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【映】ボヘミアンラプソディ



ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック) [ クイーン ]

超話題作『ボヘミアンラプソディ』を劇場に見に行きましたよ。
クイーンって全然知らないのですが(有名な曲はもちろん聞きかじっていますが)これだけ評判がいいので、行ってみました。
もちろん、当時からクイーンのファンである方々に比べたらぜんぜんだと思うけれど、それでもとても感動したし、映画作品としても面白かったです。
やっぱり音楽っていいなーと思いますね。
特にライブ部分は鳥肌が立つほどの感動でした。
これは大画面で見てこその感動ではないかと思います。
当時からファンだった方々にはたまらないだろうなぁと思いました。

とくに有名な曲しか知りませんでしたが、こうして聴いてみると、ほんとうに多彩な感じですね。

主演のラミ・マレックってひと、知らないなぁと思ってましたが、『ナイトミュージアム』でエジプトの王様を演じた人なんですね。
恋人のメアリーを演じたのはルーシー・ボイントン。彼女は『シング・ストリート 未来へのうた』という、こちらもバンドを始めた少年の憧れの彼女で登場していました。この映画もとてもいいんですよ!
あとのバンドの人たちは、ベース担当役のジョゼフ・マッゼロしか知りませんでした。
しかし、この4人があとで本物のクイーンの映像が流れるんだけど、そっくりでびっくり!
とくにフレディは、役作りのメイキング映像を見てみて、その作り込みがすごくて感心しました。
オスカー候補になると言われているそうですが、納得でした。

どんな人にも人生はドラマティックなんだと思うけれども、こんな風に成功して、世界規模で大勢のファンを獲得してきたクイーンというバンドのボーカルとは、ほんとうにすごいドラマがつまっていました。
映画がそのすべてを語っているのではないでしょうから、本当に本人の人生とはどこまでもドラマティックなのでしょう。
たった41歳でなくなってしまったなんて、本人もファンも無念なんて言葉では足りないでしょう。
短くも激しい、花火みたいな人生だったんだなぁ。




以下はネタバレ感想です。
未見の方はご注意願います。

事実と違うことがあるのかもしれないけれども、この映画の内容についての感想です。


一番印象に残ったのは、メアリーとの関係でした。
フレディは最初は無自覚なんだけど、ゲイでした。
メアリーのことを心底愛していたのに、肉体的には男が好きなのです。
メアリーもフレディを愛してはいたでしょうが、ほかの男性と結婚して子どもを産みます。
それがフレディにとってとても苦しいことでした。
苦しむフレディの孤独感が切なくて哀しかったです。

バンドも売れて成功したんだけど、そうなるとどのバンドもそうだけど、ソロデビューの話が舞い込む。
フレディを利用しようとする輩も出てくる。
また本人も同じことを繰り返していてはマンネリ感や閉塞感もあるだろうし、新しい世界へのあこがれが出てくるのも頷ける。
ブライアンメイに「お前は自分で思う以上に俺たちを必要としているんだ」と言われながらもフレディはバンド仲間の元を去る。
去ってからのフレディがますます孤独になってしまい、周囲から必要とされ、成功して富や名声が得られても、決してそれだけでは人は幸せになれないんだなぁと思ったりさせられました。

大規模なチャリティコンサート『ライブエイド』への出演を決め、そこに向かってバンドの結束を取り戻す。
同時に、それまでは特定の『恋人』を持たなかったフレディはジムという恋人を得る。
今度こそやっとほんとうに幸せになるのかと思いきや、病気の発覚。
しかも当時は死の病として恐れられたエイズです。

ライブエイドの直前、フレディは家族に会いに行きました。
お父さんは「善い行いをしろ」とずっとフレディに言ってきた人。
お父さんにとってもフレディにとってもライブエイドへの出演は父親が言い続けてきた「善い行い」だったのだと思います。
死を前にして(親はまだ知らなかったんじゃないかな?)抱き合う父息子の姿にも感動しました。

ライブエイドのシーンは、往年のファンじゃなくても感動しましたね。
特に最後の歌『We Are The Champion』はトリハダもの。

この映画を見た人はおそらく皆さんそうするんじゃないかと思うけど、私もご多分に漏れず、クイーンの動画やこの映画の関連動画を漁っています(笑)

リアルタイムでクイーンを聴きたかったと思うけれども、聴いてもきっとハマってないだろうな(^^;
(当時の私には理解できなかっただろう)






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23:58 : [映画タイトル]は行トラックバック(0)  コメント(0)

【本】コンビニ人間/村田 沙耶香


コンビニ人間 (文春文庫) [ 村田 沙耶香 ]

2年前に芥川賞を受賞した『コンビニ人間』を読みました。
芥川賞って私は苦手な小説が多かったので、だいたいスルーしていましたが、おススメがありましたので読んでみましたが、芥川賞の割には(と言うと失礼ですが…)とても読みやすい小説で、尺も短いしですぐに読めました。
面白かったです!
(以下は内容に触れています。未読の方はご注意願います)

