任されてます。
巷で人気の『君たちに…』を読んでないんで比べることが出来ない。ひょっとしたら劣るのかもしれない。
でも、この主人公、ツボです!!
恋人がいますね。その恋人への態度とか、感情とかの描き方がうまーい♪
こんな恋人が欲しいな…と、すっかりリタイアのわたしにも思わせるオトコマエ。ジャニ系の優男らしいけど、それはわたしの好みではないけど、それでも全体像がすごく好み♪
 ...続きを読む
00:13 : [本・タイトル]な行トラックバック(0)  コメント(2)

25時のイヴたち/明野照葉

440853489725時のイヴたち
明野 照葉
実業之日本社 2006-03

by G-Tools


決して読後感が良い本ではない。
人間の(女の)心の暗部を描いてあるといえば良いかと。


+++あらすじ+++

飯野真梨枝、専業主婦39歳。
堀川理沙、仲間と広告代理店のような会社を経営してる37歳。
なんの問題もなく、一見幸せそうに見える二人は、それぞれ悩みを抱えていた。
片方は「不感症」もう片方は「味覚障害」。
そんな、何の接点も持たない二人が、とあるアングラサイトに出入りし始めたのをきっかけに、急接近して、そして、二人は実際に会うようになるのだけど…。

+++感想+++

物語は、アングラサイトにはまった二人の女の視点で進められていく。
特に、大きな事件や殺人が起きるわけでもないんだけども、「なんとなくミステリー」という感じです。

どっちかというと山本甲士さんの「とげ」「かび」「どろ」みたいな分野でしょうか。でも、山本さんの作品がどこか、爽快感があるのに対して、こっちは爽快感なんて全然ありません。かといって先日読んだ「砂漠の薔薇」みたいな忌まわしさが付きまとうわけでもない。

都合よすぎる展開にちょっと白けさせられたのと、サイトへの書き込みや受け応えの描写が長くて飽きたのとを除けば、結構面白かった。主人公たちへの感情移入とか、同情とかは全然感じられなくて、好感すら持てなかったんだけど、それでもなんかグイグイ読めた。
ということで、わたしはこの手の作品は、「どちらかといえば」好きです。

とりあえず「爽快、という言葉の対極にあるような読後感」とでも…。
Amazonさんの「インターネット社会の闇をえぐる、驚愕の書き下ろしサスペンス」ってのは、ちょっと大げさだよねぇ…。

ちょっとネタばれ↓
 ...続きを読む
15:01 : [本・タイトル]な行トラックバック(1)  コメント(6)