2010'09.13
贖罪 (ミステリ・フロンティア) 湊 かなえ 東京創元社 2009-06-11 by G-Tools |
湊かなえさんの3作品目ですね。
「告白」が社会的なブームになって、2作品目の「少女」はそれほど評判も良くなくて、「贖罪」では手法を「告白」と同じように戻してみた・・って感じかな?と思うんだけど・・・。
「告白小説」というジャンルでしょうか。
たしかに「少女」よりも面白かったなと思いました。
田舎町で起きた小学生の殺人事件、被害者の友達が15年後に新に悲劇に巻き込まれると言う、ちょっと偶然に頼った設定だと思ったけど、面白かったです。ぐいぐいと読みました。
女同士の確執が随所に散りばめられているので、女同士のドロドロしたものがつまりは主人公?みたいな。
このひと山岸凉子あたりを結構読んでるんじゃないだろうか?と思ったのですが。
サクサク読めてグイグイ引っ張られて、あっという間に読了したけど・・印象には「告白」ほど残らないかな~~。でも、設定としてはすごい!よくこんなイヤな事件を考え付きますよね。
エグすぎ・・・(^_^;)
と、思ったんだけど、結末的には「告白」よりも「贖罪」のほうがすごいですよね。
贖罪って「罪滅ぼし」って意味だけど、彼女がやったことは「贖罪」って言うよりも「断罪」だったんじゃないかな?事実を聞かされた「犯人」がどうなったか・・・本文中に書いてあったっけ・・?
読み逃がしたのじゃなかったら、確か、それは書かれてなかったと思う。
だから、読者の想像に委ねられてるわけですよね。
まぁ自分がこの犯人だったら、まともな人間だったら生きていかれないですよね。
さらっと読めるので、さらっと流してしまいそうだけど、実際、本当に胸糞が悪くなるような結末です。
ここまで書ける著者の勇気に脱帽ですね!
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贖罪ではなく、断罪に同感。
どの話もまさかの展開。
罪の連鎖、どこまで続く?結末はどうなるかと、目が釘つけになりました。
「告白」同様、身近にありそうな話(出来事)+語り口はホラーより怖いかも。
私のお気に入りの一冊になりました。
ドロドロのヒューマンドラマ+恐怖は、確かに山岸ワールドかも。人間に心理をえぐっているところも、フランス人形、空気がきれいな田舎町、別荘など、ホラーの世界にもっこいと思いました^^
「少女」はまだ未読だけど、イマイチならスルーしようかな。
2012/07/27(金) 21:06:17 | ラム │ URL | [編集]