主人公恵子はどうも、なんらかの発達障害的な問題を抱えているように思われます。
まず、小学生の頃のエピソードで、小鳥の死骸を見て「おいしそう」と思い、食べようと本気で考えるシーンがあります。
普通はその場合、死んだ小鳥の命について哀れに思うものです。
あきらかに普通と違う反応の恵子。
しかし、ここで恵子は、小鳥を埋めて作った小さな墓に、お花を飾る同級生たちに疑問を抱いています。
花の命は可哀想ではないのかと。
恵子から見たら、みんなが花を「殺している」ように見えたのです。
このエピソードは結構衝撃で、大きな問題を突き付けられた気分がしました。
普通ってなんだろう。
いつも普遍的に考えているつもりの、そんな疑問が常に、読んでいる間中浮かんできました。
たしかに私も花を折り墓に手向けたり、生け花として飾ったりします。
あ~私も花を殺しているわ!と。
そのとき、いちいち花の命をいただいていることに思いをはせたりしませんので…。ご飯を食べるときは「いただきます」と言いますけれども、花を折るとき「いただきます」とは言いません。(きっとお花を好きな方はそう思いながら摘んでいると思いますが)
生きとし生けるすべての命は平等で尊い、と口では唱えていても実際には思ってないと、今更気付かされた感じ(^^;
主人公は自分のその考えや生き方が、家族をも困惑させ心配をかけるので、一生懸命社会に溶け込むように努力しています。
その結果がコンビニ店員として働くことでした。
身近にいるひとの物まねをしたりしてなるべく「普通」であろうとする恵子のすがたに、「普通」ってなんだろうと思わされます。
普通じゃなくてもいい、人はみんな違う、違いを認め合う世の中であってほしい、金子みすゞさんの詩にあるように、「みんなちがってみんないい」と、差異を認め合う世の中であるように。
そう願っているつもりでしたが、恵子のように、ひとは「普通」であろうと努力しているよなぁと。
多かれ少なかれ、人は自分が普通であるように、努力している。
ちょっとははみ出して異端の振りをして見ても、それは「普通」の範囲内のことではないか?
その枠を超えてしまうと、「サイコパス」なんて言われてしまうのではないでしょうか。
みんなちがってみんないいと言ってもサイコパスはちょっとねぇ…(^-^;と、思ってしまう自分がいます。
サイコパスと言うほどでもないけれど、かなりの異端児が恵子のほかにも登場します。
他人を蔑み見下しながらも、その人たちほどの甲斐性もない自分を一生懸命正当化しようとする、矛盾を抱えた人物です。
自分の身近にいたら相当うっとうしいキャラですが、読んでいる分にはちょっと面白い人物でした。(かなりイライラさせられるんですけどね)
この人物によって、恵子の一生が決定づけられるのですが、恵子が選んだ(極めた)その生き方は結局周囲からは理解されない「普通ではない」生き方と言えます。
それを認められるか否か。
いや、本来なら、理想で言えば「認める」べきですよね。
でも、恵子は妹の赤ちゃんが泣いているときにも、泣きやませる(静かにさせる)だけならとても簡単だ、と平然と思ったりするのです。それが怖く感じてしまいました。
まさかその方法を実行した結果を、想像できるだけの「分別」は身についているんだろうなと思うんですが(身についていなかった子ども時代はそれで問題を起こしてきました)、そうすると「分別」ってなんだろう…とやっぱり思ってしまい…
自分が恵子の家族なら、本当に恵子の生き方を認められるんだろうか?と思ったり。
短い中でいろいろと問題提起された小説でありました。





18:31 : [本・タイトル]か行トラックバック(0)  コメント(2)

【写】六華苑と諸戸氏庭園へ(その1 六華苑)


昨日はネットを始めたころからのネッ友さんが愛知県からいらして、いっしょに桑名市の名所、六華苑に行ってきました。
六華苑は、(公式HPはこちら

二代目諸戸清六の邸宅として大正2年(1913年)に完成しました。本苑には、鹿鳴館の設計で有名なイギリス人建築家ジョサイア・コンドル設計による4層の塔屋をもつ木造2階建て天然スレート葺きの洋館、和館や蔵、池泉回遊式庭園などがあります。和洋の様式が調和した明治・大正期を代表する貴重な文化遺産であり、国の重要文化財に指定されています。また、庭園は国の名勝に指定されています。現在は、一般公開され、人々が語らい、憩い、交流する空間として、また、文化を創出する空間として多くの観光客でにぎわっています。



↑市のHPからコピペ!
最後の一行はどうかと思うけど、映画やドラマのロケで結構使われていまして
とくに、韓国映画の『お嬢さん』では多用されていました。
ネッ友さんも私と同様韓ドラが好きなので、その映画を見て興味が湧いたとのことです。

(原作はサラ・ウォーターズの『荊の城』なんですよ!)

↓ 六華苑内にも展示してありました。
でも地元では上映がなかったと思う。
あったら見に行ってたよね…。

この映画に出てきた六華苑と、実物は結構外観が違います。
ほかの作品でもありそうだけど、CGなどで外観を変えているんですね。たぶん。

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ほかにも最近では、三谷幸喜監督のドラマ『黒井戸殺し』や、NHKで制作されたドラマ『悪魔が来たりて笛を吹く』(吉岡秀隆さんが金田一)などもここで撮影され、
映画『偉大なるしゅららぽん』や『人間失格』『スパイゾルゲ』『赤んぼ少女』などのロケ地に。
ドラマもいくつか使われいています。
来年の大河ドラマ『いだてん』でも撮影が行われたとか。

洋館と日本家屋がくっついていて不思議な姿をしています。

まずはエントランス。
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この塔が特徴的
RKE (24)

受付
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このあと、日本家屋のほうに行ったんですが、じつはなんと、全部ピンボケしてて、アップできる写真がないのです~~。
哀しい(^-^;

で、洋館のほうをレポしますね。

エントランス
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RKE (11)
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各部屋には素敵なアンティーク家具が置いてあったけど、当時のものではなく、展示のためにそろえたものもあるらしい(^^;
RKE (22)
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各部屋に必ず暖炉がありました。
RKE (19)



消し炭入れかと思います。
RKE (18)



天井の細工が凝っているとか書いてありました。
RKE (17)



丸い塔の中はこんな感じ。
RKE (12)


出窓
RKE (16)


スイッチ!
RKE (13)

ドアとかドアノブとか。団体客とか(^^;
RKE (21)



次は二階へ

二階は私的なお部屋だったようで
女中部屋とかもあったけど写真なし(^-^;
北向きの寒そうな殺風景な部屋でした(^^;
暖炉はなし(笑)

これは当時の諸戸さんが使ってたものだと思います。
旅行鞄とスーツケース。
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まさにスーツケースですよね。
重たそう!
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このお部屋には押し入れというか
クローゼットがありまして
2017112122.jpg

こんな感じ。
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ここに書いてある通り、諸戸清六さんという人は江戸末期から明治末期まで生きた人で
家督を継いだ時にはとんでもない借金があったけれども
それを完済し、なお全国で一番の大地主にまでのぼりつめた人です。
桑名市の治水事業を私財で行ったとかで、子ども時代に教科書で学ぶ地元の名士です。
むかしは、桑名市から伊勢参りを一歩も人の土地を使わず、自分の時を通って行ったとかで、
私が聞いていたのは、流行に乗って乱立したボウリング場が流行が去るとともに
軒並みつぶれた後も、諸戸さんの経営するボウリング場だけはいつまでも生きながらえたとか(^-^;
いまはもうそこはなくて、跡地に公演が作られてますけども。

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二階にはひろくて暖かいテラスがありました。

日本家屋の方面が見えます。
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日本家屋部分とはこうしてつながっているようです。
かなり段差がありました。
2017112126.jpg


外に出ますと、こんな感じで裏からといか
横から見たらまた違う雰囲気のお屋敷、
2017112130.jpg

大きな池があって、池の向こうには庭があり
そこから見るお屋敷はまた風情があるのですが、、、
なんと、植木屋さんが!
池にもビニールで剪定した葉が拾いやすいようにでしょうか?
カバーがしてあって、仕方ないかも知れないけど
無粋!!
残念に思いました(^^;
2017112131.jpg

おまけで、このエントランスに展示してあった桑名の千羽鶴。
2017112127.jpg

これについては、そう言えば以前書いた記事にも登場しています。
こちら


さて、お次は、春秋の限定公開の諸戸氏庭園にも行きました。
広大な敷地内にあるんだと思いますが、
出入口は別。
でも、建物を修復中で見るものがありませんでした(^-^;
せっかく入ったけど入った甲斐がないぐらい。
紅葉にはまだ早かったし、庭は観覧するには狭いし
藤棚があったし、たくさんの花の株があったので
花の時期には美しいんだと思いますが。
一緒にいったお友達に申し訳なかったデス(^-^;

いちおう、写真をアップしますが
いったん今日はここで終わりますね。
次の記事に乞うご期待!!
(いや、期待しないで!)

六華苑と諸戸氏庭園へ その2




11:04 : [そのほか]写真トラックバック(0)  コメント(2)

【写】六華苑と諸戸氏庭園へ(その2 諸戸氏庭園)


六華苑と諸戸氏庭園へ その1』の続きです

六華苑をいったん出て、別の入り口から今度は諸戸氏庭園に入ります。
(別料金です)

もともと木造の蔵があったが火災にあったため、
1895年にレンガ造りで再建された煉瓦藏。
お米の蔵だそうです。
もともと5つ建ってたらしい。戦争で焼けたのだそう。
mk1 (3)

屋敷を修復中なので、この入り口なのかな?
平成20年から修理工事を行っていて、全部完成するのは平成33年の予定だそうです。
100年に一度の修理なんだって(^-^;
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中はねぇ…正直、あんまり見どころは感じませんでした(^-^;
紅葉にはまだ早かったし
菖蒲池も藤棚も、季節になれば壮観だろうけど、季節外れ。
同行のお友達に市民として申し訳なかったです。。

写真だけぺたぺた。
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菖蒲池
たくさんの株がありましたが…
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推敲亭
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以上で、諸戸氏庭園のレポは終わり!
私たちが園を出るとき、観光客らしき人が、
この庭園だけ見て、
六華苑は見ないようなことを言ってチケットを買おうとしていたので
(共通チケットというものがあるので)、
つい「六華苑にも行かれたほうがいいですよ」と、
おせっかい焼いてしまいました(^^;
六華苑だけ見て、諸戸氏庭園をスルーするならわかるけど、
その逆は無いでしょう(^-^;
どうされたか、知りませんが。。。

市内に住みながら、この名勝には実は初めて訪れました。
今回、機会を得て訪れました。
誘っていただいて感謝しております!
ありがとうございました(*^-^*)



六華苑の外には、揖斐・長良川の河口が広がっています。
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伊勢大橋です
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長良川河口堰も見えます。
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最後に、なんとかゲットした六華苑でのモミジ写真をぺたり。
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今回はピンボケ写真多数でできたらまたリベンジしたい気持ちです!

最後までご覧いただき、ありがとうございました!








18:06 : [そのほか]写真トラックバック(0)  コメント(2)

【ド】乱反射

乱反射




貫井さんの原作が大好きな作品。
たいへん見応えのある面白いドラマになっていた。
正味一時間半という尺の中に、きっちり原作のコンセプトや持ち味が生かされていてとても満足できた。
例によって原作をきちんと覚えてないんだけど(^^;
ドラマを見ていたら、思い出しました!!
出演した役者さんたちの演技も確かなもので、とくに妻夫木聡くんはその、変わっていく表情が見もの。
原作を読み直したくなる。

自覚があってもなくても、悪意があってもなくても、良かれと思ったことですら、もたらす影響と結果はかならずしもいい事ばかりではなく、自分にも誰にも計り知れない。
人間は自分ではどうにもならない因果関係の中で生きているのだということが思い知らされる。(というのが私の原作の感想の一部。ドラマからも充分メッセージを受けたので引用した)

ラストは優しい光とチクリとする闇が同時に描かれて、人には必ず両面があると言っているようで巧いのである。

貫井徳郎さんはもともと好きな作家さんでよく読ませていただいています。
先日も、フジテレビ→WOWOWでドラマになった『犯罪症候群』も、面白かったデス。
元ネタの症候群シリーズは私が貫井さんを好きになったきっかけとなる小説でした。
『愚行禄』『空白の叫び』『灰色の虹』など傑作を書かれています。



このドラマ、メ~テレ開局55周年記念に制作されたドラマらしく、メ~テレって言うのは名古屋中心のテレビ朝日放送の地方局です。録画するつもりでいたのに忘れてしまって(^^; ツイッターで呟いたら親切なフォロワーさんがダビングして送ってくださいました。感謝感謝です。

評判が良かったのでしょう。
再放送が決定したようです。
10月19日(金)深夜1時34分~再放送決定!

みなさま、お見逃しなく!!

番組ホームページはこちら

00:46 : [そのほか]テレビやドラマトラックバック(0)  コメント(2)

【写】秋の空

今日は夕方に買い物に行こうと外に出たら空がとってもきれいでした。
慌ててカメラを取りに戻り、それから近所のスーパーに。
うちの家から見る空よりも、スーパーの駐車場から見た空のほうが広くてきれいだから。
でも、たった3分だけど、時間的にはうちで見た空のほうがきれいだったなぁ(^^;
一分一秒で変わってしまう。
刹那的な美しさが切ない秋の夕暮れです。

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今日は風もなく、空も青く、絶好のカメラ日和だったんだけど
どうも、秋は春よりも意欲的になれない。
なんといっても、暑いのと(^^;
蚊が多いのが原因です。

コスモス

酔芙蓉
彼岸花はもう枯れてしまったけど
秋の花がきれいな今日この頃、
なのに、
なかなか撮ることができません。

こうして秋が終わっていくのかも。
00:35 : [そのほか]写真トラックバック(0)  コメント(2)

【本】我が心の底の光/貫井徳郎


楽天ブックス


幼いころに強烈なネグレクトを受け、そのことがきっかけで、「人殺しの息子」となってしまった晄。
過去を背負い、成長してゆく過程は孤独そのもの。
そんな晄が大人になっていく間、いろいろ闇の仕事をしていく。
はたしてその行く先にはなにがあるのか。



ネグレクトを受けている当時の思い出を主人公目線で描いてあるけれど、それが幼児の記憶とは思えない描写で、リアリティに欠けた。たしかに昨今ニュースになる虐待のなかには、この物語と通じるものがあり、フィクションとは言いきれないのはわかるけれど、あまりにも感情や言葉が大人っぽいので違和感がぬぐえない。
それから、最後に晄の本当の気持ちがわかるのだけど、そこに行きつくまでにあまりに脈絡がなく、掴みどころがないような感じがして、物語がぶつ切りの印象を受けた。
たしかに最後まで読むと納得できるのだけど、それにしても、物語のための物語すぎて、なじめなかった。
Amazonでの評価が高かったので読んだけれど、残念だった。









18:46 : [本・タイトル]わ行トラックバック(0)  コメント(0)

【懐】風と雲と虹と

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先日NHKのあの日あのときあの番組というドキュメンタリーで加藤剛さんの追悼番組として『風と雲と虹と』を放送していました。
ゲストは加藤剛さんが演じた平将門の妻、良子役をされた真野響子さんでした。
真野さんが語る加藤剛さんの、知的で博識で謙虚で穏やかなところがまんまイメージ通りで、印象的でした。
なによりもご自分のことを何も語らないと。
何かを読んだり体験していてすでに知っていても、それは口に出さず、黙々と与えられた演技をすると言われました。
私なんかちっちゃい体験や知ってることを、言いたくて言いたくて仕方ない人間なので、頭が下がりましたわ。。。(^◇^;)
真野さんとも深い親交があったこともあり、真野さんの加藤剛さんへの尊敬もよくわかりました。
真野響子さんも今でもお綺麗だけど、当時の真野さんはまた美しかった。。
お肌もつるつるのすべすべです。

加藤剛さんはこの年の大河ドラマの主演が決定していて、ぜひとも平将門を演じたいということで、ドラマが決定したとか。
先に主演が決定ていたんですね。
ドラマのタイトルじゃなくって。

平将門は私はこのドラマで初めて存在を知ったんですが、その後もその名は聞くのですが、そのときは「怨霊」だとか「鬼」だとか言われていまして、イメージが違うので驚きました。
その後、権力に反乱を起こして敗れたら歴史上はそんな風に残ってしまうと知りましたが。

ドラマの内容はここでは書かなくてもいいと思いますが・・
番組で裏話みたいなのを聞いたのでメモ代わりに。

・将門と良子は略奪婚
・結婚当日に馬で良子を将門がさらうシーンは吹き替えなし!
当初は吹き替えの予定だったが、加藤剛さんは馬の名手でこの時の馬(ブラッキー)と一心同体で乗りこなしていて、その剛さんに後ろから支えられていて真野さんはぜんぜん怖くなかった。
・加藤剛さんは将門のことを、どんな時代でも変わらない、人によって時によって所によって態度を変えることがない、基本姿勢が一貫していた。それが人間の値打ちだ。だから彼は信頼できる永遠の友人、とおっしゃいます。
・共演の草刈正雄さんは当時大人気モデル上がりの俳優さんで、真野響子さんとは同年だとか。「沖田総司」と言う映画で共演していて、何か月か弟で身近な存在なのであまりかっこいいとか思わなかったとか(^^;
・出演者はほとんど俳優座や民藝など新劇出身の役者たちで、時代を感じるとのこと。

そんなお話のあとでドラマの最終回を流していました。


この『風と雲と虹と』は、私が初めて自分の意志で見た大河ドラマでしたよ。
それまでも親はいつも見ていたので『樅の木は残った』だの『新・平家物語』だの『勝海舟』だの、なんとなく目に入っていて、ぼんやりとシーンや役者さんたちを思い出します。
(ちなみに勝海舟の役者交代はよく覚えてます。渡哲也さんが好きだったのでショックでした)
でもこの『風と雲と虹と』は、私が中学にあがり二年になる正月に始まったのですが、正直いまストーリーを見ても、ほとんど覚えていません(^◇^;)
原作文も画面に写りましたが、パッと見ただけで硬派で格調高く厳めしい文章に見えました。
私にはいまさら原作を読むのは無理だと思います(^^;
でもこの原作本が中一当時同級生の間で回ってまして。
私のところにも順番が来て貸してもらったんですが、当然読めませんわね。
うちでは父親が読んでましたね(笑)
しかも当時風邪で寝込んでて、続きが読みたいので借りてくれ、と言われて同級生のところに借りに行ったのを覚えてますよ。

ま、そんな自分のことはどうでもいい話で、でも語りたくなるのが、この加藤剛さんと顕著に違うあたりですね(^^;


私が大河ドラマを見ていたのは考えて見れば短い間でした。
このあとずっと見ていましたが、最後に見たのは『独眼竜正宗』で、それからは見ていません。
大河ドラマをずっと見ていた父親も、いつの間にかやめてしまいました。
フィクション性が高くなり面白くなくなったんだとか

架空の人物が主人公でも『獅子の時代』などめちゃくちゃ面白かったけどねぇ。
そこでも加藤剛さんが出ておられました。
私が見た中では『獅子の時代』がマイベストの大河ドラマですね。
再放送も見たいから土曜日は猛ダッシュで帰りました(自転車通学)
オープニングも斬新でインパクトありました。


こちらが『風と雲と虹と』オープニング


そして私のベスト2は『黄金の日々』


ベスト3は…なんだろ?『峠の群像』かなぁ。

ま、そんなに内容を覚えてないんだけどね!
また性懲りもなく、自分のことをこれでもかって書いてしまったわ。
お目汚し、失礼しました(^^;
10:43 : [そのほか]テレビやドラマトラックバック(0)  コメント(0)

【本】海がきこえる/氷室冴子

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なんだか唐突に氷室冴子さんの「海がきこえる」を読みたくなるときがありまして
いままでも何度か読み返しています。
今回きっかけとなったのは
↓ このニュースを見たからかな?

氷室冴子: 没後10年記念特集 私たちが愛した永遠の青春小説作家 (文藝別冊)
氷室冴子: 没後10年記念特集 私たちが愛した永遠の青春小説作家 (文藝別冊)氷室冴子 新井素子 飯田晴子 伊藤亜由美 榎木洋子 榎村寛之 荻原規子 菊地秀行 木村朗子 久美沙織 近藤勝也 嵯峨景子 須賀しのぶ 菅原弘文 高殿円 田中二郎 俵万智 辻村深月 ひかわ玲子 藤田和子 堀井さや夏 三浦佑之 三村美衣 群ようこ 山内直実 柚木麻子 夢枕獏

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こちらもすごく興味を引かれますが、でも読みたかったのは「海がきこえる」でした。
夏だしねぇ(^^;
(この記事を書き始めたときは真夏だったんです!)

でも、最後に読み返してから本が行方不明になってしまって(^^;
私が持っていたのは単行本だったんだけど、今回文庫本を購入。
加筆修正されているみたい。
どこが違うのか確かめてみたくて、単行本をもう一度さがしたけど
やっぱり出てこなかった(^^;

私はコバルト世代と言ってもいいのかわからないけど、読んだのはすごく初期ですの。
中学に入ったとき新しく同級生となったひとが、コバルト文庫をいっぱい持っていて
貸してもらって読んでいました。
そのひとは、吉田としさんとか、佐伯千秋さん、清川妙さんなどが好きだったようで
そのひとたちの作品を読ませてもらった記憶がありますが
2年生になってクラスが別れてからは読まなくなりましたっけ。
そんな風にそれほど仲が良くもなかったけど、本を貸してくれるという、
気前のいい、気持ちのいい同級生だったなぁ…。


ちなみに私の中学時代は、近所に本屋はおろか
図書館も電車に乗っていかないと行けなかったし、
本はけっこう遠い存在でしたっけ。
学校の図書館には読みたい本は無いって言う感じだったし。

閑話休題

そんな私は、氷室冴子さんはコバルト文庫では読んでなくて、
「海がきこえる」もアニメを見たから原作を読んだのだと思います。
読書メモによれば、1997年に読んでまして
それが氷室冴子さんの作品を読んだ初めてだったのです。

それから(大人になっていたので)図書館にある本をちょくちょくと読んでいたけど
膨大なコバルト文庫等の作品をほとんど読んでいなくて
ネットを始めて、ネットを通してお友達になった方に
たくさん、コバルト文庫を貸していただきました。
それでも、氷室作品のほんの少ししか読んでいませんね(^^;
「ジャパネスクシリーズ」
「ザ・チェンジ」
「多恵子ガール」のシリーズ
などなど
エッセイもおもしろいですよね!!


だから氷室冴子さんのファンです
とは、言いにくいのです。
青春時代にコバルト文庫で氷室さんの作品を読んだ人たちには
少し引け目を感じてしまいます(苦笑)

青春時代にコバルト文庫で氷室作品を読みたかったな…(^-^;



前書きが長くなったけど(長すぎ~~)『海がきこえる』は、高知での高校生活と、進学した東京での大学生活を舞台に、わがままな美少女(たち)に振り回される主人公たちの青春物語、という感じでしょうか。
そんな簡単な物語じゃないんだけど(^^;

主人公杜崎拓は松野という親友がいて、成績もそこそこで、先生たちに媚びを売ることもなくプライドを持って、それなりに充実した学校生活を営んでいた。そこに突如東京から、里伽子という美人で成績もよくてスポーツもできる、まぶしすぎる転校生が来ます。
なぜか転校生とかかわり合いを持ってしまう拓。
やがて里伽子を好きになった親友松野との友情にひびが入り…

順調だった学校生活は望まずとも里伽子の出現によって波乱を強いられてしまいました。
そんなほろ苦い思い出を抱えての上京。
拓はそこで偶然里伽子に再会します。

拓の学生生活もみずみずしく描かれ、里伽子のほかにも年上の美女に絡まれてしまい、飽きることがないいろいろな出来事が次々起きる…と言っても突拍子のないことでもなく、等身大の若者の姿が描かれ、なんだか学生時代に戻りたいなぁと思わせられる作品です。

拓は、当時はその言葉はなかったけれども『草食系男子』です。
恋愛小説という側面がありながら、その手の部分はほとんど描かれていません。
だいたい、いつの間に拓と里伽子は、おたがいに名前を呼び捨てし合う仲になったんか??(^^;
友達以上、恋人未満(懐かしい?)そんな感じの関係が、物足りない人もいるかもしれないけど、私は心地よく読めました。

小説は雑誌アニメージュに連載されたそうです。
1993年 単行本化
1999年 文庫化
そのつど加筆修正がなされているようですね。
Wikipediaに
【1993年の単行本化の際には、作者による編集が加えられ、拓と里伽子が高知城前でキスするシーン、拓と里伽子、松野と知沙が四万十川へ泳ぎに行くシーンなどが省かれた。1999年の文庫本化の際には、時の流れによるヒット曲などの変遷(例えばWinkから安室奈美恵へ)により現実と小説にギャップが生じたため、当時の状況に合わせて作者による修正が加えられた。】
キスシーンがもとはあったのか!!
今初めて知ったぞ(^^;
私はないほうで読んでたから、キスの一つもなくて潔い小説だなぁと思ってた。
削ったのか~~。なんでやろ?でも、ないほうがいいな。(^^;
ふたりのそういうシーンは今となっては想像もできない。
カラオケのシーンも文庫で「アムロ」になってるから驚いた。
アニメージュだけに「ガンダム」のことかと思ってしまった(笑)
あと、文庫版のあとがきにマンションの値段を変えたとありましたね。
バブルのころのとんでもない値段をそのまま使えなかったとのことでした。

懐かしい。
ノスタルジーな小説です。
単行本、出て来たらいいのにな(^^;







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【本】あん/ドリアン助川

4591144895([と]1-2)あん (ポプラ文庫)
ドリアン助川
ポプラ社 2015-04-03

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どうしてこの本を読もうと思ったのかな?
何らかのきっかけがあったはずなんだけど思いだせません(^-^;
表紙は女子生徒。でも女子生徒の物語ではありません。
だいじな登場人物ではありますが。
どら焼きを持っています。
どら焼きは重要アイテムでした。

じつは映画の「あん」の存在は知っていました。
そのころ私のポンコツになった読書向きのアンテナにも「和菓子のアン」という本が引っかかっていて、映画の「あん」は「和菓子のアン」の映画化作品だと思い込んでいました。作者も全然違うんですよね(^^;
でも、こちらの「あん」もたしかにどら焼きという和菓子の話だし、ややこしいと思うのは私だけでしょうか?(^^;

話を戻しまして(閑話休題ってやつ)

内容を全然知らずに読んだのですがとてもよかったです。
人生に挫折して(と一言では言ってはいけないと思いますがあらすじとして)どら焼き屋をやっている主人公の仙太郎。
あるとき見知らぬ老女がやってきて、どら焼きの餡を作って、自分をここで働かせてくれと言います。
そんなつもりのなかった仙太郎も、その老女徳江が作る餡子にうなり、いつしか彼女をやとい、その餡を伝授されます。
しだいにお店は繁盛してゆくのですが、とあるきっかけで客足がぱたりと途絶えてしまう。
どら焼き屋をやめ、ほかの店を始めろという店主に、どうしても納得できない仙太郎は、かつての常連のひとりであった女子高生とともに、徳江を訪ねます。
徳江の住んでいる所は…。



ネタバレになりますが…



徳江はハンセン病だったのですね。
ハンセン病とネタばらしになりますが、それを言わないと感想も書けないし、そもそもだいたいがあらすじでそれを言ってしまっていますね(^^;

ハンセン病はほんの少し学習したことがありますが、それはそれはつらい病気だったのですね。
辛いのは世間の差別です。
ハンセン病患者が出たと判明すると、その家は一家離散もありえたぐらい、家族中が差別されたのです。
北条民雄の「いのちの初夜」でもわかりますが(その北条民雄の人生を描いた高山文彦「火花」にも描かれていますが)
ハンセン病と判明すると強制隔離です。
どんな幼い子どもでも、家族からはなされ療養所という名の強制収容所に隔離されます。
その後の扱いは、本書「あん」でも徳江の人生として描かれていますのでここでは言いませんが、ほんとうに壮絶で過酷な人生が待っていました。
どなたであれその体験談を聞くなり読むなりすれば、それはそれは涙なくしては聞けないのですが、その苦しみのもとである「差別」をしてきたのは間違いなく「私たち」なのですよね。
そしてここがまたすごく惨いことなのですが、ハンセン病に対する一般の知識や認識は間違っていたのです。
ハンセン病は感染率も低く、ほとんど感染しないそうです。
遺伝もしません。
発病しても抗生物質で完治します。
19 9 6年に「らい予防法」が廃止されるまで、国の誤った政策は改善されませんでした。
しかし「らい予防法」が廃止されても人々の無理解は続き、患者(完治しているのだから元患者と言うべきですね)の苦しみは続きました。
間違った知識、間違った国策によって苦しめられた人たち。
今もその苦しみが続いています。
徳江もそういう苦しみを背負って生きた人です。
それは惨いと思いますが、さて、自分だったらどうでしょうか。

先日遠藤周作氏の「沈黙」の感想を書きまして、それで思いだしたのですが、遠藤氏の書物の中に(どの本だったか覚えてないのですが)若いころの体験談(だったかな?)として、ハンセン病療養所の慰問に行った時のエピソードが挿入されていました。
慰問チームと療養所チームとで野球をしたというのです。
筆者は1塁を守っていました。
療養所チームが打ち、塁に出ます。
守りのメンバーがボールをとり、一塁に送球。
キャッチして走者にタッチ…が、一瞬ためらってしまったというのです。
触ったら感染する。と言う恐怖に一瞬でも駆られてしまったのです。
その一瞬の恐怖を、そのランナーは見逃しませんでした。
「タッチしたことにしてあげます」みたいなことを言われたとかなんとか。
その若い日の体験が遠藤氏のなかでずっと残っている…うろ覚えですが、そんな内容だったと思います。
それが私たちの姿なんだと思います。

「あん」の中でも、徳江がハンセン病だったと知って敬遠する客たちや、やめさせろと言う店主がいます。
彼らを薄情だと責められません。
自分がその立場ならそうしたのではないでしょうか?

差別は、自分には関係ないと思っているうちはなくなりません。
誰にも差別心があります。
そこに気付かないと何も始まりません。

この「あん」という小説はそれを教えてくれています。

仙太郎は優しい誠実な人物です。気弱な一面があって徳江に押し切られバイトに雇ったり、女子高生に店で騒がれても何も言えず、店主と徳江の板挟みになって困ってしまう、そんな仙太郎が好ましいです。
その仙太郎が徳江との出会いによって再生していく姿も感動的です。
押し付けがましくなく自然体で、ハンセン病に対する思いを表現してあるので、ハンセン病のことを知らない人たちにも良い入門書みたいな役割もあると思いました。

なによりも人生そのものに対する優しさが描かれていると思います。
どんな病気でも、どんな失敗をしても、どんな人間にも、生きていく権利がある。
どんな人にも命は尊いとつたえてくれる、そんな物語です。
仙太郎にエールを送りたくなりますが、それは自分へのエールにもなるような気がしました。

読んでよかった。
ありがとう。









01:11 : [本・タイトル]あ行トラックバック(0)  コメント(4)

【本】沈黙/遠藤周作

沈黙 (新潮文庫)
沈黙 (新潮文庫)遠藤 周作

新潮社 1981-10-19
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先日、マーティン・スコセッシ監督の映画版「沈黙―サイレンス―」を見て、4度目の再読をしました。
(ネタバレを含みます)
こういう所に拘ったらダメなのかもしれないけど、言葉の壁はどうしたのか?と今回初めて思った。
映画版では日本の江戸時代の百姓たちが英語をしゃべっているし、原作本では書簡を認める主人公ロドリゴが、長崎地方の方言を使っているという不思議。その当時の日本人が百姓に限らず英語(ほんとはポルトガル語)をしゃべれるとも思えないのはもちろん、日本に来て間がないポルトガル人宣教師に方言まで正しく使えるとも思えず…
そんなことを言ってる感想は見たことがないけども…(^-^;
どうして拘るかというと、信仰とは各宗教によりそれぞれの教義があるはず。
その教義を正しく理解するためには、師の教えを聞かなくてはならないと思う。
聞くためには、言葉はとても重要だから。
禁止されても、自分の信じる神を、命をかけて信仰する彼らの姿は尊いとは思いますが、本当にその教義を信じ得たのかなぁなどと疑問にも感じてしまうのです。そこは殉教ということを考えたら根本問題なのではなどと思ってしまう。
潜伏していた彼らは、師の教えに触れることができたのか?
師の教えを聞くことができなければ、信仰は自己流のものになりかねないのではないかな?と思うのです。
特段調べ物をしたわけでもなく、自分なりの勝手な憶測で書いていますので、ご了承ください(^^;
しかし、この小説の中にも、ロドリゴが疑念を抱くシーンがあるのですよね。
隠れキリシタンたちは司祭との出遇い、告解などの機会に飢えていました。
求めて求めて、噂を聞けば危険を冒して遠方からロドリゴたちに会いに来る。
そうした信者たちは、十字架やメダイユや聖画などを欲します。
そこでロドリゴは自分のロザリオを解いて、ひとつぶずつ信者たちに与えながら「何か間違っているのではないか」と不安に思うのです。
のちにイノウエやフェレイラが日本の宗教観をロドリゴに語りますが、
日本人は「神の概念をもたなかったし、これからももてないだろう」
「日本人とは人間とは全く隔絶した神を考える能力を持っていない。日本人は人間を超えた存在を考える力を持っていない」
「日本人は人間を美化したり誇張したものを神とよぶ。人間と同じ存在を持つものと神とよぶ。だがそれは教会の神ではない」
ロドリゴにとっては青天の霹靂です。
頑なに踏み絵を拒否して死んでいった信徒たちも、そしてこの国で命を危機にさらしながら布教活動した自分も
そして死んでいったガルペは…。
「言葉の壁」があったために、先人(宣教師)たちが正しい教義を伝えられなかったのではないかと反論する場面もあるんですが、それにしても日本人はデウスを大日と名前を変えてしまって自分たちの神様を作り上げてしまっている、たとえ言葉を正確に伝られたとしても日本人にはわれらの神を理解することはできなかっただろうと、言われてしまったり。
本書の中でロドリゴやフェレイラが日本人のキリシタンを解釈、納得したように、遠藤周作氏も日本人キリシタンをとらえていたのでしょうか。日本では信仰の根は腐ってしまい、育たない。泥沼なのだとかひどいことを言っています。
遠藤氏はそう思っていたのではないでしょうか。
ロドリゴは最後には、自分の信じる神は、教会が信じる神とは違うものだと思います。
日本人には日本人の信じる神がいて、自分にも自分の神がいる。
そしてその神は「いいんだよ、踏んでもいいんだよ。踏まれるために私はいるのだよ」と話しかけてくれます。
「沈黙」というタイトルとは真逆で、神は「いいんだよ」と語りかけているのです。
私は4度目の読書ではじめて「本当は遠藤氏は何が言いたかったのかな」と思いました(^^;
読んでいるこちらに、お前なら転ばずに死ぬことができたか?
キチジローとお前に違いはあるのか?
という問いかけもあったと思うし、日本人の宗教観を嘆くというと言葉は悪いけど諦観する気持ちもあったのかなと思うし、
なによりも、神は我々と一緒にいるんだと言ってるのかなと思います。
私個人としては、その教義を守らなかったら、その信仰を守っているとは言えないのではないかと、
独自の解釈では本当の意味の信仰とは言えないと思う気持ちは否めません。
だから結局遠藤氏はこの物語でほんとうに言いたいことは何だったのかなと。
そしてそう言う問いこそが遠藤氏の言いたいことだったのかも?
と思いました。
変な解釈、変な感想だったらすみません(^^;



17:38 : [本・タイトル]た行トラックバック(0)  コメント(2)

【遊】名古屋港水族館

先日、急に思い立って名古屋港水族館に行ってきました。
私にとっては2度目かな?
シャチがいる水族館(国内)は鴨川シーワールドとこの名古屋港水族館だけらしいです。
残念ながらシャチは写真がうまく撮れなくて(^^;
写真なし(^^;

イルカのショーは楽しかったデス。
写真をぺたぺた。
レポの代わりに(^^;

名古屋港の眺め
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ここでイルカショー
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イルカたちかわいいし賢い!
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チンアナゴすきです(笑)
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18:31 : [そのほか]写真トラックバック(0)  コメント(2)

【本】君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)
君の膵臓をたべたい (双葉文庫)住野 よる

双葉社 2017-04-27
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映画を見たので、原作も読みたくなりました。
原作もとてもよかったです。
(原作【も】というのも変な気がしますが)

映画ではもうちょっと寡黙で言葉数が少ない「僕」ですが
原作ではとっても軽妙な会話をするなかなかしゃれたセンスの男子ですね。
たしかに映画版の寡黙なほうがイメージ的には合っていたかも。
だけど、原作の「僕」は心理描写がより多く描かれていていろいろ納得しました。

よくわかっているつもりでも、いつの間にか忘れてしまっていることを思いださせてくれるような物語、
人生はいつ終わるのかは誰にもわからない
明日、明後日、ひょっとして今日、次の瞬間、人生は終わるのかも
そして、人はみな、関係性の中で生きているのだと言うこと、
人と関わり、思い、思われて人は幸せなのだといこと
改めて言われると「わかってます」と言いたいけれども
普段は忘れてしまっている、そういうことを教えてくれる物語です。
人生には限りがある、だからこそ、今が輝くのですね。

それぞれ、原作には原作の、映画には映画の良さがあります。
相手の呼び方なども、原作を読むとより深く理解できました。
呼び方がけっこう重要ポイントだったのです。



以下結末に触れますので未読の方はご注意ください。




映画は、大人になった春樹を小栗旬が演じています。
大人版のエピソードは原作にはない代わりに、さくらの死後、春樹が恭子と友だちになるくだりがあり、私はその点はこちらのほうが好き。
映画版の通りなら、春樹はそれまで相変わらず友だちがいない孤独な人生みたいです。
春樹はさくらとの出会いによって、友だちを作り、明るく前向きに「変わった」はずです。
さくらの望むように、さくらのようになりたいと願ったから、春樹は「変わった」と思うのです。
でも映画版ではそんな感じがしなくて。

性格を変えるのは難しいと思いますが、春樹はすっごく努力した…はず。
恭子やガムを出すクラスメイトくんの存在もきっと大きいと思います。
映画版はその友人たちともつきあわずに大人になった設定なので寂しい。
恭子はまた、結婚式の当日に遺書を見せられ、そこでさくらの不治の病のことを知り、とても混乱したでしょうね。
原作ではちゃんと、桜良の死後すぐに病気のことを聞かされたので、そちらのほうがいいです。
(映画化にあたり、熟考の末の設定なんだろうけど)


共病文庫や遺書の中身は、原作と映画は少々違う印象です。
私は映画版のほうが好きです。
映画版は「春樹と呼んでもいい?」と「遺書」に書かれていて、春樹と呼びかけるように書かれています。
原作では「絶対に名前を呼ばない」と書いていて「君」と、呼んでいます。
私は名前で呼びかける映画版のほうがいいな。
ほかの部分も、さくらが残す文章の全部、映画版のほうが好みでした。

「君の膵臓がたべたい」というタイトルに関しても、映画よりも原作のほうがわかりやすかったし
私は物語の終り方も原作のほうが好きでしたね。

そんな感じで、映画にも原作にも、それぞれに好きなところがある物語でした。

ところで、映画版の桜良役の浜辺美波という女優さん、まだ17歳なんですってね。
『センセイ君主』と言う映画に出てるためブレイクしていますね。
テレビでよく見かけます。
若いのにしっかりした演技力のある女優さんで表情も可愛かったし先が楽しみな方ですね。
12:04 : [本・タイトル]か行トラックバック(0)  コメント(2)